空手
レポート

【達人Neo】本戦8試合中7試合がTKO決着、最終試合の横山剛はパウンドでダウンを奪ってハイキックでTKO

2022/07/26 21:07
PRO-KARATEDO 達人Neo国際戦第一章 臨兵闘者皆陣列前行の巻2022年7月17日(日)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)第2競技場  5年ぶりの開催となる『達人』が『達人Neo』に生まれ変わった今回は新ルールが採用された。選手は達人オリジナルオープンフィンガーグローブと達人オリジナル道着を着用し、上半身は裸。試合は3分3Rで肘打ちは任意。瞬間の投げ技と立ち状態か片膝を付いてのパウンドが認められたもの(寝技は反則)。このルールのもと、ベトナム、スリランカ、韓国から選手が来日。他にもタイ、ブラジルと全6ヵ国の選手が集い、国際戦を主体とした興行が行われた。  和太鼓と三味線、居合抜きのパフォーマンスによるオープニング、ライトアップされた入場ゲートなど豪華な演出の中、試合も激戦が続出。本戦8試合中7試合がTKO決着、そのうち3試合が1R決着という結果を見るだけでも、その激しさが分かることだろう。  最終試合となるダブルメインイベント第2試合では、空手とキックで輝かしい実績を誇る“蹴りのファンタジスタ”横山剛が登場。前日会見では「放送事故にならないように」と、大阪・サンテレビでの中継に配慮(?)する発言をしていたが、1Rからヒジでカットし流血試合に。善道会の全日本RF空手道選手権大会2階級優勝の実績を持つ湊は、横山の蹴りを掴んで引き倒してのパウンドを唯一の勝機とみなして実行に出たが、MMAの経験もある横山は下から抱え込むなどして、この作戦を阻止。2Rには逆に横山が引き倒しパウンドを浴びせてダウンを奪い、とどめの左ハイでTKO勝利。まさに達人Neoルールの醍醐味を全て表現した形で大会を締めた。  試合後の横山は「(CRAZY WOLF GYMは)全勝です。空手が最強ということをこれからも格闘技の中で証明していきたい」とマイク。試合後のコメントでは「湊選手は気持ちがメチャメチャ強くて、外国人だけにパワーも強かったですね。パウンドもけっこう入れたかと思うんですけど、立ってきたので。相手のパウンド狙いは、僕も総合やってたので問題ないです」と話した。  ダブルメインイベント第1試合は、NJKFやRISEのリングで活躍する北野克樹がベトナム空手王者のヴ・ヴァン・タックと対戦。ムエタイを軸にラウェイのリングでも快勝したことのある北野は、前日会見で「瞬殺」を宣言。アオリ映像では大きなタイヤを使ったトレーニング風景も流れるなど、筋骨隆々とした肉体を持つヴに対し、上段後ろ回し蹴りなど得意の足技で攻める。こちらもヒザからの左ハイで、わずか108秒で勝利。「ムエタイの強さを証明することができました。9月にもムエタイの世界タイトルに挑戦することが決まっていて、そこでもKOします」と、ムエタイの強さをアピールした。  ダブルセミファイナルでは、主催する理心塾の精鋭2選手が韓国のキックボクサーをそれぞれ迎え撃った。まずNJKFフェザー級3位の笹木一磨がパンチで倒してからのパウンド連打でパク・ヒョンウを沈めれば、続く前NJKFバンタム級王者・甲斐元太郎は一気に攻勢をかけヒジでキム・ユンソンの顔面を粉砕。1R86秒でTKO勝利を決めた。  新ルールは大きな問題やトラブルもなく、特に日本人選手たちの戦いからは、「このルールでの勝ち方」を研究した跡がよく見られた。その意味では達人Neoルールの可能性を大いに感じさせた大会だった。満員の観客も大いに沸いており、新生「PRO-KARATEDO達人Neo」は鮮やかな船出となった。 [nextpage] 【全試合結果】 ▼ダブルメインイベント2(第8試合)行之章 ウェルター級77.1kg 3分3R肘あり〇横山剛(士道館crazy wolfジム)TKO 2R 2分51秒×湊クレベル(禅道会)  1R、強烈なインローやミドルで攻めていく横山。横山がハイを繰り出すと、その蹴り足を掴んだ湊は引き倒してパウンドを狙う。が、横山は下から抱え込んでブレイクに持ち込む。接近戦では横山のヒジが入り、湊は左目のあたりをカット。ドクターチェックが入るが、ここは再開。2Rにも湊はハイを掴んでパウンドを狙うが、横山はこれも阻止。逆に湊の腕を掴んで引き倒すとパウンドを集め、ダウンを奪う。勝機と見た横山は顔面にヒザを入れてさらに左ハイ一閃。すぐにレフェリーが試合を止め、横山が鮮やかなTKO勝利でメインを締めた。 ▼ダブルメインイベント1(第7試合)前之章 68kg契約 3分3R肘あり〇北野克樹(誠至会)TKO 1R 1分48秒×ヴ・ヴァン・タック(ベトナムtrung nghia duong)  開始早々から上段後ろ回し蹴りを放つなど、得意の蹴りを見せる北野。ヴもその筋肉質の体から力強い攻撃の片鱗を見せるが、北野は構わず前進するとヒザ蹴りでヴの動きを止め、左ハイでなぎ倒した。 ▼ダブルセミファイナル2(第6試合)列之章 フライ級56.7kg 3分3R肘あり〇甲斐元太郎(理心塾)TKO 1R 1分26秒×キム・ユンソン(全州国際ジム)  ゴング直後から襲いかかった甲斐はヒジとパンチでキムの顔面を破壊。ドクターチェックの後、レフェリーは試合をストップ。キムは骨折の疑いがあるという。 ▼ダブルセミファイナル1(第5試合)陣之章 フライ級56.7kg 3分3R肘あり◎笹木一磨(理心塾)TKO 1R 2分28秒×パク・ヒョンウ(金堤国際Xジム)  序盤から蹴りを中心に攻めていく笹木に対し、乱打戦が得意というパクは打ち合いに応じる場面も見せたが、パンチで倒した笹木はすかさずパウンドを集め、TKO勝ちを果たした。 ▼第4試合 皆之章 74kg契約 3分3R肘なし〇YOSHI☆ハリケーン(顕修塾ハリケーンジム)TKO 3R 1分51秒×ディネーシュ・ムナシンハ(松濤館Sri Lanka) ▼第3試合 者之章 バンタム級61.2kg 3分3R肘あり〇角田泰盛(士道館CRAZY WOLF GYM)TKO 3R 0分56秒×TONE K's GYM(理心塾タイ) ▼第2試合 闘之章 フライ級56.7kg 3分3R肘なし〇西田勝行(極真空手西田道場)TKO 3R 2分58秒×安里健吾(梁山泊空手) ▼第1試合 兵之章 バンタム級61.2kg 3分3R肘あり〇HAYATO(士道館CRAZY WOLF GYM)判定3-0)×歯と胸むな男(TeamFreeStyle) ▼オープニングファイト第4試合 臨之章 65kg契約 3分3R肘なし〇椋橋秀太(理心塾)TKO 1R 2分12秒×武井大樹(勇輝道場) ▼オープニングファイト第3試合《NPO法人全日本グローブ空手道連盟決戦!ジュニア頂上対決 中学女子》50kg契約 2分2R延長1分○宇野あいり(立志會館)判定3ー0×中井りあな(闘拳塾) ▼オープニングファイト第2試合《NPO法人全日本グローブ空手道連盟決戦!ジュニア頂上対決 小学6年》46kg契約 2分2R延長1分○坂口眞悠(立志會館)延長判定2ー1)×池田治大(至誠会) ▼オープニングファイト第1試合《フルコンタクト空手 高校生女子》55kg契約 1分3R○大浪瑞葵(岡村道場姫路本部)ジャパンアスリートカップ優勝判定2-1×塩山樹梨彩(空研塾西田道場)JKJO全日本最強決定戦準優勝
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