タックルされても「得意」もあります
今回の対戦相手の山本も母としてファイターとして活躍する選手だ。そして柔道とレスリングという異なるベースを持つアスリート同士の戦いとなる。
「テーマとしては、山本選手もアグレッシブさがあると思うんですけど、私も初っ端からどんどんガツガツ攻めて行くスタイルなので、身体が小さくても立ち向かって行くところを観てもらえたらな、と思います。やっぱり自分の持ち味である一本を取りたいと思っているんですけど、3R戦うつもりでスタミナのトレーニングも励んでいます」
会見では山本の印象を「いいポジションになったところからのパウンドだったりヒジは凄く威力があると思いますし、スタンドでも前手のフックが強かったりするので、全局面で強味を持っている素晴らしい選手だと思っています」と評した。
149cmと小柄な大島は、山本対策として、2019年大晦日に山本と対戦した153cmのアム・ザ・ロケット戦を参考にしているという。それは山本が判定勝ちした試合で、大島と同じような体格のアムをいかに山本がドミネートしたのかを、自身に置き換えて研究してきたという。
「試合のイメージは沸いているんですけど、予想外のことも起きるだろうし、いろんなことを想定しながらやっていますね」
その想定のなかに、打撃から始まるMMAでの打撃戦も含まれる。
リーチの長いオーソドックス構えのHIMEとの試合では、HIMEの長い距離からのジャブ・右ストレートを被弾し、ボディロックからの足技テイクダウン、バックテイクからの腕十字なども、HIMEの対処の速さとフィジカル差で極め切ることができなかった。
それは、その前戦で大島が浅倉相手に見せた動きとは異なるものだった。サウスポー構えのレスラーである浅倉に対し大島は、スタンドで外足を取って中央から右ストレート、さらに右ミドルをしっかり当てて、左足を内側に入れれば組んで大内刈でのテイクダウンも決めている。さらに下になっても関節技を狙い、蹴り上げを効かせている。
浅倉と同じサウスポー構えのレスラーである山本は、相性がいいと感じる部分もあるのでは? と聞くと、「そうですね……まあ結構、足で蹴って……相性は悪くないと思っています。タックルされても“得意”もありますし、全然、いろんな展開が作れると思っています」と、相手の得意技に入られても、様々な局面でカウンターを用意していることを明かした。