MMA
インタビュー

【RIZIN】梅野源治とヒジありで対戦するトレント・ガーダム「クレベルの柔術は異次元、彼が勝つ」「梅野はMMAファイターの僕に負けたら引退だ」=全文

2022/10/21 14:10
 2022年10月23日(日)にマリンメッセ福岡 A館で開催される「湘南美容クリニック presents RIZIN.39」の全選手インタビューが21日、同地にて行われた、  第6試合で、RIZINキックボクシングルール(※ヒジあり)61.0kg契約(3分3R)で梅野源治(PHOENIX)と対戦するトレント・ガーダム(Tiger Muay Thai & MMA)が午前のインタビューに登場。  梅野について「彼のムエタイはオールドスクール。年寄りの肌だからすぐ斬れるだろう。もし自分が斬られたらパンチで意識を断ち切る」とKO宣言。  またタイでの練習仲間のクレベル・コイケについて、「彼の柔術は別次元のスキル。いきなり極められてしまう。打撃もユニークで変則的だ。同じ練習仲間のファブリシオ・アンドラージもそう。彼らと練習しているんだ。ファブリシオが勝ち、クレベルも勝つ、そして自分も勝って、みんなハッピーになる」と、新王者になると断言した。 1、2、3ラウンドのどこかで彼を眠らせられる ──久しぶりの日本はどうですか。 「福岡は世界中で一番くらいビューティフルな土地だなと思った。空気が綺麗だなって。昨日ランニングしていてそう感じて、20キロくらい走れそうな感じ。プーケットに今住んでいますが、全然違ってフレッシュ。日本にまた戻ってこれて嬉しいです」 ──現在のコンディションは良いですか? 「コンディションは自分のキャリアで過去最高にいい。すごくヘルシーなんだ、糖類もは摂らず、よくない食べ物も摂らず、ガンジャも吸ってないし、梅野をノックアウトすることに集中して摂生してきました」 ──最近のトレーニング環境は? 「タイでのここ5カ月間、ONEでタイトルマッチを控えているファブリシオ・アンドラージ選手だったり、アミール・ナセリ選手のようなルンピニーだったりさまざまなプロモーションでタイトルを獲得している選手たちがトレーニングパートナーで、ムエタイの練習をたくさんしてきたのと、自分の直近の試合はキックボクシングなんだけどゲンジが過去に戦っているピンペッチ・バンチャメーク選手だった。こういった練習の経験によって、自分のボクシングやMMAの中で生まれた悪い癖も出て修正できたので、今回自分の完璧なスキルセットを皆さんにお見せできることになると思っています」 ──対戦相手の梅野選手の印象は? 「人として? ファイターとして? ファイターとしては、非常にスキルはあって、オールドスクールの、トラディショナルなムエタイスタイル。ただ、それは俺にはもはや通用しない。自分は今タイの若いキッズたちと練習しているから、彼の攻撃は自分には効かない。ゲンジがもしヒジでやりたければ望むところだ、年寄りの肌を自分がカットするだろうし、逆に僕が切られたらそれにキレて彼をノックアウトするだろうな。だから、ファイターとして彼を良い選手だとは思う、ただし彼の時代はもう終わっていて、自分のような新しい世代のほうが、彼をノックアウトする。  人としてはよく知りません(笑)。試合を見る限り、彼は実力以上に自己評価の高い人だろう。試合中に蹴りをもらったときに苦笑いをしたり、ちょいちょいダーティーなアクションをしている。グローブタッチをしてすぐ殴り始めたり、友好的に試合をする感じに見せて狡賢い方法でブレイクを取ろうとしたりペースをスローダウンさせたり、ラウンドが始まったときにロープによりかかって、こう、トラディショナルなウォームアップをして、ラウンドのたび5秒くらい稼いでいる。スマートではあり、こういううまい狡猾さで、自分の体力や打たれ弱さに対して自信がないからそういうことをやってくるのだろうとは思う」 ──久しぶりの日本で初めて見るファンにはどんな姿を見せたい? 「自分は真のサムライだ。梅野源治をノックアウトするために送られてきた刺客で、倒したあとはMMAにフォーカスしてRIZINで活躍していきたいがストライカーでもいい選手がいて特に自分の階級には良い選手がいるので誰とやっても面白い試合になるとも思う。自分としては、流血、興奮、ブラッド、エキサイトメント、火花が散るような試合を。RIZINで一番面白い試合をする選手だと思ってもらうことが当初からの目標だった。それに関しては今回が2度目のチャンス。ここにくるまでにファイターとしてメンタル的にもフィジカルも成長してきたから、ノックアウトでRIZINにカムバックする。RIZIN以外で戦いたくないという気持ちを強く持ってきていますので期待してください」 ──試合の展開は自分ではどう予想していますか。 「1、2、3ラウンドのどこかで彼を眠らせられると思う。ヒジで自分をとらえようとすることがあればそれも面白い展開だろう、自分は人生で2回しかカットされたことがない、いずれもトレーニングだったんだが、その時、カットされた後にアグレッシブになってグラウンドで自分の顔から血がだらだらと流れているなかサッカーキックを決めてしまったり……。彼が自分にヒジを当てられるのは非常に近距離なので、それは僕のボクシングのレンジでもあるので彼にとって賢い選択とは言えない。  ヒジを当てるべくして自分の拳に飛び込んでくることになるから。