Krush.1382022年6月17日(金)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者)TKO 3R 1分31秒 ※レフェリーストップ×寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/挑戦者)※佐々木が3度目の防衛に成功。
佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月の2度目の防衛戦で同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは準優勝。2020年2月のKrushで鈴木勇人を破り、ライト級に続いての2階級制覇に成功。7月に近藤拳成を相手に初防衛し、12月のK-1では大和哲也を判定3-0に降している。2021年5月には平山迅を破り2度目の防衛に成功。9月のK-1では元同門の林健太にも勝利、今年2月にはヴィトー・トファネリも破って9連勝中。戦績は31勝(6KO)17敗1分。今回が3度目の防衛戦。
寺島は極真空手と伝統派空手を学び、2019年4月にKrushでプロデビュー。そのデビュー戦から3勝3KOを達成し、2019年11月には初の国際戦で韓国人選手から判定勝ち。4戦無敗で2020年3月のK-1に出場し、山崎秀晃に挑んだがKO負けで初黒星を付けられた。12月の斉藤雄太戦でもTKOで敗れて連敗を喫するが、2021年7月の松本篤人戦で判定勝ちして再起を飾った。11月には第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人からも勝利。戦績は6勝(3KO)2敗。
1R、いきなり左ハイを顔面にかすめたのは寺島。軽快なステップを踏んで左ミドルを蹴っていく。佐々木は右ローと右カーフを蹴る。じりじりと前に出る佐々木に寺島は左フックも繰り出すが、佐々木はコツコツと右カーフを蹴っていった。
2R、佐々木が伸びのあるワンツーを放つが、寺島の重い右ストレートが連続ヒット。佐々木は右ストレートから左ミドルを蹴るが、リズムに乗る寺島は左フック、左ボディと強い攻撃を当てていく。入っていくところを狙われる佐々木はそれでも入り込んで右を当てに行く。寺島は身体を振りながら左右ミドルだ。
3R、両者の応援団が大いに盛り上がる中、佐々木はやはり入り込んでの右ストレートを繰り出す。これがついに寺島にクリーンヒット。一気にパンチで畳みかける佐々木が右ストレートを追撃ヒットさせ、寺島は防戦一方に。右フック、右ストレートで身体が大きく揺れる寺島。右フックでついにダウンを喫する。
さらにジャブから慎重にパンチをまとめる佐々木は、左右フック、右ストレートをクリーンヒット。打たれ続ける寺島を見てレフェリーが試合を止めた。
マイクを持った佐々木は「9月のよこはまつりに大和哲也選手の参戦が発表されています。その挑戦者、僕しかいないでしょう。KrushチャンピオンとしてK-1のチャンピオンに挑ませてください」と、K-1横浜大会でのK-1スーパー・ライト級王者・大和哲也への挑戦をアピール。
そして「ずっと判定王者と言われてきましたが、KO出来る感覚が掴めたので量産していけるように高みを目指していくのでよろしくお願いします」と、上手さだけでなく倒せる強さも身に着けてきたと語る。
最後には「秀さん(山崎秀晃)、(野杁)正明、武尊! THE MATCHにつなぎました!」と、19日の東京ドーム『THE MATCH』に出場する同門の仲間たちへエールを送った。
佐々木のアピールを受けて中村拓己K-1プロデューサーは大会終了後の総括で「ああいう展開で終わるとは想像していなかったんですが、チャンピオンが(佐々木と同門の山崎から)大和選手に代わって同門というネックがない状況で、ここまで来たのは一番(タイトル挑戦に)近い位置にいるので考えていきたい。今後の展開は今日の結果も踏まえて考えていたので、大和選手サイドとも話さないといけないですが考えたいと思います」と、今回のKO勝利によって佐々木がK-1王座挑戦の第一コンテンダーになったとした。
佐々木と大和は2020年12月にK-1で対戦し、佐々木が判定で勝利している。大和も今回のタイトルマッチ前に「僕は大蔵選手に負けているので、僕がリベンジするまで大蔵選手には勝ち続けて欲しいという気持ちがあります。大蔵選手のことを尊敬して、強さを認めているからこそ大蔵選手にリベンジしたいです」と話しており、実現する可能性は高そうだ。
