2022年11月19日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.7』にて、スーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK-64kg契約3分3R延長1Rで対戦するKNOCK OUT-BLACKライト級王者バズーカ巧樹(菅原道場)と元INNOVATIONフェザー級王者TAaaaCHAN(PCK連闘会)のインタビューが主催者を通じて届いた。
カード発表会見では相手のTAaaaCHANの印象を「ローマ字」と評したのみで、まるで眼中にない様子だったバズーカが、この試合に見据えているものとは?
倒すことしか考えないで日々の練習をしているだけ
──直近の試合は8月に千葉で行われたテーパプット戦、ドローでしたよね。今振り返ると?
「何もさせてもらえなかったという感じでしたね。タイ人とは2回目なんですが、首相撲の展開に持っていかれて」
──その中でドローに持ち込めたというのは?
「……いや、自分の中では負けだと思っているので」
──6月のシュートボクシングでの黒星から不本意な結果が続いていますよね。自分ではその理由をどう考えていますか?
「自分の実力不足というだけです」
──そんな中で、『KNOCK OUT』には昨年7月以来、久しぶりになります。そういった状況を踏まえて思うことは?
「不発が続いているので、その分の全てを次の試合にぶつけようと思っています」
──先日のカード発表会見では、今回の相手のTAaaaCHAN選手の情報は「確認するまでもない」というお話でした。今も試合映像などは確認していない?
「ホントに知らない選手で、今でも情報はゼロですね」
──その状態で試合することに不安などはない?
「不安とかは特にないです。試合するのに相手どうこうは関係ないし、相手が誰だろうとやることは変わらないので」
──では、相手に関係なく今回やろうとしていることは?
「ぶっ倒すだけです」
──ぶっ倒すために、特にやっていることは?
「殺傷能力を上げてます」
──具体的には?
「……そんな、何をどうこうとか考えてないんで。倒すことしか考えないで日々の練習してるだけです」
──今日は朝練ということで、早い時間にお話を伺ってますが、朝練があるのは週何日なんですか?
「合同練習で階段を走ったり坂道ダッシュをしたりするのは、週3~4回ですかね」
──菅原道場の他の選手の公開練習などで、階段を走っている様子はお見かけします。あれは相当キツそうですね。
「……まあ、そうですね。最初は倒れるかと思ったぐらいでしたけど、そこで気合いをもらう感じで」
──そういう練習も含めて、今の練習スケジュールというのはどういう感じですか?
「基本は朝走って、夜にジムワークという感じですね。まあ昼間もほとんど練習なんですけど」
──菅原道場の練習の厳しさ、選手たちの練習熱心さはよく耳にします。やはり相当キツいものなんですか。
「まあ……端からはどう見えるか分かりませんけど、当たり前のことなんで、キツいとは思わないですね。それが仕事なんで」
──その練習の中で、手応えとか達成感とかを感じることというのはありますか?
「手応え……基本、試合でも練習でもそうですけど、満足したりはしないので。試合でも何かダメな点が必ず出てくるので、その繰り返しです」
──これまでキャリアを重ねて、タイトルも複数獲っていますよね。その中で、ふと「ここまで来たなあ」と思ったりすることというのもないですか?
「ベルトを巻いたりしたら、形としてはチャンピオンですけど、自分は負けちゃったりもしているので本当のチャンピオンとは言えないんで、勝ち続けて本物のチャンピオンを目指してるってことですね」
──では「本物のチャンピオン」になれたら、その時には達成感を感じるんでしょうか。
「まあ、そう自分が感じたら、達成感はあるんじゃないですかね。でも今の時点ではまだそう感じてないので、まだまだ上を目指していかないとと思ってます」
──その中で、今回の試合はどういう位置づけですか?
「本当にただの通過点なので、ただ倒すことだけ考えて、それ以外は何もないです」
──今度の試合でいい倒し方ができたとしても、満足感はないだろうと?
「『ないだろう』というか、『ない』です。勝って当たり前なんで、あとは自分の勝ち方にこだわります」
──「勝って当たり前」と思っている試合に緊張感を保つのは難しくないですか?
「まあ、そうですね。でも、『勝って当たり前』は裏返せば『負けたら終わり』ということでもあるので、いいプレッシャーにはなります」
──なるほど。ところで、バズーカ選手が対戦を希望していた西岡蓮太選手が10月の後楽園大会に出場してメインで勝利しました。どう感じましたか?
「会場で試合を見て『やっぱりな』とは思いました。『こうなるだろうな』と思った通りになった感じで」
──それで自分の感情が動いたというようなことは?
「感情……。それは特にはないです。『やり返したい』という思いは最初からあるので、それが強くなったり弱くなったりということはないです」
──西岡選手との再戦を早く実現させるためにも、この試合でもいい勝ち方を……という考えは?
