SACRED FORCE presents KNOCK OUT-EX 2022 vol.12022年8月6日(土)東京・新宿FACE
▼メインイベント(第6試合)KNOCK OUT-REDスーパーフライ級 3分3R延長1R〇乙津 陸(クロスポイント大泉)KO 3R 3分00秒 ※左フック×谷津晴之(新興ムエタイジム)
乙津は2021年10月にプロデビュー以来4勝(2KO)無敗の18歳ホープ。対する谷津はNJKFフライ級1位で5勝(1KO)2敗2分の戦績を持つ19歳。乙津にとっては他団体トップランカーへのチャレンジマッチとなった。
1R、乙津は左インローと右カーフ、谷津も左インローを蹴っていく。谷津が前へ出てくるところに左フックを合わせる乙津だが、谷津の左ローがローブローになって試合中断。再開後も左フックを当てに行く乙津に谷津もワンツーからの左ミドルで対抗する。
2R、ミドルの蹴り合いから乙津が左フックをヒットさせる。強気に前へ出る乙津は谷津が打つところへ左フックを狙い撃ち。谷津は反撃に転じようとするがまたも左フックをもらう。何度も左フックが命中するが、谷津は前へ出てワンツー、左ミドル。谷津が組み付いてくると乙津は頭部へヒジ。
3Rは激しさを増してミドルを蹴り合い、フックを出し合う。乙津はカウンターの左フック、さらにはヒジでもヒットを奪うが谷津はものともせず前へ出て打ち合いに行く。両者足を止めての打ち合いでまたも左をヒットさせるのは乙津だが谷津は一歩も退かない。ラスト30秒で打ち合いになり、乙津が左右の連打で谷津の頭を揺らすが谷津は下がらず。前へ出てパンチを打ち続ける。
そこで乙津の右フックからの左フックがこれまでよりも強烈にヒット。ついに前のめりに倒れる谷津。立ち上がるもレフェリーが様子を見てストップし、乙津のTKO勝ち。試合タイムはなんと3分ちょうど。
乙津はマイクを持つと「今日、対戦してくださった谷津選手ありがとうございました。なんか初めてのメインで緊張したんですがこういう勝ちが方出来てよかったと思います。そろそろ俺、ベルトが欲しいので挑戦の試合をお願いします」とタイトルマッチをアピールした。
試合後、乙津は「こういう展開になるとは思っていました。自分は慌てないで、メインで気持ちも上がっていると思ったので、いつもの試合をするってことを意識していてけっこう出来ましたね。途中で危なっかしいところもありましたが、それもいつも通りです(笑)」と、普段通りの試合をすることを心掛けていたと打ち明けた。
3Rの打ち合いに関しては「相手が打ち合ってくれたらありがたいと思っていたので、作戦通り。あれ(最後の左フック)は嬉しいですね。綺麗に入った。手応えはめちゃありました。(左フックが)何発も入ったんですが一番綺麗に入りましたね。あれは一発で効かせたというよりもそれまでの蓄積だったと思います。その前も何発かは綺麗に入っていたので。効いている場面もありました」と、それまで何度も当てていた左フックの蓄積で最後は倒れたのではないかとした。
クリーンヒットを奪っても谷津が構わず前に出てきのは焦らなかったのかと聞かれると「逆に綺麗に当たったことで気持ちが上がりましたね。デビュー戦でそれを味わったので慣れました。デビュー戦の時は嫌になっちゃったんですよ。こんなに倒れないのかって。今回はそうならなかったので成長できた感じでした」と、デビュー戦でも同じ展開を経験していることが活かせたという。
そして最後には「そろそろベルトが欲しいです。NJKFの1位をKO出来たのでそろそろお願いしたいですね。まずはRED、次はBLACK。当面はREDに集中します。どっちでもいいんですがREDの方がやりたいです」と改めてタイトル挑戦への意欲を示した。
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▼セミファイナル(第5試合)KNOCK OUT-REDライト級 3分3R延長1R×庄司啓馬(TEPPEN GYM)判定0-3 ※28-30×3〇カミシロ(PHOENIX)
