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【DEEP JEWELS】18歳、須田萌里が村上彩にリベンジ判定勝ち、HIMEが桐生祐子を秒殺KOでRIZINにアピール、古瀬美月が山崎桃子に完勝、ケイト・ロータスが連敗脱出

2022/09/10 19:09
 2022年9月11日(日)東京・竹芝のニューピアホールで『skyticket Presents DEEP JEWELS 38』が開催された(SPWN/ニコニコ生放送で配信)。 DEEP JEWELS 38 速報 2022年9月11日(日)竹芝 ニューピアホール開場/11:30 開始/12:00 ▼第7試合 DEEP アトム級 5分3R×村上 彩(フリー)47.75kg[判定0-3] ※28-29×2, 27-30〇須田萌里(SCORPION GYM)47.40kg 村上「去年から試合をしていないので、久しぶりの試合になります。すごい楽しみです。いまの自分に出来ることを全力で全部出し切って試合をしたいと思います。よろしくお願いします」 須田「まずはこの試合、リヴェンジマツチを組んでいただき、ありがとうございます。2年前と同じ結果には絶対にさせないですし、明日、私が勝つので、応援よろしくお願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。片足を股の間に踏み込んでシングルレッグ気味に倒した須田。ヒザ上で固定し外ヒールに行く村上に、尻を蹴って回って抜いた須田。スタンドを希望。  スタンドからシングルレッグは村上。ギロチンチョーク狙いもクローズドで腕を外した須田は下からヒジ打ち。インサイドの村上が体を離すと腕十字狙いに。足をすくいにいくが、取らせない村上。下から細かいパウンドの須田に村上も決定打は打てず。中腰になるがそのままゴング。  2R、ローから左の飛び込みは村上。かわす須田は村上の入りに得意の右前蹴りを当てて崩す。右フックを見せて組んだ村上。しかし須田が体を入れ替えると、村上はジャンピングガードで引き込み。上からのパウンドの須田に下から鉄槌の村上。須田の飛び込みにオモプラッタ狙い。しかし腕を抜いた須田は強いパウンドを入れ、離れる。  スタンド。左右を振って距離を詰める村上に、初戦と異なり両脇を差すのは須田。崩しに村上も凌ぎ、須田が足をかけたところにカウンターで投げて上になる村上。クローズドの須田は下から鉄槌。村上が手を伸ばすと腕十字で前転させるが、村上は腕を伸ばされながら後転して外すと、須田は足関節に。村上も足を抜く。  3R、左を振る村上。かわす須田はサイドステップ。しかし村上も左のオーバーハンドで詰める。そこに右前蹴りも狙う須田。右を合わせいに行く。詰める村上に脇を差しかえる須田が体を入れ替え、右で差して小外気味にテイクダウン! サイド奪う須田に、下の村上はセンタク挟み狙い。首を抜いた須田は上四方になり、ヒジ!  エビを打つ村上だが、脇差し、ヒジ。パウンドを打ち込む須田。村上のスクランブルに立ち上がる須田。大振りの左右を振って詰める村上を両脇を差したのは須田。さらにヒザも突き、ボディロックから崩しに行ったところでゴング。  判定は3-0で須田がプロデビュー戦のリベンジに成功。須田はケージの中で涙を流しながら、「村上さんとは、デビュー戦で負けてすごく悔しくて、2年後にこうして勝つことが出来て嬉しいです。これからは、大島選手のアトム級のベルトにリベンジしたいです。私は負けて強くなると思っているので、またチャンスをください。応援ありがとうございます」と語った。 [nextpage] ▼第6試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分2R ×桐生祐子(フリー)48.95kg[1R 0分37秒 KO]〇HIME(毛利道場)49.15kg→49.00kg  桐生はDEEP JEWELSで2連勝後、2018年12月に山口さゆりに判定負けし、主戦場をONE Warrior Seriesに移した。ONE Warrior Seriesでは2勝1敗で、2019年10月にはエディラー・ヨハニーに腕十字で一本勝ち。2020年4月の『Road to ONE:2nd』では、SARAMI戦が発表されるも緊急事態宣言下で欠場。その後はリングから離れていたが、2021年12月の『DEEP JEWELS 35』で2年2カ月ぶりに復帰。