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【RIZIN】クレベルが予告通りの三角絞めで牛久を極めてフェザー級新王者に! スダリオが国際戦でTKO勝ち、矢地が連敗脱出、武田が横綱相撲で一本勝ち、宇佐美が佐々木をTKO、阿部が判定勝ち、梅野が秒殺KOでタイトル新設アピール、中原が初回TKO勝ち

2022/10/23 13:10
『湘南美容クリニック presents RIZIN.39』速報 2022年10月23日(日)マリンメッセ福岡A館 14時10分開始予定に変更 ※選手名からインタビュー、見どころ記事にリンク ▼RIZNフェザー級(66kg)タイトルマッチ 5分3R×牛久絢太郎(K-Clann)王者・22勝9敗1分[2R 1分29秒 三角絞め]〇クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)挑戦者・31勝5敗1分 王者の牛久(27歳)は、2021年10月、RIZIN初出場で、当時の王者の斎藤裕を2R 跳びヒザ蹴りによる斎藤の出血ドクターストップにより王座獲得に成功。2022年4月に斎藤とのダイレクトリマッチを受け、2Rに左ハイキックでダウンを奪うなど打撃で攻勢に立ち判定勝ち。王座の初防衛に成功している。 対するクレベル(32歳)は、元KSW王者としてRIZINに参戦し、カイル・アグォン、摩嶋一整、朝倉未来、佐々木憂流迦、萩原京平を相手に5試合連続の一本勝ち。王座挑戦をアピールしていた。  牛久は、もともと柔道出身の組みの強さに加え、左右どちらでも構えることが出来、『POWER OF DREAM』での出稽古で打撃の進化も著しい。対するクレベルは、サブミッション勝率が87%。ATTでMMAのトータルスキルを上げ、タイで弱点とされる打撃を強化している。  牛久は2016年9月の松嶋こよみ戦以降、6年間一本負けは無く、判定勝ちも多く、スタンド、組み技ともに粘り強く競り勝つ強さを持つ。一方のクレベルは組みも強い牛久を相手に、打撃で立ち会い、いかに得意な形で組んで極めることが出来るか。今回の試合に向けて青木真也とも練習を積んできた。  日本在住の日系ブラジル人のクレベルは国歌斉唱に、日本国歌を希望。愛内里菜が君が代を独唱し、榊原CEOによる、王座戦の認定書が読み上げられ、いよいよゴング。  1R、サウスポー構えから入る牛久、クレベルはオーソドックス構え。右の関節蹴りを突く牛久。右ハイをガード上に当てるクレベルは前に。牛久の日い出りフックをかわしてボディロックテイクダウンはクレベル。スクランブルする牛久を追うクレベルはテイクダウン。  クローズドガードの牛久。バック狙いのクレベルに上を譲って正対する牛久。クレベルは肩固め狙いもブリッジでリバーサルする牛久。  下のクレベルは三角絞め狙いから足関節も狙うが、足を抜く牛久。その際を追うクレベルは引き込み! 下からヒジを突く。  2R、牛久の左の蹴り、クレベルの右の蹴りが交錯。牛久の蹴りを掴んだクレベルは、テイクダウン。下から外ヒールを狙う牛久。抜いて立ち上がるクレベルに牛久はダブルアンダーで両脇差すも、クレベルも首投げ気味に投げて、バック狙いから腕十字狙い、さらに三角絞めも牛久の右腕は外に出ている。いったん正対した牛久にクレベルは頭を引き寄せ、タップを奪った。  リング外の妻子や両親と抱き合ったクレベルは歓喜。リング上に戻り、榊原CEOからベルトを受け取ると、榊原CEOは「Bellatorとの対戦も頼むよ。頑張って」と語りかける。強くハグするクレベル。  RIZIN6試合連続一本勝ちで、ベルトを獲得したクレベルは、「皆さん、こんにちは! ちょっと難しいけど、アントニオ猪木、死んじゃった。自分をすごい助けた友達も死んじゃった。今日めちゃ嬉しいです。これは日本のベルトで、ブラジルのベルト! でも19年日本にいる中でみんなが助けてくれて、今はこうしてファンのみんながサポートしてくれて、ほんとうに日本ありがとう、いまから自分とサトシ先生でフェザー級とライト級のチャンピオン。でも今日のは自分のベルトじゃない、マルキーニョス、ダイ、セキネ……ここまで自分を支えて信じて、ここまでみんなありがとうございました。疲れた。皆さんありがとうございました。これが誕生日(10月16日・33歳)のプレゼント。