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インタビュー

【KNOCK OUT】津崎善郎「最初からガンガン行く」vs.クンタップ「最高の試合をして、勝つ。そのことだけ考えている」=スーパーウェルター級王座決定戦

2022/11/30 13:11
【KNOCK OUT】津崎善郎「最初からガンガン行く」vs.クンタップ「最高の試合をして、勝つ。そのことだけ考えている」=スーパーウェルター級王座決定戦

第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王座決定戦を争う津崎(左)とクンタップ(C)KNOCK OUT

 2022年12月11日(日)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT 2022 vol.8』にて、第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級王座決定戦3分5R延長1Rで対戦する津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)とクンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 津崎は現ラジャダムナンスタジアム認定ミドル級王者・石毛慎也を師に持ち、2020年9月の新日本キックで同団体のウェルター級王者リカルド・ブラボと引き分けている。REBELS-REDスーパーウェルター級王者の吉田英司とは過去3度に渡って激闘を繰り広げた。2020年12月のREBELSでは渡慶次幸平に判定勝ち。2022年4月のNKBで田村聖に勝利するも、7月のKNOCK OUTではNJKF スーパーウェルター級王者vic.YOSHIに判定負けした。

 クンタップはルンピニースタジアムで2位、ラジャダムナンスタジアムで3位(ウェルター級)まで上り詰めた実力者で、その後は日本で活躍。WMC世界ウェルター級王座、M-1スーパーウェルター級王座、WMAF世界スーパーウェルター級王座を獲得し、新田明臣、白須康仁、石毛慎也など国内トップ選手と数多く対戦。2004年にはアンディ・サワーと対戦したほか、MMAにも挑戦して2005年に矢野卓見、2012年に星野大介と戦っている。42歳で10月のKNOCK OUTに参戦すると、復帰後5連勝の中島弘貴に判定勝ち。戦績は72勝(21KO)18敗9分で今回が100戦目となる。

津崎善郎「KNOCK OUTのベルトを獲りたいという気持ちでは負けない」


 いきなり巡ってきたタイトルのチャンスで、師匠とも戦ったことのある大ベテラン、クンタップと対戦が決定。タイ人とは初の対戦となる津崎だが、それよりもタイトルへの思いが強いという。そんな津崎の決意とは?

──王座決定戦の相手がクンタップ選手に決定しました。そう聞いた時にはどう思いましたか?

「10月大会でクンタップ選手が中島弘貴選手に勝ったじゃないですか。あの時にジム内で、『これは次、クンタップ戦あるかもね』という話は出ていたんですよ。石毛慎也会長がそれを予測して、『あるぞ』と言っていて。でも、まさかそれが王座決定戦になるとは思いませんでしたけど」

──では、クンタップ戦ということより、それがタイトルマッチだということに驚いたと。

「そうですね。前回の試合で負けちゃったこともあって。あそこで勝っていたら、『タイトルマッチもあるかな』と思っていたかもしれないですけど。

──自分では思ってもいなかった流れでタイトルマッチが決まったわけですね。モチベーションの点ではどうですか?

「いや、モチベーションは上がりに上がってます! 流れ自体は意外なものでしたけど、このチャンスは逃せないなと。タイトルには過去2回挑戦していて、今回が3回目なんですけど、一番気合いが入ってます。試合中にケガとかしても、絶対に獲りにいくという気持ちが、今回は一番強いですね」

──その相手としてのクンタップ選手はどうですか?

「クンタップ選手がバリバリに活躍してたのって、2007年とか2008年あたりだと思うんですよ。もう10年以上前ですよね。だから僕としてはクンタップ選手についての知識があんまりなくて。中島戦の前だと、最後の試合は巌流島ですよね。そこから過去の試合も見たらYETI達朗選手にもKO負けしたりしていて、さすがに全盛期は過ぎたのかなと思ってたんですが、まさか中島選手に勝つとはちょっと思ってなくて、やっぱりタイ人は侮れないなと思いました。日本人とは経験値が違うじゃないですか。もう100戦近くやっているし。そこは怖いなと思いますね」

──中島戦でのクンタップ選手の動きはどう見ましたか?

「やっぱりうまいなと思いましたね。その試合はBLACKルールでヒジなしだったんですけど、中島選手がやりたいようにはやらせず、うまく戦うなと思いました。右にも左にも構えるし、組んだらヒザ・ヒザという感じで」

──今回はそこにヒジも加わるわけですよね。ご自分はどう戦いたいですか?