井上智子に判定勝ちで復帰戦を飾った。  かつてはこんがりと焼けた小麦色の肌がトレードマークで南国系ビジュアル格闘家と呼ばれていた桐生だが、復帰にあたっては日焼けをやめて美白の“ホワイトゆうこ”として生まれ変わった。2022年3月の復帰2戦目でサダエ・マヌーフに判定2-1で勝利すると、5月には長きにわたって国内トップクラスに君臨した富松恵美からも判定2-1で勝利を奪う番狂わせを起こしてみせた。  対するHIMEはバスケットボール選手として活躍し、大学卒業後にも実業団の日立笠戸女子に所属。ポイントガードとして活躍した。MMA転向後は、2021年3月大会のプロデビュー戦でケイト・ロータスに判定勝利。さらに6月大会では、藤田大和の姉・藤田翔子にも判定勝ちで2連勝をマーク。12月の3戦目で元DEEP JEWELSストロー級暫定王者・本野美樹に敗れ初黒星を喫したが、2022年3月大会ではDEEP女子ミクロ級&DEEP JEWELSアトム級二冠王の大島沙緒里から番狂わせの判定3-0勝利をもぎ取った。  桐生は「目指せ大舞台」とRIZIN出場を目標に掲げており、RIZINで活躍する大島を破ったHIMEに勝つことはアピール材料となる。HIMEも大島戦に続き、女子格闘技界で名前のある桐生を破って、さらなるステップアップを狙う。 桐生「8月31日で35歳になりました。ちょっと熟したんですけど(笑)、いまだに成長し続けていて、いま一番体力もついて強くなってきているなと思っているので、熟女パワーを見せて勝つので、応援、よろしくお願いします」 HIME「今回、ちょっとオーバーしちゃったので、再計量できっかり落として試合はしたいと思いますので、よろしくお願いします」  1R、出入りの速いHIME。右ストレートを効かせると、桐生が後退。HIMEの左右が伸びると桐生は金網に釘付けに。いったんは組みに行こうとするが組ませないHIMEがワンツーを打ち込むと桐生がダウン。HIMEが見事なKO勝ちを決めた。  試合後、HIMEは「毛利道場から来ました地方ファイターのHIMEです。今までKOが無かったので、絶対にKOしようと思っていました。今日、2つ決めていて、あかりが試合後すぐに練習につきあってくれてありがとう。あと、49kgで2試合目。49kgでやっている意味は、RIZINに出たいので、これだけカッコよく勝ったんで、そろそろ出てもいいんじゃないでしょうか」と語った。 [nextpage] ▼第5試合 DEEP JEWELS ミクロ級 5分2R〇古瀬美月(K-PLACE)44.20kg[判定3-0] ※20-18×3×山崎桃子(坂口道場一族)43.40kg 古瀬「いま対峙して分かりました。桃子さん、相当ビビってるんで、明日たぶん死ぬ気で組んで来ると思います。自分はそれを切って切って、1RでKOしたいと思うので、皆さん楽しみにしていてください」 山﨑「なんか煽りが足りなかったみたいなんですけど安心してください。明日はリスペクトを込めてブッ飛ばしにいくんで、古瀬選手、明日はタダでは帰れないんで、覚悟してきてください」  1R、サウスポー構えの古瀬が左ストレートを当てると、山崎が後退。さらに左に腰を落とすがシングルレッグへ、それを剥がして背中を着かせた古瀬。  ニーシールドから立ち上がる山崎を押し込む古瀬は左で差してから首相撲ヒザ。今度は右で差すが、突き放す山崎。右のスーパーマンパンチの山崎だが遠く、そこにカウンターの古瀬。左を伸ばして前蹴りも突くと再び組みに。山崎がケージに押し込まれてゴング。  2R、先に前に出る山崎。距離を詰めて四つに組むも、払い腰狙いは右で差す古瀬が崩れず。下から組み直す古瀬はヒザも突いて、前方に崩すが、山崎も耐える。  左右から右前蹴りの山崎も、その打ち終わりに左ストレートから組むのは古瀬。ブレーク。古瀬の右ハイをかわして右で差して組むが、この攻防は終始古瀬の優勢。体を入れ替えると、ボディロックから小外でテイクダウン。サイドを奪い、残り20秒で腕十字に入るが極め切れず。ゴング。  判定は3-0(20-18×3)で古瀬が危なげなく勝利した。 [nextpage] ▼第4試合 DEEP JEWELS 50kg以下 5分2R〇ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)49.60kg[判定2-1] ※19-19マスト竹林、20-18ケイト、19-19マストケイト×竹林愛留(総斗會三村道場)49.45kg ケイト「明日は練習をしているジムのK-Clannの選手がたくさん出場しますので、まずは自分がしっかり勝って、後半のDEEPのメンバーに繋げていきたいと思います」 竹林「明日は勝ちます。応援をよろしくお願いします」  ともに2連敗中のケイト・ロータス(KING GYM KOBE)と竹林愛留(総斗會三村道場)が、50kg以下契約(5分2R)で対戦した。  フライ級(-56.7kg)からストロー級(-52.2kg)、さらに今回の50kg契約と体重を落としているケイト。女子スーパーアトム級(-49.0kg)まであと1kgまで迫っているが、どこまで力が出せるか。  ケイトは柔道、糸東流空手の型、ボディビル、スポーツインストラクターを務めていた経験をバックボーンに持ち、2020年12月のプロデビュー戦で熊谷麻理奈を腕十字で極める一本勝ちも、3月大会でHIMEの打撃に後退し、プロ2戦目で初黒星を喫した。続く9月大会でもAACCのミッコ・ニルバーナ相手に組みで下となり判定負け。いずれも接戦ながら連敗を喫したが、東京に活動拠点を移しての12月大会で栗山葵に判定勝ち。フライ級からストロー級に階級を移しての第一戦となった今年5月、ベテランの長野美香にフロントチョークで敗れ、7月10日にはARAMIに判定負けと連敗。本人は試合経験を多く積むことを希望しており、早くも再起戦が決定した形だ。 “JK必殺拳”こと竹林は6歳から兄とともに空手を学び、空手では拳幸塾に所属。禅道会の全日本ジュニアRF武道空手道選手権大会・中学生女子の部で優勝するなど、18歳ながらキャリアは10年に及ぶ。  空手で鍛えた打撃を武器にアマチュアMMAで3戦3勝、『RIZIN』では、将来を嘱望される10代の女子高生同士の試合「RIZINチャレンジマッチ」に出場。同じ17歳(当時)のさくらと大舞台での対戦に臨んだが、体重超過のさくらに1R1分37秒、腕十字で一本を取られた(公式結果はノーコンテスト)。  正式なプロデビュー戦として臨んだ2021年6月の『DEEP JEWELS 33』でも同じ女子高生の音波と対戦し、キャリアに優る音波から判定3-0でプロ初勝利を奪っている。続く9月大会では井上智子に判定3-0(20-17×3)で完勝と連勝を飾るも、10月に古賀愛蘭にプロ初黒星。12月には須田萌里とのJK対決に腕十字で敗れ連敗を喫した。今春に高校を卒業し、約9カ月ぶりの再起戦に臨む。  両者とも連敗中で白星が欲しいところ。打撃を得意とする竹林に、柔道経験もあるケイトは組み技で勝負するか。  1R、サウスポー構えのケイト。オーソドックス構えの竹林。右インローを当てる竹林。ケイトは前足を上げながら近づき、前蹴り。右ストレートから前に出る竹林が組み。左で差して押し込んでヒザを3連打するが、そこでケイトは首投げテイクダウン!  下になる竹林だが両足をバックからかけており、首ば抜ければバックが取れる状態。首を解いて腰をずらして上になるケイトは中腰からパウンド! 竹林は下からシングルレッグで右足を持ち上げると、ケイトは引き込み気味に下に。左手を後方に押し込んで右足を首にかけて三角絞めへ。  ヒザ裏で組んだケイトは頭を引き寄せ絞めるが、竹林が中腰になって顔面にパウンドを打つと、三角から腕十字に移行。それを外した竹林が上になってハーフからケイトを寝かそうとするが、ケイトは半身になり竹林の左腕を巻き込んでスイープ! 竹林もすぐに足を跳ね上げるが残したケイトが上に。  しかし、今度は竹林が腕十字狙いから三角絞めをセット。残り45秒。左腕が入り、ヒザ裏で組まれたケイトが左ヒザを立てて凌ぐが、竹林は下から頭にパウンド。残り20秒で腕十字に移行するが、すぐにケイトもまたいでしのぐ。  2R、詰める竹林に首投げで投げたケイトが上に。自陣のコーナーで練習仲間の伊澤星花のアドバイスを聞きながら、パスガード、ニアマウント。リアネイキドチョーク狙いも両足がかからず、正対した竹林がリバーサルして上に。そこに腕十字を狙うケイトだが、腕を取らせず、パウンドは竹林もゴング。  判定は19-19マスト竹林、20-18ケイト、19-19マストケイトの2-1でケイトが接戦を制し、2連敗から脱出。笑顔を見せた。  試合後、ケイトは「会場にお越しいただきありがとうございます。正直、久々の勝ちでホッとしています」と語ると感極まり涙声に。