2022年10月15日(日本時間16日)米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて『UFC Fight Night: Grasso vs. Araujo』(UFCVegas62)が開催された。
日本人UFCファイターの平良達郎(Theパラエストラ沖縄)のほか、メインに出場する元PANCRASE女子ストロー級王者のヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)、現DEEPバンタム級王者のビクター・ヘンリー(米国)も出場した同大会。
(C)Zuffa LLC/UFC
▼フライ級→キャッチウェイト129ポンド契約 5分3R〇平良達郎(日本)12勝0敗(UFC2勝0敗)126lbs/57.15kg[2R 4分19秒 腕十字]×C.J.ベルガラ(米国)10勝4敗(UFC1勝2敗)129lbs/58.51kg ※体重超過
フライ級では、平良の対戦相手のCJ・ベルガラ(米国)が129ポンド(58.51kg)と、1ポンドオーバー規約からさらに3ポンド(約1.36kg)の体重超過。平良が試合を希望したため、ベルガラが平良にファイトマネーの30%を支払うことで試合は行われた。試合は、平良が2Rに公約通りの一本勝ち。オクタゴン連勝で「僕が日本人初のUFCチャンピオンになります」と力強く宣言した。
なお、平良と同じフライ級の注目カードのアスカル・アスカロフ(ロシア)とブランドン・ロイバル(米国)の試合は、「アスカロフの体重管理に問題があった」ため、中止となっている。
▼女子フライ級 5分5R〇アレクサ・グラッソ(メキシコ)15勝3敗(UFC7勝3敗)※UFC4連勝 125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※49-46×2, 50-45×ヴィヴィアニ・アラウジョ(ブラジル)11勝4敗(UFC5勝3敗)126lbs/57.15kg
また、メインイベントの女子フライ級戦では、5Rにわたりアレクサ・グラッソ(メキシコ)が、元PANCRASE女王のヴィヴィアニ・アラウジョ(ブラジル)のテイクダウントライを切り、シャープな打撃で上回って判定勝ち。4連勝をマークした。
▼バンタム級 5分3R〇ハファエル・アスンソン(ブラジル)28勝9敗(UFC12勝6敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27×3×ビクター・ヘンリー(米国)22勝6敗(UFC1勝1敗)136lbs/61.69kg
バンタム級(5分3R)では、DEEP王者のビクター・ヘンリー(米国)が、ベテランのハファエル・アスンソン(ブラジル)と対戦。アスンソンがヘンリーの得意の蹴りを掴んでの打撃とテイクダウンを決めて、判定勝利を収めている。
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UFC Fight Night: Grasso vs. Araujo(Vegas62)試合速報
現地時間2022年10月15日(日本時間16日)米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX
【メインイベント】
▼女子フライ級 5分5R〇アレクサ・グラッソ(メキシコ)15勝3敗(UFC7勝3敗)125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※49-46×2, 50-45×ヴィヴィアニ・アラウジョ(ブラジル)11勝4敗(UFC5勝3敗)126lbs/57.15kg
グラッソは、フライ級転向後2連勝中。2020年8月にキム・ジヨンに判定勝ち後、2021年2月にメイシー・バーバーに判定勝ち、2022年3月の前戦でジョアン・ウッドにもリアネイキドチョークで一本勝ちと3連勝中。メキシコ出身でボクシングがバックボーン。
元PANCRASE女子ストロー級王者のアロージョは、UFCではバンタム級でデビューも、以降はフライ級で5勝2敗。モンタナ・デラ・ロサとロクサン・モダフェリに判定勝ちも、2021年5月に当時1位のケイトリン・チュケージアンに判定負け。しかし、2022年5月の前戦で2連勝中だったアンドレア・リーに判定勝ちで再起を遂げている。
1R、グローブタッチは無し。ともにオーソドックス構えから。アラウジョが先に中央を取り左ジャブ。ワンツーの右をガード上から叩くグラッソ。頭を振り、上下にステップするアラウジョは右ロー。グラッソとジャブの刺し合い。左ジャブがガード上をとらえる。
右ボディストレートを当てるグラッソ。さらに左インロー。ジャブのダブルを突くアラウジョはダブルレッグも切るグラッソ。互いのジャブでグラッソの顔が赤くなる。
ワンツーを振ってから右ローを当てるグラッソに、右ローを返すアラウジョ。ダブルレッグに入るが、それを跳ね返すグラッソ。すぐに立ち上がるアラウジョが押し込みブザー。
2R、グラッソの右をかわすアラウジョ。右ハイを突くグラッソを詰めるアラウジョだが、その入りにグラッソは右を当てる。右ジャブを返すアラウジョにすぐに右を入れるグラッソ。右サイドキックで距離を取るグラッソ。アラウジョは右を伸ばしてボディ打ちも織り交ぜ、ダブルレッグテイクダウン!