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▼セミファイナル(第9試合)Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇横山朋哉(リーブルロア)判定3-0 ※30-24×2、30-25×石田勝希(RKS顕修塾/第9代MA日本キックボクシング連盟スーパー・ライト級王者、第3代・第9代ACCELライト級王者、RKSスーパー・ライト級王者)
横山はK-1甲子園2017 -60kg準優勝の実績があり、プロ戦績は7勝(3KO)2敗。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPの大会に出場、抜群の破壊力で4連勝(3KO)と快進撃を続けていたが、2019年8月の試合で朝久泰央に敗れた。2020年2月には中島千博と好試合の末に判定勝ちして再起を飾ると、9月には第8代Krushスーパー・フェザー級王者の西京佑馬に判定勝ちするなど5連勝。2022年の「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」では優勝候補と目されるも、決勝で中島千博にリベンジを許した。戦績は11勝(6KO)3敗。
石田は初芝立命館高等学校を卒業し、早稲田大学では日本拳法部に所属。新空手で60戦無敗の伝説を作り、2009年のK-1甲子園では3位になった。2011年8月にプロデビューし、2017年2月には林健太をKOするなど無敗の快進撃を続けていたが、2017年11月の稲石竜弥戦、2018年2月のゴンナパー戦では敗れる。2021年12月にK-1初参戦を果たすも篠原悠人に判定負け。これまで第9代MA日本キックボクシング連盟スーパー・ライト級王座、第3代・第9代ACCELライト級王座、RKSスーパー・ライト級王座を獲得しており、戦績は25勝(11KO)5敗3分。
1R、石田は右インローを狙い撃ち、サウスポーの横山は出入りを繰り返すすが、石田も入ってきたところでパンチをまとめる。横山は入ってきた石田を左ストレートで止めてからもう一度左フックを打ってダウンを奪う。一気にラッシュする横山は左ストレート、左ハイ、っそして左ストレートからの飛びヒザ蹴りで2度目のダウンを追加。
2R、前に出る横山はジャブだけでなく左手を動かしてプレッシャーをかけ、左インローと右フック。左三日月蹴り。石田は右インローを蹴る。横山は左ボディ、ヒザでボディも攻め、いきなり飛びヒザを発射する。石田は右インローを蹴って横山をコーナーへ詰めたが、攻撃をかわされて逆にもらう。
3R、インローの蹴り合いからいきなり飛び込んでのワンツーを打つ横山。石田が入ってくるところへ右フック。石田は打って来いとばかりに挑発する。横山はインローを蹴っての左ストレートから右ストレートの逆ワンツー、そしていきなり飛びヒザ。石田も左ハイを蹴る。残り時間僅か、左ローで石田が大きく崩れたところへ横山は右ストレート、そして片膝を着いた石田に右ハイでダウンを奪う。
合計3度のダウンを奪った横山が大差の判定で再起戦を勝利で飾った。
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▼第8試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇野田哲司(PURGE TOKYO)延長R 判定2-1 ※9-10、10-9×2×松本涼雅(team ALL-WIN)※本戦の判定は30-29、30-30、30-30。
野田はTETSUのリングネームで試合をしていたが、本名になり所属も月心会チーム侍からPURGE TOKYOに変更。2018年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦すると、佐野天馬、伊澤波人を破って頭角を現し、3連勝でKrushフェザー級王者・江川優生に挑戦したがKO負け。2019年11月には斗麗に敗れて連敗を喫し、7月11日のKrushではスーパー・フェザー級に階級を上げて提髪和希と西元也史に連勝するも2022年1月に斎藤祐斗に初回KO負けを喫した。スピードを活かしたパンチ&キックが持ち味。戦績は9勝(2KO)4敗。
松本は2019年7月にKrushでプロデビューし、いきなり東本央貴から勝利を奪った。同年11月に此尾昂希にTKO勝ち、2020年7月には現在K-1で活躍中の西元也史からも勝利している。2021年には「第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント」に抜擢されるも1回戦で横山朋哉にKO負け。戦績は3勝(1KO)1敗。
1R、野田はジャブを突いて接近すると至近距離で左フックを打つ。松本は前蹴り。野田がジャブから攻撃をつないでいき、松本は様子を見たか。