続けて「まだまだ見ごたえのある試合内容ではないですが、いまK-Crannの強い選手が揃っているなか、ちょっとずつですが、皆さんに追いつこうと自分も頑張っているので、これからも飽きずにケイト・ロータスを応援してくれると嬉しいです。午後の部にK-crannの選手がたくさん出るのでそちらも応援よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP JEWELS ストロー級 5分2R〇長野美香(フリー)52.45kg[1R 4分19秒 腕十字]×井上智子(ストライプル茨城)52.10kg 長野「柔術家の井上選手と対戦できるので、とても楽しみにしています」 井上「MMAを初めて3年になります。実は40歳からMMAを始めました。柔術はずっと10年以上やってきていますが、MMAの経験は少ないですが、今回、相手もグラップラーということなので勝ちにいきます。応援よろしくお願いします」  1R、サウスポー構えの長野に、オーソドックス構えの井上は右ロー。右ジャブから先に圧力をかける長野。左前手のフックを狙う井上。右インローも。ダブルレッグテイクダウンは長野。  クローズドガードにい入れる井上は右手をオーバーフック。しかし、右で脇差し、ニースライスパスをしながら鉄槌を入れる長野。上四方に回ると井上はインバーテッドで足をフルガードに戻す。  ハイガードを狙う井上。鉄槌を落とす長野。足関節狙いの井上を潰してパスしていく長野 。鉄槌を入れながらパスのプレッシャーをかける長野。ついにマウントを奪うとすかさず腕十字へ。タップを奪った。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP JEWELS 59kg以下 5分2R〇栗山 葵(SMOKER GYM)58.75kg[判定3-0] ※20-18×3×Te-a(AACC)58.50kg  萩原京平と同門SMOKER GYMの栗山は、高校時代は女子サッカー全国3位に入る名門・日ノ本学園に特待生で入学した運動神経の持ち主だが、MMAは25歳の遅咲きデビュー。現在プロ2勝4敗で、2021年2月に杉山しずかにTKO負け。7月に柔道ベースの加賀谷花野にギロチンチョークで一本負け、12月にはケイト・ロータスに判定で惜敗した。3月に開幕した「DEEP JEWELSフライ級GP 2022」にエントリーされたが、1回戦は不戦勝、準決勝は計量オーバーのため不戦敗となった。2022年7月にはPANCRASEでNORIと対戦。3度のダウンを奪うも後半に首相撲&ヒジで巻き返され判定ドロー。今回はホームに戻っての仕切り直しの1戦となる。  対するte-aは、元・陸上自衛隊員で徒手格闘を学び、教官に総合格闘技を勧められ、本格的にプロを目指すために除隊。その時に勧められたAACCに入門して本格的に格闘技を始め、2021年3月のDEEP JEWELSアマチュア大会で強烈な右のパンチをヒットさせるなどして判定勝ち。6月の『DEEP TOKYO IMPACT 2021』でプロデビュー。58kg契約で熊谷麻里奈と対戦し、2R 腕十字で一本勝ち。9月にはライト級(70.2kg以下)でぽちゃんZに判定勝ち、12月にはフェザー級(65.8kg以下)でKINGレイナに腕十字で一本負けと階級を問わず試合をしている。栗山と同じく「DEEP JEWELSフライ級GP 2022」にエントリーされ、1回戦は不戦勝。準決勝では中井りんに挑んだが2R4分43秒、腕十字で敗れている。 Te-a「いま負けが続いているので、明日はしっかり勝ちたいと思います」 栗山「このあいだは(PANCRASEでNORIにスプリット判定負け)失敗してしまったにも関わらず、DEEPでもう1回、試合をさせていただけることにすごく感謝しています。この間のトーナメントで『死ぬこと以外は異常なし』と言っていたんで、自分も『死ぬこと以外はいつも異常なし』でやっているんで、2試合目からめっちゃ盛り上げて気持ちいい試合をやっていくんで、よろしくお願いします」  1R、サウスポー構えの栗山。オーソドックス構えのte-a。左オーバーハンドを当てる栗山! te-aはいったん横に出て外してダブルレッグもがぶる栗山は立とうとするte-aにヒザ連打! がぶりの腕を解除したte-aは押し戻す。  四つに組んで足を踏む栗山。te-aはシングルレッグで崩すが、すぐに立つ栗山。