すぐさま腰を切ってパスガード。サイドを奪い、押さえ込むと、グラッソは脇差しからスクランブルで立ち上がり。ここで前に出れるグラッソのワンツーでアラウジョは後退。ジャブで押し戻すと、グラッソはワンツーの長い右! アラウジョは残り10秒でダブルレッグテイクダウン、スタンドバックに付こうとするがブザー。
3R、テイクダウンのフェイントから上を振るアラウジョ。グラッソは左ジャブのダブル! アラウジョはグラッソの右ローにワンツー、スリーフォーを声を出して突く。
左ジャブをから互いに右ハイ、さらにバツクフィストや圧力をかけるアラウジョだが、その打ち終わりにグラッソもワンツー。アラウジョは得意の左ボディをこの試合初めて当てる。1Rは拮抗、2、3Rはグラッソのラウンドか。
4R、圧力をかけるアラウジョ。左ロー、左ストレートも打ち合いになると先にグラッソが当てる。5R戦で互いに慎重になるなか、ワンツーの右をガード上に当てるアラウジョ。しかしグラッソの返しが届く。アラウジョの左に右を外からかぶせるグラッソのワンツーの右にアラウジョのアゴが上がる、左ジャブを返すアラウジョは、グラッソのワンツーを被弾しながらダブルレッグへ。差し上げるグラッソは離れる。
最終5R、ワンツースリーと回転を上げるアラウジョ。グラッソも大きな右で牽制。右アッパーから左を突き、アラウジョの打ち終わりに右を当てる。ダブルレッグに入るアラウジョを差し上げ、そのアゴを押し上げるグラッソは75%のテイクダウンディフェンスの数値。
ガードしながらジャブを突くグラッソ。アラウジョも右ローを当てる。回るグラッソを追うアラウジョ。そこに右を当てて、アラウジョのテイクダウンの動きを切るグラッソ。シングルレッグに入るアラウジョを切る。残り20秒でワンツーで前に出たグラッソに、アラウジョも押し戻してブザー。
判定は3-0でグラッソが勝利。4連勝をマークしたグラッソは、「もちろん、今夜は勝つために十分なことをやった。このために一生懸命練習してきた。相手がグラウンド勝負を仕掛けてくることは想定していた。毎回立ち上がる必要がある。彼女はタフな相手だった。観客のみなさんがこの試合を楽しんでくれたことを願っている。次も5R勝負がいい」と語った。
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【コ・メインイベント】
▼バンタム級 5分3R〇ジョナサン・マルチネス(米国)17勝4敗(UFC8勝3敗)135.5lbs/61.46kg[2R 4分19秒 TKO] ※左インロー→パウンド×カブ・スワンソン(米国)28勝13敗(UFC13勝9敗)135lbs/61.24kg
長年フェザー級で戦ってきたスワンソンが38歳にしてバンタム級転向。2021年12月の前戦では、ダレン・エルキンスに1RKO勝ち。
オッズではフェイバリットのマルチネスは28歳。現在3連勝中で、前戦ではヴィンス・モラレスを得意の蹴りで完封し判定勝ちを収めている。
1R、サウスポー構えのマルチネスに、オーソドックス構えのスワンソン。左ミドルのダブルを当てるも2発目でバランスを崩したマルチネスがすぐに立ち上がり左で差して組んで離れる。
ワンツースリーで飛び込むスワンソンをバックステップでかわすマルチネスは、左の前蹴りを腹に突き前へ。そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンはスワンソンもテッポウで返して上になりがぶるマルチネス。
