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2022年7月27日、Bellator公式ランキングが発表され、22日の『Bellator 283』(U-NEXT配信)で、ライト級1位だったシドニー・アウトロー(米国)に1R わずか27秒でTKO勝ちしたトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)がいきなり2位にランキングされた。王者パトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)を巡る、挑戦者争いが一気に過熱している。
王者パトリッキーに続く、1位は同日に元グレコローマンレスリング米国代表のクリス・ゴンザレスに1R 一本勝ちしたウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)が3位からジャンプアップ。トップコンテンダーとなっている。
コメインで勝利したムサエフは、ケージの中で「パトリッキー・ピットブルの怪我の回復を待って、ベルトに挑戦したい」と王座挑戦を表明。
スコット・コーカー代表は、次期王座挑戦者について、「ウスマンは確実に今回の試合でその候補となり得ると思う。ただ、タイミングも問題なので、ピットブルの怪我の状況を相談しつつ進めなければいけない。ウスマンは今後もう少し試合数を重ねていってもっと知られていけば、彼自身のファンベースが作られ、スター選手になれるのではないか。それに、今日ライト級でもう一人の“キラー”をみんな目の当たりにしただろう。彼の名前も確実に対戦を組む中で入れていかなければならない」と、ウスマンとムサエフの両者の名前を挙げている。
この2選手の勝利を事前に予想していたのが、2021年6月にムサエフに1R 一本勝ちしているホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)だ。
本誌『ゴング格闘技』(NO.321)の取材に「今回の試合は絶対ムサエフが勝つから、タイトルのチャンスに近づくだろうね。アウトローはレスリングが得意だけど、パンチをもらうとバランスが良くない。ダウンしたり、下がったりする」と問題点を指摘。
さらにハビブ・ヌルマゴメドフの従兄弟ウスマンについても「ウスマンはすごく強い。スタンドでKOが出来て、投げもグラウンド&パウンドも強い。オールアメリカンレスラー相手にも極めがあるから。柔術家にとっても難しい相手」と評していた。
果たしてBellatorライト級王座戦線はどう動くか。
秒殺勝利を挙げたムサエフの呼びかけに熱くなったか、王者パトリッキーは「11月にやろう」とツイート。試合後の会見でムサエフは、母国アゼルバイジャンでの王座挑戦を希望している。
一方で1位にランクされたウスマンは試合後、「ピットブルとの試合は、実はこれまであまり見ていないけど、彼との対戦が組まれたら自分とチームとで全ての試合を見返し戦略を練る。10月にも大会があると聞いているので10月にその試合が組まれるといいと思う。自分らしく戦う」と、10月の次戦での王座挑戦を望んでいる。
そんな中、サトシは自身のYouTubeで、「ムサエフが勝ったら、またピットブルと試合をすることになるのかな。そこで勝利したら、私とやるチャンスがあるね」と言いながらも、「もちろんムサエフは強いけど、私の気持ちは違う人とやりたい。ピットブルにリスペクトがあるけど彼とやりたい」と、王者とのダブルタイトル戦を語っていた。
パトリッキーも試合前に、「ムサエフとの再戦を望んでいるけど、シドニーに勝ってもランキングで上の選手がいるから、そこに勝つ必要があるだろう。日本でムサエフと戦うのもいいけど、せっかく日本で試合があるならサトシとも戦ってみたい」とも語っている。
パトリッキー、ウスマン、ムサエフの三つ巴の争いのなかに、Bellator日本大会があるとするならば、サトシもからんでくるだろう。
試合後会見では、バンタム級ワールドGPに続き、ライト級でもワールドGP開催が可能と期待が高まる同級で、次期挑戦者は誰になるか。注目だ。