▼第10試合 Super Fight!フライ級(?52kg) 3分3R延長1R
〇小林愛三(NEXT LEVEL渋谷/初代RISE QUEENフライ級王者)51.70kg
判定3-0 ※30-26×3
×イ・ドギョン(韓国/チームサイコピットブルス/MKF Queens Cupトーナメント優勝、KTKフェザー級王者)51.85kg

小林は2015年2月にプロデビューすると、2018年7月にシュートボクシングの試合で敗れるまで13戦無敗を誇った。同年12月には伊藤紗弥を判定で下し、2019年11月にはWPMF世界女子フライ級王座を奪取。2020年の「初代RISE QUEENフライ級王座決定トーナメント」で陣内まどかと決勝戦を戦う予定だったが陣内の負傷欠場により暫定王者に。12月に田渕涼香に敗れるも2021年4月の初防衛戦でリベンジを果たし、同時に正規王者となった。9月にはRISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵との女王対決に判定2-0で惜敗。2022年3月にはベルギーでGLORY女子スーパーバンタム級王者ティファニー・ヴァン・スースト(アメリカ)に挑戦。計4度のダウンを奪われKO負けとなったが、倒されても前に出る続け“大和魂“を見せつけ会場を沸かせた。戦績は16勝(3KO)5敗4分。

対するドギョンは空手をベースに持ち蹴りを得意とするMKF 52kg級の王者で、両者は2018年4月の『KNOCK OUT』で初対戦。小林が判定勝利を収めている。今回は約4年ぶりの再戦となった。

1R、近い距離でジャブとローを交換する両者。小林は左ボディも打つ。ドギョンは打たれながらも前に出ていくが、小林が左インロー&右カーフ。小林のジャブがドギョンのガードを突き破る。前蹴りで下がらせると左右のボディでドギョンをロープに釘付けに。さらに小林はジャブを打って右ストレートをガードの外側から入れる上手さを見せる。

2Rも小林はジャブで試合を作りながら左右ボディ、左インローに右ミドル。パンチを上下に打ち分けてのまとめ打ちも放つ。以前よりかなりパンチの上達を見せる小林は、ドギョンのガードの隙間をどんどん突いていく。ヒザ蹴りは連打してしまい口頭注意を受けるが、その後もジャブ、前蹴り、左右ミドルで崩して左ボディ、右ボディストレートを突き刺す。ドギョンは身体を丸める仕草も。よく見て相手の空いているところへパンチを当てていく小林にドギョンはほぼ手を出せずパンチを浴び続けた。

3R、左インローと左ミドルを混ぜながら至近距離で左ボディ、アッパー。右ボディストレートでドギョンをコーナーへ詰めるとパンチのコンビネーションで圧倒。さらにヒザも突き刺す。ドギョンも打ち返すがパワーは感じられない。小林は距離を保ちながらパンチを入れていき左ボディ、そして右ヒザを突き刺すとスタンディングダウンとなる。再開後もパンチとヒザを織り交ぜて攻める小林。

女子の試合にありがちな距離を詰めすぎてクリンチになる展開は全くなく、しっかりとパンチと蹴りの距離を保ちながら自分の攻撃を打ち込んでいった小林が大差の判定でドギョンを返り討ちにした。

小林はマイクを持つと「相手選手の気持ちが強かったのもありますが、倒しきれない自分の技術不足を痛感しました。でも、ここからちゃんと仕留められるようになって世界に登って行く愛三を見てくれると嬉しいです。一番はRISE女子の強さを見せて行きたいです。内容に説得力のある試合を続けていきたいと思います」と世界への再挑戦を宣言。

続けて「本当はKOして言いたかったんですが、同じジムの壽美選手がK-1で成り上がっています。壽美選手にはK-1でかけ上がって世界に行ってもらって、私はRISEで世界に駆け上がってトップで拳を交えられたらと思います。壽美は必ずリングに上がると思うので、私もそうですがこれから壽美選手にも注目してください」と、脳震盪後症候群(のうしんとう・ごしょうこうぐん=脳震盪の後にときおり起こる症状で、めまい・吐き気・頭痛などが長くて数週間後まで続く)でK-1を欠場中の同門の壽美へエールを送った。


