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レポート

【ONE】秋元皓貴が王座陥落、ペッタノンに判定負け。青木真也がイザガクマエフに1R TKO負け、岡見勇信がンサンにTKO負け、キャッチウェイト戦の若松佑弥がTKO負け。クリークリャがヘビー級GP優勝

2022/11/19 20:11
 2022年11月19日(土)シンガポール・インドアスタジアムにて、ONE Championship『ONE163: Akimoto vs. Petchtanong』が昼大会「ONE Fight Night 4」に続き、開催された(ABEMA PPV生配信)。  なお、前日にハム・ソヒ(韓国)とのフェイスオフに臨んだ日本の平田樹(フリー)が、ONEアトム級(※52.2kg)リミットのなか、初回で115.5ポンド(52.38kg)で体重超過、ハイドレーションテストもクリアできず、再計量に臨んだが、これも「体重および水分補給に失敗」でクリアできず。対戦相手のハム・ソヒにキャッチウェイト戦の打診がされたが、ハム・ソヒは出場に同意せず、両者の試合は中止となっている。  また大会中継中にチャトリ・シットヨートン代表がインタビューで、ONE ChampionshipとABEMAが年間契約し、2023年に年間60大会を超える生中継が決定したことを発表した。 ▼ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合 3分5R×秋元皓貴(日本)王者[判定1-2]〇ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)挑戦者※ペッタノンが新王者に  ONEバンタム級キックボクシング世界王者・秋元皓貴(Evolve MMA)が初防衛戦に臨む。  秋元は、小学2年時にフルコンタクト空手を始め、2007年10月に15歳でプロデビュー。2008年8月の「K-1 甲子園 KING OF UNDER 18~FINAL16~」で江幡睦に判定勝ち。2011年7月に、19歳にして元ルンピニースタジアム認定二階級王者で現役ランカーのピンサヤームに2RにKO勝ちを収めた。2012年10月の森井洋介戦では、5R判定勝ちでデビュー以来無敗のままWBCムエタイ日本フェザー級タイトルを獲得。  2014年からフルコンタクト空手に復帰し、2017年のJFKO第4回全日本フルコンタクト空手選手権軽量級で優勝。2018年8月にシンガポールのメガジム「Evolve MMA」のトライアウトを受けて合格。10月には日本からシンガポールに拠点を移した。  2019年1月に約6年ぶりのキックボクシングの試合をONEで行って勝利するも3月のヨゼフ・ラシリ戦でプロ21戦目にして初黒星。しかしその後、“中国最強”の呼び声高いチュー・ジェンリャンに判定3-0で勝利するなど4連勝をマークして2022年3月、満を持してONEバンタム級キックボクシング世界王座に挑戦。カピタンを判定3-0で破り、日本人初のONEキックボクシング世界王者となる快挙を達成した。  今回の挑戦者ペッタノン・ペットファーガス(タイ)は同級4位で357勝56敗1分という驚異的な勝利をあげている36歳のベテランムエタイ選手。7歳からムエタイを始め、14歳でラジャダムナンとルンピニースタジアムのメインイベントを務めるほどに成長。THAI FIGHTやSUPER MUAYTHAIなどで数多くの外国人選手との試合経験を積み、2016年6月と2017年8月の2度、Kunlun Fightで大和哲也に勝利している。  2012年にWMC世界-66kg級王座、2015年にIPCC世界ムエタイ67kg級王座に就き、2017年Enfusion -67kgトーナメント優勝、2018年武林風World Cup -67kg優勝、2019年武林風ワールドカップ -67kg準優勝などの実績を持つ。2020年9月のONEデビュー戦でカピタンに開始わずか6秒でKO負けを喫したが、2021年9月にジャン・チェンロンから勝利を収めた。  1R、サウスポー構えで入るペッタノン。セコンドには昼大会で勝利したロッタンがつく。先に圧力をかける秋元は右ロー。さらに右ミドルも当てる。ペッタノンも左ミドルをヒット。秋元の左右にヒザを返す。左インローを当てて左右を顔面に突く秋元。ペッタノンもディフェンス。その入りに左ヒザを突く。  2R、奥足ローを打つ秋元。秋元の詰めをチェックして蹴り返し。左ヒザを突く。秋元の右ハイをスウェイでかわすペッタノン。秋元がローから右で飛び込むと、そこに左ヒザを突く。右の打ち合いは秋元。さらに右ボディも。左ジャブ、左ヒザで迎撃するペッタノンに、詰める秋元は右ハイを入れてゴング。  3R、右ボディで飛び込む秋元。ペッタノンは高い左ヒザ。ガードするが、ペッタノンはそのガードの上に左ミドル、左ヒザをを2連打! さらに右前蹴りで金網まで秋元が飛ぶ。  詰め直す秋元は後ろ蹴りを腹に。左ミドルを当てるペッタノン。秋元の入りに左の蹴りを上下に突く。右ハイをガード上に当てる秋元。ペッタノンのラウンドに。  4R、右脇腹を赤く腫らした秋元。左ヒザを打ってプッシュし、離れるペッタノン。さらに左ミドル! 秋元はワンツー、右ミドルで詰めるが、ペッタノンは回ってさばく。秋元が入ると左のテンカオで迎撃。ボディストレートの秋元。さらに右ミドルも浅い。最後もペッタノンが左ミドルを当ててゴング。  5R、先に中央を取る秋元は詰めて左もそこに左ヒザ、ミドルはペッタノン! しかし秋元も気持ちを切らさず前に。プッシュして突き放すペッタノンは逃げ切り態勢。秋元のローブローにファールカップがズレたか。再開。  右ボディ、さらに左から右ハイに繋げる秋元。しかし左ヒザを突くペッタノン。秋元の詰めにバックステップで間合いを取ると、秋元の右ミドルには左ミドルの打ち返し。じりじり詰める秋元にその詰めの分だけ下がり、ゴング。  判定は2-1に割れて、ペッタノンが勝利。新王者はベルトを肩に「判定が割れて驚いた。2カ月間練習して、スーパーボンやロッタンらと練習してきました。タイのファンの皆さん、サポートありがとう。ムエタイの強さを見せることができました」と笑顔で語った。 [nextpage] ▼キックボクシング・ヘビー級ワールドGP決勝 3分3R〇ロマン・クリークリャ(ウクライナ)[2R 1分28秒 KO] ※左右ラッシュ×イラジ・アジズプール(イラン)※クリークリャがGP優勝  クリークリャは幼少時代から空手とキックボクシングを学び、2008年にキックボクシングでウクライナのユース王者となった。2012年10月にプロデビューを果たし、各団体のヘビー級トーナメントで優勝。2016年にはK-1 WORLD GP -95kgトーナメントで優勝、2019年にはKunlun Fightのスーパーヘビー級トーナメントでも優勝した。ONEには2019年11月から参戦し、初戦でONEキックボクシング世界ライトヘビー級王座を獲得し、2度の防衛に成功している。2022年9月のヘビー級ワールドGP準決勝では、グート・イノセンチを1R TKO。決勝進出を決めた。戦績は47勝(26KO)7敗1無効試合。  アジズプールは2017年に国際アマチュアムエタイ連盟で銀メダルを獲得。同年にKunlun Fightのヘビー級トーナメントに出場して優勝し、2019年の同トーナメントでも準優勝。  2021年10月からONEに参戦すると、アンデウソン・シウバに判定勝ち、イスマエル・ロントにKO勝ち。2022年9月のヘビー級ワールドGP準決勝では、ブラジルのブルーノ・チャベスを判定3-0で下し、GP決勝に駒を進めた。戦績は58勝4敗。  1R、オーソドックス構えから左の蹴りはクリークリャ。アジズプールは詰めて巨体から左ハイを器用に打つ。  クリークリャのハイをスウェイでかわすアジズプール。その入りに右ストレートを当てると、金網に詰めて左ハイ。ガードするクリークリャに飛び込んでの左を効かせるアジズプールはバックフィスト、さらにクリークリャの左に右フックをテンプルに合わせてダウンを奪う。さらに、後ろ蹴りもゴング。  2R、クリークリャの右を受けて動きが一瞬止まるアジズプール。さらに左ミドルもボディにもらう。詰めるクリークリャの右に金網に詰まるアジズプールは、首相撲からの右ヒザ、さらに左右連打を受けてダウン! 何とか立ち上がるアジズプールだが、クリークリャの左右に金網背にアゴが上がり、レフェリーが間に入った。  GP優勝のクリークリャは試合後、「(1Rのダウンは)今までで一番タフな相手だった。2Rになってコーチが『ヒザを使え』という声が奏功しました。ありがとう」と語り、金と銀の大きな2本のベルトを肩にかけ、5万ドルのボーナスも獲得した。 [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)5分3R×青木真也(日本)[1R 1分26秒 TKO] ※パウンド〇ザイード・イザガクマエフ(ロシア)  MMA47勝10敗の青木は、2019年10月から4連勝も、2022年3月の『ONE X』での秋山成勲戦で2R TKO負けし、今回が再起戦となる。レジェンドファイトに背を向け、トップ戦線との対戦を望み、イザガクマエフ戦を選択した。  イザガクマエフは、2022年1月のONEデビュー戦でジェームス・ナカシマを2R、ダースチョークで下し「キル・アオキ!」と対戦を要求。9月には元UFCファイターのジャン・リーポンをテイクダウンからのパウンドでドミネートし判定勝ち。解説席の青木は「戦ってみたい」と語っていた。  イザガクマエフは直近4年で黒星は、2021年1月の『UAE Warriors 15&EFC 32』でのカールトン・ハリス戦でのダースチョークによる一本負けのみ。そのハリスもここ4年で唯一の黒星が現UFCでMMA16戦無敗のシャクハト・ラクモノフとの一戦という強豪のため、イザガクマエフの実力は推して知るべしだ。  ハビブ・ヌルマゴメドフ門下生のうち、イスラム・マカチェフはUFC世界ライト級王者となり、ウスマン・ヌルマゴメドフは19日にBellator世界ライト級王者となったばかり。イザガクマエフはONE世界ライト級王座を目指している。  そんな28歳のダゲスタン戦士との試合を直前に控え、青木は「僕ほど “勝ちたい”と思ってやっているやつはいない」と語っている。  青木のセコンドは長南亮TRIBE TOKYO MMA代表。イザガクマエフのセコンドにはUFC世界ライト級王者イスラム・マカチェフがつく。  最初はオーソドックスに構えたイザガクマエフ。左ジャブを突くと、青木は左ミドルハイ。さらに間合いを取ると、左ミドルを当てる。イザガクマエフは、青木のその長い左ミドルに左ジャブを届かせて、青木をのけぞらせる。  そして今度は、青木の左ミドルが当たる前に踏み込んで左フック! 首筋に受ける青木だが、もう一回下がって構え直すと左ミドルを打つが、ここはイザガクマエフが左足を上げてチェック。  そのままスイッチしてサウスポー構えになるイザガクマエフは左ロー。すると青木も右ミドルに変えるが、右足を上げてチェックするイザガクマエフ。青木の踏み込んでの左ローも、空手のように右足を下げることでディフェンス。そのままオーソの構えで圧力をかけると、青木は左ミドルを脇腹にヒット。  しかし、イザガクマエフの圧力に青木が下がる形に。イザガクマエフの左ジャブをさばいて左にサークリングする青木。サウスポー構えからイザガクマエフは左ローをヒット。青木の右ミドルに前手の右フックを狙う。右ジャブをスウェイでぎりぎりかわす青木は右ジャブを刺し返すが届かず。  ここでイザガクマエフはオーソに構えると、左手を前に出して、青木の肩を押し込み組みの動きを混ぜながら、強烈な右ボディストレート! 鈍い音を立ててもらった青木だが、続く左フックはかわすと、右フックを振ってイザガクマエフを下がらせる。  いったんバックステップでかわしたイザガクマエフは、サウスポー構えから左ジャブ。