ノースエリア格闘技イベントBOUT 452022年7月18日(月・祝)北海道・ホテルエミシア札幌3Fパレスホール
ノースエリア格闘技イベント『BOUT 45』は7月18日(月・祝日)新札幌駅前の『ホテルエミシア 3Fパレスホール』で行われた。直前になって1試合が中止となったため全4試合とコンパクトな興行になったが、ルールはいずれも別々で北海道初のオープンフィンガーグローブマッチも行われ、最初から最後まで場内は大歓声に包まれた。大会にはRISEの伊藤隆代表も観戦に訪れた。
▼RISEランキング戦 フェザー級 3分3R延長1R〇山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISEフェザー級6位)判定3-0 ※30-27、30-28×2×山元剣心(FAITH/RISEフェザー級8位・WMC日本フェザー級5位)
メインに登場したRISEフェザー級6位の山川賢誠。リングアナからコールを受けると、地元のファンから大きな拍手が起こる。1Rから動きも柔らかい。対照的に動きに硬さの見える同級8位の山元剣心が右ミドルを放つと、フットワークを駆使して軽やかによける。
その後はリズミカルで的確な右ジャブを駆使して試合の主導権を握る。山元の意識が顔面に集まると、左のテンカオをボディに突き刺したり、軸足払いでスリップダウンを奪い場内を湧かせる。
セコンドに就いたFAITHの加藤督朗代表から「小さくコンビネーション」という指示が飛ぶが、山元の腕の振りは大きく空を切るばかり。2Rになっても、山川は右ジャブで機先を制して、試合のリズムを掌握する。終盤、あとがない山元は左フックをヒットさせ逆転の芽を一瞬掴むが、あとが続かない。
3R、勝利が目前となった山川はワンツーや右のアッパーで追撃を計る。山元は左ストレートによって反撃を試みるが、試合の流れを変えるまでには至らない。終盤になると山川は左テンカオや右ボディフックをフォロー。最後まで試合のリズムを掴んだまま、3R終了のゴングを鳴らした。
判定は3-0で山川。ランキング戦を制した山川は「セミファイナルで(後輩の)愛翔がいい勝ち方をしたけど、山元選手は強かったので僕は倒せなかった」と反省。そして「とりあえず次は用意された相手を倒すので、よろしくお願いします」とは謙虚に頭を下げた。
その後、8月28日の『RISE 161』で王者・梅井泰成が同級3位の門口佳佑を挑戦者に迎え初防衛戦が行うことが発表された。梅井vs.門口の勝者にランキングアップが確実の山川が挑戦する流れになるのか。タイトル挑戦が目前に迫った山川の次戦に注目だ。
[nextpage]
▼RISE FIGHT CLUB提供試合 オープンフィンガーグローブマッチ -59㎏契約 3分3R〇愛翔(Kickboxing Academy Sapporo)判定3-0 ※30-26、29-27、29-28×杉本 祥(TARGET SHIBUYA/第3代PRINCE REVOLUTION-58㎏王者)
セミファイナルではRISE FIGHT CLUB提供試合として北海道初のオープンフィンガーグローブマッチが組まれた。
通常のボクシンググローブより遥かに小さなオープンフィンガーグローブを装着した愛翔と杉本祥がリングインしただけで場内には緊張感が漂う。
愛翔には地元の応援団の歓声が飛ぶが対する杉本も宮城大樹会長、YA-MAN、常陸飛雄馬がセコンドに付く必勝体制だ。
1R、杉本が左を放つと、愛翔はそれ以上に強い左を打ち返す。杉本が右ボディフックを放つと、愛翔は左フックから右ミドル。さらには地元の温かい声援を背にバックスピンキックも狙っていく。
ダイナミックな大技を狙う愛翔に対して、杉本はオーソドックスに左ミドルの連打を放ち試合の流れをたぐり寄せようとする。
