龍聖とONEでも活躍した小笠原裕典がついに初激突
2022年9月23日(金・祝)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.5』の記者会見が、8月24日(水)都内にて行われた。
新たにスーパーファイトのKNOCK OUT-BLACKフェザー級3分3R延長1Rで、KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者・龍聖(フリー)vs.元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者・小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)が決定。
龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、HIROYAの指導を受けアマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー(KO勝ち)。同年8月のREBELSに初参戦し、強打で2R53秒KO勝ち。その後もKOで連勝し、6戦6勝全KO勝ちのパーフェクトレコードを更新していたが、2021年3月大会で大脇武(現TAKERU)に判定勝ち。無敗記録は更新したものの初めてKOを逃してしまった。8月大会では井上竜太を1R2分でTKOに仕留め、10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦で銀次を判定3-0に破り初代王座に就いた。2022年4月には初の国際戦でメディ・ジライフィ(スペイン)にも勝利、7月にはRIZINに初参戦して魁志に3RでTKO勝ち。11勝(7KO)と無敗記録を更新している。
小笠原は『ONE』に参戦して4戦を経験。2020年2月の「REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント」1回戦では森岡悠樹を延長戦の末に破り、勝利をもぎ取った。続く準決勝でもKING強介を延長戦で降したが、コロナの影響でトーナメントの日程が延期・変更となったことも影響し、55.5kgを維持することが厳しくなったため決勝戦を辞退。57.5kgのフェザー級へアップし、合わせてREDルールからBLACKルールに転向したが、2021年1月の第一戦で大脇武(現TAKERU)に判定負けを喫した。5月には龍聖と王座を争うことになる銀次と延長戦の末にドロー。今回は1年4カ月ぶりの復帰戦となった。
会見で小笠原は「3月に妻の家族(小笠原の妻はウクライナ出身)がウクライナから避難してきて、たくさんの方々のサポートを受けて生活してきて5カ月が経ちましたが、人に助けられてばかりではなくて俺が稼がないといけないなと。これから稼いでいって、これまで支援していただいた温かくて優しい輪を他の人たちにも広げたい。そのためにも絶対に勝たないといけない試合です」と、ウクライナから避難してきた家族を支援してもらったように、自分も他の人を支援するために格闘技で稼ぎたいと挨拶。
龍聖は「いつも通りしっかり勝ちます」とだけコメントした。
それぞれの印象を聞くと小笠原は「前から人づてに僕のことを言ってるとか、仲間の悪口を言っていると聞いているので、今日は思ったより静かですがしつけがなっていないかなと。だから僕がしつけてやろうかなと思います。選手の印象としては力強さがない。フィジカルがまだ全然できあがっていない」と、いきなりの喧嘩腰。それに龍聖は「終わった選手だなって感じです」とニヤリ。
それを聞いた小笠原は「終わった選手と言われましたが、終わったと思われた選手が戻ってくることは全然あるので。1年4カ月ぶりの試合ですがずっと練習はしてきたので、生まれ変わる準備をしてきたので倒したいですね」と言い放つ。龍聖は「いつもと変わらず自分の試合を見せたいと思っています」と静かに答えた。
龍聖はRIZIN参戦を経験して「またKNOCK OUTを再建したい。そういう想いを強く持つようになりました」とKNOCK OUTへの愛情が高まったという。
まだキャリアが浅い頃に小笠原との対戦を希望していたことがあったが、「あれは彼から言ってきたこと。やってやってもいいかなと思っていたんですが、彼が負けるから出来なかった。まあ、やってやってもいいです」と不敵な笑みを浮かべる。こだわっていたKO勝ちが最近できていないことについては「最近上手くいっていないと思いますが、それも含めて僕なので経験だと思っています」と、今は経験を積む時だとした。
一方、小笠原はKNOCK OUTのエースまたは主役格にいる龍聖と戦うことをどう思うかと聞かれると、「まず主役という感じはしないですね。僕は自分が強くなりたいので強い選手とやりたいから格闘技をやっています。僕が出ている団体の王者なので、よく分からない選手とやるよりは全然いいかなと思います」と、特に龍聖をそういう風には見ていないとした。そして「9月23日は家族の想いを背負って戦います」との決意を口にした。
すると龍聖は「もっと静かなヤツだと思っていたんですが。弱いくせにガタガタうるさいからコイツをボコボコにします」と最後に牙を剥いた。
今回がTRY HARD GYMを離れてフリーになっての第一戦となる龍聖、ウクライナの妻の家族の生活もかかっている小笠原。それぞれの想いを背負っての激しい一戦となりそうな予感が漂った。