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【K-1】レオナ・ペタス「ベルトが獲れなかったら本当に引退しようと思っていた」決勝で勝利できた要因は「欲望」

2022/09/12 04:09
 2022年9月11日(日)神奈川・横浜アリーナにて開催された『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』で「K-1 WORLD GP 第5代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」が行われた。  日本人選手4名、外国人選手4名によるワンデートーナメントを制したのはレオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)だった。レオナは1回戦でアヤブ・セギリ(モロッコ/スペイン)に先制のダウンを奪われながらも2Rに逆転KO。準決勝では大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)を3RでKO。そして決勝戦では、1回戦と2回戦合わせてわずか81秒のKOで勝ち上がってきた朝久裕貴(朝久道場)と対戦し、判定3-0で優勝を収めた。  試合後インタビューに答えたレオナは「1日3試合は過酷でした。マジ、1日超長くて1試合目が終わった時点で早く帰りたいなって思っていました(笑)」と、初経験となる1日3試合を振り返る。 「1回戦が僕、ダウンをもらっちゃって。あ、ヤバいなと思ったんですが倒せると思ったので倒しきれてよかったです。2回戦目は大岩選手タフなのでヤバいなって思ったんですけれど、たまたまひらめきで(飛びヒザが)ドンピシャで当たって倒せたのでよかったなと思って。最後、3回戦目の朝久選手は1回戦も2回戦も1R1分やっているかやっていないかくらいだったじゃないですか。なので、ふざけんなよと思いましたね。もともと強いっていうのは分かっていたんですけれど、もうどうしようって思っていたんですが、最後は気持ちで行くしかないなと思って気合いで行きました」 決勝の時点でのダメージは「去年の12月にマキ・チャーチャイとやった時から、右手をずっとケガしていて、右を思い切り打てない状態だったんですけれど。その状態でこのトーナメントだったのでどうかなと思ったんですけれど、3回戦目でやっぱり痛めてしまって。でも、身体が丈夫だったので他で補うことが出来たので良かったと思います」と、ずっと右のパンチを思い切り打てない状態であったことを明かした。  決勝戦は「朝久選手か横山選手だと思っていたので。どっちかなって感じでしたね」と朝久が上がって来ることは想定していたと言うが、対策は「いや、ないですね。レオナ・ペタスを出せば勝てると思っていたので。レオナ・ペタスの全てを出す、集大成を出せば絶対に勝てると思っていたので」と特になく、自分の持てるものを全て出せれば勝てると信じていたという。  決勝で勝利できた一番の理由は何か。そう聞かれたレオナは「欲望です」と答えた。 「ベルトが欲しいっていう(笑)。その気持ちが強かったですね。ベルトがなかったら、ずっとお世話になっている人たちに恩返しって言っても言葉でしか出来ないですけれど、ベルトがあることでちゃんと恩返し出来るんじゃないかと思っていたので。絶対に欲しいと思っていました。それの差かなと思います」と、どうしてもこのベルトが欲しいという“欲望”が他の7人よりも強かったのではないかとする。  その欲望は昨年3月、当時の王者・武尊に挑んでKO負けを喫し、王座奪取を逃したことで強くなったのかと聞かれると「そうですね、去年の悔しさもありますし、6月に『THE MATCH 2022』で負けて、勝ちたいっていう欲もあったので。その二つが重なって、僕は絶対に勝ちたいって思っていました」と、2つの敗北が力になったと答えた。  これからどういうチャンピオンになっていきたいか。レオナは「僕、60kgから上げようと思っていたんですけれど、朝久選手がいたから60kgに戻したんです。その朝久選手に勝ってもう相手がいないので、どうしようかなって思っています」と、一度は階級を上げようとしてまたスーパー・フェザー級に戻したのは決勝で戦った朝久と戦うためだったと明かす。  するとスーパー・フェザー級のベルトへのこだわりはそこまでないのか。「正直、ここにあるベルトが本当に獲ったのかどうか信じられない感じで、まだ全然実感もなくて。これからちょっとずつ、実感が出てきてから、このベルトに対していろいろ考えようかなって思っています」とまだ実感がないとしたが、「K-1 NEXTって謳っていますけれど、僕、武尊選手と一個しか歳が違わないので。他にも若くていい選手がいると思うので、そのいい選手にNEXTになってもらって…と思っています。僕はこのベルトを防衛し続けて、武尊選手の後ということで、この価値を下げないようにっていうふうに思っています」と、ベルトの価値を下げるようなことはしないと断言した。  その武尊からは、セコンドに就いた大岩戦の後で「頑張ってね、と言われたので、頑張らないといけないなと思って頑張りました」と声をかけられたという(リング上でのマイクで「武尊選手、頑張れと言われたから頑張りました、K-1最高っ!」と言ったのはこのことだった)。  また、同日には弟・加藤虎於奈の結婚式があることを前日会見で明かしていたレオナ。決勝戦まで勝ち上がったため、当然結婚式には出席できなかったはず。何時から結婚式が行われていたのかとの質問には「僕、試合だったんで不明なんですよね。僕だけ教えてもらってなくて」と、気を遣わせないためか知らされていなかったと笑った。 「でも、やっぱり家族とかみんな(結婚式の方に)行っちゃってて、僕を応援してくれているスポンサーの人たちもそっちへ行っちゃったりとかしていて。僕、今回ベルトを獲ったんですけれど、ほとんどの人は観てないんですよ。虎於奈は結婚式場から観てたみたいですけれど。父親からも電話があって『ありがとう』みたいなのはあったんですけれど『アレ?』って。生で見せたかったなっていうのがあったので、次、防衛戦の時に生で観てもらおうかなと思っています」と、近しい人たちに戴冠劇を見せられなかったことを残念がり、防衛戦で見てもらいたいとした。  レオナは「僕、本当にこれで負けたら引退しようと思っていたので」と、優勝できなかったら本当に引退するつもりだったとも明かし、「ずっと虎於奈が虎於奈の時間を割いて、朝ずっとトレーニングに付き合ってくれたりとか、いろいろしてくれてたので。(優勝した後の)第一声が泣きながら『おめでとう』っていう言葉だったので僕も『ありがとう』って伝えましたね」と、弟の協力があって優勝できたとする。  なぜ引退の覚悟を決めたのかと聞かれると「ここで獲れないんだったら、この先はないと思っていたので。僕はやる前から、ベルトが獲れなかったら本当に引退しようと思っていました」と、道は優勝か引退かの2つしかなかったと話す。「ここが運命の分かれ道だと思っていたので。獲れて生き残ったので、この先楽しみにしていてください」と、道がまだ続くことに安堵の表情を浮かべながらこれから先も楽しみにしていて欲しいと語った。  そして、ファンへ向けて「今日は僕を信じて応援してくれたファンのみなさん、ありがとうございました。おかげでベルトを獲ることが出来ました。ここで満足しないで、これからもさらに上を目指して頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします」と、レオナ・ペタスのストーリーにはまだ続きがある、とメッセージを送った。
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