そうした最中、愛翔のバックハンドがヒット。その後畳みかけるように愛翔がパンチの連打を放つと、杉本はグラついてスリップダウンを許してしまう。
2R、杉本が起死回生の右クロスをヒットさせると、ファイターズハイの状態の愛翔は口から血を滲ませながら思わずニヤリ。飛びヒザ蹴りは空振りに終わったものの、左ハイを打ち込む。そして続けざまにバックスピンを相手のボディにタイミングよく打ち込むと、杉本は吹っ飛んだ。
逆転を狙う杉本が左フックをヒットさせると、愛翔は再び不気味な笑みを浮かべた。そして痛烈な左をヒットさせ、先制のダウンを奪う。
組んでからのヒザ蹴りで反撃を試みる杉本に対して、愛翔は離れるとノーガードで受けて立つ。ラウンド終了のゴングが鳴ると、舌を出しながら相手を睨み付けた。
こうなると、試合は完全に愛翔のペース。3R、左フックで再びグラつかせると、右フックの連打で追い打ちをかけ、杉本を防戦一方に追い込む。その後蘇生した杉本はヒザ蹴りやミドルキックに活路を見出そうとするが、愛翔は回りながら冷静に対処。逆にワンツーを打ちながらラウンド終了のゴングを聞いた。判定は3-0で愛翔。北海道初のOFGマッチは新たな興奮とスリルを持ち込んだ。試合後、マイクを握った愛翔は「今日は自分の20歳の誕生日」と明かす。「僕の憧れはYA-MAN。僕も成り上がってYA-MANと同じリングに立てるように頑張る」と締めくくった。
[nextpage]
▼BOUTキックボクシングルール 72㎏契約 3分3R×白岩昭人(GRABS)判定0-2 ※27-30、28-30、29-29〇コーンリーチ(エスジム/元カンボジアムエタイライト級王者)
第2試合では札幌在住の元カンボジア・ムエタイライト級王者のコーンリーチが登場し、4年半ぶりのBOUT出場となる白岩昭人とBOUTキックボクシングルールで激突した。
1R、白岩が右ミドルで攻めると、コーンリーチは左ミドルの連打でやり返す。さらにこのカンボジア人は相手がサークリングするところにミドルを合わせる。 その後はお互いやられたらやり返す攻防が続く。ポイントはイーブンながら、手数はコーンリーチが上回っていた。
2R、ハイキックを狙うコーンリーチに対して、白岩は左ローを返していく。その刹那、バッティングによってコーンリーチの左目尻がカットするアクシデント。それでも左のテンカオ(カウンターのヒザ蹴り)をボディに打ち込むなど印象点を渡さない。
3R終盤、疲れが見え始めたコーンリーチに白岩はラッシュを仕掛けるも決定打を放つまでには至らない。ジャッジは割れたが、全体を通してミドルで試合の流れをコントロールし続けたコーンリーチを支持した。
[nextpage]
▼BOUT MMA GFG公式戦フライ級 5分2R×藤田成保(T-Pleasure)1R 3分17秒 ※腕ひしぎ三角十字〇江崎 壽(ALMA FIGHTGYM BASE/全日本アマチュア修斗選手権フライ級優勝)
第1試合では藤田成保と江崎壽のMMA GFG公式戦が組まれた。藤田は″津軽の組技師″として知られ、私生活では孫もいる50歳の鉄人。対する江崎は全日本アマチュア修斗選手権フライ級優勝の実績を持つ札幌の雄だ。第1R開始早々、サウスポーの藤田に対し江崎は遠い間合いからダブルレッグへ。テイクダウンを許しながらも藤田はすぐトップを奪い返すが、江崎は冷静に体を入れ換え藤田をリング中央に持っていく。
下から仕掛けようとする藤田に対し、江崎は絶妙のタイミングで腕ひしぎ十字固めを仕掛けると場内からどよめきが起こる。体を丸めるようにして藤田はそのアタックを凌いだが、江崎はオモプラッタからの腕ひしぎ三角十字でタップを奪った。デビュー以来3連勝を飾った江崎は「10月には(パンクラスの)ネオブラットトーナメントが控えています。北海道で初めての優勝者になりたい」とマイクアピールした。