首を抜き、右前蹴りで押し戻すスワンソン。左インローを当てるマルチネスは、スワンソンの2度の飛び込みを受け止め、左ストレートで迎撃。スワンソンも右ストレートを振ると、マルチネスは左ミドルを当てて押し戻す。
右ボディストレートを当てるスワンソンだが、マルチネスの左ミドル、ヒザ蹴りに後退。さらにマルチネスは左ストレート! 後方に倒れたスワンソンは何とか立ち上がるが、金網際で片ヒザ立ちになりマルチネスのパンチ連打を被弾。レフェリーストップギリギリでブザーに救われるが、胸を押さえる。
2R、左ハイキックのマルチネス。右の後ろ廻し蹴りを見せるスワンソンだが、マルチネスのヒザ蹴りに後退。金網に詰まり左右も受けるとがくりとヒザを落とす。そこにスタンドの肩固めも狙うマルチネスは、引き込み気味のスワンソンにパウンド、さらにニアマウントを奪うと、スワンソンは金網使い立ち上がり。
声を出して右を突くスワンソンは押し返し。さらに右の蹴りも繰り出すが、落ち着いてさばくマルチネスは、左インロー! 両ヒザを着いて崩れるスワンソンの立ち上がりに、2度目の左インロー! ここも崩れるスワンソンは立ち上がり、右を見せるが、3度目の左インローにダウン! マルチネスの3発のパウンドにレフェリーが間に入った。試合後、4連勝をマークしたマルチネスはドミニク・クルーズとの対戦を希望した。
勝者マルティネスは、「今、私は本当に感情的になっている。このために一生懸命トレーニングして、それが報われつつある。彼は息をしていて、私はここに来てやるべきことがあった。ドミニク・クルーズがここにいることは知っている。チャンスを与えてほしいね」とアピール。
コメンテーターとして参加していたドミニクは、「名誉なことだ。彼は良い状態に見えたし、カブのような相手とこうして闘うなんて、彼のパフォーマンスにはリスペクト以外に何もない。これからも頑張ってくれ、ブラザー」と答えている。
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【メインカード】
▼ミドル級 5分3R〇ジョーダン・ライト(米国)13勝3敗(UFC3勝3敗)185lbs/83.91kg[2R 3分12秒 TKO] ※パウンド×ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)11勝4敗(UFC2勝4敗)186lbs/84.37kg
1R、四つに組んで崩そうとするライトに、トドロビッチはギロチン狙いも、抜いてダブルレッグテイクダウンはライト。ハーフのトドロビッチはフルガードに戻してバタフライガードから抱きつき潜り、足関節狙い。それを回転して潰してトドロビッチの立ち際に脇の下からパンチを入れるライトは、シングルレッグテイクダウン!
パスから肩固めを狙い、マウントも。シザーズから足関節で立ち上がるトドロビッチ。すぐに組むライトにギロチン狙いで引き込みブザー。
2R、右ストレートを突いて前に出るトドロビッチに右ヒザを突くライトだが、トドロビッチが左右フックをクリーンヒットでライトが後退。さらにボディ打ちを効かされ組みに。足に来ているライトを崩して、座り込むライトに鉄槌はトドロビッチ!
