2022年7月2日(土)沖縄アリーナで開催される『RIZIN.36』に向けて1日、榊原信行RIZIN CEOが、6月30日に欠場が発表された朝倉海(トライフォース赤坂)の復帰時期につて、「本人は大晦日に出たいと言っているが、無理をするくらいなら、1年後でもいいと思っている」と長期的に完治を目指してほしいと語った。
会見後の取材で、榊原CEOは、朝倉の欠場に関して、あらためて「海は、『治療は後にして、痛み止めを打って、何としてでもリングに上がります』と言っていて、責任感が強いから止めるという意識はない。『痛いけど何とかします』と。でも見ていると拳も握れていない。週が明けたところで、どうも痛み止めが効かないと。あらゆる病院に、7、8カ所くらいは行ったのかな、拳の名医だと言われるドクターを訪ね歩いて、そこでも『根本的な治療をしないと、選手生命のみならず普通の生活にも支障をきたす可能性がある』、ということで、ドクターストップとなった」と説明。
「昨年末に痛めたと言っていましたが、本人の言葉足らずかもしれませんが、6年半前ぐらいから拳は痛めていて、プレートも入ったままで、そのプレートと骨が変な形で癒着してしまい神経を刺激している」と、古傷を再発させたものだとした。
武尊も2週間前にヒザを傷めていたが言えなかった
【写真】KAI Channelで右拳の怪我について説明する朝倉海。
気になる朝倉の復帰時期については、「来週には手術をする。海は『大晦日に復帰したい』と言っているけど、僕らとしてはまた無理をするくらいなら、1年後でもいいと思っている。年齢的なことも考えると、堀口恭司ではないけど、完治させないと復帰させるべきではないと思っています。
RIZINという団体からすると朝倉海は一番計算が立つ選手だし、メインの選手がまた一人いなくなるのはとても痛いですけど、ここはあまり無理させたくない。その先の未来で5年・10年戦える拳に治してからかなと思う。それが半年後なのか7カ月後なのか8カ月後なのか。期限は決めずに行けたら」と、あくまで完治を優先し、長期的に見て行くという。
RIZIN初のメインイベントの消滅、そしてチケット払い戻し、PPV返金、無料配信の事態に、榊原CEOは、ファイトビジネスにおける情報の開示の難しさも語る。
「天心vs.武尊でも、武尊は2週間前にヒザをやっているわけです。そういうことは事前には一言も言えない。海も右拳を傷めていることは出ると決めた以上は一切漏らさない。僕らの中でもコンフィデンシャル(機密性)をどう保ち、バランスを取るか。選手たちも相手が主催者だからといって、全部言ってしまってもいいのかという部分もある。それがひょっとして回り回って相手の選手に伝わるかもしれない。選手側はそういうことにはセンシティブになる。難しい問題ですが、もう少し僕らも選手の慢性的な怪我を知ることに意識を持っていく必要があるなと思います」