1、2、3、ボペガー!」と語り、メインを締めた(※試合後、クレベル・コイケのインタビュー)。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇スダリオ剛(HI ROLLERS ENTERTAINMENT / PUREBRED)6勝1敗[2R 0分30秒 TKO]×ヤノス・チューカス(ルーマニア/ハンガリー)7勝1敗  大相撲での最高位は西十両5枚目、元貴ノ富士 三造ことスダリオ剛は、エンセン井上の指導のもと、2020年9月にMMAデビュー。フィリピンと日本のハーフとして高い身体能力を誇り、MMA転向後は、プロレスラーのディラン・ジェイムス、宮本和志をTKOに下すと、ミノワマンにもカーフキックを効かせてTKO勝ち。しかし、2021年6月にシビサイ頌真に3Rにリアネイキドチョークを極められ初黒星を喫した。  米国修行も経て、10月の横浜大会では米兵のSAINTを相手に1Rに左ボディからの右フックでKO勝ち。その後、練習中に怪我を負い、手術とリハビリで暫く試合から遠ざかっていたが、さらなる米国修行も敢行し、約9カ月ぶりの参戦となった2022年7月のRIZIN.37で4連勝中の関根“シュレック”秀樹をカウンターの左ストレートでマットに沈め、復帰戦をTKO勝利で飾っている。  対するヤノス・チューカスは、CageRageの後継団体であるUltimate Challenge MMA(UCMMA)が主催しているアマチュア大会で実績を積むと、2019年2月のUCMMAでプロデビュー。19秒でリアネイキドチョークによる一本勝ちを収めた。  デビューから3試合連続1R決着で3連勝後、2021年12月からはFightStar Championship、Cage Glory Championshipで再び3連勝。2022年6月にホームのルーマニアで行われたHeroes Fight Leagueでアリン・コンスタンチレスキューを1R、パウンドアウト。プロ戦績7戦7勝、フィニッシュ率100%を記録している。  プロ公式戦では無敗だが、2017年3月のアマチュア大会で現UAE Warriors参戦中のアメド・テジャニ・シェフ(※UAEWでクリス・バーネットに1R TKO負け)に2R TKO負け。2019年10月のEuro Fight Nightではエキシビションマッチとして、現Bellator2勝1敗のルーク・トレイナーに一本負けしているマック・ソスノウスキを相手に1R TKO負けも喫している。  オーソから左前手のフック、右フックを強振して組んで倒して削ることを得意とするチューカスだが、テイクダウンディフェンスには難もあり、「組み技を強化してきた」というスダリオは、いかに対外国人を相手にいつもの力を発揮するか。  1R、ともにオーソドックス構え。パンチのフェイントから右ローを打つスダリオ。チューカスはワンツーから組み。四つになるスダリオ。右ヒジを打つがそこで押し込むチューカスは、左で差して投げ。スダリオは内無双で凌ぐ。  コーナー背にするスダリオにチューカスは左で差しギロチン狙いから払い腰! 投げられたスダリオだがスクランブルから立ち上がり。  右カーフキックを当てるスダリオ! しかしチューカスも右を当てると前に。しかし続く右は軸がブレる。右ストレートを突くチューカスに右アッパーを当てるスダリオ! 最後にダブルレッグ狙いでゴング。  2R、先に前に出るチューカス。スダリオは左インロー、右ローと前足を突く。打撃に身体が流れるチューカスは、飛び込んでの右ハイも自らバランスを崩して下に。  その立ち上がり際にスダリオは右フック! 後方にふっ飛んで倒れたチューカスに一気にパウンド! 試合を決めた。  試合後、スダリオはリング上で「こんにちは! 何も考えてなかったです。とりあえず勝ったんで、大晦日、お願いします」とマイクで語った。   [nextpage] ▼ライト級(71kg)5分3R〇矢地祐介(フリー)24勝13敗[判定3-0]×ボイド・アレン(南アフリカ)16勝5敗1分  矢地は川名“TENCHO”雄生、武田光司と日本人王者クラスに連勝したものの、ホベルト・サトシ・ソウザ、ルイス・グスタボ相手に連敗。 