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2022年9月25日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される『RIZIN.38』で、バンタム級(61.0kg)5分3Rで対戦する堀口恭司(アメリカントップチーム)と金太郎(パンクラス大阪稲垣組)が6日、会見に臨んだ。
堀口は、右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷の手術を経て、2020年の大晦日に朝倉海と再戦し、1R TKO勝ちでRIZIN王座を奪還。今回は、その朝倉戦以来、1年9カ月ぶりの日本での試合でBellator2連敗からの再起戦に臨む。
米国フロリダから、リモートで会見に参加した堀口は、冒頭で「久しぶりの日本での大会ということで、ファンの皆さんの前で試合が出来る事を凄い楽しみにしています」と語ると、今回の試合の位置づけと金太郎戦を受けた意味を問われ、「毎回、自分は1試合1試合挑む気持ちは変わらないので、位置づけとかはないですね。自分はあまりオファーを断らないでのそれで受けたという感じですかね」と、淡々と語った。
また、1年9カ月ぶりの母国での試合に、「試合を見れば分かりますが全く違う動きとか、動物みたいな動きとよく言われるんですけれどそこら辺も楽しんで見てください。当日、ここにいる全員で凄い面白い試合を見せるので、“格闘技って凄いな”ってところを見せるので、皆さんぜひ会場に来て試合を見てください」と、前回の大晦日の試合からの進化を見せると語った。
堀口の相手が金太郎で厳しい意見が多いけど(榊原CEO)
金太郎は、2021年6月のRIZINバンタム級ジャパンGP1回戦で伊藤空也に判定勝ちしたが、GP二回戦で井上直樹に判定負け。2021年12月の元谷友貴戦でも判定負けと2連敗中だ。
勝ち星から遠ざかってるなかで得たチャンスに、金太郎は「いろいろな意見がありますけれど、1Rから目を離さないでください。全員、黙らせます」と厳しい表情でコメントした。
現RIZINバンタム級王者の1年9カ月ぶりの日本マット登場の相手は、なぜ2連敗中の金太郎になったのか。
その経緯を会見後の囲み取材で榊原信行CEOは、「ベストチョイスだ」と語る。
「ファンの人たちから“なんだ金太郎かよ”という声が多いんですけど、僕からすれば、(堀口の相手に)金太郎が一番RIZINらしいカード。堀口が日本に帰還してくるなかで、扇久保(博正)は病み上がりで9カ月も試合をしていない。1回、ここで縦に(カードを)積んでやっておいて、(堀口と扇久保は)年末とか、お互いにベストな状態で(組めれば)。堀口のBellator2連敗はキャリア初めての経験だし、お互いの気持ちが乗ったベストコンディションのタイトルショットにはならないので、それだったら、まずは縦に1試合ずつ積んでからと」と、バンタム級GPで優勝し、王座挑戦権を得ていた扇久保との試合は、それぞれが次戦の復帰戦を超えてからが妥当とした。
金太郎に白羽の矢が立ったのには、その殺傷能力が評価されたのと、消去法という、2つの要素が影響している。
「扇久保が言うように、キム・スーチョルとは当初、7月に決まっていたものを(扇久保の怪我で)スライドしているので(今回決まった)。じゃあ、堀口が凱旋──帰還したなかで、誰と観たいか、誰とやるべきかと考えたときに、バンタム級の選手のなかで(朝倉)海も怪我しているし、井上(直樹)もいないし、金太郎が一番ふさわしい。それでいて、ワンチャン、金太郎には倒せるだけのものもある。スリリングな試合になるだろうな、みんなに喜んでもらえるかなと思っていたら、意外に結構、厳しい意見が多くて(苦笑)。だったら誰だったらいいだろうと。瀧澤(謙太)だったらいいのか、そうそういない。とは言っても外国勢で堀口の横にふさわしい選手は異口同音でこの選手がよかったのにという選手はいない。RIZINのなかで鎬を削ってきた金太郎選手との試合は、みんなの思いも大きななものがあるでしょうし、当日は100%、十分楽しんでもらえるスリリングな試合になると思うので期待していてほしいです」