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インタビュー

【RISE】プロ2戦目に臨む44歳の元年棒120円Jリーガー・安彦考真「自分の人生のジャイアントキリングを起こすんだ」

2022/06/22 21:06
【RISE】プロ2戦目に臨む44歳の元年棒120円Jリーガー・安彦考真「自分の人生のジャイアントキリングを起こすんだ」

プロデビュー戦で元西武ライオンズの投手・相内誠にKO勝ちして話題となった安彦(C)RISE

 2022年6月24日(金)東京・後楽園ホール『RISE 159』にて、プロ2戦目に臨む元年棒120円Jリーガー・安彦考真(Executive Fight 武士道)の試合前インタビューが主催者を通じて届いた。

「年俸120円のJリーガー」として話題となった安彦は、2017年に全ての仕事を辞して若き頃に断念したJリーガーを目指し、翌年に年俸ほぼ0円で契約をつかんだものの2020年にはJリーガーを引退。格闘家に転身し、小比類巻貴之の元で練習を重ね2021年4月にセレブ格闘技大会『Executive Fight~武士道~』にてデビュー。アマチュアで3戦3勝の戦績を収めて2月のプロデビュー戦では元西武ライオンズの投手・相内誠との「野球vsサッカー」対決で初回KO勝ちを飾り、会場を大いに沸かせた。

40代の戦いを見てもらった上で皆さんに判断してもらえばいい

――もう試合目前ですけど調整の方は順調ですか?

「しっかりと出来上がっています」

――じゃあもう減量もバッチリって感じですね。

「今日水抜きを少し入れて、でももうあと2kgぐらいなんで、もう十分なところまで来ました」

――今回プロ2戦目となります。前回オープンフィンガーで今回は通常のボクシンググローブ、通常のRISE公式戦となりますけども気持ち的にはいかがですか?

「オープンフィンガーの方が未知数ではあったので、どんなもんだろうという不安ももちろんあったんですけど、今回はグローブなんでやり慣れてるというか練習の中でしっかりやってきたものもあります。でも僕はどっちかって言うとグローブが軽い方がやりやすいということは分かったので、そういう意味でも基本的には問題ないかなという風に思ってます。ブロックをしっかりするタイプじゃないのでそこに大きな差が生まれるというよりは、とにかく今までやってきたことを思いきり出すだけかなという感じがしてます」

――モチベーションはどうですか? デビュー戦の時と違いはありますか?

「デビュー戦は不安とかモヤモヤとか自分ならどうなるんだろうっていう高揚感みたいなものと入り混じった感じだったんですよね。今回はどちらかと言うと不安以上に高揚感の方が大きくて、入り混じるとよりは早く試合をしたいと。あとは練習がきつかったのでもうそれから解放されたいという思いがめちゃめちゃありましたね」

――小比類巻貴之代表の指導はかなりきついんですか?

「いや~きついですね本当に。是非今度見ていただきたいなって思うぐらいなんですけど。とにかく練習は厳しいですし、それから練習に臨む姿勢から含めて会長がずっとやってきたことにプラス現代風にアレンジしたものと、それから普遍的なもの、礼儀礼節だったりとかっていうところから練習の厳しさとか緊張感みたいなものはものすごい作るのが上手なので、本当にきついですね」


――前回の相内戦を見る限り小比類巻さんの綿密な戦略の立て方、分析力にもの凄いものを感じたんですけども、今回もかなりのものですか?

「この分析がどれだけ重要なのかは僕もJリーガー時代に最後に一緒のチームだった監督がものすごい分析家だったので、その大切さを改めて知って。なおかつ今回小比類巻さんに出会って、相手の特徴だったり弱点だったりとか、もちろん距離感から全て細いとこも含めて本当に見抜く力というのが。これ誰もが持ってるわけじゃないと思うので、そういう意味でいうと非常に心強い分析を手に入れて、それをまず脳内に取り入れてその脳内をどう肉体に落としていくか、一切試合中は考えなくていい状態に持っていくかっていうところのその分析能力。考えちゃうと分析がマイナスになっちゃうので考えなくていいようにどう持っていくかみたいなところが非常に素晴らしいなと思っていて、なおかつセコンドに小比類巻さんがいることによって立て直しもきくだろうというところは思ってますね」

――今大会は何かテーマを掲げてリングに上がりますか?

「僕の中では一つは、自分の人生のジャイアントキリングみたいなところがテーマであって。要するに自分の中にある常識が二の足を踏むと言うか、挑戦において一番いけないものなので、そういった常識とかそういうものを一切なくして自分がどこまで出来るのかと、自分がこのリングに上がること、後楽園っていう聖地に上がること、それを自分の中でプラスに変えて何か自分の人生のジャイアントキリングを起こすんだと。今までにない自分が見せて来れなかった、もっと見せられるものがあるんじゃないかとやってきた以上のものを見せられるぐらいのつもりで、僕の中で頭に入れてやってやろうと思ってますね」


――対戦相手のYO UEDA選手はどのように見てますか?

