2020年2月のKNOCK OUT無法島GRANDPRIXで優勝している西岡(C)KNOCK OUT
2022年10月16日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.6』にて、鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)とKNOCK OUT-BLACK -64.0kg契約3分3R延長1Rで対戦する西岡蓮太(龍生塾)のインタビューが主催者を通じて届いた。
シュートボクシングから参戦する西岡は2018年に村田聖明とのSB日本ライト級王座決定戦を制してタイトルを獲得。2020年にはワンデートーナメント「無法島GP 初代KNOCK OUT 64kgトーナメント」に出場し、1回戦で小川翔、準決勝で鈴木千裕、決勝戦でバズーカ巧樹を下してKNOCK OUT 64kgの初代タイトルも獲得した。2020年10月の「RISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメント」で原口健飛に敗れて以降は長年痛めていた左手首の2度に亘る手術、リハビリのために戦線離脱。4月に約1年5カ月ぶりに復帰したが、笠原弘希にKOで敗れSB日本ライト級王座を失った。戦績は19勝(6KO)6敗。
僕にとっては燃える要素しかない
──9月13日の記者会見で、鈴木宙樹選手と顔を合わせての印象は?
「『弟に似てるな』と思いました」
──弟さんとは対戦されてますからね(2020年2月、西岡の判定勝利)。兄弟両方と対戦するというのも、なかなか珍しいですよね。
「はい。お兄ちゃんにも勝って兄弟2人ともに勝てればいいと思います」
──そもそも今回、試合オファーを聞いた時にはどう思いましたか?
「最初は『ボクシング行ってたんじゃなかったっけ?』って思いました。それから『確か負けてなかったよな』と思って調べたら無敗のままで。弟の千裕選手とやってるってのもあるのでストーリー的にも面白いし、無敗なので相手としてもオイシイなと感じましたね」
──本来、西岡選手はシュートボクシングの選手ですが、キックボクシング・ルールでの試合には抵抗はなかったですか?
「全然ないですね。むしろ、キックボクシング・ルールの方が得意かもしれないです(笑)。別に投げて勝ちたいとも絞めて勝ちたいとも思ってないし、シュートボクシング・ルールでも殴ったり蹴ったりして倒すことを狙って戦ってるので、むしろありがたいです」
──会見で鈴木選手は「蹴りの感覚はまだ4割程度。ボクシングで強化したパンチで勝負したい」と言っていました。西岡選手にとっては基本的にボクシング転向以前の材料しかないと思いますが、そこの不安はないですか?
「ボクシングに行く前から、もともとパンチはけっこううまかったと思うし、ボクシングも1戦しかしてないですよね。言うてそこまで進化してるわけでもないやろなと思ってるんで」
──では、警戒するのはパンチ?
「うーん、もしかしたら、ああ言ってたけど蹴りも隠されてるかもしれないんで、蹴りもちゃんと警戒しつつ。パンチは、ボクシングに行ってなくても警戒してると思うんで、一緒ですね」
(写真)2020年2月のKNOCK OUT無法島GRANDPRIX準決勝で、鈴木千裕に初黒星を付けた西岡
──逆に西岡選手自身はどう戦いたいですか?
「僕もパンチの駆け引きが好きで、蹴りもけっこういろんな人に誉めてもらえるので、最後はパンチで倒せたらいいなと思いますけど、蹴りでも倒せるところがあるなら狙っていこうと思ってます。彼がボクシングに行ってたのは少しだけですけど、一瞬蹴りから離れていたのは確かなので、蹴りもしっかり出して様子を見ていこうと思ってます」
──西岡選手は手の手術を受けて、復帰2戦目になります。復帰してからの調子はどうですか?
「4月に復帰戦(笠原弘希戦、2RKO負け)をやらせてもらって、その時は自分でも戻ってると思ってたんですけど、実際に試合をやってみたら『やっぱ戻ってなかったんやな』と実感しました。その試合の後は、練習でも一時期スランプみたいな感じになってたんです。『俺、どうやって戦ってたかな?』みたいな感じで。『こんなんで試合してたんか』って、すごく考えてた時期があったんですけど、最近になってやっと休む前の感覚を取り戻したというか、『あ、こんなんやったな』という状態にまで来れたので、今は誰にも負ける気はしないです。この感覚をリングで試すのが楽しみです」
──取り戻せたというのは、練習の中でだんだん思い出せてきたという感じですか?
「僕もボクシングジムに行って見てもらったりするんですけど、コロナの期間は行けなかったんです。4月の試合を終えてからはまたそこでも見てもらうようになったので修正してもらって、あとは実戦練習でだんだん慣れてきたという感じですね」
──『KNOCK OUT』では「無法島GP」決勝戦で戦ったバズーカ巧樹選手からもラブコールが送られていましたが、今回は鈴木選手ということになりました。
「僕も1回復帰戦で倒されて負けているので、そこで『KNOCK OUT』側もいきなり王者を出すわけにもいかないでしょうし。そこでワンクッション置くにはちょうどいい相手を連れてきてくれたなという感じですね。自分から彼とやりたいというわけではないですけど、彼は今チャンピオンでベルトを持ってるので、あのベルトを獲りに行っても面白いなとは思ってますけど」
──それだとライト級(-62.5kg)ということになりますが、今回の試合は-64.0kg契約ですよね。
「今回は最初から64.0kgでというお話だったので、別にいいかという感じで受けました。これからタイトルを狙うとすればライト級ですね」
──今回は「復帰していきなり主役扱いの元王者」と当たるわけで、完全に“敵役”というシチュエーションですよね。そこに関しては?
「いやあ、面白いですね。僕はこういうシチュエーションは好きですよ。どっちみち、僕は大阪の選手なので、シュートボクシングでも東京で試合してる時点でホームじゃないんですよ。大阪でも何年も試合してないですし。だからこういう扱いは慣れてますし、そこで今から売ろうとしてる選手と当ててもらえて、ポスターの扱いから言ってもメイン間違いなしじゃないですか。これで勝ったらもっとひっくり返せると思うので、燃えますね」
──会見でレギュラー番組『KNOCK OUT STYLE』の話が出た時は「大阪で放送がない」と言われてましたが、第2回放送からは「エムキャス」というアプリで全国から見られることになりました。
「あ、そうなんですね。それはモチベーション上がりますね。やっぱりTVの影響力は凄いと思うんで、ありがたいです。そこで大きく取り上げられてもらえるような勝ち方をしたいと思います」
──調子が戻ってきた復帰2戦目で、相手といいTVのことといい、お膳立ては揃ってますね。
「僕にとっては燃える要素しかないんですよ。あとはリング上でぶっ倒すだけです」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「僕の復活劇を見てほしいです。前の試合に負けて、いったん評価は落ちてると思うんですけど、あそこからやっと感覚を取り戻したので、ここで復活するところを見てほしいです」