立ち上がるライトはシングルレッグも、切るトドロビッチが左右ラッシュからボディ打ち。ヒザ蹴りを返すライトは、足が泳ぎながら組んで押し込み。それをがぶりから崩したトドロビッチはマウントを奪い、パウント、ヒジ! 出血して打たれるままのライトに、レフェリーが遅いストップに入った。
ライトは3連敗。トドロビッチは5月のチディ・ンジョクアニ戦のTKO負けから再起を果たした。
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▼バンタム級 5分3R〇ハファエル・アスンソン(ブラジル)28勝9敗(UFC12勝6敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27×3×ビクター・ヘンリー(米国)22勝6敗(UFC1勝1敗)136lbs/61.69kg
アスンソンは2017年1月のアルジャメイン・スターリング戦のスプリツト判定勝ち以降、マルロン・モラエス、マシュー・ロペス、ロブ・フォントを相手に4連勝も、2019年2月のモラエスとの再戦以降、コリー・サンドヘーゲン、コディ・ガーブラント、リッキー・シモンを相手に4連敗中。
DEEPバンタム級王者のヘンリーはジョシュ・バーネットの愛弟子。オクタゴン初戦は、2021年12月大会に出場予定だったが、前日計量をパスしたものの、試合当日に新型コロナウイルス検査で陽性となり、試合はキャンセルされていた。2022年1月に延期された、16勝2敗の強豪ハオニ・バルセロスとの対戦では、ヘンリーが判定勝ちでオクタゴンデビューを勝利で飾っている。
ヘンリーのコーナーマンにはジョシュ・バーネットがつき、頬を叩いてハグをかわしてからケージイン。対するアスンソンはスキップして花道を進む。
1R、ともにオーソドックス構えから。先に右ローはヘンリー。圧力をかけて右を見せる。アスンソンは左ローも空振り。
右前蹴りも見せるヘンリーは右ミドルをヒット。その蹴り足を掴むアスンソンだが、ヘンリーは足を抜く。右から左のアスンソンは右カーフ。ヘンリーもすぐに右カーフを返す。
右ミドルを当てるヘンリー。ワンツーの右にアスンソンも右を狙う。シングルレッグで組むアスンソンだが、足を抜くヘンリーに放し際で右を狙うアスンソン。かわすヘンリーになおも組むが突き放すヘンリーは右でプレッシャーをかける。
そこに左で差して押し込むアスンソンだが、突き放すヘンリー。右の前蹴りを腹に突き、左ハイもガード上に。右ミドルも当てると、その足を掴んで押し込むアスンソンだが、足を抜くヘンリーが圧力をかける。ボディストレートを突くヘンリーは右のかけ蹴りも。そこに右を返すアスンソンに、ヘンリーは右を狙う。
2R、ジャブを見せて右ローを突くヘンリーが前に。金網に詰めて右後ろ蹴りも。そこに後ろ蹴りを返すアスンソン。右ローを当てるヘンリー。さらに左インローも。詰めるヘンリーに右オーバーハンドを返すアスンソン。
右の後ろ廻し蹴りでスリップしたヘンリーに、上を取るアスンソン。ヘンリーは下から腕十字狙いもかついでパスしたアスンソン。ヘンリーは背中を見せて立ち上がり、アスンソンを振り切りダメージなく正対。
左ジャブを突くヘンリーはワンツー、しかし右の蹴りを掴んだアスンソンは蹴り足を持ったまま右を連打! 片足立ちで下がるヘンリーにダブルレッグテイクダウン! 下からのヘンリーの腕十字狙い、ざらに足を手繰るのを潰してパウンド。ヘンリーが出血。
3R。先に圧力をかけるヘンリーに右を当てるアスンソンは左フックも。右オーバーハンドに頭を傾けるヘンリー。右前蹴りを当てて前に。そこに両脇を差して組むアスンソンだが、腕を戻すヘンリーにシングルレッグテイクダウンはアスンソン。
ここは立ち上がるヘンリーに、右ストレートを当てるアスンソン。ヘンリーは右の蹴りを狙われて掴まれる。足を抜いて前に出るヘンリー。アスンソンは右オーバーハンド! ヘンリーも金網に詰めて右を入れると、組んできたアスンソンを切る。シングルレッグはアスンソン。しつこく足を掴んだまま金網に押し込む。離れ際に右を振るアスンソン。ヘンリーも詰めて右を振るがブザー。
判定は3-0(30-27×3)でアスンソンが勝利。正座したヘンリーに、アスンソンも正座して握手をかわした。試合後、アスンソンは「エモーショナルになっている。周囲に感謝したい。いろいろやってうまくいかないから元の形に戻して戦ったんだ」と語った。
