RISE 1622022年10月30日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント 初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R〇田丸 辰(TRY HARD GYM/初代RISEスーパーフライ級王者)判定3-0 ※49-48×3×数島大陸(及川道場/第30回全日本新空手道選手権大会 K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝)※田丸が初代王座に就く。
田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃を続けてきたが、2019年9月にRISEバンタム級王者・鈴木真彦とRISE王者対決を行い延長戦の末に初黒星を喫した。所属ジムを変えて7カ月ぶりの再起戦となった2020年7月のMASAKING戦で勝利するも、9月の2度目の防衛戦で大崎に敗れて王座を失った。7月の「RISE DEAD OR ALIVE-53kgトーナメント」でも1回戦で政所仁に敗れて連敗。前述のように再起を懸けた4月の「初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント準決勝」で空龍と対戦するも、ノーコンテストとなった。戦績は11勝(2KO)3敗1無効試合。
4月の初代RISEフライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント準決勝では、偶発的なバッティングにより田丸が鼻骨を骨折し、ドクターストップによるノーコンテスト。改めて8月大会で再戦が組まれたが、空龍が新型コロナウイルスに感染し欠場となったため、空龍の状況を協議し、田丸が決勝戦へ進出することとなった。
数島は第30回全日本新空手道選手権大会K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝、JAPAN CUP 2017 K-3選抜トーナメント-45kg級優勝の実績を持ち、2020年9月のRISE新宿FACE大会でプロデビュー。2021年7月大会で竜哉・エイワスポーツジムからダウンを奪って引き分けて一気に名を挙げ、11月にはNJKFバンタム級暫定王者・甲斐元太郎に2RでKO勝ち。RISEフライ級で快進撃を続けていたが、今年1月大会で空龍に敗れて初黒星。4月の準決勝では塚本望夢に判定勝ちして決勝進出を決め、8月の大阪大会ではタネヨシキを1Rで壮絶KOした。戦績は8勝(5KO)1敗2分。「キックボクサーは泣かないぜ」の決めセリフを持つ。
1R、ローの蹴り合いとジャブの突き合い。前に出るのは数島で田丸はロープを背にして回り込む。数島のジャブの引き際に左ストレートを打ち込む田丸。数島がコーナーへ詰めての連打を繰り出すと田丸も負けじと打ち合い互角。
2R、数島がワンツーを繰り出し始めるが、田丸は数島の打ち終わりを狙い左ストレートをヒットさせる。さらに左カーフが当たりだすと田丸は余裕の笑みを浮かべ始め、カモンゼスチャーも。田丸のジャブが何度もヒットする。
3Rも前に出るのは数島で田丸はロープを背負って回り込む。数島の打ち終わりを左で狙う田丸。このラウンドはジャブもカーフもあまり打たない。逆に数島が左フックからの右ボディをヒットさせる。ヒット&アウェーで的確に当てていくのは田丸。
4R、ロープを背負う田丸に数島はパンチを打っていくが、田丸はかわしてジャブを当てていく。その後も手数は少ないが田丸は数島の攻撃をかわしてのジャブを当てに行き、確実にポイントを稼いでいく。
5R、このラウンドは数島が攻める。ロープを背負う田丸に何度もアタックし、パンチのコンビネーションを繰り出す。田丸も一発返すという展開。数島の連打を浴びる田丸だが、崩れずに右フックを打ち返す。
最後まで前へ出て攻めの姿勢を見せた数島だったが、田丸のディフェンスに有効打を奪えることがなく、ジャブを的確に当てていった田丸が判定勝ち。2階級制覇に成功した。
田丸はマイクを持つと「2018年くらいからずっと勝ってなくて、何年ぶりかの勝利がタイトルマッチでベルトを巻けてとても嬉しいです。トライハードに移籍してからいろいろあって怪我して試合ができなかったりとか、試合がなくなったりとか、勝ってなくて移籍してからトライハードのせいで弱くなったと言われるの凄い悔しくて。自分のせいで悪く言われるのが嫌で凄く練習してベルトを巻くことが出来て、嬉しさでいっぱいです。トライハードと共にこれからジムを引っ張っていく一人として頑張っていくので応援よろしくお願いします」と、涙ながらに語った。