そこに青木の左ハイが交錯もイザガクマエフのブロッキングに青木が弾き飛ばされる。  圧力をかけるイザガクマエフに青木は金網を背に。スイッチしてサウスポー構えになるイザガクマエフは、右ジャブ、左ローの対角線攻撃。さらにオーソに変えると右ストレートを素早くスイングして青木のアゴ下、胸付近にヒット!  これに尻餅を着いた青木だが、上半身はまだ立っている。すぐに覆いかぶさるイザガクマエフは青木の上体を寝かせると、足の内側にフックガードの青木を潰して左のパウンドに。  効かされながらも左足は股下に。右足はイザガクマエフの左腰に当てて距離を取ろうとする青木だが、中腰になって腰の足を外したイザガクマエフは、左のパウンドを連打。ガードの足が届かない位置から青木の頭を押さえつけて、さらに左を連打、青木が背中を見せて亀になったところで、背後から右を連打すると、レフェリーが間に入った。  1R 1分26秒、最後は17連打で“レジェンド”をパウンドアウトしたイザガクマエフは咆哮。  試合後、イザガクマエフは青木を抱え上げて讃えると、マイクで「試合前は単なるトラッシュトークだった。キルユーと言ったことを謝りたい。彼はレジェンドで学ぶべきことがたくさんあった。素晴らしい選手だった。とにかくすぐにでもここのベルトが欲しい」と語った。また退場時にはライト級とウェルター級の二階級同時制覇王者となったクリスチャン・リーに向けて「クリスチャン・リー、準備は出来ている」と宣戦布告している。 [nextpage] ▼ミドル級(※93.0kg)5分3R〇アウンラ・ンサン(ミャンマー)[1R 1分42秒 TKO] ※パウンド×岡見勇信(日本)  2002年のプロデビューから20年目を迎えた岡見。柔道から若手に活躍の場を設けた「DEMOLITION」旗揚げ大会に出場。第2試合の83kg契約試合で判定勝ちでMMAのキャリアをスタートさせた。日本人選手にとって絶対的に不利とされるミドル級で2011年には世界の頂点、アンデウソン・シウバが保持するUFC世界ミドル級王座にも挑戦している。  ONEには2019年から上がり、5月に水抜き禁止の83.9kg=ONEウェルター級でキャムラン・アバソフにTKO負け。8月にジェームズ・ナカシマに判定負けと苦しい日々を送ってきたが、2019年10月の両国大会でアギラン・ターニに判定勝ち。新天地で初白星を掴んだ。  その岡見が3年ぶりの試合で、ONEミドル級(※93.0kg)で復帰戦に臨む。2022年1月にレアンドロ・アタイデスと対戦予定だったが、アタイデスの新型コロナウイルス感染により試合が中止となっていたが、アタイデス戦前から対戦を希望していたアウンラ・ンサンと対戦することになる。  会見で岡見は「自分の試合が3年ぶりになりますが、緊張しています。自分の試合でこの舞台に帰ってきたのは、怖さもあり、やっと来たか、やっと自分の仕事ができるという思いがあり、その相手がずっと対戦したかったアウンラ・ンサン。この舞台に帰ってこれたことを嬉しく思います。  ONEではウェルター級で試合をしてきましたけど、ONEでやり残したこと、やりたいと考えてきたことは、重量級としてアジア人として、ずっと2階級王者として戦ってきた姿を間近で見ていてほんとうに尊敬していて、素晴らしいなと思っていて、彼と戦いたい、そのためにミドル級に上げて、SNSでも彼とCEOのチャトリCEOにお願いして組んでいただきました」と、熱望した試合であることを語った。  対するンサンは、ONEでミドル級&ライトヘビー級の二冠王者に君臨も、両王座をライニアー・デ・リダーに奪われ、現在は無冠。2021年7月の再起戦でレアンドロ・アタイデスに1R KO勝ちして復活したが、2022年2月の前戦ではヴィタリ・ビグダシュに判定負けで、再び王座に返り咲くべく、37歳でキャリアを立て直しているところだ。  1R、サウスポー構えの岡見。ンサンは大歓声を背に右ハイ。岡見はシングルレッグも引き込みに。