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▼ライトヘビー級 5分3R〇アロンゾ・メニフィールド(米国)13勝3敗(UFC6勝3敗)205.5lbs/93.21kg[1R 1分28秒 KO] ※左フックから右アッパー×ミシャ・サークノフ(ラトビア)15勝9敗(UFC6勝7敗)206lbs/93.44kg
1R、サウスポー構えのサークノフの蹴りにメニフィールドは大きな右オーバーハンドを狙う。そこに組むサークノフを切るメニフィールド。サークノフは左目尻をカットする。なおも打撃で詰めるメニフィールド。前手の左フックを当てると、後ろを向いたサークノフに右アッパー! さらに左の返しでサークノフがダウン。
メニフィールドは2月のアスカー・モザロフ戦の1R TKO勝ちに続く2連勝。サークノフは厳しい4連敗となった。
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【プレリム】
▼バンタム級 5分3R〇マーナ・マルティネス(米国)10勝3敗(UFC2勝1敗)136lbs/61.69kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29ブランドン・デイビス(米国)14勝10敗(UFC2勝7敗)136lbs/61.69kg)
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▼ミドル級 5分3R〇ジェイコブ・マルクーン(豪州)7勝2敗(UFC3勝2敗)185.5lbs/84.14kg[判定3-0] ※30-27×3×ニック・マキシモフ(米国)8勝2敗(UFC2勝2敗)185.5lbs/84.14kg
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▼フェザー級 5分3R〇ジョアンダーソン・ブリート(ブラジル)14勝3敗(UFC2勝1敗)146lbs/66.22kg[1R 2分02秒 リアネイキドチョーク]×ルーカス・アレクサンダー(ブラジル)7勝3敗(UFC0勝1敗)145.5lbs/66.00kg
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▼女子ストロー級 5分3R〇ピエラ・ホドリゲス(ベネズエラ)9勝0敗(UFC2勝)115.5lbs/52.39kg[判定3-0] ※29-28×3×サム・ヒューズ(米国)7勝5敗(UFC2勝4敗)115lbs/52.16kg
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平良達郎が体重超過のベルガラに一本勝ち「チャンピオンになるまで負けません」
第2試合には、MMA11連勝中の日本の平良達郎(Theパラエストラ沖縄)が出場。22歳の平良は、第8代修斗世界フライ級王者からUFCに参戦。2022年5月にカルロス・カンデラリオ(米国)を判定で下し、UFCデビュー戦を白星で飾っている。
対するベルガラは、31歳の元Fury FCフライ級王者。2021年9月のUFC登竜門大会「ダナ・ホワイト コンテンダーシリーズ」で、ブルーノ・コレアと対戦し、ボディへのヒザ蹴りでを1R KO勝利し、UFCとの契約を勝ち取った。
2021年11月のオクタゴンデビュー戦では、オデー・オズボーンに判定負けを喫したが、2022年5月の『UFC274』でクレイドソン・ロドリゲスをスプリット判定で下し、初勝利を飾っている。
ベルガラ(米国)が前日計量で、129ポンド(58.51kg)と、1ポンドオーバー規約からさらに3ポンド(約1.36kg)の体重超過。平良が試合を希望したため、ベルガラが平良にファイトマネーの30%を支払うことで、試合は行われることとなった。
▼フライ級→キャッチウェイト129ポンド契約 5分3R〇平良達郎(日本)12勝0敗(UFC2勝0敗)126lbs/57.15kg[2R 4分19秒 腕十字]×C.J.ベルガラ(米国)10勝4敗(UFC1勝2敗)129lbs/58.51kg ※体重超過
セコンドには松根良太Theパラエストラ沖縄代表と、パラエストラ千葉の岡田遼がつく。コールに表情を変えない平良。
ともにオーソドックス構えから。中央に出るベルガラは左ジャブで金網に平良を詰めるが、サークリングする平良は左ミドル。ベルガラの詰めにヒザ。さらに左右を当てて、ダブルレッグからボディロックで持ち上げテイクダウン!