「この階級で外国人選手に勝つことがテーマ」という矢地は、MMA16勝4敗1分、プロボクシング戦績6勝(4KO)1敗1分、182cmの長身オーソドックスのアレンと対戦する。  1R、サウスポー構えの矢地、オーソドックス構えのアレンに、左を振って先に詰める矢地。四つに組んで小外がけも崩れないアレンが逆に投げも残して体を入れ替える。  矢地の小外がけにロープをつかみながらも倒れたアレンは下から外ヒールフック狙い。それが抜けると立ち上がりも、際で上になるのは矢地。ハーフガードのアレンは下から頭頂部にヒジを突く。  腹に顔をつけて細かくパウンドする矢地。下のアレンもヒジを返すが、矢地は顔を上げずに時折外からパウンドする。  2R、右ミドルを突くアレンにすぐに詰める矢地は右で差してスタンドで横についてボディロックテイクダウン!  サイドにつく矢地は、右で枕に巻き押さえ込みヒジ。アレンは足を戻せず。矢地はサイドのまま押さえ込み、左脇も開けさせ、4分以上、上を取り続ける。  3R、右から左を突いて右で差して、1分もたたずにボディロックテイクダウンは矢地。サイドからマウントを奪い、肩パンチ。半身になるアレンは潜り外ヒールフックから立ち上がり。背後につく矢地に前転からヒザ十字狙いも潰して上になる矢地。  右足を抜き、肩固めを狙う矢地。腰を中空で切ってパスする矢地はサイドに。そのままゴング。判定は組み勝った矢地が3-0で勝利。2連敗から待望の白星を掴んだ。 [nextpage] ▼ライト級(71kg)5分3R〇武田光司(BRAVE)15勝3敗[1R 3分35秒 腕十字]×ザック・ゼイン(米国)15勝14敗  高校6冠グレコローマンレスラーの武田は、2020年9月に川名TENCHO雄生にスプリット判定勝ち、2021年3月に久米鷹介にも判定勝ちで連勝も、2021年9月に矢地祐介に判定負け。同年大晦日の“ブラックパンサー”ベイノア戦で腕十字で一本勝ちで復活。  しかし、2022年4月にスパイク・カーライルのギロチンチョークで一本負け。ハワイでクリスチャン・リーとの練習を経て、2022年7月の前戦でジョニー・ケースに判定勝ちで再起を遂げている。  対するゼインはMMA15勝13敗。2017年6月から2019年3月まで8連勝を挙げてBellatorに参戦。3連勝中だったナイノア・ダンに判定勝ちも、現在はEagle FC、LFA、Titan FCなどで4連敗中。  ハワイで行われたRIZINトライアウトで選ばれ、RIZINデビューの切符を手に入れた。15勝のうち10勝が一本勝ちと柔術で培った極めの強さを持つが、ケースを破った武田としては、負けられない相手だ。  1R、ともにサウスポー構え。右ジャブから左右を思い切りよく振るゼイン。左で差して組む武田。コーナー背にするゼインに引き出そうとするが、残して正対するゼインは四つ。  脇を潜りスタンドバックにつく武田。投げに足をロープにかけるゼイン。崩しに変えて投げる武田にシングルレッグはゼイン。そこにネッククランクの武田。ゼインは首を抜きガードに戻す。  インサイドガードの武田はパウンド。上体を立ててかつぎパスからサイド、キムラ狙いで持ち上げてから、最後は腕十字へ。またごうとしたゼインだが、ヒジが伸び、タップした。  横綱相撲で一本勝ちの武田は、「フィジカルがすごく強くて、日本人になり独特の圧力はありましたが、1Rで一本を極めようと決めていたのでしっかり形に出来て取れることができてよかったです。まあ大晦日も出る気満々でいるので、どうですかね、皆さん? 4戦目でキツいですけど、僕のことを応援してくれている人のために出たいと思うので、よろしくお願いします」と大晦日出場をアピールした。 [nextpage] [休憩] ▼75kg契約 5分3R〇宇佐美正パトリック(フリー)5勝1敗[3R 2分33秒 TKO] ※右ストレート→パウンド×佐々木信治(総合格闘技道場BURST)20勝13敗3分  22歳の宇佐美は元ボクシング高校6冠。極真空手の経験も持ち、2021年5月に『格闘DREAMERS』で勝利後、プロ修斗、VTJで3連勝。 2022年4月のPOUNDSTORMで大尊伸光に判定負け後、6月9日の「ROAD TO UFC」でアンシュル・ジュブリ(インド)との対戦が決まっていたが、減量に失敗し、欠場していた。  対する42歳の佐々木は、元第修斗環太平洋ウェルター級王者。