「もちろん、勝たないと始まらないので、『やるために勝つ』とかそういうことは考えてないですけど、全部含めて勝たないといけないし、今は次の試合のことしか考えてないです。勝ったらその後に考えます」
──では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
「久々の『KNOCK OUT』のリングで、好きなように暴れるので、それを見といてください」
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東北から『KNOCK OUT』に初参戦するTAaaaCHANには、タイムリミットを定めた目標があるという。その実現のためにも、初戦でいきなり現役王者越えなるか?
母ちゃんがガンになってしまって、『3年だけ頑張ってくれ』って言ってて
──先日のカード発表会見は欠席でしたが、バズーカ巧樹選手の発言にはどう思いましたか?
「面白い選手だと思いましたね。俺のことを『ローマ字』って言ってましたけど、『ローマ字vsカタカナ』の図式になるのかなと思って(笑)」
──「試合映像は見る必要もない」などの発言がありましたが……。
「いや、ジムごとにそれぞれのスタイルがあると思うので、あそこは見ないスタイルなんだろうなと思っただけで、ああ言われてムカついたとかは特に。面白そうだなと思ったぐらいですね。まあ俺ももうちょっと若かったら、噛みつき返したりしてたかもしれないですけど、もうベテランと言っていいキャリアに入ってきたので、そんなにイラつくこともないです」
──では逆にバズーカ選手の印象は?
「試合映像見ましたけど、メンチ切ってくるところだけじゃないですかね、怖いのは。まあ、メンチのわりにはうまい選手だなとは思いますけど」
──警戒するところは?
「そんなに怖いところはないですかね。でも、殺傷能力を上げたみたいなことは言ってたので、少しは注意しときたいですね」
──今回、『KNOCK OUT』には初参戦ですが、自分のファイトスタイルを自己紹介すると?
「面白い試合をする選手だと思いますし、リング上の姿を見ていただければ分かると思います。私事になるんですけど、今年のはじめぐらいに地元での試合で、『あと3年以内に強いヤツと戦ったり、大きい会場で試合をしたい』と言ったんですね。何で3年かというと、母ちゃんがガンになってしまって、『3年だけ頑張ってくれ』って言ってて。その間にもうちょっといい景色を見させてあげたいなと思ってるんです。そういう目標があるので、もしよかったら『KNOCK OUT』のお客さんとも共有して、一緒にいい景色を見られたらなと思ってます」
──今回は『KNOCK OUT』現役王者との対戦です。ではここで勝って、そのまま王座を狙いにいく……?
「もしそういう風に組んでいただけたらすごくありがたいですし、目標にはすごく近づけると思います」
──では今のモチベーションとしてはお母さんのことが一番で、そのためにいろんなことを目指すという感じなんですね。
「そうですね。東北の田舎のジムですし、露出する機会もあんまりないじゃないですか。俺も31歳になって、格闘家としては引退とかも近づいてくると思うし、自分の花を咲かせるだけじゃなく、ジムの後輩とかキッズたちも少なからずいるので、そういう子たちのための種まきにもなるかなと思って、目指してるところはあります」
──ではその上で、バズーカ選手とどういう試合をしてどう勝ちたいですか?
「もちろん勝つ前提でいくんですけど、結局はフタを開けてみて、っていうところですね。4連続KO勝利中で、3年近く負けてなかったんですけど、8月の新潟での試合でコケちゃって。連勝中は倒せる動きができてたんですけど、8月は倒せる相手に欲が出ちゃってポカして負けた感じだったんですよ。なので今回はよかった時の動きをまた出して倒せればと思ってます」
──そして次につながればと。
「今回バズーカ選手に関しては、現役王者というところが大きいです。僕も聖域(サンクチュアリ)のベルトを持ってるんで、タイトルマッチじゃなく、現役王者同士でワンマッチで戦えるというところが面白いんじゃないかなと」
──では自分も現役王者として、王者同士の対戦で負けられないという意地がある?
「正直、それはそんなにないですね(笑)」
──ええっ、自分から振っておいて!(笑)
「まあ、自分は背負える分を背負ってるだけなんで、自分のベルトの重みとかはそんなに感じてないです。ベルト持ってなくても強いヤツもいますしね。ただ現役王者同士の対戦っていうのが、客観的に見てお客さんからすると面白いのかなと」
──では最後に、今回の試合で特に自分のここに注目してほしいというポイントは?
「『TAaaaCHAN』という人間を見てもらいたいです。リングの上で活躍するためにSNSとかもやってたりするんですけど、リング上でもリング外でも自分を見ていただければと思ってます」