自分に対しての闘い方はキックボクシングで蹴りの距離でくることのほうがよい。お互いKOしたい、というなかで彼がバックフットゲームになるなら自分はそこへ飛び込んでいく。KOするか、あるいは圧倒的な判定勝利ということになる。MMAファイターの僕に負けるようなことがあればこの先ずっとそれを背負って生きていかなければいけないしMMAファイターに負けるようならそのまま引退してもいい、修正するべき点があるだろう」 [nextpage] クレベルが余裕を見せているかと思うといきなり極められてしまう ──格闘技のキャリアは、最初は何から始めた? もともと一番最初についていたコーチがオランダ人でK-1スタイル「のキックボクシングから。それからMMAに移行した。その後オーストラリアでセコンドについてくれているロドニーがボクシング技術を高めてくれた。コロナで試合の機会が減るなかでボクシングの試合もキックボクシングもムエタイも試合に出る。真のMMAファイターは皆そうあるべきだと思っている。  競技に関わらず挑戦して自分を試すべきで、その意味では梅野選手とは正反対。彼は自分のルールに合わせて、それで負けると文句ばかり言う。彼が自分とボクシングやキックボクシング、ましてやMMAで自分とやることはないだろうし、いやそもそもMMAで対峙したら30秒で終わるが。ただ、そういうことを恐れずオールラウンドで挑戦することが真の格闘家として自分を確立していけるものだと思っている」 ──プロとしてはMMAが最初だったのですか? 「テクニカルに言うと最初はムエタイファイトで、17歳の時。プロMMAは18歳の時。プロボクシングは22、23歳くらい」 ──もともとMMAファイターを目指していて、その中で色々やっているのでしょうか? ムエタイを目指していたわけではない? 「自分はただ、“ファイター”になりたかったんだ。どんなルールセットであろうと構わない。真の格闘家というものは、戦う場があるならそこにいって闘う。柔術のトーナメントがあるなら出たいと思うし、柔道のトーナメントにだって出たいと思う。試合があるということで、それだけ世界を旅し世界を見て新しい出会いもあれば新しいい友人もできる。それら全てを含めて格闘家。自分のスタイルはワイルドスタイルだ。どんな格闘技にもアジャストできる」 ──では格闘家になりたい、とはどうして思ったのでしょうか? 「子供の頃ちょっと舌ったらずで話しかたに癖があって人と喋るのが好きじゃなかったけど、本を読んだりするのも好きじゃなくて、暴力でしか自分を表現できなかった。スポーツ、フットボールのようなもので自己表現していた。我が家は非常によく働く勤勉な一家なんだけど、16歳のとき、自分は格闘家になりたいと言って学校を退学したんだ。父とは負けたら、復学するように約束していたが、20歳まで負けなかったので、勉学に戻ることはなかった。  格闘技が自分の運命だ。格闘家の道を今ここでやめるわけにはいかないし、自分の望みを実現していかないといけない。40歳、50歳になっても戦うクレイジーなファイターだと言われる、そんな格闘家が自分。勉学は怠ったけれど格闘技から多くを学んで、自分の日々の生活のなかではずっと戦いのことしか考えていなくて心身から自分は格闘家なんだ。ただ、闘うのみなんだ」 ──梅野はオールドスクールというが、若いムエタイ選手と何が違う? テンポが違う? 「テンポが違う。彼のスタイルは試合のリズムをコントロールして緩急つけて戦うポイント勝ち狙いの戦い方。若いファイターたちはファイトIQが強く常にフィニッシュを狙いにいく。ポイント狙いのスタイルだとそれは打破しづらい。ムエタイの魅力を使いたいという信念を持ってくるだろうから、もう少しアグレッシブだと思うが自分のパンチに飛び込んでくるだけのことであれば良い判断とは言えない」 ──梅野選手が得意なヒジ打ちののほかに、奥足へのローキックは脅威に感じていない? 「ヒジを狙ってくるならヒジの出し合いになるかもしれないし、サウスポーなので奥足の蹴りを試みることは、僕の左ストレートの格好の餌食なのでサウスポー相手にはよくないだろう。梅野は過去の試合でもサウスポーに苦戦していた。自分はサウスポーで、スイッチもできるので奥足への蹴りは危険度が増す。1Rでどうなるか楽しみだしとても興味深いところさ」 ──練習仲間のファブリシオ・アンドラージとクレベル・コイケの試合をどう予想しますか。 「ファブリシオは1ラウンドで圧倒的な勝ちをするのでは。レベルが全然違う。スパーリングして肌で感じている。ファブリシオと練習して彼の打撃はすごく強い。それに耐えて戦い続けられるということが自分の自信でもあるから、梅野がどれだけ殴ってきても自分はファブリシオに殴られているので全然効くことはないだろうね。  クレベルについては、彼の柔術は別次元のスキル。リラックスして余裕を見せているかと思うといきなり極められてしまう。そして、クレベルの打撃はユニークで変則的だ、まるでパズルのような。ファブリシオも自分もそう。そういう選手同士で高いレベルでしのぎを削り合っていると、その先に行かなくためには自ずと変則的になっていく。だからこういう人たちと練習することは僕の自信になっている。ファブリシオが勝つし、クレベルも勝つ、そして自分も勝って、みんなハッピーだね」
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