しかしンサンは付き合わず体を離す。  岡見はンサンの右ストレートをかわしてシングルレッグも、そこに右ヒザを合わせたンサン! 後方に倒れた岡見は頭をガードして腰を切るが、ンサンは上からパウンド。両足を伸ばして距離を取ろうとする岡見だが、立てず。  ガードの足を潰してパウンドするンサンにレフェリーが間に入った。  試合後、ンサンはキルクリフFCでともに練習した、アンソニー・ジョンソンの写真を掲げ、「アンソニー・ジョンソンが逝って、非常に悲しかった。この試合も自分にとって大変な試合で一生懸命臨んだ。機会を与えてくれたチャトリ代表に感謝したい。支えてくれたキルクリフのチームメートにも感謝したい。そしてシンガポールのみんな最高です。ミャンマーは昨年厳しい状況がありました。神を信じて心を強く持って祈りたい。愛しています。チャトリ代表には、自分をミドル級の門番にしてもらいたい。いつ誰とでも戦う」と語った。 [nextpage] ▼フライ級(※61.2kg)→139ポンド契約 5分3R×若松佑弥(日本)[1R 2分46秒 TKO] ※パウンド〇ウ・ソンフン(韓国)  若松は、5連勝後に2022年3月の『ONE X』で当時のONE世界フライ級王者アドリアーノ・モラエス(ブラジル)に挑戦。モラエスのテイクダウン、バックからも正対し、逆にテイクダウンを再三奪うも、3Rにギロチンチョークを極められ、一本負けで王座戴冠ならなかった。  進化を見せながらも世界の頂点にあと1歩届かなかった15勝5敗の若松の再起戦の相手は当初、9月29日に中国のシェ・ウェイに決定していたが、シェが怪我で欠場。ワン・シュオに対戦相手が変更されたが、そのワンが最終計量62.82kgで1.62kgの体重超過で試合は中止となっている。  仕切り直しの8カ月ぶりの試合は、ONEで中国勢とともに進境著しい韓国から、オク・レユン、ハム・ソヒ、クォン・ウォンイル、キム・ジェウンに続くウ・ソンフンが若松の対戦相手となった。  ソンフンは、2016年にWLFでプロデビュー後、2017年から8連勝。日本のWARDOGにも参戦し、オーソドックス構えからの左右の強い蹴り、下がりながらの左ジャブでダウンを奪いパウンドアウトしている。  また、2022年2月のヨッカイカー・フェアテックス戦では、ヨッカイカーの左ローからのダーティーボクシングの左アッパーに、頭を下げて右を強振。わずか18秒、でKO勝ちし5万ドルのボーナスを獲得した。  一方で、2022年4月のウィンドソン・ハモス戦では、ソンフンの打撃に退かないハモスが組みで勝負。ソンフンもバックを譲っても絞めを防御、後半はテイクダウンも防いだが判定負けを喫している。自身初の連敗は何としても避けたいところだ。  そのソンフンとの試合に向け、若松はシンガポール入り後、初回の計量で規定体重は作ったものの、ハイドレーションテストをクリアできず、頭髪を丸坊主にしてフェイスオフに臨んでいる。最終的に水分を補給し、139ポンド(63.04kg/ハイドレーションテスト1.0023)で体重超過。韓国のウ・ソンフン(134.25ポンド/60.89kg/1.0074)に賞金の40%を渡し、139ポンドのキャッチウェイトで対戦が決まっている。  1R、先に右ミドルハイから入る若松。ソンフンはサウスポー構えを見せる。右ストレートを突く若松は右ハイも。ブロックするソンフンも圧力をかけるが、若松の左フックを浴びて、片ヒザを落とす。  オーソドックス構えに戻すソンフンだが、スイッチを繰り返し、サウスポー構えから左ストレートを当てると、若松は後退。さらに左右を当てて若松を追うと、若松の左の首相撲に左右を当ててはがすと、回る若松。  追うソンフンは組みに来た若松に左ヒザ! カウンターでもらい下になった若松にマウントを奪ったソンフンはパウンド連打! レフェリーが間に入った。計量から本調子ではなかったか。ランカーの若松はONE1勝1敗のソンフンにまさかの敗戦を喫した。 [nextpage] ▼バンタム級(※65.8kg)5分3R〇クォン・ウォンイル(韓国)[3R 3分45秒 TKO]×マーク・アベラルド(ニュージーランド) [nextpage] ▼キック・ヘビー級 3分3R×ブルーノ・チャベス(ブラジル)[判定0-3]〇アフメド・クリッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)  サウスポー構えのクリッチに、オーソドックス構えのチャベス。クリッチは金網に詰めてスーパーマンパンチを当てる。右ミドルのチャベスに、クリッチも打ち下ろしの左ロー。  左ミドルのクリッチに下がるチャベス。チャベスの大きな右をクリッチはかわして右ジャブを突く。  左右の前蹴りを腹に突くクリッチ。チャベスも右ストレート、右ミドルを突くがクリッチはボディイを効かせて判定勝ち。 [nextpage] ▼ライト級(※77.1kg)5分3R×アブラォン・アモリン(ブラジル)[1R 4分32秒 三角絞め] ※片足を巻き込んでの三角絞め〇アフメド・ムジタバ(パキスタン)  BJJ黒帯の上のアモリンがムジダバの下からの足をさばいて左足を内側に差し込むと、その足ごと外側からかけて左足は頸動脈に。  アモリンの左足と左腕を巻き込んだまま三角絞めを極め、頭をひきつけると、スロエフストレッチ&三角絞めの形になり、アモリンがタップした。 [nextpage] ▼126ポンド契約 3分3R×ルイ・ポテーリョ(ポルトガル)[判定1-2]〇朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)  品川朝陽はハイドレーションテスト対策で最終的に126ポンド(1.0218)で体重超過。賞金の20%をルイ・ボテーリョに渡し、126ポンドのキャッチウェイトで試合に臨むことになった。  1R、ともにオーソドックス構え。先に圧力をかけるのはボテーリョ。右ストレートを当てて右ロー。ボテーリョの左ハイにも右を合わせる。ともにワンツーをかわしながら組み。離れ、朝陽は右ミドルを当てる。追うボテーリョも左ミドルも朝陽はサークリング。ボテーリョは詰めると頭を後方に逃せない金網の部分で左右を振ってボディ打ちも朝陽はかわす。  2R、右ミドルハイの朝陽。ボテーリョは首相撲からヒザ。朝陽は右ミドルを掴むと右ストレートを振って押し込み、尻餅を着かせる。右ミドルを返す朝陽。ボテーリョもフェントを入れながら右前蹴りから左右で前に。首相撲からヒザ。朝陽は右ハイを繰り出すが、それをスウェイでかわしたボテーリョはすぐさま右を当てる。  3R、右ミドルを当てる朝陽。さらに右フックにボテーリョはカウンターを狙うと、左前蹴りと右ストレート、さらに右ミドルを突くとそこに右を狙うボテーリョ。  しかし、ボテーリョの蹴りに朝陽は右ストレート! 後方に尻餅着いたボテーリョは立ち上がると左右で詰めるがゴング。両者ともに右手を挙げる。判定は2-1のスプリットで品川が接戦をクリアした。 [nextpage] ▼サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7kg)12分1R×ミレーナ・サクモト・カオリ(日本)[1R 0分42秒 リアネイキドチョーク]〇ビアンカ・バシリオ(ブラジル)  ADCC-60kg級、ムンジアルも優勝のバシリオ。通常の階級では10kg軽いサクモトと対戦し、開始早々、サクモトのテイクダウン狙いの頭を下げさせるとバックテイク。    前転するサクモトについていき両足をフック。リアネイキドチョークを仕掛けの早いパームトゥパームで極めた。試合後、バシリオは5万ドルボーナスを獲得した。 [nextpage] ▼フェザー級(※70.3kg)5分3R×ブルーノ・プッチ(ブラジル)[判定0-3]〇キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)
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