「正直な話、最初にニュースか何かで見たんですよ『宣戦布告!』みたいな。ニュースには『安彦選手とやってみたい』って書いてあったんですけどYoutube見たら『安彦』って呼び捨てされたんで、カチンときて何で呼び捨てなんだよって思いながら(笑)。まぁ、向こうのほうが年上なんで良いんですけど、ただ僕の中で最初そういう印象がありつつ、映像をしっかり見て49歳っていう年齢の中で挑む姿っていうのは僕が44歳でやってる以上のことだなと思うので、そこは打ち負かしたいというか挑戦には挑戦で返す。それはどれだけ苦しいことで大変なのかっていうのを40代の戦いを見てもらった上で皆さんに判断してもらえばいいなと。すごい凡戦と言うか『おっさん同士のじゃれ合いだね』なんていう風に思われたくないので、全力で倒しに行こうと思いますし、そこに遠慮も何も一切僕の頭にないので、(アマチュアも含めて)5戦5勝中で6戦連続勝ちを取るというよりは、一戦一戦が結果的に5連勝に繋がってるっていう考え方なので、今回も全力で倒しに行きたいなという風に思ってます」

――この試合がこの間UEDA選手がKO勝利を飾ったRISE VOAではなくRISEのナンバーシリーズでマッチメイクされてるって部分も非常に意味があると思うんですけどその辺は?

「僕のTwitterでも呟きましたけど格闘技は僕に人生を教えてくれてて、本当にRISEが夢を与えてくれるなってすごく思うんですよ。どう考えたってRISEのナンバーシリーズでこのマッチメイクって本来なかなかないと思うんですよ、もしかしてこの先もないかもしれない。それぐらい人に夢を与える場所であり、だからこそ与えてもらった夢を可能性として40代の僕らは返さなきゃいけないっていう責任があると思うので、やっぱり夢を貰って『あのリングに立てました、すごかったですね』じゃ全く意味がないので、この夢をまた次の誰かに繋ぐためにもしっかりと勝ち切って自分たちがやっぱりそれぐらいのことなんだと、この後楽園に立つっていうのはRISEのリングに立つっていうことは簡単なことじゃないんだということはやっぱり試合を通して見せたいなと思いますね」


――同じナンバーシリーズに出る10代20代30代の選手とは違った色を見せたい、残したいって気持ちも強いですか?

「僕は世界チャピオンを目指してるわけじゃないので、とにかく一戦一戦に自分の表現として、この間の『THE MATCH』もそうですけど何か強さだけじゃない巧さだけじゃないものを皆さん感じ取って次の日の活力に変えてると思うんですよね。僕らは生き様、明日への一歩だったり勇気だったりとか無形なものを届けなきゃいけない。見て有形な巧さというのは10代20代がとことんやっていただければ良いし、それはもう間違いないと思うので、そうじゃなくて無形の何か自分の心とのセッションというかその僕らの試合見て何を感じられるか、そこだと思っています」

――今も話の中に出てきましたけど先日の日曜日行われました『THE MATCH』は安彦選手にも何らかの強いインスピレーションを与えてくれた感じですか?

「間違いないですね。日本のトップ選手たちがしのぎを削ってる試合を全試合ABEMAで見させてもらいましたし、その中でやっぱり高揚するもの自分に足りないもの、このレベルに行くには本当にどれだけの努力があったのかっていう背景を察することもできたので。そう考えるとじゃあ『自分の中で出せるものって何だ?』って言ったら練習量とか経験年数で言えば少なすぎるので、人生観の背景を出せるかどうか。40のおっさんがここまでやってる意味、意義みたいなものを感じてもらえるかどうか。そこのインスピレーションはすごくもらいましたね。何を伝えたいのか、なぜリングに立ってるのか、そこをしっかりと伝えられるような戦いにしたいですね」

――安彦選手の口からも出ましたけど、この試合は先ほど言ったテーマとは別にやっぱり安彦選手ならではの人生観の背景を見せたいって思いも強いわけですね。

「間違いないですね、今回は本当にそれですね。自分の生きてきた道、Jリーガーから格闘技に変えてアンチもいるし、もしかしたら今回同じ土俵に立つ選手の中で『何でこいつらが5番目の試合で俺らが先なんだよ』って思ってる方もいるかもしれないですよね。そういう人たちにも見てもらった時に、そうだよなと。こういう戦いとかこういう位置づけがあっても良いんだよなと。こういう人達がいるからこそ一つ何か伝えられる、格闘技という魅力の枠が広がるんじゃないかというのを僕の人生経験を通して伝えられたらいいなと思います」

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