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【RIZIN】堀口恭司の強さとは何か? ダウンを奪いながら「2度、落ちていた」金太郎が語る

2022/10/03 22:10
 2022年9月25日(日)夜の第2部で『超RIZIN』に続き、『RIZIN.38』がさいたまスーパーアリーナで開催された。  2部大会のトリを飾るメインイベントは、バンタム級で堀口恭司(アメリカントップチーム)が、金太郎(パンクラス大阪稲垣組)と対戦。堀口が1年9カ月ぶりの日本帰還試合で、2Rに肩固めで一本勝ちを収めた。  試合直後には内容を「まったく覚えていない」と語っていた金太郎が30日、自身のYouTubeで試合動画を見返し、堀口戦でダウンを奪った左ストレートの感触、その後の堀口のタックルで軸足を傷めたこと、フィニッシュの肩固めで堀口が「He is out!!(落ちている)」と言った通り、「2度落ちていた」ことなどを告白した。 堀口戦のオファーを最初は「断った」。ダウンよりも驚いたリカバリー 「まったく覚えてなくて、今回初めて試合に集中しすぎて、ホンマにもう客がおることも全く見えないぐらい、堀口選手しか見えなかったというか、それぐらい集中してて、終わってからゲロ吐きましたからね、解放されて」と苦笑ながら、堀口とのメインイベントを振り返った金太郎。試合後、2日経ってからPPVを見直して、試合のディテールを思い出した。  今回の堀口戦のオファーに、最初は「断った」という。 「最初は、ホンマかよみたいな。2連敗してたから、いきなりRIZINのバンタム級チャンピオンと試合が決まるって事は、まあなかなか難しい話やから“嘘やろう”と思って」  堀口がフライ級に戻す可能性があり、最初は「60kg」での対戦のオファーだった。 「さすがに60kgは試合で落としたことが無くて不安やし、もし体重が落とせなかったらおおごとだから、せっかくのオファーでやりたいけど、60kgはどうなるか分からないっていうことで1回、断ったんですよ。でも、まさかのもう1回(連絡が)来て、、やっぱり61kgで、と。61kgやったらそれだけ良い選手が相手で断る理由がどこにもないし、やらせてもらえんのやったら挑戦したいなっていうので受けさせてもらいました」  試合前には“仮想・堀口恭司”として中村優作と対策練習を行い、セコンドには「唯一、言うことを聞ける先輩」である北方大地と佐藤(栄二)トレーナーがついた。  フェイスオフではあえて「威嚇する感じで」喧嘩モードでにじり寄ったが、堀口はそこにも「いきなりガシッてなったんで“あっ、結構両方できる人なんや”って。試合でリング中央に来た時にも、“そっちの土俵で戦ってやる”みたいな感じが伝わってきて」と、喧嘩試合も受けて立つ構えであることを金太郎は感じたという。 「ファーストコンタクトの跳びヒザも、ちょっと緊張して足上がらんかったんですけど(苦笑)、ホンマやったら跳びヒザでびっくりさせるというのと、ワンチャンそれで、もし当たれば、面食らわせられればそこで倒そうとか、ギャンブルに賭けてた、博打にし行った感じですね。それも作戦の一つやったから、もう最初からやるって決めててそればっかり練習してた。  堀口選手はあとでインタビュー見たら、『普通に組んで普通にテイクダウンする』みたいなプランやったのが、1R、まさかの打撃してきたから、やっぱりなんか“打撃で倒そう”って本能的に思ったんかなと。ちょっと感情的にするっていうのはこっちの作戦ではあった」と、堀口を打ち合いに誘い出すプランが、奏功していた。  堀口が「自分が1R目で欲張っちゃって。打撃ばっかり打っていて」と反省した初回。先にダウンを奪ったのは金太郎のカウンターの左ストレートだった。 「狙っていたから覚えてますね。右手で距離を取って、相手が入ってきたときにこっち(前手の右手)を引いて、(左)ストレートを打ったんですけど、距離もしっかりあって、結構感触があったんですよ、思いっきり」とその手ごたえを語る。  しかし、そこからの堀口の切り替えが金太郎の想定外だった。 「一瞬、(意識が)飛んだかなと思って目見てたんですけど、裏に倒れて後ろ回りして、そこにパウンド、鉄槌したんですけど、その(後転した)足が邪魔で顔が守られて、“どうしよう、サッカー(キック)に切り替えよう”と思ったけど、相手のリカバリーが、技術というよりかは、なんか本能で動いたんか、めっちゃやりにくくて。それでも仕切り直してすぐ行こうと思ったけど、なんやったら逆に向こうからプレッシャーかけてきたから“マジか”“どうしようかな”って一瞬なった」と、ダウン後、すぐに立て直し、逆に圧力をかけてきた堀口のリカバリーに驚きがあったという。 [nextpage] 金太郎が足を負傷した、堀口の強力テイクダウン  その後の堀口のテイクダウンで、金太郎は思わぬ負傷を強いられた。 