2R、松本は右アッパーを打つと続けて右ヒザをアゴに突き上げる。野田は左ボディ、左フックと距離を詰めて接近戦で勝負する。松本も右からの左フックで迎え撃つ。野田は離れるとジャブ。
3Rも前に出るのは野田で接近戦での左フックを多用。松本は前蹴りで突き放し、野田が接近するとヒザ蹴り。松本は右ローからジャブ、野田が入り込もうとすると左フック。野田は入り込んで左フックをヒットさせて松本をグラつかせるが、松本はジャブを突く。右のガードが下がる松本に野田は左フックを狙い撃ち。
判定はドローで延長戦へ。やはり接近戦を仕掛けて左フック、右ショート、アッパーを打つ野田に松本は左インローと前蹴り、右ロー。松本も負けじと接近戦で右アッパーを突き上げる。パンチを打ちに行く野田だがその合間の左ミドル、右ハイが当たる。松本は左右ストレート、前蹴りで前へ出た。
判定は2-1と割れ、野田が接戦を制した。
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▼第7試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R〇兼田将暉(RKS顕修塾)判定3-0 ※30-29、30-28、30-27×林 勇汰(FLYSKY GYM)
兼田は関西キック界のフェザー級でトップに君臨する22歳。『K-1甲子園2017』の-60kgで優勝した後、ACCELフェザー級王者、元HEATキックライト級王者、元RKSスーパーフェザー級王者と3つの団体で王座を獲得している。2017年11月にK-1で横山朋哉に判定勝ち。2021年4月には『KNOCK OUT』に参戦し、栗秋祥梧から判定2-0で勝利を収めたサウスポー。2022年1月のKrush初参戦では龍斗に判定勝ち。戦績は16勝(6KO)2敗。
林は6勝(2KO)7敗1分1無効試合の戦績だが、パンチを主体とするアグレッシブなファイトスタイルで常に会場を沸かせる。2019年6月の「スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」のリザーブファイトでは小倉尚也を左フックで2度ダウンさせて初回KO勝ちを収めたが、8月の金子晃大戦、11月の玖村将史戦(Krushスーパー・バンタム級タイトルマッチ)と連敗。2021年10月に復帰を果たし、水津空良を初回KOしたが2022年2月の佑典戦ではKO負け。
1R、始まってすぐに林の右ローがローブローとなって中断。再開後、兼田はジャブを突きながらパンチ&ロー。林もローを蹴ってパンチの機会をうかがう。左ストレートを上手く当てていく兼田。左インローでも林を崩していく。
2R、右三日月を蹴る林に兼田は右オーバーハンド。飛び込んでの左ストレートもヒットさせる兼田。ジャブ、蹴り、左ストレート、蹴りと散らしていく兼田に林はなかなか攻撃が出来ない。足を止めてのフックの打ち合いになってもイン側から左フックを放っていくのは兼田だ。
3R、兼田の左インローに林が右インローを返すとこれがローブローに。再開後も左ローを蹴りつつ左ストレートを打つ兼田。ジャブと左ローを当てては距離をとる兼田。林は右ストレートと左フックを放つが、兼田を捉えることがなかなか出来ない。それでも頭を振ってパンチをかわしていく兼田に右をヒットさせるが、終盤に兼田が左ハイで林の頭を大きく動かす。
判定はテクニックを見せつけて3-0で兼田の勝利となった。
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▼第6試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×目黒翔大(優弥道場)判定0-3 ※25-30×2、29-25〇松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)
目黒は勝ち負けを繰り返しており、現在は2連敗中で戦績は3勝(2KO)5敗2分。松山はK-1甲子園2020 -60kg王者で、2020年12月のプロデビューからK-1で2連続KO勝利したが、2021年12月の寺田匠とのホープ対決ではダウン応酬の末にKO負け。初黒星を喫して戦績を2勝(2KO)1敗とした。両者ともサウスポー。
1R開始と同時に前へ出る目黒に松山はアゴへヒザを突き上げ、左ストレート。目黒は退かずにパンチを連打して前へ出る。どんどん前へ出て手を出していく目黒は左右フックを当て、左ローを蹴る。松山はコーナーを背負う場面が多い。