庄司はヒジなしルールに出場する選手が多いTEAM TEPPENの中で、ヒジありルールに挑む25歳。戦績は4勝(1KO)7敗。対するカミシロは2017・2018北斗旗全日本空道体力別選手権大会-240クラス優勝の実績を持つ30歳で、キックボクシングの戦績は3勝(2KO)2敗1分。
1R、庄司の右ミドルにバランスを崩したカミシロだが、組み付いてきた庄司にヒジを見舞う。カミシロは首相撲で豪快に庄司をコカす場面も。
2R、カミシロは左インローを蹴り、庄司が右ミドルを蹴るとそれを外して攻撃に転じる。庄司はカミシロをコーナーに詰めて行くが、カミシロのヒジ、ヒザ、左フックをもらう。
3R。カミシロは前に出る庄司を首相撲に捕まえてのヒザ蹴り。右フックからつかんでヒザをどんどん入れていく。左ミドルを蹴り、庄司が右ミドルを蹴り返してくるとそれをスウェーでかわして組んでのヒザ蹴り。庄司も首相撲で勝負するがカミシロのヒザが直線的に入る。庄司が前へ出てくるところに右フック、右ヒジを合わせて首相撲に捕まえるカミシロ。さらにヒジを叩きつけ、コカす。
判定は3-0で首相撲での勝負を制したカミシロが勝利した。
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▼第4試合 KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級 3分3R延長1R〇加藤和也(ドージョー☆シャカリキ)延長R 判定3-0 ※10-9×3×井熊知也(クロスポイント吉祥寺)※本戦の判定は29-29×3
加藤は5勝(1KO)7敗の27歳、井熊は4勝(3KO)1敗の24歳。
加藤はステップを使ってリングを大きく回り込む。井熊は右ロー、左ミドルと蹴っていき、加藤は井熊の攻撃を待って右フックを当てると一気にラッシュして左右フックをヒットさせる。打ち合いになると振りの大きい井熊のパンチをかわし、加藤がコンパクトな左右フックを当てにいく。動き回る加藤を井熊はなかなか捉えることが出来ない。
2R、前に出る井熊は左右フックを繰り出すが加藤は頭を左右に振って当てさせない。逆に加藤は井熊の攻撃を待って左右フック、左右ストレートを当てていく。徐々に距離が詰まると井熊のパンチも当たりだし、右ストレートがクリーンヒット。だんだんと振りも小さくなってきた。前蹴りとパンチでボディも攻め、加藤のパンチをもらってもお構いなしに前へ出て左右ストレートを叩き込む井熊。
3Rも前に出るのは井熊。ガムシャラに手を出し、加藤も反撃するが手数が及ばない。井熊はさらに首相撲からアゴへのヒザ。加藤も足を止めて打ち合う。加藤のパンチをもらっても前へ出て右ローを蹴り、打ちに行く井熊に加藤は右ストレート。加藤の右ストレートのヒットが目立つが、井熊も右フック、前蹴りを打ち返す。足を止めての打ち合いでアゴが上がるのは井熊。
本戦の判定はドローで延長戦へ。このラウンドも井熊は前へ出る。ガードを固めて右ロー、加藤はガードの上からでもジャブと右ストレート。井熊の前蹴りには左ボディで対抗。右ローを狙っていく井熊だが、加藤の右ストレートを連続被弾。負けじとワンツーを出す井熊に加藤はストレートの4連打。井熊の蹴りにはジャブを合わせる。
判定は3-0で加藤が井熊を振り切った。
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▼第3試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーフライ級 3分3R×井ノ本航希(LAILAPS東京北星ジム)TKO 3R 1分48秒 ※セコンドからのタオル投入〇竹田哲紳(クレイン)
井ノ本は22歳で2戦2勝と負けなし、竹田はKNOCK OUTアマチュア・アダルト55kg優勝(2021年8月)、同52.5kg優勝(2021年11月)、WINDY Super Fight MuayThai40kg優勝(2019年3月) の実績を持つ16歳でこれがプロデビュー戦となる。