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▼セミファイナル(第10試合)寺戸伸近 引退エキシビションマッチ―寺戸伸近(Booch Beat/第2代RISEバンタム級王者、元ISKA K-1ルール世界スーパーバンタム級王者、第5代Krushスーパー・バンタム級王者、第2代M-1バンタム級王者、第24代全日本バンタム級王者)勝敗なし―那須川天心(TARGET/Cygames)
寺戸は2003年12月に全日本キックでプロデビュー。2009年1月に全日本バンタム級王座に就くと、3月にM-1バンタム級王座、11月にRISEバンタム級王座に就き三冠王となった。2010年からはKrushを主戦場とし、2014年8月にISKA K-1世界バンタム級王座も獲得、2016年3月にKrushスーパー・バンタム級王座も奪取した。ダウンを奪われてからの逆転勝利も多く、数々の名勝負を残している。
2017年11月のKrushタイトルマッチで久保賢司を延長戦の末に破り、2度目の防衛に成功したのが最後の試合となった。生涯戦績は40勝(16KO)11敗1分。
試合当日の正午まで「X」とされていたその対戦相手は那須川天心だった。寺戸は2009年11月に第2代RISEバンタム級王者となり、その後タイトルを返上。那須川は2015年5月に第6代同王座に就いており、歴代の王者同士が拳を交えることになった。また、寺戸が最後の試合を行った当時(2017年11月)には、両者の対戦を臨む声もあったドリームカードが3分1Rのエキシビションマッチながら実現することに。 1R、パンチ&ローの寺戸に那須川はジャブを突き、寺戸のパンチをボディワークでかわしていく。さらに突然ギアを上げての連打で前へ出るとスピーディーなコンビネーション。寺戸もこれにパンチと蹴りで応戦する。那須川は寺戸を首相撲で転がすとトリケラトプス拳。那須川はノーガードになって寺戸のパンチを顏で受ける(スリッピングアウェー)場面も。那須川は最後まで蹴りを一発も出さずパンチのみで寺戸と拳で語り合った。
エキシビションを終えた那須川は「昔から活躍していた寺戸さんが引退ということで、こういった形で最後に拳を交えられて嬉しく思います。僕はキックボクシングを離れたんですけれども、心の中ではRISEの選手ですし、またこういったことがあればRISEに戻って来たいと思います。寺戸選手は自分で団体をやられていて、若い選手を育てて強くなったらRISEに上げてという育成をしていただいていて。キックボクシングのためにも格闘技のためにもなると思うので、寺戸さんの今後の活躍を期待しています。
あと、僕はいつボクシングに行くんだと言われてますが、今しっかり準備していくので面白い発表が近々出来るかもしれないので楽しみにしておいてください。テレビに出ていますが、毎日絶対に練習しているので、誰よりも練習している自信があるので今後も期待してもらえればと」と、寺戸にエールを送り、自身の今後についても触れた。
続いて寺戸の引退セレモニーが行われ、寺戸は「自分は20歳を過ぎて格闘技に出会い、20歳を過ぎてから練習を始めて23歳でデビューして頑張ってきました。RISEでも王座を獲らせてもらってキックボクシングの世界で輝くことが出来ました。今日も県外からたくさん応援に来ていただいています。ここに立っているのは応援してくれる皆さん、協力してくれる関係者の皆さんのおかげだと思っています。自分は実力のない人間ですが、周りの人のおかげで立たせていただいています。
自分の格闘技人生は幸せでした。皆さんに出会えて最高でした。この舞台に上がるにあたってチーム黒船で練習させてもらって最高でした。全日本キック時代から尊敬している大先輩の小林聡さん、MMAのレジェンド川尻達也さんも来ていただいてありがとうございます。現役を退いて後輩の育成に励みたいと思います。今は新空手の久保坂代表とStand UPというイベントを立ち上げてGMとして活動させてもらっています。若手の選手に経験を積んでもらってRISEの舞台、大きなリングで、世界で活躍する選手が育っていくのを期待しています、この後もキックボクシングに関わらせていただいて精進していきたいと思います。皆さんに出会えて最高でした」と挨拶。
最後に10カウントゴングを聞き、寺戸は現役に別れを告げた。
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▼第9試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R〇寺山遼冴(フリー/同級10位、第3代王者DEEP☆KICK 53kg級王者、CKC 2021 -54kgトーナメント優勝)判定3-0 ※30-29×2、30-27×京介(TOP DIAMOND/スーパーフライ級6位)