「(ダウンを奪い)今勝ってるから、とりあえずこのまままたワンチャンス狙うっていう意識にしてたんですけど、左ストレートを効かせてまだ打撃でいく気持ちで前に出たら、すぐ堀口選手が変更してきた。  左ストレートを当てたから、自然と堀口選手はストレートを警戒して、めっちゃ頭を降ってくるだろうから、そこにハイ(キック)を合わせようと思って、ストレートと見せかけての(左)ハイを打ったんですよ。そこにまさかの片足タックが来て、右(軸)足だけが残って止まった状態で、(テイクダウンが)もう関節蹴りみたいな状態にされて、(右ヒザが)もうバキバキって音鳴って、まあ、その時は全然いけるわと思ったんですけど、1Rが終わってコーナーに戻って座って、2R目で次立った瞬間に、“うわー、これ足、結構きてるな、力入らへんな”みたいになって、あのタックル、強烈やったなみたいな。たった1回のタックルで、タイミングがドンピシャすぎて、足がマジでいうこときかなくて“どうしよう”と思ってたらもう速攻、しっかりロープ際で両足タックルされた」  圧巻はここからの堀口のフィニッシュへの流れだ。ダブルレッグで尻を着いた金太郎は両足でフルガード、隙を見て立とうとするが、堀口は左脇を差して左足をガードを越えてハーフに。  さらにパウンドを入れながら右足も抜いてマウントを奪うと、自身の左腕で金太郎の頭を枕に抱き、金太郎の左ヒジを内側に流して頭を突っ込み、肩固めへ。首筋に巻いた左腕をタイトに頸動脈を絞める形だった。 「映像で見た限り、だいぶ差があったっスね。足にも力が入らないプラス、ちょっと焦ってしまって。あんなもんじゃないんですよ、寝技もちゃんとできるんですけど、ただ、堀口選手の圧力というか、寝技になった時の的確さ、冷静だったっていうのもあるし、押しても抜けていく感じ、力が逃げていく感じでフィジカルで負けたっていうよりかは、バランスでいなされて、コツコツパンチを──もう顔はもう打たれるのは分かってたから──ほっておいて逃げることだけに集中したけど、うまいこといろんなポジションで押さえられて、背中向けて逃げようとしてたら、もう気づいたら勝手にこうなってて(左脇を開けさせられて)ヒジ(の下に頭を入れられて)“どうしよう、どうしよう”って(逃げる)技術も忘れてしまっていて、いつもの冷静な判断ができなくて」と、堀口の寝技の巧みさにも舌を巻いた。 [nextpage] 堀口のフェイントは攻撃、脳が混乱した  そのとき、金太郎は実は、2度、失神していたという。 「なかなか粘ったんですけど、意識がもう、2回ぐらい落ちたんですよ。1回目は堀口選手がなんか英語を喋って(「He is out!!(彼は落ちた)とアピール」)、レフェリーが近づいて身体にちょっと触られたのか、それでハッと起きて、ほんでワーッて暴れて、そこでちょっと“極まっていないと思って離してくれるんちゃうかな”と思って、“外した時に逃げよう”って思って諦めてなかったんですけども、完全にまあ、落ちてもうて試合ストップって感じで。(堀口は)天晴れでしたね。この場面もまあほとんど試合の映像を見てやっとところどころ思い出したっていうぐらいで、もうほとんど全く覚えてなかった」と、その瞬間を振り返る。  肩固めはその極まり具合が見えず、耐えられるとそのまま押さえ込みに移行することもあるが、そのとき堀口は「全く(不安に)ならなかった。得意なんで」と相手の息遣いも聞きながら絞め上げ、金太郎の力が抜けたことを感じ、レフェリーに金太郎の失神を告げていた。  金太郎は、堀口の独自の動き、そして引き出しの多さに翻弄された。 「試合中に“こいつは強いな”とか思ったりとか今まであるけど、なんか初めてこう“強い”とか思うことを考える暇もなく、やらなあかんことが忙しすぎて……堀口選手のフェイントが、もうフェイントやけど攻撃なんですよ。それをめっちゃ見とかな、動きをもう一生見とかないかんし、めっちゃ大変でしたね。ほんでもう次、すぐに寝技がきて、ちょっと脳が忙しくなりすぎて対応できなかったっていう。敗北やなって感じですね。色々その貴重な体験になった」  試合後は、堀口と言葉をかわした。チャンスを掴みながら、終わってみれば完敗を認める金太郎は、試合以外でも王者から学びたいと感じたという。 「試合が終わったらノーサイドというか、勝負する前はガシってやっぱり倒す気持ちでやってるから、“スポーツ・スポーツして、ハイ、お願いします”とかそういう感じではない。でも試合終わったら尊敬の意味も込めて、『ありがとうございました』と言ったら、『強かったよ』って言ってくれて、僕も『いや、めっちゃ強かったです』みたいな話をしたら、『またよかったら練習しましょう』と言ってくれて、だからもう『弟子にしてください』って言っときましたね、試合が終わったから言える言葉ですけど」と、チャンピオンとの試合を振り返った。 「試合、負けてしまいましたが、まだまだ這い上がるんで絶対」と、再起を誓った金太郎。堀口恭司の強さを肌で感じ、どう立ち上がるか。
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