修斗、PANCRSE、DEEPを経て、韓国ROAD FCにも参戦。2021年2月に約3年ぶりに復帰し、GLADIATORで植田豊に1R TKO勝ち。同年12月には修斗「闘裸男」でジョナサン・ヴァレスに判定勝ちで2連勝中。RIZINには2016年4月のダロン・クルックシャンク戦以来の出場となる。  佐々木のセコンドには妻の藤井惠。宇佐美のセコンドにはストラッサー起一がつく。  1R、佐々木の左右の前進から左に、右を当てに行った宇佐美。佐々木はコーナーでボディロックテイクダウン! そのままサイドを奪うと上四方狙いからマウントを奪取。ハイマウントに移行した佐々木はマウントからの三角絞め、腕十字も狙うが、下の宇佐美が抱きつきゴング。  2R、組みを警戒し距離を取り腰が引ける宇佐美。佐々木の詰めに前手の左フックを狙う。宇佐美は右カーフ。佐々木の左に左を返す。  左インローの宇佐美。佐々木はジャブが届かない遠間。ヒザ着きのシングル、ダブルレッグも深追いしない。左インローを当てる宇佐美。左を振りニータップ狙いは佐々木。さらにダブルレッグもコーナーで切ろうとする宇佐美。  しかしボディロックする佐々木は右足をかける。小手に巻き、ダブルレッグに移行する佐々木にヒザ蹴りは宇佐美! 詰めて左フック、ボディもゴング。佐々木は組みに疲労が見えてくる。  3R、左ハイを打つ宇佐美。ブロッキングする佐々木は手数が少ないが、左ジャブ。そこに宇佐美は右を狙う。さらに右ロー。左ジャブで圧力をかけ始める。互いに右の突き合いは、頭を傾けかわすが、続く宇佐美の左ボディ、左フックのダブルからの右に佐々木が後方にダウン! パウンド1発にレフェリーが間に入った。  試合後、宇佐美はリング上で、「皆さん初めましてパトリックです! ほんとうに今までいろいろありすぎて、濃い半年間で、家族と友達、サポートしてくれる人達に助けられました。佐々木選手、こんな短い期間に受けてくれてありがとうございます。これから有言実行しようと思っているので、大晦日も強い相手とやりたいのでぜひお願いします。マジでこれからデカくなるので、皆さんついてきいてください。よろしくお願いします」と涙を流しながら語った。 [nextpage] ▼ウェルター級(77kg)5分3R〇阿部大治(フリー)12勝5敗[判定3-0]×田村ヒビキ(パラエストラ大阪)16勝14敗9分1NC  UFC、ONEで戦い、現DEEPウェルター級王者の阿部は、2021年10月のRIZIN初戦はライト級でアキラに一本負けも、2022年3月に本来のウェルター級に戻しストラッサー起一からダウンを奪う判定勝ち。2022年7月にはマルコス・ソウザの寝技を凌ぎ、右ストレートで2R KO。2連勝をマークしている。  対する田村は、カルペディエム福岡を主宰し、MAM16勝13敗9分のベテラン。2005年にDEEPフューチャーキングトーナメントミドル級優勝後、2008年からプロ修斗に参戦。  2017年9月にウィル・チョープに2R、ヒザ十字固めで一本勝ちするなど、3連勝で2019年6月、空位の修斗ウェルター級環太平洋王座を賭けてソーキと激突もスプリット判定で敗れ、戴冠ならず。2022年5月にTORAOでの2年11カ月振りのダイレクトリマッチでソーキに2R KO勝ちで、第6代修斗ウェルター級環太平洋王者に輝いた。  長いリーチを活かした右の強打と、柔道仕込みの足払いのテイクダウン、RIZINルールに慣れた4点ヒザと強さを増している阿部に対し、田村はソーキを下したサウスポー構えからスイッチしての打撃、関西と東京出稽古の成果、グラップリングを戦った柔術でいかにチャンスを作るか。MMAファイターとしての姿を地元で見せる。  阿部のセコンドには五味隆典の姿。  1R、先に前に出る阿部、サウスポー構えの田村は右回りでさばき左ストレートを合わせに行く。左インローを当てる阿部。田村の打ち終わりに右を当てる。ブロッキングする田村は左インロー。  右ミドルを当てる阿部。右に回る田村。阿部は右ミドル。田村も左インローから左で差して組み。阿部は右足を腰にあてて防ぐ。ブレーク。  田村の左右に右を当てて前に出る阿部はローから右アッパーに繋ぐ。阿部の右をかいくぐり組む田村だが突き放す阿部。跳びヒザで飛び込み。田村の低いダブルレッグを切る。  2R、右のローに右の跳びザを合わせる阿部。