寺山は2020年7月から開催された「DEEP☆KICK53kg王座決定トーナメント」に参戦。準決勝では勇馬を強烈な顔面前蹴りでKOし、王座決定戦ではOISHI GYMのルーキー・HΛLからダウンを奪う完勝で、わずか5戦目にしてDEEP☆KICK王者となった。11月には有井渚海にプロ初黒星を付けられ、2021年5月に京谷祐希とドロー。7月にはCKC2021-54kgトーナメントに出場し、決勝で有井にリベンジを達成して優勝した。さらに9月にはDEEP☆KICK王座を2度のダウンを奪う完勝で初防衛に成功すると、11月にはRIZINに初参戦して弘樹から4度ものダウンを奪う圧勝。今回よりTEPPEN GYMを離れてフリーとなった戦績は8勝(1KO)1敗3分。
対する京介は風音、政所仁、大﨑孔稀、有井渚海らに苦杯をなめさせられてきたが、2021年11月から3連続KO勝利と勢いに乗った。しかし、今年6月大会で念願の上位ランカーとの対戦を実現させるも知花デビットにKOで敗れ今大会から再スタートを切る。戦績は11勝(3KO)12敗2分。
1R、寺山はジャブを多用してローを蹴る。このジャブになかなか入れない状態が続く京介。前に出るも寺山にステップでかわされる。
2Rも同様の展開。寺山はジャブを突き続け、前に出る京介をなかなか入らせない。寺山は時折左ストレート、ヒザを見せる。京介は前に出るが寺山はステップでかわしていく。
3R序盤、寺山は突然強い左ミドルを連発。京介が前へ出てくるとステップでかわし、ジャブ、左ストレート、ヒザを当てていく。かわして打つを徹底する寺山に京介はなかなかヒットを奪えず、右フックを当てる場面もあったが時間切れ。寺山の完封勝利という形となった。
寺山はマイクを持つと「しょぼい試合をしてしまって。でも勝ったんでよかったです。いろいろあったんですけれど、今はフリーになってもスポンサーや応援してくれる人のおかげで自分はここにいると思っているので本当に感謝しています。これからも応援してくれると嬉しいのでお願いします」と語ったが、セコンドに就いた姉の寺山日葵に「もういいよ」と急かされてマイクアピールを終えた。
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▼第8試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R〇有井渚海(ARROWS GYM/CKC2021 -54kgトーナメント準優勝)判定3-0 ※30-27×3×彪司(TEAM TEPPEN/スーパーフライ級9位、King of Rookie 2021 -53kg級優勝)
有井はキックボクサーとして活躍するかたわら『ABEMA』の恋愛リアリティショー「恋する週末ホームスティ」に出演し、ティーンから絶大なる支持を受けている。10戦無敗の快進撃を続けていたが、2021年7月の「ケージキックチャンピオンシップ(CKC)-54kgトーナメント~新世代王者決定戦」決勝戦で寺山遼冴にプロ初黒星。9月のRISEでスーパーフライ級5位の京介を判定で破り、再起を果たしたのも束の間、11月大会は欠場となって約1年ぶりの試合となる。所属も久保優太や木村“フィリップ”ミノルを育てた名将・矢口トレーナー率いるARROWS GYMとなり、心機一転で臨む。
彪司はTEAM TEPPEN内では珍しく荒々しいスタイルで戦うファイターで、昨年行われた『STAND UP』の「King of Rookie 2021」で-53kg級トーナメントで優勝。前戦の4月2日『RISE ELDORADO』ではWMC日本スーパーフライ級王者の佐藤九里虎を1ラウンドKOで下している。今回から階級を上げバンタム級でタイトルを狙う。戦績は4勝(1KO)1敗。
1R、前へ出ていくのは彪司。ジャブと右ローで圧を懸けていき、有井は3連打を返していく。彪司のペースで進んでいたかに見えたが、有井が打ち合いにいって左フックでダウンを奪う。
2Rはジャブの突き合いが続く中、有井が打ちに行くと彪司も打ち合うが有井の左フックがタイミングよく放たれる。自信たっぷりの有井は重い3連打のコンビネーション。左ボディも次々とヒットさせた。
3R、勝負に出た彪司が連打で有井にロープを背負わせる。脱出した有井は右フックからの左ボディを何度もヒット。一発一発に重みがあり、回転も速い有井のパンチが目立ち、彪司も手を出すが有井が打たせずに打っている印象。最後に彪司が右フックを当てる場面もあったが、判定3-0で有井の完勝となった。