2Rも前に出てくる目黒に松山は右の三日月蹴り。目黒はもらっても前に出て手数を出し、松山をコーナーへ詰まらせる。圧倒的な手数に左ハイ、左カーフで対抗する松山だが目黒の手数は止まらない。このラウンドも目黒が手数で押し切るかと思われたが、ラウンド終了間際に松山が左ストレート空振りから返しの右フックでダウンを奪う。
3R、左ストレートを連打する松山は、前に出てくる目黒にタイミングを合わせての左ストレートを打ち抜いて立て続けに2度のダウンを奪う。それでも目黒は退かずに前へ出てパンチを出す。目黒は左フック、左ストレートで迎え撃つが目黒は前進を止めない。松山はリングを大きく使ってステップで回り込み、追ってくる目黒へ左ストレート、ジャブ。
判定は3-0でダウンを奪った松山が勝利した。
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▼第5試合 -75kg契約 3分3R延長1R〇ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)TKO 2R 2分00秒 ※セコンドからのタオル投入×EITO(ALONZA ABLAZE) ※Respect All Fear Noneから所属変更
ブハリはガソリンスタンドを経営する戦う代表取締役社長。2020年8月にKrushでK-1 JAPAN GROUP初参戦するはずだったが、体重超過のため中止となり、2020年12月の『BOM』にてWMC日本ミドル級王座決定戦を争ったがドロー。2021年2月の『Krush-EX』で夜叉猿をパンチの連打で初回KOに沈め、5月のK-1に初参戦を果たしたが神保克哉に初回KO負けを喫した。戦績は3勝(3KO)2敗1分。
EITOは日本拳法をバックボーンに持ち、16歳の時にマーク・ハントに憧れてニュージーランドへ渡りプロキックボクサーに。2019年6月にKrush初参戦すると2連続KO勝ちを収めたが、2020年1月に松下大起にKO負け。3月のK-1に緊急出場したがMIKE JOEにKO負け。2021年12月には神保克哉にKO負けと3連敗。戦績を2勝(2KO)3敗としている。
1R、EITOは右カーフを蹴っていき、ブハリは伸びるジャブでEITOのアゴを上げさせる。右ローを蹴るEITOにブハリは右ストレートを当てて連打でEITOをコーナーに詰めるが、逆に右をもらってグラつく。回復したブハリは再び連打で前へ出て、コーナーに詰まったEITOへ右ストレートと左フックを何度もヒットさせてスタンディングダウンを奪う。
2Rも右ストレートでアゴが上がるEITOは右ローで反撃、ブハリも右カーフを蹴る。ジャブでEITOをコーナーへ詰めたブハリは左右ストレート連打でEITOのアゴを何度もはね上げさせてスタンディングダウンを奪う。最後は右カーフでEITOがダウンしたところで、EITOのセコンドからタオル投入。ブハリの快勝となった。
ブハリはマイクを持つと「俺は去年初めてK-1に参戦して、それまで負けたことがなかったけれどK-1で何倍もキャリアがある選手に初めて負けちゃって、それから俺の実力と才能はそんなもんじゃないって思って練習環境を変えて戻ってきました。俺に恥をかかせた選手(神保克哉)はどこまでも追いかけて復讐します。そうでない選手も全員倒します」と、-75kgで天下を獲ると宣言した。
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▼第4試合 -75kg契約 3分3R延長1R〇パク・ヨハン(ZEEK GYM/初代KROSS×OVERクルーザー級王者)判定3-0 ※30-29×2、30-28×鈴木健太郎(E.S.G)
1R、互いにローから右ストレートを狙い合う展開。
2R、ヨハンが強打を振るい始め鈴木はジャブを多用。左ミドルをダブルで蹴るヨハン。このラウンドも両者手数は少なめ。
3R、ヨハンが右を打てば鈴木も右、ヨハンがジャブを出せば鈴木もジャブを出す。左ミドルと右ローを蹴るのはヨハン。鈴木は左右ボディを叩き、ヨハンが左右ストレートを繰り出したところで試合終了。
両者手数があまり出ない試合となり、ヨハンが判定勝ちした。
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▼第3試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R×齋藤紘也(WSRフェアテックス三ノ輪)判定0-3 ※28-29、27-29、26-29〇塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/第5回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -65kg優勝)