左右で前進し、右ボディを突く阿部。さらにノーモーションの右を当てる阿部。左の前手のフックはかわす田村だが手数が少ない。阿部の右ハイに左ヒザを突く田村だがローブローに。  再開。ワンツーを内側に突く田村。さらに左インロー。阿部の右をスウェイでかわす。田村の左の打ち終わりに右を狙う阿部。田村の打ち返しはバックステップでかわす。  3R、左から右を強振する阿部はそこから深追いせず。ブロッキングからサークリングする田村。右足が交錯し、バランスを崩した田村を詰める阿部。さらに右のダブルもかわす田村は右回り。  右ハイで前に出るが、デフェンシブな田村を追い切れず。右ショートフックから出足払いも狙う。追う阿部にサバイブする田村。試合は判定3-0で、伸びる右ストレート、組み際のアッパーを当てた阿部が、粘る田村に勝利した。 [nextpage] ▼RIZINキックボクシングルール(※ヒジあり)61.0kg契約 3分3R〇梅野源治(PHOENIX)[1R 0分21秒 TKO]※左ローキック×トレント・ガーダム(Tiger Muay Thai & MMA) 梅野は、2016年10月にラジャダムナンスタジアム ライト級王座を獲得し、日本人として史上6人目の王者となる快挙を成し遂げたレジェンド。  2019年にはRISE世界トーナメント(-61.0kg)に参戦し、一回戦でル・ジュン、準決勝でチャンヒョン・リーに勝利し、決勝で白鳥大珠にKO負けで準優勝。2021年4月にはBOMで一度黒星をつけられたキヨソンセン・フライスカイジムに判定勝ちでリベンジ。 2021年6月にRIZINに初参戦し、トーナメント一回戦で皇治と対戦も偶発的なバッティングによりノーコンテストに。2022年3月の再戦では判定2-0で敗れた。しかし、7月のKNOCK OUTでは、大谷翔司を相手に3R、右ヒジでTKO勝ち。ムエタイルールの強さを見せている。福岡大会では待望のヒジ打ちありルールで戦う。  ガーダムは、ボクシングとムエタイとMMAの三刀流ファイター。2018年11月のシュートボクシングで初来日。健太に判定負けも、2019年からUAEWarriorsに参戦しMMA2連勝。2018年8月のRIZINデビューで現UFCのビクター・ヘンリーに3R 三角絞めで一本負けも健闘。  2020年2月にUFC帰りの井上直樹に判定で惜敗。MMA戦績を12勝4敗とする。プロボクシングでも3勝1敗で、2022年5月の前戦では豪州の「King of the Castle」で5勝無敗のハッサン・ハムダンに判定負け。8月に三浦孝太が出場した「RWS」では、海人に勝利したピンペットを相手にキックルールで判定負けも3Rを戦い抜いている。  オーソの梅野にサウスポー構えのガーダム。ヒジありルールのなかで、梅野はガーダムの伸びる左を警戒しながらも、得意のヒジ・ヒザ、ロー、ミドルをいかに効かせるか。  1R、両者勢いよくコーナーを飛び出す。サウスポーのガーダムは右フックと右ローをを繰り出していくが、梅野も左ローで応戦。そこへ梅野がカーフへの左ロー。ガーダムはもんどりうって倒れ、右足をおさえて傷みに絶叫。担架に乗せられて退場した。  ヒジを繰り出す間もなく秒殺TKO勝利を飾った梅野は「試合前から試合後まで勝とうが負けようが、みんなを盛り上げられる梅野源治です。どうでしたか皆さん、ムエタイの梅野源治。けっこうやばかったでしょう。榊原さん、どこにいるんですか? 榊原さん、そろそろRIZINのムエタイのベルト早く作ってください。みんなも見たいでしょう、俺がどれだけムエタイでやばいのか。これ以上長くなっちゃうと試合を控えている思うので、この続きはRIZINのインタビューで楽しみにしてください」とアピール。  花道には多くのファンが集まり、梅野とのタッチを求め、梅野もグローブタッチでこれに応じた。会場には「やばかった!」「やばいぞ!」というファンの声も響き渡った。 [nextpage] ▼フェザー級(66kg)5分3R〇芦田崇宏(BRAVE)26勝12敗2分[判定3-0]×中田大貴(和術慧舟會HEARTS)5勝4敗  芦田は、中学で柔道、高校でレスリングとボクシングを始め、ボクシングではインターハイと国体に出場。2010年にプロデビューし、2017年12月に上迫博仁に判定勝ちでDEEPフェザー級王座を獲得。