2022年8月11日(木・祝)福岡国際センターで開催される『ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』にて、バンタム級3分3Rで藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)と対戦する石井一成(ウォーワンチャイプロモーション)が公開練習を行った。
ムエタイを中心に数々のタイトルを獲得し、今回のK-1福岡大会に鳴り物入りでの参戦を決めた石井だが、格闘技を始めたきっかけは魔裟斗が活躍していた頃のK-1だった。「魔裟斗さんを見て憧れて、お父さんと2人で始めたのが18年前でした。18年経って、K-1のデビュー戦が福岡大会なのは運命だと思います」と石井。生まれも育ちも福岡県福岡市で、プロになってからも福岡を拠点に活動してきた生粋の地元民だ。
そのためK-1参戦が決定してからは地元の反響も大きい。「昨日もスーパーで保育園の後輩の親御さんから『K-1に出るんでしょ? 応援するから絶対に勝ってね』と声をかけられましたし、街中でも『絶対にK-1のチャンピオンになってね』と声をかけられるので、凄くありがたいですね」と、地元・福岡市民の期待を背負ってのK-1初陣となる。
しかし、憧れの舞台とはいえ、生半可な気持ちで参戦を決めたわけではない。「チームで話し合って、K-1の世界チャンピオンになろうと決めて出場を決めたわけですから、気持ちも練習面も変えてやってきましたし、初のK-1ですけど、大インパクトを残したいですね」と覚悟を決めてのK-1参戦なのだ。また、18年間やってきたムエタイには誇りがある。
K-1ルールへの適応に関してはキャッチの癖を直したりしているそうだが、「主軸はムエタイなのでそこは崩さず、ムエタイファイターとしてK-1ファイターと戦うと決めたので、大きくは変えてないです」と、ムエタイスタイルでの勝利を目指している。石井はボクシングも習っており、それは現在も続行中。パンチにさらに磨きをかけており、「ファイトスタイルも打ち合うタイプなので、ムエタイファイターだからパンチがとか、そういう心配はしないでほしいですね」と自信たっぷりだった。
また、今回の試合に備えて、同じ大会に出場する壬生狼一輝と合宿も行なった。壬生狼は石井にとって、幼い頃より知っている地元の後輩だ。その壬生狼と1日8~9時間、走って、ミット打ちをして、K-1用の3Rのガチスパーを朝から夜まで繰り返していたという。「僕はムエタイなんで待つスタイルとかもあったんですけど、そこを一輝と話し合って1R目から行けるように」と、壬生狼からアドバイスももらいつつスパーリングに励んだ。
そんな万全の備えをして臨むK-1初戦の相手は、K-1 JAPAN GROUP育ちの藤田だ。1発の破壊力を持つ選手だが、それは石井も百も承知。「打ち合いの展開に100%なるので、そこで打ち勝つことですね。もう当てさせないです。当てさせずに僕が1発で終わらせます」とKO宣言だ。K-1 JAPAN GROUPのリングでキャリアを積んできた藤田は、カード発表会見時に他団体から乗り込んでくる石井に対して敵意を剥き出しにしていたが、そんな藤田の態度に石井も「冷静に燃えてましたね。まあまあ見てろと」と火がついた様子。藤田がK-1を背負うならば、石井にも背負うものがある。
「K-1は初参戦ですけど、格闘家としての歴は今年18年目ですし、格闘技に費やしてきた時間は人生の半分とかそんなレベルじゃないんですよ」という格闘技キャリアと、支えてくれている地元・福岡の仲間たちだ。「K-1に向けて一緒に頑張っているので、そこは背負っているものが違うぞというものを見せたいですね」と、仲間の気持ちも背負ってのK-1デビュー戦だ。
K-1に参戦するからに目標は憧れの魔裟斗と同じK-1王者。しかし、K-1のバンタム級にはまだベルトがない。今回の藤田とのK-1デビュー戦は、そのバンタム級のベルト創設のための大事な第一歩となる。「大インパクトで勝って、石井一成が世界で戦ったらどうなるんだろうというのを今回見せて、53kgのベルトを作ってほしいとお願いしたいですね」と、かつて魔裟斗がK-1MAX・70kgの道を切り拓いたように、今度は自分がK-1バンタム級のパイオニアになると誓った。