有井はマイクを持つと「どうですか? 倒すのが僕だったんですけれど倒せなかったのは実力不足だと思います。ずっと格闘技しか毎日きついくらい格闘技しかやってこなくて、ずっと試合できない期間も毎日格闘技馬鹿みたいにやって。でもまだこんなもんじゃないので。もっと上に行ける選手なので来年にはRISEのベルトを巻くので。来年、必ず巻きます。注目しておいてください。ここまでこれたのは自分に関わってくれた人たちのサポートのおかげでやってこれました。矢口さんも毎日、今日休みって言われてもやって、ずっと見てくれたのでありがとうございます。僕は絶対にスーパースターになります」と宣言した。
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▼第7試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1R〇AKARI(TARGET/同級1位、ミニフライ級 NEXT QUEENトーナメント 2021優勝)判定3-0 ※28-27×3×ERIKO(TKDJ市川式/同級4位) AKARIはジュニア時代から第2代RISE QUEENなど5冠王の神村エリカに憧れ、教えを乞い神村の遺伝子を継ぐ女子ファイターで、2019年9月大会にてプロデビューを飾り、2021年3月の「ミニフライ級NEXT QUEENトーナメント 2021」で宮﨑若菜、大倉萌を破って優勝。初代RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵に挑戦したが、判定3-0(49-48×3)で敗れた。今年4月に開幕した「第2代RISE QUEENミニフライ級王座決定トーナメント」では宮﨑若菜を返り討ちにするも決勝でerika(=名前の後ろにハートマーク)との再戦に敗れて戴冠ならず。戦績は9勝(1KO)3敗。キャッチフレーズは“美脚炸裂シンデレラ”。
ERIKOは、普段は派遣OLで、ダイエット目的でキックボクシングを始めた。2019年9月の『RISE』でプロデビュー。同じくプロデビュー戦のAKARIに判定3-0で敗れたものの激しいファイトを展開。その後は山岸愛子に初回TKO勝ち、アリスとオンドラムに判定勝ち、山上都乃をヒザ蹴りでKOと4連勝を飾ったが、2021年2月に真美に敗れて連勝はストップ。4月には紗彩に勝利するも6月のシュートボクシングではMISAKIに敗れた。8月のKNOCK OUTでは、3月12日にぱんちゃん璃奈と初代KNOCK OUT-BLACK女子ミニマム級王座を争った喜多村美紀から勝利を収めている。今年4月にはMMAからの挑戦者・永尾音波に得意のパンチで圧勝した。
前述の通り、両者はプロデビュー戦で対戦しており、互いの成長ぶりを競い合う対戦となる。ERIKOは「AKARI選手にしか興味がないです」と再戦を熱望しており、約3年ぶりの再戦のチャンスを手に入れた。 AKARIは29日の本計量で50.1kgと1.1kgオーバー、2時間後の再計量でも50.1kgと変わらず。本日(30日)午前11:30に行われた最終計量にトライするも50.75kg(1.75kgオーバー)で計量をパス出来なかった。これにより、試合は対戦相手のERIKOサイド合意のうえで、公式ルールに則りAKARIは減点2、グローブハンデ(AKARI 6oz、ERIKO 4oz)で試合を行うことが決定。
1R、AKARIはジャブと右ストレートをしっかりと当て、ワンツーのあとに顔面前蹴りも繰り出す。AKARIの的確なパンチを被弾するERIKOは左ボディから右ストレート。パンチを繰り出すもAKARIのパンチの回転の速さに対応できていない様子。
2R、ジャブ、右ストレート、ワンツーをしっかり当て、タイミングのいい前蹴りで突き放すAKARI。ERIKOはパンチをもらっても下がらず打ち返していくが、手数やヒット数でかなりAKARIに差を付けられている。
3R、両者は足を止めてその場でパンチを打ち合う。AKARIの回転の速さにパンチをもらうERIKOだが、左ボディを強打。AKARIのジャブ、右ストレート、前蹴りが的確に当たる。AKARIはガードを固めてERIKOが打ち込むが、AKARIのワンツー、右ストレートが返って来る。
判定は3-0でAKARIが勝利。体重超過による減点2を巻き返して見せた。
試合後、伊藤隆RISE代表は「AKARIは1週間前から半身浴で体重を落として、直前になって水抜きをしたそうですが、身体に水がない状態で水抜きしているので当日落ちなかった。直前にサウナに行ったんですが100グラムしか落ちなかった。再計量でも落ちず、ERIKOサイドのジムと話したところ『どうしてもやりたい』とのことで当日計量になりました。AKARIは動こうと思って水分と多少のエネルギーを入れて動いたんですが、その結果当日計量が1.75kgオーバー。当日1kg以内のオーバーは減点1だが、1kg以上なので減点2となりました」と、AKARIの体重超過の説明。