右で差して押し込むと右ヒザを腿に突く。小手に巻いて投げるte-aに、崩され戻す栗山。その頭をがぶり、やり返すte-a。首を外すと、もう一度小手投げ。しかし際で上を取るのは栗山!  サイドからマウントになる際でリバーサルし上から鉄槌するte-a! ここもすぐに立つ栗山がスタンドバックについたところで1Rが終了。  2R、先に角度をつけて斜めから入ってダブルレッグテイクダウンはte-a! 栗山に背中を着かせると、サイドを奪い袈裟固めに。しかしここで首抜き立つ栗山。左の打撃のte-aに、栗山も左の前蹴り、さらに左フックで金網に詰めるとヒザ! スタンドバックから手首をコントロールしようとするが、te-aもアームロック狙いから正対して離れる。  te-aの右フックに、それより長い左の蹴りを合わせる栗山! 左インローを2発当てる。遠間からダブルレッグも切る栗山。がぶりから顔を上げるte-a。左ストレートを突く栗山に、te-aはシングルレッグからドライブしてダブルレッグも、栗山は切って上に。ハーフから強烈な左のパウンドを入れてゴング。判定は3者20-18で栗山が完封勝利。PANCRASEでの敗戦も乗り越え、進化した姿を見せた。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP JEWELS ミクロ級 5分2R〇ちびさい KYOKA(SAI-GYM)43.25kg[判定3-0] ※19-19マストちびさい×2, 20-18×ジャカ季美香(SONIC SQUAD)44.30kg  ちびさいKYOKAは中学では家庭科部でスポーツ経験はなかったが、叔父がブラジリアン柔術を学んでいたことで格闘技に興味を持ち、中学を卒業してからフィットネス感覚でジムに入門。3~4年経った頃に試合やジムでのスパーリングを見て試合に興味を持ち始めたという。2018年『イサミリバーサルサマーカップ2018』のアダルト白帯ルースター級優勝を経て、2020年北日本アマチュア修斗選手権アトム級優勝。この実績により修斗プロライセンスを取得したがなかなか試合が決まらず、2021年6月の『DEEP TOKYO IMPACT 2021』でプロデビュー。  新潟県で2人目の女子プロMMAファイターとなったことが話題となり、テレビ新潟のワイドショーでクローズアップされ、2021年2月8日付けの日刊スポーツ新潟版でもクローズアップ記事が掲載されるなど注目を集めた。そこで何が注目されたかと言うと、その小さな体格だ。身長146cm、通常体重42kgで、しなしさとこ(148cm、42kg)やナナチャンチン(147cm、43kg)よりも小さく、新潟の番組でも“国内最小最軽量女子ファイター”として紹介されている。そのデビュー戦では古林礼名に判定負けで黒星スタート。  9月にはシビサイ頌真をもじった、小ささと所属するSAI-GYMを合わせた“ちびさい”をリングネームに付けて心機一転プロ2戦目に挑んだが柔術黒帯の村上彩に一本負けを喫した。その後、デビュー前からの怪我であった足の甲の手術を受け、松葉杖生活を余儀なくされたが、復帰へ向けてリハビリを続けて5月に復帰。山崎桃子に判定で敗れ3戦目も白星ならず。  対するジャカは第19回全日本ブラジリアン柔術選手権女子アダルト青帯ルースター級3位、PANCRASE JIU-JITSU CUP 2019 YOKOHAMA女子マスター1青帯ルースター級優勝、ヒカルド・デラヒーバ杯2019女子マスター1青帯ルースター級準優勝などの入賞歴を持つ。暴漢に襲われて血まみれになった経験から、護身術のため格闘技を始めたというエピソードを持つ。9月に挑んだ初MMAでは2R1分46秒、アームロックで碧に敗れたが、2022年5月に河合瑠菜から勝利。今回プロデビュー戦を迎える。  ミクロ級でも小柄なKYOKAが体格的ハンディを乗り越え初勝利をつかむか、それともジャカがデビュー戦を白星で飾るか。 ちびさい「本戦1試合目ということで、しっかり1試合目から盛り上げて勝ちたいと思います。応援よろしくお願いします」 ジャカ「ここまで体重落としたのは初めてなので、計量クリアして正直ホッとしています。デビュー初勝利を先にいただきたいと思います」  1R、ともにオーソドックス構えから。3連敗中のちびさいは出入りの前後にサイドステップも。飛び込んでの右をヒットさせる。左ローも。アマチュアで連勝しプロデビュー戦のジャカも押し戻し、左ジャブをダブルで突くが遠い。