キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】小林さとし「引退して何十年経っても刀を磨いているから輝きは失っていない」=1.16「ROAD TO KNOCK OUT vol.」で石井宏樹とエキシビションマッチ

2019/01/10 10:01
【KNOCK OUT】小林さとし「引退して何十年経っても刀を磨いているから輝きは失っていない」=1.16「ROAD TO KNOCK OUT vol.」で石井宏樹とエキシビションマッチ

(C)KNOCK OUT

1月16日(水)、渋谷TSUTAYA O-EASTで開催される『ROAD TO KNOCK OUT vol.3』 で、石井宏樹とのエキシビションマッチに臨む小林さとし。「KNOCK OUTには森井洋介をあそこまで育ててくれた恩を感じている」と、特別にエキシビション出場を決めた理由を語ると、話は、当時の対ムエタイの想い、大月晴明、サムゴーといったライバル、そして年末のメイウェザーvs那須川天心にまで話題はおよんだ。

――今回、石井宏樹さんとの3分1R、エキシビションマッチが決まりました。

「基本的に自分の興行(野良犬祭)以外、そういうことをやるのは興味ないし断ってきた。以前にもJ-NETWORKのチャンピオンとそういう話が来てやりたくないと言ったけど、どうしてもやりたいというので、冗談で30万円のギャラならやるという話をしたら断わられた(苦笑)。でも俺がそういうのをやって何を見せるんだよ、今の子たちは俺のことを知らないでしょう」 

――どうして今回は受けたのでしょう。

「1月は色んなイベントがあって忙しいんだけど、石井君が相手で面白そうというのもあるし、KNOCK OUTには森井(洋介)をあそこまで育ててくれた恩を感じているから。まさか俺がKNOCK OUTに出るとは思ってなかったね」

――選手時代、石井選手と接点はなかったんですよね(※小林は1987年2月13日プロデビュー~2007年3月9日引退、石井は1996年1月28日プロデビュー~2014年2月11日引退)。

「全くない。お互いに引退してから何回か会って凄く好感を持った」

――石井宏樹さんにインタビューしたところ、「選手時代に僕のことを小林さんは知らなかったのでは?」と言われてました。

「知ってるよ! 現役時代の彼は同じライト級だったし、綺麗なキックボクシングをするイメージがあるし、ラジャダムナンスタジアムのベルトを獲ったことも知ってる。ただ、某選手がラジャダムナンのベルトを獲った瞬間にベルトに対する興味は、俺の中で一気に半減した。その後にもラジャダムナンのベルトを獲る日本人選手がいて、何をすれば選手として認められるのかなと考えた時に、ラジャダムナンの現役チャンピオンを倒して、ルンピニーのチャンピオンも倒して、タイのトーナメントで優勝することを目標にしてきた。

森井もタイのチャンピオンを倒すという目標を持って戦っていて、昨年にはヨードレックペットとやって負けてしまったけど、次の4月に再戦することが出来れば、さらに美味しい相手になる。美味しいラーメンが 1年後さらに一味加わってさらに美味しいラーメンになっているのと同じこと。わかる?」 

――(笑)。石井さんと同じ階級だったことで対戦を意識したこともないですか?

「スポンサーに連れられて新日本キックでラジャダムナンのタイトルマッチを観にいったことがあったけど、彼は日本タイトルマッチをやっていて特にインパクトはなかったかな。僕と同じ打倒ムエタイ路線をまだやってなかったし。彼とは世代が違うだけじゃなく、新日本キックの選手とやることもないと思ってたからね。それよりも俺にとってはあの時期、大月(晴明)という存在が目障りだった。俺は大月とやって負けてリベンジしたい想いもあったね。俺に勝った選手は何人もいるけど、大月、サムゴーだけは特別な想いがあった」

――今回のエキシビションマッチに向けて、相当仕上げているそうですね。 

「仕上げようがないよ! 石井君の方は(那須川)天心やDykiとやっているから慣れているんじゃないの? スタミナが年々落ちている。森井とスパーしているといっても1分やっては、休みを取りながらやっているし。今は昔と変わらず基礎体力をつけるような練習をしている。意外と昔から俺はスパーリングをやっていたように思われるけど、スパーリングだけやっても体力は付かない。今の選手は追い込むことを知らないもの同士でやるから体力がない。試合ではつまらない選手とやると、相手に合わせる練習をしているからつまらない試合になる。相手が攻めて来なかったら自分もいけないよね。

一番いいのは(サンドバックを指差して)“この人”とやること。サンドバックを相手に自分からいつでも行く練習をしていると、どんなに辛い状況になっても行ける。だから昔の選手は倒しにいけたし、森井のスタイルもそうだよね。サンドバックと向き合うのも大変だけどね。自分から手を出さなかったらこんなに退屈な練習はない。でも、自分で自分を追い込む練習に、サンドバックは何時間でも付き合ってくれる」 

――どういう試合展開をイメージしてますか? 

「向こうの出方次第。打ち合わせしてもしょうがないからそういうのは一切しないよ」

――昨年の大みそかにはメイウェザーvs 那須川のようなエキシビションマッチがあったことで、今回も夢の豪華カードなのでガチンコエキシビションマッチを期待してしまうファンもいるかもしれません(笑) 。

「あのメイウェザー、天心がやたらと真剣に来たから面倒くさくて倒しに行ったでしょ(笑)。そりゃあボクシングルールでは勝てないよ。天心もメイウェザーを前にしてビックリしたと思うよ。子供が大人を相手にした時に、同じ間合いでも狭く感じる。だからあの狭さを感じて天心は硬くなってしまったと思う。俺がサムゴーとやった時も固まって動けなかった。サムゴーは当時、130ポンドで最強と言われていたんだよね。想像を絶する強さだった。素人がプロ野球選手の剛速球を受けたときに、固まってバットを振れないのと同じ。天心はボクシングルールに挑戦して、10kg差のある相手とやったけど、俺は同じキックルールでサムゴーとやって負けたから情けない気持ちでいっぱいだった」

――話は逸れてしまいましたが(苦笑)、今回のエキシビションマッチで、今の選手にはどういうところを見てもらいたいですか?

「自分でいうのもなんだけど、引退して何十年経っても刀を磨いているので輝きは失っていない(笑)。まだまだこれだけのパフォーマンスを見せられるというのを見てもらいたいね。今の選手の方が技はうまいけど、昔の選手の凄さを感じる人は感じると思う。藤原敏男先生もそうだけど、昔の選手というのは基礎体力が相当あるから。積み上げてきたものが違うと、歳を取ってもこれだけ出来るというのをみてもらいたい」

――森井選手が試合前に小林さんにビンタをされているように、今回セコンドに付く森井選手が小林さんにビンタするかどうかにも注目が集まっています(笑)。

「やれるもんならやってみろよ!」 

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント