ムエタイの本場タイの現役トップ選手を迎え撃つことになった玖村
2022年9月11日(日)横浜アリーナで開催される『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~よこはまつり~』の、対戦カード第2弾発表記者会見が7月27日(水)都内にて行われた。
-56kg契約3分3R延長1Rで、玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス)がコンペット・シットサラワットスア(タイ/Sitsarawatser Gym)と対戦。
玖村は2018年1月にKrushデビューを飾り、同年に行われた第6代Krushスーパー・バンタム級王座トーナメントで優勝して王座に就いた。2019年6月にはK-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメントに参戦するも決勝で武居由樹に敗れる。同年11月には林勇汰を破りKrush王座の初防衛に成功。2020年3月には無敗の金子晃大と注目の大一番を戦い、勝利を収めた。9月の2度目の防衛戦でも軍司泰斗を退け、2021年3月にはダウサコンを2RでKO撃破。今年2月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」では決勝で金子に敗れて王座戴冠ならず。6月の『THE MATCH 2022』では那須川天心のライバル・志朗から右フックでダウンを奪い勝利を収めた。戦績は20勝(10KO)4敗。
コンペットはルンピニースタジアム認定フライ級&バンタム級の2階級制覇、元タイ国プロムエタイ協会ライトフライ級王者、BBTV(7チャンネル)フライ級・ライトフライ級・フェザー級の3階級を制覇したムエタイ6冠王。ここ数年はフェザー級トップ選手として君臨し、上の階級の選手とばかり試合を組まれたことも。“フィームー”と呼ばれる離れて戦うテクニシャンタイプであるが、激闘の多さで有名な7チャンネルで戦ってきた、打ち合いも出来る万能型である。
かつて『ゴング格闘技』の企画で「武居由樹と戦わせたいムエタイ戦士5人」という企画で、当時K-1スーパーバンタム級王者だった武居の対戦相手に推薦していた選手でもある。まだ22歳の若さで戦績は79勝(12KO)16敗3分。
中村拓己K-1プロデューサーは「ムエタイで超トップの現役バリバリは初めてじゃないかというくらい強豪のタイ人選手が来ます。ONEに出ているプラジャンチャイとタイで1勝1敗。K-1軽量級に呼んだら面白いんじゃないかと期待されていた選手」と紹介した。
玖村は「THE MATCHという大きい舞台で試合させてもらって、他団体の一番強い選手に勝つことが出来てまたひとつ強くなってK-1の舞台へ戻ってくることが出来ました。今回の相手はタイの強豪ですが、強い相手を用意してもらったのでK-1の舞台で実力が試せるし、強くなったところをお見せ出来ることが楽しみです。強豪相手やからこそ1Rから速攻で倒しに行きます」とコメント。
THE MATCHを終えて「みんな僕の試合に注目してくれると思う。勝つことはもちろんで、K-1の倒しに行くスタイルを体現してやってきたんですけれど、志朗選手もトップの選手なので技術があってそのいいところを吸収できたので、それと今までやってきたスタイルを合わせて今まで以上に強くなったところをお見せ出来ると思います」と、さらに強くなった実感があるという。
コンペットの印象は「試合映像を軽くしか見ていませんが、ルンピニーの2階級を獲っていて強いのは間違いないと思っています。相手に不足はない感じです。僕はこれからvs.世界に向けて戦っていきたいと思っているので、その初戦ではもってこいの相手だと思っています」と評した。
過去にはペッパンガン、ダウサコンと2度ムエタイ選手と対戦して「2試合ともKOしている。タイ人は得意なタイプなので今回も問題ないかな。今までの2人よりも強いので気は抜かないですが、ムエタイスタイルは僕には通用しない。ここはK-1なのでK-1で戦って倒します」と、vs.ムエタイには自信を持つ。
今回は本来の55kgではなく、フェザー級のコンペットと間をとる形で56kg契約となったが、「今は55kgでやっていますが、前は56kgもやっていて。もっと上の体重でもこれから挑戦していきたいと思っているので、逆に減量が軽くなるのでもっと練習に集中できるので、いつもと一緒かそれ以上のパフォーマンスを見せられると思います」と影響はないとする。
そして「スピードで圧倒して、タイ人のディフェンスとK-1の攻撃力はどっちが上なのかを見て欲しいですね」と、“ほこ×たて対決”に注目して欲しいとした。
コンペットからは「K-1という世界的な大会に出場することが出来て光栄です。今回の試合では私が培ってきたムエタイの技を披露したいです。玖村選手もテクニックがある選手なので素晴らしい試合になると思う。私の試合でムエタイの強さと美しさを感じてください」とのメッセージが読み上げられた。
また、THE MATCHの一夜明け会見で「武尊選手の仇をとりたい」と発言していた気持ちは変わらないかとの質問に、玖村は「那須川選手はボクシングに行ってしまったので今すぐ実現は難しいが、いつか出来るタイミングが来るまで僕はそこへ向けてやっていくだけ。あの時に言った言葉は今も変わっていません。あの2人の試合があったからTHE MATCHもあったので、そこで武尊選手が負けてしまったわけですけれど次は絶対にやり返す。今でもK-1の方が上だと思っているので、そのためにそこへ向けて勝ち続けるだけです」との決意を語っている。