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2022年11月19日にシンガポール・インドアスタジアムで開催される、ONE Championshipが『ONE 163: AKIMOTO VS PETCHTANONG』の記者会見が17日、都内にて行われ、既報の「ONE世界バンタム級キックボクシング選手権試合」王者・秋元皓貴vs.挑戦者ペッタノン・ペットファーガスに加え、青木真也vs.ザイード・イザガクマエフ、岡見勇信vs.アウンラ・ンサン、若松佑弥vs.ウ・ソンフン、平田樹vs.ハム・ソヒの4カードが追加発表された。
▼ONEフライ級(※61.2kg) 5分3R
若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA)15勝5敗
ウ・ソンフン(韓国)9勝3敗
若松は、5連勝後に2022年3月の『ONE X』で当時のONE世界フライ級王者アドリアーノ・モラエス(ブラジル)に挑戦。モラエスのテイクダウン、バックからも正対し、逆にテイクダウンを再三奪うも、3Rにギロチンチョークを極められ、一本負けで王座戴冠ならなかった。
進化を見せながらも世界の頂点にあと1歩届かなかった15勝5敗の若松の再起戦の相手は当初、9月29日に中国のシェ・ウェイに決定していたが、シェが怪我で欠場。ワン・シュオに対戦相手が変更されたが、そのワンが最終計量62.82kgで1.62kgの体重超過。
前日のフェイスオフに臨み、計量&ハイドレーションテストをパスしていた若松は、「対戦相手の体重オーバー、かつ闘う意志もなかった為中止になってしまいました。楽しみにしていた皆様には本当に申し訳ないです。全力で準備してコンディションはバッチリでした。次の試合で発散させます」とコメントを綴り、今回の会見でも「前回、僕は勝ったと思っています。対戦相手がビビって逃げたと思っている」と、憤りを表した。
仕切り直しの8カ月ぶりの試合は、ONEで中国勢とともに進境著しい韓国から、オク・レユン、ハム・ソヒ、クォン・ウォンイル、キム・ジェウンに続くウ・ソンフンが若松の対戦相手となった。
ソンフンは、2016年にWLFでプロデビュー後、2017年から8連勝。日本のWARDOGにも参戦し、オーソドックス構えからの左右の強い蹴り、下がりながらの左ジャブでダウンを奪いパウンドアウトしている。
また、2022年2月のヨッカイカー・フェアテックス戦では、ヨッカイカーの左ローからのダーティーボクシングの左アッパーに、頭を下げて右を強振。わずか18秒、でKO勝ちし5万ドルのボーナスを獲得した。
一方で、2022年4月のウィンドソン・ハモス戦では、ソンフンの打撃に退かないハモスが組みで勝負。ソンフンもバックを譲っても絞めを防御、後半はテイクダウンも防いだが判定負けを喫している。
再起戦に臨む若松は、「前回は相手の計量失敗で試合が無くなって、一瞬ガッカリしたんですけど、すぐ試合を組んでくれて、そのままの気持ちで作り上げていくので、試合は単純に相手をぶっ倒してKOします」とKOフィニッシュを宣言。
Team MADのソンフンの印象については、「1発のKOパワーがある選手で……それだけですかね、正直。もちろん打ち合いで、ほんとうに1分くらいで倒そうと思っているんですけど、MMAなので寝かせてボコボコに削ってもいいし、いろいろ考えてます」と早期決着も予告した。
その言葉に、チャトリCEOは、「お互いにKOストライカー。ユーヤ・ワカマツはワンパンチでKOするパワーを持っているし、ウ・ソンフンも同様。非常に期待できる試合です。ワカマツは日本人ナンバーワンのストライカーで、彼の運動能力を考えても将来的に世界チャンピオンになることは間違いないと思っています。なかなか日本人選手でチャンピオンが出にくい状況になっていますが、現在ONEに出ている20人の日本人選手のなかでも、最もチャンスのある選手だと思っています」と高く評価した。
若松は、「期待感は嬉しいですけど、前回(王座戦で)負けていますし、僕は単純に強さを求めて、ONEのベルトを夢見て日々頑張っているので、ベスト尽くしてしっかり相手をKOしますので楽しみにしてください」と、「強さ」だけを求めているとし、王座再挑戦については、「あとはもう用意された相手を倒して、(タイトル再挑戦は)時が来れば、という感じです」と語った。
フライ級でまごうこと無き、世界のトップ戦線に位置する若松は、K-MMA界期待のソンフンを相手にどんな試合を見せるか。