2020年9月にRIZIN初参戦で萩原京平にハンマーロックで一本勝ちも、2021年10月に金原正徳にTKO負け、2022年4月にはカイル・アグォンにも判定負けで2連敗を喫した。2022年8月には、今成正和と対戦し、今成の関節技の仕掛けを潰しての判定勝ちで再起を遂げている。  対する中田は、ラグビーから中3で大道塾に入門し空道を学んだ。2019年アマチュアパンクラス全日本選手権で優勝後、2020年7月のPANCRASEネオブラでプロデビュー。岩本達彦、田村一聖、Ryoを相手に3連勝も、2021年11月の「RIZIN TRIGGER 1st」で堀江圭功に判定負け。2022年3月のPANCRASEで亀井晨佑にスプリット判定負けで2連敗。2022年7月のPANCRASE 328で内村洋次郎に1R パウンドでTKO勝ちし、再起を遂げた。  サウスポー構えの芦田はジャブ、左ミドルと長い距離から組み立てるのに対し、オーソドックス構えの中田はスタンドでの近距離での打ち合いに勝機を見出す。組みを混ぜた展開は芦田に一日の長があるが、中田はそれを凌いでタフファイトに持ち込めるか。  1R、サウスポー構えの芦田にオーソドックス構えのの中田。じりじり詰めて右ハイも見せる中田。芦田は右ジャブ、左ストレート狙い。  中田は右ミドルハイをガード上に当てて追う。右リードジャブを突く芦田。左右を振って右アッパーから組む中田だが、体を入れ替える芦田に再び体を入れ替える中田。突き放す芦田はダーティーボクシングで左アッパーを突く。  右で差して組んで押し込む中田は離し際に左右、さらに回転を上げるが、芦田の打ち返しにはボディロック。背後から右足をかける中田がアグレッシブに背後から左パンチを打ち込む。  2R、ジャブから突く中田。芦田もジャブを返すと右! 芦田から組みに。しかし左を差すのは中田。さらにスタンドバックについて右足をかけてたすきがけからボディロックに変えて後方に崩して両足をかける。  リアネイキドチョークを狙う中田。首を守る芦田。中田はパームトゥパームで絞めるが凌ぐ芦田は背後の中田にパンチ。正対したところでゴング。  3R、前に出続ける中田、芦田も頭をずらして左、さらに右フックを返すともらいながらも中田は前進。顔を腫らしながらも左で差してコーナーに押し込むと、右差しに変えて左でダーティーボクシング。芦田は的確に打ち返すと。ギロチン狙いから抜いたところを突き放し左右。しかし中田も左右を突いて組みに。そこに小外を合わせてテイクダウンは芦田!  下からの中田の三角狙いを潰してスクランブルの際で上になる芦田! サイドからヒザを突くが中田も立ち上がり前に。ゴング。  判定は3-0で、中田の打撃を被弾し過ぎず有効打を当てた芦田が勝利。試合後、芦田は、「中田選手、ほんとうに強かったです。ありがとうございます。今月、アントニオ猪木さんが亡くなり、BRAVEも猪木さんのことですごくショックで。こういう風に格闘技が出来ているのもアントニオ猪木さんのおかげだと思っています。もっと頑張ります」と、猪木さんへの感謝の言葉を語った。 [nextpage] ▼フェザー級(66kg)5分3R〇中原由貴(マッハ道場)17勝5敗[1R 2分37秒 TKO] ※サッカーキック×原口 央(BRAVE)7勝4敗※ヴガール・ケラモフは椎間板ヘルニアにより欠場  中原は、柔道ベースながら打撃も得意とするストライカー。GRACHAN、GLADIATORを経て2015年からPANCRASEに参戦。ユータ&ロックにスプリット判定負けも、以降7連勝を含む9勝2敗でONEに移籍。2019年2月エミリオ・ウルティア戦の3R TKO勝ちでデビューを果たすと、同年5月にはゲイリー・トノンと対戦し一本負け。  その後、コロナ禍で試合から遠ざかったもの、2021年3月に14戦無敗のルスラン・エミベックを1Rに左ストレートからのカウンターの右フックでダウンを奪い、パウンドアウト。さらに4月大会にも連戦し、モンゴルのシネチャツガ・ゼルトセトセグを組みで圧倒も、足関節に反則の顔面蹴り上げを食らい反則勝ち。不完全燃焼に終わっていた。  2022年7月に佐々木憂流迦との対戦が決定も、佐々木の欠場により急遽、ZST王者の関鉄矢と対戦。「ストライキングで行けるだろう」と判断し、テイクダウンは封印。終始スタンドで、乱打戦を望む関の距離にさせずに判定で完封勝ちした。  