そして「AKARI本人とジムサイドからノーコンテストにしてほしいとの申し出が出ているので、それは検討したい」とし、「AKARIも嬉しくないし、ERIKOも嫌な思いをしたと思います。勝負事なのでスッキリしないといけないので、レフェリー・ジャッジと話し合いたい」と、今後は計量をパス出来ず試合を実施した場合は体重超過した選手の勝利は無しとするルールの見直しも検討したいとした。
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▼第6試合 -55kg契約 3分3R延長1R×聖愛(魁塾/フライ級5位、初代WMC女子日本スーパーフライ級王者、元ミネルヴァスーパーフライ級王者)判定0-3 ※28-29×2、28-30〇村上悠佳(TEAM TEPPEN)
聖愛は関西の名門・魁塾所属の女子大生ファイター。2020年2月にNJKFミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチに勝利して高校生の内にチャンピオンになるという目標を達成した。2021年2月の『ミネルヴァ』では初防衛に成功。5月のRISEではYAYAウィラサクレックに敗れたが、10月の『HOOST CUP』で田渕涼香にフルマークでの判定勝ち。2022年は2月のRISEでKOKOZに延長戦の末に敗れてRISEで3連敗。しかし、その翌月にはムエタイルールに挑みRINAに判定勝ちして初代WMC女子日本スーパーフライ級王者となった。今回はこれまでのフライ級から階級を上げての参戦。戦績は10勝(2KO)4敗2分。 村上は極真空手をバックボーンに持ち、破壊力抜群の蹴りを武器にアマチュアキックでは1年弱で11戦全勝6KOの戦績をあげてプロに転向。デビュー戦ではダウンを奪って勝利したが、2戦目でいきなりJ-GIRLSフェザー級王者・空手こまちと対戦して判定負け。その後はQueenマオ、カン・イェジン、ウー・ユティン、MAYAに4連勝したが、2020年9月に浅井春香に判定3-0で敗れた。2021年4月には『HEAT』に初参戦し、鈴木万李弥と女子の年間ベストバウト候補と言われた熱戦を展開し、判定2-1で勝利。10月にはシュートボクシングでも勝利して12月に浅井との再戦に臨んだが一歩及ばずリベンジ失敗。今回は約10カ月ぶりの再起戦となる。戦績は7勝(1KO)3敗。 1R、両者とも蹴りからパンチへつなぐ中、スピードで優る聖愛がコンビネーションでヒットを奪っていく。村上はもらいながらも前へ出て右ミドルと右ストレート。
2R、一気にギアを上げた村上は蹴りの連打で襲い掛かるが、聖愛が左ストレートのカウンター。後退した村上に聖愛がラッシュをかけるが、村上はすぐに立ち直ってワンツーを繰り出していく。聖愛の右ストレートをもらっても前に出る村上。
3R、気合いの声を発しながらワンツーで前に出る村上に聖愛も応じ、激しい打ち合い、蹴り合い。聖愛が右ストレートをヒットすれば、村上は前蹴り、右ロー。聖愛はパンチでヒットを奪うが、村上はものともせず突進してワンツー、蹴りを繰り出す。村上の前蹴りで聖愛は転倒。
判定3-0で村上が熱戦を制し、大喜びする村上の横で聖愛は悔し涙を流した。
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▼第5試合 スーパーフライ級(-53kg) 3分3R延長1R―金子 梓(新宿レフティージム/同級8位)無効試合 ※偶発的なバッティングによる負傷のため―長谷川海翔(誠剛館/第4代DEEP??KICK-53kg級王者)
金子はRISEスーパーフライ級新設時からこの階級を盛り上げてきた第一人者で、田丸辰と初代王者を争った経験もある。空手とレスリングをバックボーンに持ち、田丸に敗れるまではデビュー以来8連勝を記録していたが、タイトルを逃してからは55kg転向などでスランプが続いた。2021年は匠朗、鳩に連勝したが、7月に大崎孔稀に敗れた。今年3月には『HOOST CUP』に乗り込み滉大と対戦するも判定負け。6月大会で佐藤九里虎をKOして戦績を12勝(2KO)8敗としている。
長谷川はアマチュアで11冠を達成した後にプロデビュー、1年前後で6戦6勝5KOを記録した。3月に元KOSスーパーバンタム級王者&元MA日本バンタム級王者のKING剛に初回TKO勝ち、6月にKAZUNORIに勝利して無敗のままDEEP☆KICK-53kg級王者となった。「無敗のまま引退」を目標と公言している17歳で、戦績は7勝(6KO)無敗。
