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【Bellator】“狂拳”メルヴィン・マヌーフがTKO負けで涙の引退「俺に人生を与えてくれたこのスポーツに感謝」

2022/09/24 11:09
【Bellator】“狂拳”メルヴィン・マヌーフがTKO負けで涙の引退「俺に人生を与えてくれたこのスポーツに感謝」

(C)Bellator

 K-1やDREAM、HERO'Sなどで活躍したスリナム出身オランダ在住のメルヴィン・マヌーフ(45歳)が、2022年9月23日(日本時間24日)、アイルランド・ダブリンで開催された『Bellator 285: Henderson vs. Queally』(U-NEXT配信)のコ・メインイベントでヨエル・ロメロ(キューバ)に3R TKO負け。涙の引退を表明した。

 マヌーフは2020年11月の『Bellator 251: Manhoef vs. Anderson』でコーリー・アンダーソンに2R TKO負けして以来、1年10カ月ぶりの試合だった。

 2022年3月には、自宅に侵入しようとした3人組の男たちを車で猛追し、逃走車を道路にぶつけて止めると、車の窓を拳で叩き割り、警察官が来るまで3人を確保するなど話題となったが、その時の拳の負傷により、5月のBellatorパリ大会でのヨエル・ロメロ(キューバ)との試合を欠場していた。

 ロメロは2021年9月の『Bellator 266: Davis vs. Romero』でBellatorデビューもフィル・デイビスに判定負けでUFCから数えて4連敗。2022年5月大会でマヌーフの代役の元LFA王者アレックス・ポリッティと対戦し、4度のダウンを奪い、3R終了間際にTKO勝ちで、2018年2月のルーク・ロックホールド戦以来、実に4年3カ月ぶりの白星を掴んでいる。

▼ライトヘビー級 5分3R
〇ヨエル・ロメロ(キューバ)
[3R 3分34秒 KO]
×メルヴィン・マヌーフ(オランダ)

 1R、サウスポー構えで入るロメロは左を振ってテイクダウンのフェイント。オーソドックス構えのマヌーフは右ハイも空振りで尻餅。立ち上がるも、ロメロが右ローで足を払い、左を振って崩れたマヌーフの上に。ハーフからエルボーを打ち込むとアメリカーナ狙い。パスしたロメロがマウントもゴング。ロメロのラウンド。

 2R、先に右で圧力をかけるマヌーフ。サークリングするロメロ。マヌーフが追って右インローを突くと、ロメロも左インローを返す。マヌーフは右ボディから左フック。ロメロも左フックから組んで押し込みヒザも、マヌーフは突き放す。

 ロメロは左ミドルを蹴ると、マヌーフは右を振るが、ロメロの右にバランスを崩す。マヌーフは右ストレート。ロメロのダブルレッグの動きに足を飛ばすが、体勢を戻す際で左フックを被弾。ロメロは跳び膝も繰り出すが浅い。ロメロが続けてラウンドを取る。

 3R、左スーパーマンパンチで前に出るロメロ。大きな身体で左前手を伸ばす。そしてロメロはダブルレッグテイクダウン。ハーフガードのマヌーフにロメロはパウンドから左ヒジ連打! まともに受け続けるマヌーフを見て、レフェリーが間に入った。

 介錯されたような試合後、マヌーフは、オープンフィンガーグローブを外してマットに跪くと号泣。家族と抱擁をかわし涙を流した。

 ケージの中では、「28年間、出来ることを、やりたいことを続けた自分を支えてくれたみんなに感謝したい。ここまで戦った。今日を最後にグローブを置きたい。俺に人生を与えてくれて、最高のものにしてくれたこのスポーツに感謝したい」と引退を表明。マット上で一礼してケージを降りた。

 マイクスジムのマイク・パッセニール会長に首輪と鎖でつながれて入場し、マットに解き放たれるパフォーマンスが有名なマヌーフは、立ち技ではK-1を主戦場に、2007年6月にルスラン・カラエフを1Rわずか31秒、左フックでKOに下すなど、キック38勝14敗。

 1995年にプロデビューしたMMAでは、2006年にCage Rage世界ライトヘビー級王座に就くと、2006年のHERO'Sライトヘビー級トーナメント決勝で秋山成勲に一本負けで準優勝。その後、DREAM、Strikeforce、ONE FCなどを経て、2014年9月からBellatorに参戦。2016年と2017年にミドル級タイトルマッチでハファエル・カルバーリョと2度対戦するも王座獲得はならず。MMA戦績は32勝16敗1分2NCで引退となった。

 一方、マヌーフ戦の勝利で2連勝を決めたロメロは「ダブリンは最高だよ。みんな1回はここで試合をしなきゃいけない。185ポンド(ミドル級)で俺がベストだ。誰が相手でもそう、世界で一番だ」と語り、同日にカール・アルブレックソンに2R リアネイキドチョークで一本勝ちしBellator2連勝を飾ったカール・ムーア(アイルランド)との対戦をアピール。

 試合後会見では、「この試合に向けて、いい準備ができたと思う。もともとパリで行われることになっていたので、すでにフルキャンプに入っていた。俺はすべての対戦相手を尊敬しているけど、彼も例外ではなかった。メルビンのような優秀な選手には、やるべきことはすべてやったよ。

 彼の強いところや欠点はよく分かっていた。だから試合中は相手を研究し、どう試合を終わらせるかもちゃんと分かっていた。試合中にコーチが『試合を終わらせる良いタイミングだ』と言っていたので、その時にグラウンドに持ち込んで終わらせた。今はライトヘビー級はみんな落ち着いていて、俺のことは気にしなくていい。185ポンドに移行するんだ。185ポンドでタイトルを狙う。そのチャンスがあれば ここ欧州でやりたい ヨーロッパのファンは本当に素晴らしい。ファンからの熱気やエネルギーがすごいんだ」と、ジョニー・エブレンが王者のミドル級での王座獲りを宣言した。

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