2022年8月10日にLDH martial artsが、中村倫也との契約解除を発表したことについて、中村が以前のSNSアカウント「rinyaman」で、「ご報告」と題して、LDH martial artsとの契約を終えた心境を記した。
「昨日、8/10付でLDH martialarts様との契約を終えました。ここまでファンの方々の応援やメッセージが支えとなり、頑張ってこれました。ありがとうございます。大きな決断でしたが、長くない格闘家人生を後悔ないようにやり切る為、今までとは別の道で格闘技に専念していきます。
高谷さんを中心に岡見さん、石田さんらスーパースター達に囲まれて過ごした2年は夢の時間でした。MMAを始めてからここまで育てていただき心から感謝致します。『ROAD TO UFC』へは継続して出場させていただきます。今後とも至らない自分ですが、活動を見て、応援していただけると幸いです。何卒宜しくお願い致します。中村倫也」
中村は、修斗をサポートし、PUREBRED大宮を主宰した父・晃三氏のもとキッズレスリングを経て、2017年のレスリングU23世界選手権フリースタイル61kg級で優勝。2021年にLDH martial arts所属のプロMMAファイターとしデビューした。
『FIGHTER BATTLE AUDITION』での勝利後、プロ修斗で2勝、LDH主催の『POUNDSTORM』でもメインでアリアンドロ・カエタノ(ブラジル)に判定勝ちするなど、将来を嘱望されていた。
2022年6月10日には、シンガポールで開催された『Road to UFC』にイリディウム・スポーツ・エージェンシーのマネージメントで出場。ググン・グスマン(インドネシア)に1R アメリカーナで一本勝ちし、今秋には準決勝の風間敏臣戦が控えていたため、今回の声明により、あらためて『Road to UFC』に継続参戦することが明らかになった(※追記・10月アブダビで準決勝、中村の対戦相手は野瀬翔平に変更に)。
LDH martialartsを離れ、「長くない格闘家人生を後悔ないようにやり切る為、今までとは別の道で格闘技に専念していきます」という中村は3月に27歳になった。
専修大学レスリング部を経て博報堂DYスポーツ所属時に、U-23レスリング世界選手権で優勝。同大会のグレコローマン59kg級では河名真寿斗も優勝し、2022年8月にUFC登竜門のLFAデビューを果たし、厳しい判定負けを喫している。海外遠征で練習した2歳下のアーロン・ピコは、Bellatorで10勝3敗で6連勝中だ(※10月にジェレミー・ケネディと対戦)。
2021年の本誌の取材に、20代半ばでの転向、MMAの急速な進化について焦りも吐露していた中村は、あと2勝でUFCとの契約が確実なものとなる。イリディウム・スポーツ・エージェンシーのマネージメントのもと、どんな道を歩むか。今後の動向にも注目だ。