「THE MATCH 2022」での敗北から再起戦に臨む志朗(C)RISE
2022年10月15日(土)東京・大田区総合体育館『Cygames presents RISE WORLD SERIES 2022』にて、バンタム級3分3R延長1Rで大﨑孔稀(OISHI GYM)と対戦する志朗(BeWELLキックボクシングジム)が6日(木)埼玉県の所属ジムで公開練習を行った。
「1~2週間前に体調がよくない時期があって、試合前の選手あるあるで免疫力が下がっていたのが原因。ちょっと早めに練習量を下げて体調に気を遣おうかなと思っていますね」という志朗だが、公開練習のミット打ちでは安定した動きを見せた。
今回の試合は、6月の『THE MATCH 2022』で玖村将史に敗れてからの再起戦。「気持ち的には楽しみな部分もありますし、大﨑選手も弱い選手ではないのでリスクもありますが、ハイリスクノーリターンな相手。その選手と戦ってしっかり勝たないといけない。再起戦でもありますし、今の格闘技界の流れ、それに対応できているところを見せないと意味がない」と、いつもとは違う心境もあるようだ。
記者会見では「今回は上手さだけじゃなく強さと怖さを見せていきたい」とコメントしており、そのことについて聞くと「いろいろな選手と練習して、そういう動きが出来ています。試合でどれくらい出来るかもありますが、今の格闘技は上手さだけじゃなく強さも必要だと感じていたので、それをこの機会に出したいです」とし、「変わったというとアレですが、今までと違った志朗は見せられると思います。自分自身楽しみですね、そこは。1R目からしっかり見てもらえれば分かると思う。今まではアマチュアボクシングみたいに触らせないように自分だけ触るとか、下がりながら攻撃するとか意識していたんですが、格闘技界の流れがここ1~2年で変わってきたと痛感したので、そういう意味で変えないといけない。パンチのスキルはさらに上がったと思っているので、それを活かしたいです」と、これまでとの違いを見せられるとした。
いろいろな選手とはMMAファイターの井上直樹、プロボクシングWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗など。「今回ボクシングのスパーを多くアマチュア王者、東洋太平洋王者、世界王者とやって。世界王者とは初めてやったんですが世界を獲る人は強い、こういう武器があると知れたのは大きかったです」という。
当人同士が認め合うライバル関係であった那須川天心がボクシングに転向したことで、“天心ロス”はないかとの質問には「それはないですけれど、危機感はあります。天心君がトップから抜けてこの後の格闘技界がヤバいとの雰囲気がある。その雰囲気を変える他の選手が必要なので、そういう選手にならないといけないとの想いが出てきました」と、那須川天心がいなくなった格闘技界に危機感を持っているとする。
対戦する大﨑については「コンビネーションと一発一発の破壊力があると思いますが、戦ってきた相手や経験値が違う。このクラスに来るのは“まだ早いよ”っていう想いはあります。僕は日本人ともいろいろな人と戦っていますし、修羅場の数が違うと思うので、そこが差になると思う」と、まだ埋められない差があるとした。
大﨑は『THE MATCH 2022』で志朗が玖村にダウンを奪われたのを見て、「倒れないわけではないことが分かった」ことで自信を深めたとしている。しかし、志朗は「同じミスは2度しない。油断…詳しくは言えませんが戦う内に癖があったので、いい勉強になりました。高い勉強代になりましたが、弱いところを見せたので、原因はつかめています。それを狙ってきたらこうしようというのもあります」とすでに克服は出来ているようだ。
志朗と大﨑には因縁がある。昨年9月、志朗と孔稀の兄・一貴の試合が決まっていたが、一貴が負傷欠場。代わって孔稀が志朗と対戦することになるも孔稀が体重オーバーで試合が出来なかったのだ。「大﨑兄弟とは縁がないと思っていた」が実現したことをどう思っているかと聞かれると「まだ分からないですよ。計量が終わるまで」と志朗はニヤリ。
「2人連続で試合がなくなるのはもうないと思いますよね。その時にもうないと思ったのでここで来るか、とは思いましたね。でも大﨑選手は結果を残しているし、勢いもある。試したいことがあるので、その意味も込めて勝たないといけないと思っています」
大﨑が得意としているカーフキックについては「ディフェンスは練習しているし、そこまで自分にとっては脅威だとは思っていないですね」と、脅威ではないとする。
「僕はYA-MANとかに試合以外のパフォーマンスでは勝てない。だから試合で魅せたいし、それしか出来ない。以前は上手さが優っていたと思いますが、そこを変えて“強いんだ”と思わせたい」と志朗は意気込んだ。