(左から)玖村、ジャオスアヤイ、軍司、スアレス、中村K-1プロデューサーを挟んで椿原、斗麗、新美、ワン
2022年8月11日(木・祝)福岡国際センターで開催される『ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の、対戦カード第一弾発表記者会見が6月14日(火)都内にて行われた。
今大会で「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」の開催が決定。日本人選手5名、外国人選手3名のワンデートーナメントで優勝が争われる。福岡でトーナメントが行われるのは初。
中村拓己K-1プロデューサーは「去年、フェザー級戦国時代とのキャッチコピーをつけて試合を組んで、選手層が厚く誰が王者になってもおかしくない階級で1年で王者が2人生まれました。誰が勝ってもおかしくない試合が続いて、今も変わらず戦国時代だと思う」とフェザー級でトーナメントを開催する理由を説明。
1回戦第1試合では玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス)vs.ジャオスアヤイ・ソー.デッチャパン(タイ)が決定。
玖村は空手を学び、キックボクシング転向後は2017年6月にNJKFバンタム級王座を獲得。2018年6月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2019年6月には「K-1スーパー・バンタム級世界最強決定トーナメント」に出場。同年10月の試合を最後に網膜剥離(全治3カ月)で戦線離脱していたが、階級を上げて復帰。2020年11月の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では準決勝で新美貴士に敗れて涙をのんだ。その後は2021年3月に鷹大に勝利、5月には椿原龍矢に敗れるも、12月には才賀紀左衛門を1Rでマットに沈めると今年2月には第2代Krushフェザー級王者・小澤海斗をも破った。そして5月には新美貴士を破りKrushフェザー級王座を奪取したばかり。戦績は18勝(8KO)9敗1無効試合。
会見では「前回Krushで王者になってこのタイミングでトーナメントが開催されて、自分は持っているなと思いました。ここにいるメンバ―はフェザー級トップの選手の名前をを上げた時に上がる選手だと思うので、その中に入ることが出来ました。この勢いで僕がトーナメントを撮りに行きます」と意気込みを語った。
ジャオスアヤイはタイ国BBTVスタジアム・フェザー級8位で、2019年11月の「第3代K-1フェザー級王座決定トーナメント」に初来日。1回戦で安保璃紅を必殺の飛びヒザ蹴りでKO、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘の末に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。2020年3月『K'FESTA.3』で小澤海斗からも勝利を収めている。今回はそれ以来の来日。戦績は70(22KO)37敗2分。
会見では「K-1の舞台に戻ってくることが出来て嬉しい。前回のトーナメントでは準優勝に終わったが、今回は優勝して将来的にはK-1王者になりたい。飛びヒザとハイキックでK-1ファンに楽しんでもらえる試合がしたい」とのコメントが読み上げられた。い
両者は2021年1月に対戦が決まっていたが、コロナの影響で大会が延期。今回実現することになった。
1回戦第2試合は軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)vs.ファク・スアレス(アルゼンチン)。
軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2020年9月に2階級制覇を懸けてKrushスーパー・バンタム級王者の玖村将史に挑戦したが判定負け。12月からフェザー級に階級を上げると3連勝を収め、12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦。延長戦の末に判定勝ちで第5代王座に就いた。2月には武尊とエキシビションマッチで拳を交え、続く3月には斗麗を延長戦の末に退けた。戦績は17勝(4KO)5敗1分。
会見では「フェザー級のK-1王者は僕なので、このトーナメントは僕のためのトーナメントだと思っています。ここで負けたら意味がないと思っているので、優勝して高みを目指していきたい」と、優勝は必須だと話した。
スアレスは南米の立ち技格闘技イベント『WGP Kickboxing』で活躍するアルゼンチン出身・在住のファイター。多彩なパンチのコンビネーションとローキック、そして打ち合いを好むアグレッシブなファイトスタイルで「WGP Kickboxing」の-60kgのベルトを巻いた。戦績は20勝(7KO)7敗。2020年3月に江川優生との試合で初来日を果たす予定だったが、江川の欠場で来日が中止となっていた。
会見では「再びK-1のオファーを受けられて嬉しい。フェザー級の世界最強を決めるトーナメントに出場できること、日本のファンの前で戦えることを楽しみにしている。相手はK-1王者だが一歩も下がることなく打ち合うつもりだ」とのコメントが読み上げられた。