齋藤は2020年9月にKHAOSでK-1 JAPAN GROUP初参戦を果たすと2連続KO勝ち、2021年4月はマーク・バード・ジェームスに判定勝ちして通算戦績を4勝(3KO)無敗とした。前日計量で1.9kgオーバーだったため減点2、ファイトマネーは30%減額、グローブハンデは塚本が拒否した。
塚本は2018年9月にKrushでプロデビュー、2019年7月に初勝利を収めるとその後は3連敗を喫したが、2021年11月の川島康佑戦、2022年2月の小林孝彦戦で連勝して盛り返した。戦績は3勝(2KO)3敗2分。
1R、齋藤は前蹴りからワンツーの連打で前へ出て、右フック、右アッパーを当てていく。塚本は前へ出て左ミドルを蹴るが、齋藤のパンチを被弾する場面が目立つ。右ローを蹴る塚本に再び齋藤が左右ストレート連打で前へ出る。齋藤はさらにヒザ。
2R、左右ローを蹴る塚本だが齋藤の左右ストレートを何度も被弾。齋藤はさらにヒザを突き刺す。コーナーに詰めた塚本が右ストレート、打ち合いに来た齋藤へ右フックをヒットさせる。
3Rが始まると同時に左右フックで前へ出る齋藤だが、塚本も右ストレート&ヒザで反撃。右ボディストレートも突き刺す。齋藤も負けじとヒザを突き上げる。塚本の右ボディストレートが決まりだし、ロープを背負う齋藤。左右ストレートを出し続ける塚本に齋藤も反撃を続けたが、塚本の判定勝ちとなった。
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▼第2試合 Krushライト級 3分3R延長1R〇伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)KO 2R 2分41秒 ※3ノックダウン×南雲大輝(スタースポーツクラブ/Air KBZゴールデンベルトチャンピオンシップ 2017年-67kg級王者) ※八光流柔術総本部から所属変更
伊藤は9勝(2KO)11敗4分と24戦のキャリアを持ち、小澤海斗、芦澤竜誠、大岩龍矢、朝久裕貴らと拳を交えてきた。2020年12月の三輪裕樹戦、2021年5月の中島千博戦、10月の山本直樹戦と3連敗中。
南雲はMMA(総合格闘技)からミャンマーの頭突きありの超過激格闘技ラウェイに転向し、2017年12月にはミャンマー・ヤンゴンで開催されたAir KBZ(エアカンボーザ)チャンピオンシップにて67kg級の2017年王者となった。2019年6月、K-1への参戦を表明し、11月に初参戦したがKO負け。2020年6月の堀井翼戦は反則負け、8月の東本央貴戦では初回KO負け、2021年3月のK-1ではゴンナパーに2RでKO負けと5連敗ながら「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」に抜擢され、7月の1回戦は不戦勝も9月の準決勝では瓦田脩二にKO負けを喫した。2022年2月には因縁の堀井翼との決着戦を延長戦の末に制した。キックボクシングの通算戦績は3勝7敗。
1R、互いに強いミドルを蹴り合う。伊藤は右ミドル、サウスポーの南雲は左ミドル。パンチでもボディを打ち合う両者。南雲は左インローを蹴って左ストレートで飛び込むコンビネーションを多用。伊藤は右ボディストレートから左フック。
2R、伊藤の右ストレート、左フック、右アッパーを連続被弾した南雲だが、顔を振って“効いてないよ”のポーズ。さらに右ロングフックをクリーンヒットさせて南雲をグラつかせた伊藤は前に出て左フックを振ってきた南雲を左フックでダウンさせる。さらに右ロングフックをヒットさせていく伊藤。南雲は左右フックで反撃するが、伊藤の左フックからの右ストレートをもらって2度目のダウン。最後はパンチをまとめた伊藤が右フックで3度目のダウンを奪い、KO勝ち。
歓喜する伊藤は涙を流し、「本当に勝ちたくて今日はどうしてもKOで勝ちたくて勝って先生にお礼を言おうと思いました。ありがとうございます。皆さんのおかげで格闘技が出来ています。必ずチャンピオンになるのでこれからもよろしくお願いします」と、声を詰まらせながら語った。
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▼第1試合 Krushライト級 3分3R延長1R×明戸仁志(ALONZA ABLAZE) ※K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTから所属変更TKO 2R 2分54秒 ※レフェリーストップ〇弘輝(WORLD TREE GYM) ※WORLD TREE GYM/team ALL-WINから所属変更
