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【KNOCK OUT】梅野源治が一夜明け会見「まだまだムエタイルールにおいては僕の右に出る者はいないんじゃないかな」

2022/07/24 16:07
【KNOCK OUT】梅野源治が一夜明け会見「まだまだムエタイルールにおいては僕の右に出る者はいないんじゃないかな」

新作の「ヤバいだろ」Tシャツで会見に出席した梅野

 2022年7月23日(土)東京・後楽園ホールで開催された『KNOCK OUT 2022 vol.4』の一夜明け会見が、24日(日)都内にて行われた。

 会見にはメインイベントで、大谷翔司(スクランブル渋谷)に3R2分57秒、ヒジ打ちでTKO勝ちした梅野源治(PHOENIX)が出席。前夜の試合を振り返った。


「昨年9月以来のムエタイルール、試合でどういう風に動きが影響するか自分でも分からないくらいで不安もあり、でも自分の土俵で出来るとワクワクな楽しみもあった。1Rはヒジを狙いすぎて動きが固くなってしまったが、2R以降は修正して。3Rは自分のプラン通りのいい形で最後はヒジで決められたと思っています」

 自己採点は「最後ヒジで決めたのだけは100点。でも動きとしては固かったので60点くらいかな」と辛い採点。


 試合の主導権を握ったのは左ミドルだった。「1Rから(大谷は)腕がかなり効いていたので、2Rはパンチの威力もスピードも落ちたのでこれはどんどん自分のペースになるのかなと。今回は首相撲をするなとトレーナーから言われていて。見ているお客さんが面白くないから、と。塩漬けするよりも、KNOCK OUTは5年ぶりだし、インパクトのある勝ち方を自分もしたかった。トレーナーもそれを求めていたので出来るだけ組まないようにしていました。本来ならもっとパンチで攻められたら良かったが、絶対に負けられないとの想いがマイナスなプレッシャーになったのかな、動きに影響したのかなと思います」と、負けられないとの想いから動きが固かったと振り返る。


 戦った大谷については「試合後のマイクで言えなかったが、彼は自衛隊あがりで根性、精神が鍛えられているだけあって、あれだけミドルを蹴られて最後までパンチで諦めずに向かってきた。歯を食いしばっていた。あれ(自分のミドルキック)がどれだけ痛いかは自分が分かる。それでも諦めずに戦っていた姿勢にはリスペクトがあります。逆に彼からのリスペクトも感じられた。戦えて凄く良かったと思います」と称えた。


 会見の冒頭では宮田充KNOCK OUTプロデューサーより「入場する梅野選手の顏、佇まいを見てファンになっちゃいました。大したもんだなと。梅野源治はいいなと感じました。3Rで蹴りは効かせられないだろうという定説を覆し、残り10秒でもう判定だろと思う中であの残忍さ、勝負に対する執念、ドクターチェックする間もなくざっくりと切れていた。あそこでストップは妥当だと思いました。今後の流れは分かりませんが、梅野選手が面白いじゃないかとなるオファーを考えているので、再登場を期待してもらいたい。面白いのを思いついたので、昨日のは点ではなく線にしていきたい」との言葉があった。


 それを受けて梅野は「そう言っていただけるのは凄く嬉しいこと。当初2016年にKNOCK OUTという団体が始まって、最初に契約選手としてやっていたのが僕と那須川天心選手でした。僕が最後に参戦して5年、物語ができるのは歳月が重なって出来るものがある。この5年間でいろいろあったと思うが、これからも今後はぜひ宮田さんといい話をしてヤバい相手をぶつけてもらって、ムエタイルールのリングで輝いている梅野源治を見せられたらなと。そういう機会を作っていただけるリングだと僕は思っています」と、本人も継続参戦に意欲を示した。


 宮田Pも「ジムさんとも交渉になっていくし、リングでRIZINというワードも出たし、BOMが主戦場と捉えていたので、そこの調整もあります。KNOCK OUTで那須川天心選手とのダブルエースで始まって、那須川選手が先日キックボクシングにピリオドを打った状況で、そこから久しぶりに梅野選手がKNOCK OUTに上がってもらったのはストーリーがあるのかなと思いました。僕の中ではこれで行って次はこれで行って…というのが頭に浮かんできたので、必ず次があるように努力していきます」と、売れっ子の梅野だが再びKNOCK OUTに上がってもらいたいとする。


 5年ぶりのKNOCK OUTを終えた感想について梅野は「久しぶりだったので。見に行くのも何年ぶり、選手としても何年ぶりかで。出場メンツも変わりましたし、戦ってみて大谷選手は急成長されていて。ベルトを争うような選手だったので現KNOCK OUTのトップ選手とやってみて、まだまだムエタイルールにおいては僕の右に出る者はいないんじゃないかなと。このリングのKINGは梅野源治だと改めてやってみて感じました」、KNOCK OUTのKING(KNOCK OUT旗揚げ時のキャッチフレーズ)は今も自分だと胸を張った。


 試合では以前と比べるとバランスの悪さや雑さが目立ったが、これについては「理由はいくつもある」とすでに理由は分かっているようで、「その理由を述べるとまた23分11秒くらい喋ってしまいそうなので(笑)。理由はいっぱいあります。僕は理由を言うタイプなんです。言わないというのは反省が出来ないってこと。でも言い訳っぽいからって言われるので(苦笑)。理由を探すことの方が結果にはつながるんですが、23分は無いので反省しようかなと。だから今回は言わなくてもいいのかなと思っています。確かにバランスも悪かったし、雑にもなった。その理由はあった。でもそれは自分自身とトレーナーが分かていることなので、次回修正して出来た段階で、あの時はこういう動きをしましたと言えれば良いのかなと。今回は23分は控えます」と笑った。


 試合をリードしていてそのまま判定になっても勝てたにも関わらず、最後までヒジで仕留めに行った理由に関しては「あれだけヒジと言っていて、結果当たらないで判定で勝つのはムエタイ的な観点で見れば問題ない。でも僕がやりたいのは僕が目指してきたものをより多くの人に認知してもらいたい。その中で玄人好みの試合をしてしまうと伝わる幅が狭くなる。ムエタイの面白さを一人でも多く伝えたい。そのため最後までヒジを狙っていきました。あれだけミドルを蹴られると大谷選手もパンチで来るしかない。ポイントで負けているから。パンチで雑に来た時にヒジで決めるという作戦通りピッタリとハマりました」と、ヒジありの試合の面白さを伝えたかったからと説明。


 今後については「ムエタイの試合はどんどんやっていきたい。分かりやすい試合をしていきたい。コロナの中でなかなかムエタイの権威あるベルトには挑戦しづらい状況もあるので。その中で何が出来るかというとムエタイルールで日本の王者、もしくは呼べる国のチャンピオン、強い選手と戦ってヒジあり&首相撲の面白さを他の日本人選手では見せられない試合を見せて認知度を上げたい。そうおもって2019年から動いてきました。RISEもそう、RIZINもそう。自分の得意とするルール以外に挑戦したのはムエタイの凄さ、自分が目指しているものの強さを一人でも多く知ってもらいたいから。ムエタイを目指す人が一人でも増えればとの想いでやってきました。タイのベルトを獲りたい気持ちは今のところないと言ったら嘘になるが、激しい試合をしてムエタイの面白さをみなさんに伝えられたらと思っています」と、現時点ではヒジありのムエタイルールの面白さを自分が伝えていくことが先決だとした。


 また、リング上で「おい、RIZIN見てるだろ?、お前たちが見たい試合、ムエタイルールなら俺なら見せてやるから早くオファーして来いよ、やばいだろ!」とアピールしたことについて、梅野は次のように説明した。

「KNOCK OUTのリングで戦ったので、基本的にはここで他団体の話をするのは嫌なんですが」と前置きしたうえで、「やってやるってスタンスです。正直オファーしてきてもしてこなくてもどっちでもいい。お前らが見たい試合ならムエタイルールで見せてやるから早くオファーして来い、ということです。最後にもう1回チャンスをあげようかなと。ムエタイルールでヤバい試合を見せてあげるから。ただ、チャンヒョン・リーとやった時にスネがえぐれたことがあって、その古傷がけっこう深く開いてしまって当分蹴れないと思う。すぐにはなかなか難しいと思いますが、秋冬くらいにRIZINでムエタイルールでやってやろうかなと、そう思っています。あくまでもやってやろうかな、チャンスをあげるというスタンス。僕がジャッジも観客も学んだ方がいいって言ったじゃないですか。その学ぶチャンスをあげようかなということです」と不敵な笑みを浮かべた。


 そして最後に「久しぶりにKNOCK OUTのリングに立つこと出来ていい形でメインを締められたので、この機会をいただいた宮田さんに感謝しつつ、今後KNOCK OUTでどういうストーリーでどういう相手と戦っていくかを楽しみにしていただきたい。ヤバい試合を見せて“凄いだろ”って言われる試合を見せて、もっと上に行こうと思っています」と、“ヤバいだろ”から“凄いだろ”に進化していきたいと語った。

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