1回戦第3試合は椿原龍矢(月心会チーム侍)vs.斗麗(WIZARDキックボクシングジム)の日本人対決。
椿原はK-1甲子園2017 -55kg王者。2020年7月にフェザー級に階級を上げ、その一戦目ではかつて江川優生に勝利した桝本翔也を左ハイキック一発でKO。同年9月、K-1で江川から番狂わせの勝利を奪い、2021年3月のタイトルマッチでの再戦でも返り討ちにして第4代K-1 WORLD GPフェザー級王者となった。5月の王者としての第一戦はノンタイトル戦で玖村修平に判定で勝利したが、12月の初防衛戦で軍司に敗れて王座を失った。今年4月のK-1で新美貴士に判定勝ちで再起を果たしている。戦績は14勝(3KO)4敗1分。
会見では「トーナメントが楽しみで1日3試合をしたことないので楽しみだし、それで優勝したらめちゃめちゃ気持ちいい景色が見られるだろうなと思っています。目指すは世界最強の称号と軍司チャンピオンの首だけなので、しっかり僕が優勝して持って行こうと思っています」と優勝宣言。
斗麗はオランダの名門Mike's Gymでも練習を重ね、2018年12月に16歳の若さでプロデビュー。5連勝で「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」にエントリーされ、優勝候補と目されていたが、右手首キーンベック病(手首の月状骨がつぶれて扁平化する病気)で全治2カ月のため無念の欠場。2021年2月に6戦無敗でKrushフェザー級王者・新美貴士に挑んだが、判定で初黒星を喫した。5月のK-1で亀本勇翔に判定勝ちして再起すると、9月には佑典を2RでKO。12月には森坂陸に完勝。4月に軍司とK-1で対戦し、敗れはしたものの延長戦までもつれ込む接戦を演じた。戦績は9勝(4KO)2敗。
日本人参戦選手の中で唯一タイトル獲得歴がないが、現王者・軍司と接戦を演じたことで出場に抜擢された。
会見では「僕は世界一になることだけを目指しています。一番分かりやすい形で戦わせてもらえて心から嬉しく思っています。このトーナメントに入れたことは素直に嬉しいですが、自分が一番自分のポジションを分かっているので悔しい気持ちがあります。このトーナメントはほんまに本物しか生き残れないし、過酷で危険なトーナメントだと思いますけれど、僕が制してもうひとつ上のステージへ行きたいと思います。死んでもいいという気持ちを持って、命を懸けて臨みます」との決意。
1回戦第4試合は新美貴士(名古屋JKファクトリー)vs.ワン・ジュングァン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP)。
新美は2018年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、2020年の「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」で1回戦が不戦勝、準決勝で優勝候補と目されていた玖村修平を破り、決勝では森坂陸に延長戦の末に勝利して王座に就いた。2021年2月には6戦無敗の麗斗を退けて初防衛に成功、6月には岡嶋形徒に1Rわずか16秒でTKO勝ちして2度目の防衛に成功。5連勝と絶好調だったが、9月のK-1で軍司泰斗に敗れて連勝はストップ。12月には篠塚辰樹をKOして3度目の防衛を果たすも、今年4月のK-1では椿原龍矢に判定負け。5月のKrush王座4度目の防衛戦では玖村に敗れて王座を奪われた。戦績は14勝(6KO)6敗のサウスポー。
会見では「中国からワン・ジュングァン選手ということで。自分も中国のベルトを狙っているので中国のトップファイターと戦えてとても嬉しいです。このトーナメントのオファーが来た時に凄い嬉しくてモチベーションも上がって、ここで優勝しないとこの先ないのかなって思っているので、私生活から優勝するためだけに過ごしていきたいと思っています。僕が絶対に優勝します」と優勝宣言。
ワンは中国・武林風でキャリアを積み、2016年に中国で行われた中日対抗戦では倉崎昌史からKO勝利。その本能的なファイトスタイルから“中国の武尊”とも呼ばれる。翌2017年7月のKrushに初来日すると里見柚己に勝利。9月のK-1では武尊の持つK-1フェザー級王座に挑戦。判定で敗れるも真っ向勝負の打ち合いを展開した。2019年8月にK-1にも参戦したホルヘ・バレラをKOしてEnfusion-57kg世界王座に就くと、ONE Championshipに参戦。同団体のストロー級(56.7kg以下)王座にも挑戦するなど活躍した。今回は5年ぶりのK-1復帰となる。戦績は26勝(5KO)5敗1分。
会見では「トーナメントに出場できることをとても光栄に思っています。新美選手は過去に武林風でも試合をしているのでよく知っている。彼はアグレッシブなファイトスタイルでガードも固いが、残念ながら対戦相手は僕です。油断するなよと伝えておきたい。このトーナメントに出場する選手は全員強い選手。勝敗はやってみないと分からないし、全員に優勝するチャンスがある。でも優勝してK-1の王者になっていくのはワン・ジュングァンです」とのコメントが読み上げられた。