1R開始直後から、サウスポーの長谷川はスピードのあるジャブ、左ストレート、左ミドルで手数を出して攻める。金子は後手に回り、左ストレートを効かされて続く連打でスタンディングダウンを奪われる。
再開後も手数を出して攻める長谷川に下がる金子は、足がもつれるなどダメージを感じさせる。しかし、ここで偶発的なバッティング。金子は額から大量の出血が見られ、ドクターチェックでストップ。1Rが終わっていないためノーコンテストとなった。
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▼第4試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R△小野幹晃(IGGY HANDS GYM/同級4位)ドロー 判定1-0 ※10-9、10-10×2△岩郷泰成(EX ARES/DEEP☆KICK?60kg級2位)※本戦の判定は28-28×3。
1R、前蹴り、右カーフと蹴りを多用して飛び込んでの右を繰り出す岩郷。小野は左ミドルを多用し、岩郷が入ってくるところに合わせる。小野は右ロングフックも。
2Rも前蹴りと右カーフを蹴る岩郷に小野は左三日月蹴りで対抗。小野がフックから入ってくると、離れ際に必ず右フックを返す。バックハンドブローもたびたび狙う小野。終了間際、右フックの相打ちで小野がダウンを奪う。
3R、左ミドルを蹴る小野に岩郷はパンチで反撃するが、小野は必ず岩郷の入り際に技を合わせに行く。しかし、ハイキックの空振りからのバックハンドブローで岩郷がダウンを奪い返す。小野のバッティングがあり試合中断。再開後、小野は左ミドルをヒットさせ、バックハンドブローや胴廻し回転蹴りを連発するが転倒が多く見栄えが悪い。
本戦の判定はドロー。延長戦へ突入する。岩郷は前蹴り、小野は左ミドル。小野は岩郷が打って来ると右を返していく。小野のローブローがあり、試合は中断。岩郷にはインターバルが与えられたが脚の震えが止まらず、試合はストップ。ここまでの負傷判定となり、ドローとなった。▼<中止>第3試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R×山科直史(極真会館/同級13位)○Shin(team FIST)※山科が2kg以上の計量オーバーのため失格。Shinの不戦勝
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▼第2試合 バンタム級(-55kg) 3分3R〇小只直弥(TBF)判定3-0 ※29-28、30-28、30-27×福井萌矢(建武館/King of Rookie 2021 -55kg級優勝)
1R、2分近くまではローの蹴り合いと時折高いミドルを蹴りのみだった両者。サウスポーの小只は左ボディストレートを伸ばしてハイキックにつなげるコンビを見せる。
2Rになるとアグレッシブに動き出す小只は左ミドルをヒットさせるが、パンチは空振りして逆に福井の右フック、右ストレートをもらう。ワンテンポ遅れてくるような福井の右をもらう小只。
3R、小只の左をかわして右ストレートでヒット奪った福井だが、小只は距離をグッとつめると左フックでダウンを奪う。その後も押し込んでいくように接近戦を仕掛ける小只に福井はヒザで応戦するが、判定3-0でダウンを奪った小只の勝利となった。
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▼第1試合 -45kg契約 3分3R×辻井和花(BRING IT ONパラエストラAKK/2021年Amateur RISE Nova全日本女子トーナメント -47kg級優勝)判定0-2 ※29-30×2、29-29、〇小林穂夏(NEXT LEVEL渋谷/JAPAN CUP 2022 女子-50kgトーナメント準優勝)
1R、両者サウスポー。上背で優る辻井は蹴りを中心、小林はローやミドルを叩きつけて左右フックで突進する。一発当たると猛然とラッシュする小林だが、辻井は距離をとって追撃を許さない。
2R、辻井は小林が潜り込んでくるところをキャッチしてヒザを入れる。ならばと小林はステップを踏んで飛び込んでの左ストレート。辻井は左のカウンターで一瞬グラつかせる。小林も左右ボディで反撃。
3R序盤、パンチの打ち合いに応じる強気な辻井。離れるとすかさず蹴りを放ち、小林は組み付きが目立つ。その組み付きにヒザで対抗する。アグレッシブに動いて左右フックを繰り出す小林。
判定は2-0でよりアグレッシブに戦った小林がデビュー戦勝利を飾った。