当初対戦予定だったヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)が椎間板ヘルニアでドクターストップにより欠場。代わって、第3代GLADIATORフェザー級王者の原口と66kg契約で対戦する。  中原はRIZINで2度目の対戦相手変更。2022年7月の「RIZIN.37」で、当初は佐々木憂流迦と対戦予定だったが、佐々木の新型コロナウイルス感染により、ZST王者の関鉄矢と対戦。スタンドで優位に立ち、判定勝ちを収めている。  原口は、フリースタイルレスリングで全国高校選抜大会60kg級3位など鹿児島の名門・樟南高で活躍。2021年11月のVTJで宇野薫に判定勝ちすると、2022年5月の「RIZIN LANDMARK vol.3」でRIZIN初参戦。関鉄矢に判定負けしている。  1R、ともにサウスポー構え。先に詰める原口に、中原は右から左! しかし原口はシングルレッグで押し込み。コーナー背に立つ中原。原口の頭が下がると鉄槌。原口は右で差して、ダブルレッグに移行し、その際でスタンドバックに。  しかし、中原はアームロック狙いから正対際に巧みに左ヒジを当て、引き込み気味の原口にそのままマウント。原口が亀になると、サイドバックからパウンド、さらにサッカーキック3発で試合を決めた。  試合後、中原は「前回、挨拶しそびれたのでマイク持てて嬉しいです。原口選手、スクランブル参戦ありがとうございます。これで発言権を得られたと思ってないので、ケラモフ選手と、大晦日、同じようにしてやろうと思っています。やらせてくれたら嬉しいです福岡の皆さん、僕を覚えてくれたら嬉しいです。ここから有名になりますんでよろしくお願いします」と、大晦日ララモフとの仕切り直しの試合のアピールと、勝利して「言いたい事がある」とした。  試合後の会見では「次勝って、トップ戦線入って、(もう1試合)挟むか挟まないかで、ベルト(をかけて)やれたらと思っています」と王座獲りを視野に入れたいとした。 [nextpage]  ▼バンタム級(61kg)5分3R〇手塚基伸(シークレットベースドミネート/コブラ会)35勝14敗6分[1R 4分33秒 TKO] ※レフェリーストップ×メイマン・マメドフ(アゼルバイジャン)5勝6敗1NC  35歳の手塚は、UFCでアレックス・カサレスにスプリット判定負け後、ヴァウアン・リーにも判定負けでリリースされたが、2014年7月に第3代GRACHANバンタム級王者に。同年9月にはHEATバンタム級初代王座決定トーナメントに出場し、アラン“ヒロ”ヤマニハ、祖根寿麻に連続一本勝ちで王者となった。  修斗で3連勝後、PANCRASE、GRACHANで3連勝で6連勝をマークし、2022年3月にRIZINデビューでヤマニハと再戦もリアネイキドチョークで一本負け。7カ月ぶりの再起戦となる。  MMA5勝5敗のアゼルバイジャンのマメドフは34歳。2015年にKunlun Fightカザフスタン大会でプロデビュー。白星と黒星を繰り返しながらも2019年10月から2勝1NCと負け無し。2021年3月にモルドヴァで開催されたEagles FCでは当時3連勝中だったエフゲニー・マンコを5R 判定で破り、EFCフライ級王者となった。  盟友のトフィック・ムサエフ、ヴガール・ケラモフ同様に強い体幹を誇り、オーソドックス構えの懐は深く、細かいステップから右のカウンター、前進しての右ミドル、際の打撃を得意とする。テイクダウンも力強く、トップから削ってEFC王座を獲得しているが、その一方でガードからの腕十字、ヒザ十字での一本負けも喫しており、階級上の手塚にとってはテイクダウン際のサブミッションのチャンスもありそうだ。  1R、サウスポー構えの手塚、オーソドックス構えのマメドフ。大きな右を振るマメドフ。手塚はフェイントを入れながらダブルレッグも、マメドフががっちり受け止めると引き込み。 下からキムラクラッチを組もうとすると、マメドフは自分の腿をつかんで防御。さらに三角絞め、腕十字狙いから再び三角絞めへ。腕を抜こうとするマメドフ。      手塚は下からヒジ、パンチ、鉄槌を連打。マメドフは額で受けようとする。腰を抱いたまままったく動けないマメドフは手塚の両手のパンチを受け続け、サブレフェリーからタオルが投入された。  