両者はかなりの身長差(井ノ本が158cm、竹田が173cm) 。1R、井ノ本が右ミドル、ジャブを顔面とボディへ。鋭い左フックも打つ。武田は前蹴りを出すが井ノ本は鋭く踏み込んでの右ストレートをヒットさせ、竹田のパンチや左ミドルに左フックを合わせに行く。井ノ本は速い左ボディから左フックのダブルを見せ、さらに連打で竹田をコーナーへ追い込む。
2R、踏み込んでの左フックを繰り出す井ノ本に竹田は左のテンカオを合わせだす。このテンカオが入ると竹田のパンチも当たり始める。テンカオを警戒したか簡単には入れなくなった井ノ本に竹田は右ストレート。井ノ本は右ローを蹴って左右フックを放つが、見合いのような展開が続く。
3R序盤打ち合いになったところで井ノ本の右ショートがヒットして竹田はダウン。立ち上がった竹田は右ストレートで反撃し、その右を打ち抜いてダウンを奪い返す。打ち合いをする両者だが竹田の右ストレートがまたもクリーンヒットしてダウンを喫する井ノ本。ここで井ノ本のコーナーからタオルが舞った。
竹田は「井ノ本選手めっちゃ強くて自分が倒れた時に何が起こったか分からない、今も分かってないです。これからも練習して強くなっていきます」とマイクで語った。
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▼第2試合 KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級 3分3R△小林丈晃(練誠塾)ドロー 判定0-1 ※28-29、29-29、29-29△梅沢遼太郎(白山道場)
小林はREBELS BLOW-CUP -65kg級優勝(2013年)で、プロ戦績は1勝2敗の26歳。梅沢は1戦1勝の28歳。
梅沢は長身でかなりの身長差(梅沢が185cm、小林は173cm)。1R、小林は左右のフックを繰り出して前へ。梅沢のパンチを頭を振ってかわしながら打つ。前蹴りで距離を取りながらよく見て左フックを当てる小林に梅沢は首相撲に持ち込んでのヒザ蹴りに活路を求める。
2Rも左右のスイングの大きいフックを当てていく小林。梅沢は組んでのヒザ蹴り。パンチの連打を当てる小林に梅沢は必死に組みに行きヒザに持ち込む。
3Rも同様の展開で小林は右フックを連続ヒット。梅沢は右ミドルで近付いてパンチも繰り出すが力がない。小林は右フックを中心にパンチを繰り出す。両者疲れが見え、決め手なくドローとなった。
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▼第1試合 KNOCK OUT-BLACK フェザー級 3分3R〇福田拓海(クロスポイント大泉)KO 2R 2分37秒 ※3ノックダウン×山本響己(K&K BOXING CLUB)
福田はKNOCK OUTアマチュア・アダルト60kトーナメント優勝(2022年5月)、第40回K-1アマチュアBクラス60kgトーナメント優勝(2021年11月)の23歳でこれがプロデビュー戦。山本は2016希望郷いわて国体ボクシング少年男子ライトフライ級3位の実績を持つサウスポーで同じくデビュー戦となる。
1R、山本はサウスポー。長身の福田8176cm、山本は170cm)は山本が前へ出てくるところにタイミングよく右ストレートを合わせてダウンを奪う。その後は右ミドル、右フックでペースを握る。山本も勢いよく左ストレートを放つが、揉み合いの中で倒れて2度目のダウン。右ミドル、右フックとヒットを奪う福田に山本も左フックを返した。
2R、山本はロングリーチの福田に対して長い距離の攻撃で対抗。スーパーマンパンチも放つ。山本がクリンチで組み付くと福田はヒザ蹴りを見舞いまたもダウンを追加。福田の追撃を嫌がって組み付いた山本へ福田がヒザ蹴りでダウンを奪う。さらに右ストレートで吹っ飛ばし、レフェリーがストップすると同時にセコンドもタオルを投げた。
福田はマイクを持つと「どうも始めまして。まずはこんな僕を呼んでくださってありがとうございます。試合が決まってからいつも突きっきりで練習してくれた会長、クロスポイントの皆さん、応援に来てくれた皆さんありがとうございます。もっと強くなってまたリングに上がります」と挨拶した。