明戸はフルコンタクト空手をバックボーンに持ち、2009年10月からKrushに参戦。レオナ・ペタス、大沢文也、山本直樹、大月晴明らと対戦し、島野浩太朗とは1勝1敗。今回は2021年5月以来の復帰戦となる。戦績は10勝(4KO)14敗。
弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。しかし、9月の朝久泰央では1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪うも、2Rにハイキックで壮絶な逆転KO負け。3月のK-1では龍華にKO負けと、勝っても負けてのKOのファイター。2021年の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」では1回戦で東本央貴に勝利も準決勝で里見柚己に敗れ、その後も大沢文也、鈴木翔也に敗れて3連敗中。戦績は7勝(5KO)6敗1分。
1R、サウスポーの弘輝は左ミドル、左インローを蹴り、ヒザもいいタイミングで突き刺す。パンチも織り交ぜて蹴りを巧みに使う弘輝に明戸は鼻血を出す。右ミドルを連打する明戸に弘輝はワンツーから左ミドル。弘輝はフック&アッパーでパンチをまとめるとすぐにヒザと上下のコンビネーションが冴える。
2R、左三日月、左ミドル、ヒザ、パンチでボディを攻めていく弘輝はボディ一辺倒にならずローやパンチの連打も繰り出す。明戸は左右の蹴りを出すが上中下に振り分けられる弘輝の攻めに翻弄される。左三日月に身体を丸め、コーナーへつなる明戸。弘輝が三日月でダウンを奪い、ヒザとパンチでボディを攻めたところでレフェリーストップ。弘輝が新たなスタイルでTKO勝ちを収めた。
弘輝はマイクを持つと「3連敗していて選手としてはずっと勝てなくて。そんな時に応援してくれてサポートとしてくれるチームのみんな、後援会のみんな、マジで感謝しかないです。大沢君、またリングで遊ぼうぜ」と、観客席に陣取っていた大沢文也に再戦をアピール。大沢も両手を振って笑顔で応えていた。
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▼プレリミナリーファイト第2試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R〇坂本優輝(PURGE TOKYO/第10回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -70kg優勝、第34回K-1アマチュア チャレンジAクラス -70㎏優勝)KO 2R 1分27秒 ※右ストレート×龍(team ALL-WIN/第11回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -75kg優勝、第38回K-1アマチュアチャレンジAクラス -75kg優勝)
1R、坂本は空手の内廻し蹴り、横前蹴りを駆使。坂本のローブローで試合中段となった直後、龍が連打で前に出て右ストレート。坂本もすかさず右ストレートを打ち返す。坂本はワンツー、龍は左フックとパンチの交換が続いた。
2R、坂本はステップで龍のパンチをかわしていくが、龍が連打を出しながら前へ出て坂本がロープを背負ったところで右ストレート。その直後、坂本が左ヒザをボディに刺して龍が身体を丸めたところで左ストレートからの連打でダウンを奪う。立ち上がった龍に左フックから右ストレートを浴びせ、坂本がKO勝利を飾った。
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▼プレリミナリーファイト第1試合 Krushフライ級 3分3R△YASSY(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST)ドロー 判定0-1 ※29-30、30-30×2△石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning/初代九州プロキックボクシングフライ級王者)
1R、サウスポーの石郷が前へで左ロー&左ミドル。右ハイも軽くヒットさせる。YASSYは右ストレートを狙っていく。
2R、左へ回りながら右ストレート、左右フックを放つYASSYに石郷は左ローを蹴っていき、YASSYのパンチはフットワークでかわす。左ミドルを強く蹴る石郷。
3R、左ローを蹴っていく石郷だが、後ろ蹴りを空振りしたところでYASSYが距離を詰めて右ストレート、左フック。さらに詰めてパンチをまとめるが石郷が左ローで反撃。YASSYはバランスを崩す。左ローを完全に効かせた石郷は距離を詰めてくるYASSYに左ハイキック。グラつかせて左ストレートを入れる。
判定はジャッジ1名が石郷を支持したがドローとなった。