中に入ってシングルレッグテイクダウンはちびさい。  ジャカはクローズドガードからハイガードにして三角絞め狙い。ちびさいはボディにパンチ。ジャカは腕と反対側に寝かせるが、スペースが空いたちびさいは正面に戻すと、ジャカの腕十字への移行をまたいでかわす。三角絞めをセットしたジャカのラウンドか。  2R、遠間からステップするちびさい。飛び込んでの右を当てると左で差して四つ組み。ジャカのシングルレッグにニンジャチョークを狙って、嫌がったジャカが首を抜いたところでスタンドに。  右ローを当てて前に出て来たジャカにダブルレッグテイクダウンはちびさい! 今度はフルガードの中ではなく片足は抜けているちびざい。脇差しパスしてサイドを奪いかける。残り1分30秒、まだ片足がからんでいるちびさい。しかし背中を着かせて左手で細かいパウンド! そのままゴング。テイクダウンを奪い、ポジションを奪ったちびさいのラウンドに。  判定は3-0(19-19マストちびさい×2, 20-18)で、145cmのちびさいが勝利。プロ4戦目で念願の初白星を掴んだ。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 51kg以下 3分2R アマチュアSPルール④〇吉川桃加(トラフォース赤坂)50.70kg[1R 1分51秒 KO] ※左右ラッシュ×須田美咲(リバーサルジム立川 ALPHA)50.45kg 須田「アマチュアデビュー戦ということで、まずは試合に出場させていただきありがとうございます。練習してきたことをちょっとでも出せるように頑張ります。よろしくお願いします吉川「久しぶりの試合でとても楽しみです。やってきたことが出せるように精一杯頑張ります。明日はよろしくお願いします」  1R、ともにオーソドックス構え。先に詰める吉川。ワンツーから右の蹴り。須田は間合いを取って打つが、詰める吉川は左で差して右でパンチ。突き離す須田ひヒザ。  さらに詰めてワンツー右の蹴りを、金網にに追い込んで4連打の吉川に須田がダウン。吉川はマットに跪き、歓喜の涙を受かべた。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 53㎏以下 3分2R アマチュアSPルール③×サラ(fightbase 都立大)52.30kg[判定1-2] ※20-18, 18-20, 19-19マストSarah〇Sarah(トライフォース赤坂)53.05kg→53.00kg サラ「どんなシチュエーションになっても対応できるように練習してきたんで、練習でやってきたことを信じて試合をしたいと思います」 Sarah「(初回)計量でひっかかってしまいすみません。半年ぶりの試合で、世間では“サラ対決”と騒がれていますけど、自分との勝負だと思って頑張ります」 [nextpage] ▼DEEP JEWELS 60kg以下 3分2R アマチュアSPルール②〇鈴木“BOSS”遥(SAI-GYM)58.85kg[判定3-0] ※19-19マスト鈴木×2、20-18×近藤世里菜(パラエストラ柏)59.85kg 鈴木「BOSSチャンと呼んでください。今回、オープニングファイトで試合をさせていただくということで、ほんとうに光栄です。ありがとうございます。応援してくれるジムの仲間や先生、友人や家族の期待にこたえて次のきょうちゃん(ちびさいKYOKA)に繋げたいと思います」 近藤「やることをやって勝ちたいと思います。応援よろしくお願いします」 テイクダウンを奪った近藤だが、その先に繋げられず。打撃で上回った鈴木が判定勝利。 [nextpage] ▼DEEP JEWELS フライ級 3分2R アマチュア SPルール①×福田万智(フリー)55.70kg[判定0-3] ※19-19マスト齊藤×2, 18-20〇齊藤百湖(EXFIGHT)56.75kg 福田「アマチュアで一番面白い試合だと思うので、オープニングファイトの1試合目から楽しみにしてください」 齊藤「アマチュアのデビュー戦なんですけど、いい選手とやらせていただけるということで、すごく楽しみです。お互い気持ちの入ったバチバチの試合が出来ることを楽しみにしています」 組みの福田を。柔道出身の齊藤が打撃で上回り判定勝ち。
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