そのままサイドを奪うとマウントを狙う。そこを跳ね上げるベルガラに上四方に移行する平良にセンタク挟みで頭を挟むベルガラ。すぐに頭を抜く平良はハーフの中に入り、右脇を差してマウントも、そこにブリッジを合わせたベルガラは立ち上がる。
右ハイからなおもダブルレッグに入る平良。ボディロックから後方に崩してテイクダウン! ここもサイドを奪う平良は脇にヒジ打ち。左で差すベルガラはブリッジでまたもスイープ! そのまま左脇を上げて肩固め狙いも浅い。
腕を戻した平良がシングルレッグで立ち上がり右の蹴りを出したところでブザー。
2R、先に中央に出て右を伸ばす平良。右カーフキックを効かせる。左を打つベルガラ。距離で外す平良は右から左を振り、低いシングルレッグ。ここは切られると、右ヒザを打ってから組みに。ここも切るベルガラ。平良はまだ間合いが遠いか。
近づきヒザ蹴り、足を取りに行く平良だがベルガラは切る。さらにヒザ着きのシングルレッグからドライブ。その際で片足立ちのベルガラから右を受けるが、押し込みバックテイクは平良!
左足をかけて引き込む平良は、すぐにバックから4の字ロックすると左腕でリアネイキドチョークへ。いったん喉下を右腕に変えて、さらに左腕に戻してパームトゥパームでの組みに。さらに組み手を変えると後ろ手を掴んで極めさせないベルガラ。左腕をベルガラの肩を抱いて絞めようとする平良。平良の長身で頭の位置が高いか。
残り50秒、左腕を掴んだ平良は、足の4の字ロックを外して腕十字に切り替え、立ち上がるベルガラにうつ伏せになって極めた。2R、残り41秒でタップを奪った平良は、ガッツポーズして小躍り。松根代表とがっちりハグをかわした
2R、4分19秒、6度目の一本勝ちを公約通り決めた平良は、「アイム・ハッピー・サンキュー! アイム・スーパー・ハッピー! この試合に向けて、デビュー戦から5カ月間で成長した姿を見せられるように、そんだけやってきました。(グラウンドは狙っていた?)相手がすごいタフな選手だったので(相手が)苦手な部分の寝技で削ろうと思ってました。(日本人王者がいないフライ級で戦うことはどれだけ重要?)僕が日本人の……口が乾燥している(苦笑)、僕が日本人初のUFCチャンピオンになります。チャンピオンになるまで負けません」と力強く王座獲りを宣言。最後にカメラに向かって「早起きしてくれてありがとう!」と笑顔で語った。
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▼ウェルター級 5分3R〇ピート・ロドリゲス(米国)5勝1敗(UFC2敗)170.5lbs/77.34kg[1R 1分33秒 KO] ※ヒザ蹴り×マイク・ジャクソン(米国)1勝2敗(UFC1勝2敗)170lbs/77.11kg
【中止】▼フライ級 5分3Rアスカル・アスカロフ(ロシア)ブランドン・ロイバル(米国)※アスカロフの体重管理の問題により中止