レフェリーストップで1R、4分33秒で手塚がTKO勝ち。マメドフはすぐに立ち上がり、両手を広げてストップに抗議した。  試合後、手塚は「最初の試合(ヤマニハ戦)、ほんとうに心折られて、外国人選手とやることできつかったですけど、無事にRIZIN初勝利で嬉しいです。道場の皆さん、嫁と子供、ありがとう。まだまだ俺はいくぞ」と咆哮した。 [nextpage] ▼RIZINキックボクシングルール 57.5kg契約 3分3R〇栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)[2R 1分40秒 TKO] ※左ハイキック×翔(REVOLT)  大分出身の栗秋は、九州で活躍後、2018年10月に上京してクロスポイント吉祥寺に入門。天性の格闘技センスを生かした左の攻撃を武器とし、跳びヒザ蹴りは一撃必倒の切れと破壊力を秘めている。2022年7月のKNOCKOUTでのTAKERU戦の判定負けから再起なるか。  福岡出身の翔は、プロ12戦8勝中4KOと得意のパンチで高いKO率を誇る。主戦場のRISE WESTを大舞台に持っていくことを目標に掲げており、必殺の左ボディを武器に、真っ向から打ち合う戦いで栗秋もタフファイトに巻き込むか。  KNOCK OUTを主戦場とする栗秋と、RISEにも参戦しているKAKERUという普段は交わらない同士の対決となった。  1R、KAKERUは右カーフを狙い撃ち、栗秋も左フックから右カーフ。ロープを背負わされながらも栗秋は左フック、右アッパーと強打を放っていく。パンチをもらいながらも打ち返すKAKERUだが、左フックでバランスを崩したところで栗秋が顔面を蹴り上げる。その直後、バッティングがあり試合は中断。  再開後、KAKERUの右フックをスウェーでかわして左フックを打つ栗秋。前に出るKAKERUが左ボディ。至近距離で打ち合う両者は顔面とボディへ強いパンチを打ち込んでいく。栗秋はその至近距離で左ハイ。前へ出て距離を詰めるKAKERUは栗秋をロープに押し付けての連打、栗秋はKAKERUの奥足へ左ローを蹴っていく。  2Rも前へ出てパンチを繰り出すKAKERUに、栗秋は右カーフと左ロー、左ハイ。それでもKAKERUは距離を潰して栗秋をロープに押し付けて顔面とボディを打つ。栗秋はプッシュしてKAKERUを下がらせての左奥足ローを連打し、左ハイキックをクリーンヒット。下がるKAKERUに飛びヒザ蹴り、さらに左ローで畳みかける。  栗秋は左ハイキックを引っかけるようにしてダウンを奪うと、最後は左ローからの左ハイキック。前へ潰れるKAKERUを見てレフェリーが試合をストップした。栗秋は試合前の予告通りの2RでKO勝ち、コーナーに登ると勝利のムーンサルトを決めた。 [nextpage] ▼RIZINキックボクシングルール 63.0kg契約 3分3R〇REITO BRAVELY(BRAVELY GYM)[1R 0分34秒 TKO]※左ハイキック×関 幸一郎(ELEPHAS)  大分出身のREITOは、中学生時代にはジュニアムエタイで三冠王。16歳でプロデビューを果たすと、19年10月にKOSスーパーフェザー級王者の北園翔大を2R TKOで破り、19歳でプロ初戴冠。2020年12月には田中陸登を判定に下し、M-1 JAPANライト級チャンピオンにも輝く。2021年4月にはKNOCK OUTに初参戦し、スアレック・ルークカムイに延長4R、左ストレートでKO勝利。22歳でRIZIN初参戦となる。  熊本出身の関は、高校時代にアマチュアボクシングで熊本県3位。2013年4月に「ACCEL」神戸大会でプロデビュー。アグレッシブなファイトスタイルで、MASATO BRAVELY、マサ佐藤、北野克樹らとの対戦経験も持つ。プロファイターのかたわら、熊本市内でバーともんじゃ焼き店を構え経営者の顔も持つ35歳だ。 1R、サウスポーのREITOは前蹴り、左ミドル、左ハイと左の蹴りを蹴っていき、ジャブを打つ関へ左ハイキック。この一撃が見事に決まり、REITOが秒殺KO勝ちでオープニングを飾った。      関はハイキックに反応して右手のガードを上げたが、蹴りはその上を通り過ぎていった。  
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