「テクニックでは勝てないと思うので、そこでは勝負しないようにして……言葉にするのは難しいんですけど」

──中島戦がそうでしたが、攻めて前に出ようとするといなして組みヒザに持ち込まれますよね。

「はい。そしてサウスポーになって下がりながら左ミドルとか蹴ってきますよね。ただ、サウスポーになってからのパンチとかはあまり怖くないかなと思います。パンチは右の方がいいだろうなとか、そういうことは頭に入ってるんで。前回のvic.YOSHI戦では相手が急にサウスポーで来たので、あれで面食らっちゃって、テンパってしまったんです。ただ、クンタップ選手もスイッチするので、今となってはあれはいい経験になったなと思いますけど。今回は前回のようにテンパらずに、落ち着いてできると思います」

──タイトルが懸かった試合という点ではいかがですか?

「1戦目、吉田英司とのREBELS王座決定戦(2019年10月)は初の5ラウンドだったので、どこで出ればいいかとかがよく分かってなくて、5ラウンドただ必死に戦っただけでした。2回目は匡志YAMATO選手と名古屋でWBCムエタイの王座決定戦で戦って(2020年6月)、1回目の経験を踏まえて臨んだんですが、ここで人生初めてのKO負けを経験したんですね。『あ、俺も倒れるんだな』というのをそこで学びました。今回は3回目なので、2回分の経験を元にいろいろ考えながら戦いたいなと思います」

──3度目の正直ということもあり、気合いも入りますよね。

「それはありますね。ベルトは本当にほしいので。ただ、力が入ってもムダに力んだりはしないで、モチベーションを高くして臨みたいなと思ってます」

──クンタップ選手は師匠の石毛会長とも戦っていますよね(2009年6月、ドロー)。

「そうなんですよ。映像が残っていないらしくて、見てはいないんですけど、会長からその時の話は聞きました。こういうところが怖いとか、左になるとこういう攻撃があるぞとか、その時の経験を元にけっこう具体的に教わっています。今も会長に仮想クンタップになってもらって練習しています」


──実際に対戦したことのある人がやる「仮想●●」は説得力がありそうですね。

「そうなんです。そこはすごく助かってます。でも、会長が戦った相手と戦うのは不思議な感じですね(笑)」

──ですよね(笑)。しかも、そんな大ベテランにいつまでも君臨されているわけにもいかないですよね。

「それは本当に思いますね。ここでベルトを渡すわけにはいかないなというのは、すごく感じてます」

──しかも、ずっと参戦している『KNOCK OUT』のベルトが懸かっているわけですからね。

「その思いも強いですね。これは完全に僕が獲らなきゃいけない流れだなということは分かってるんで、絶対負けられないという気持ちが強いです」

──では、過去2回のタイトルマッチの時にはなくて、今の津崎選手にあるものとは、何でしょう?

「負けた経験ですね。タイトルマッチを2回戦って、負けた経験が強みになってるなと思います。『あの時ああしたから負けた』というのは自分の中では分かっているので、今回はまた全然違うタイプの相手ですけど、そこをしっかり生かしながら戦いたいと思います」

──タイ人との対戦というのも……。

「初めてなんです。ただ、スパーリングとかでは何度もやったことはあります。オーストラリアのジムにいた時はトレーナーがタイ人でしたし、スパーリングもいつもやっていました。ONEでベルトを持っていたペッタノンも一緒のジムだったので、練習もしてたんですけど、アイツはマジで強かったですからね。だから試合自体は初めてですし、ウチの石毛会長が、戦い方とかもほぼほぼタイ人みたいなものですからね。何となく、会長とやるみたいな感じになるのかなと思ってます」

──ここで勝つと、いよいよ『KNOCK OUT』のチャンピオンです。そこにたどり着くために、最終的に必要なものって何だと思いますか?

「あんまり根性論的なことは言いたくないですけど、やっぱり気持ちじゃないですかね。獲りたいという気持ちではまず負けないので、そこですね。REBELSの頃から出ているし、その思いは強いですから。ケガしても、アゴが折れても戦います」

──では最後に、当日の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

「自分的には、5R全部戦うつもりはないんですよ。早い段階で決めてしまいたいと思っているので、最初からアグレッシブにいくつもりです。だから最初から、目を離さずに見ていてもらいたいです」

──「どうせ序盤は様子見だろう」と思わずに、と。

「はい。向こうのペースに合わせたくないというのもあるので、最初からガンガンいくつもりです。そこに注目してほしいです」

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