2022年8月11日(木・祝)福岡国際センターで開催される『ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の、対戦カード第一弾発表記者会見が6月14日(火)都内にて行われた。
今大会に石井一成(ウォーワンチャイプロモーション)が電撃参戦、バンタム級3分3Rで藤田和希(K-1ジム目黒TEAM TIGER)との対戦が決定した。
石井はジュニアキック出身で、アマチュアでは14冠王を達成。タイを主戦場に6連続KO勝利を飾り、2017年2月にはTrue4Uフライ級タイトルを高校生で獲得。2017年6月からは『KNOCK OUT』に参戦し、2018年12月、トーナメントを制してKING OF KNOCK OUT初代フライ級王座に就いた。WPMF世界フライ級王座、IBFムエタイ世界フライ級王座、BOMスーパーフライ級王座も保持し、那須川天心に対して“西の神童”と呼ばれている。また、少年時代にテレビ出演した際には“魔裟斗二世”と呼ばれたことも。
2021年2月の『NO KICK NO LIFE』では麗也を判定3-0で破り、4月の『BOM』ではサンチャイを三日月蹴りでKO。そのキャリアのほとんどをムエタイルールで戦ってきたが、7月に『RISE』参戦。「DEAD or ALIVE 2021 -53kgトーナメント」に出場したが、1回戦で大崎一貴に敗れた。11月のBOMでは小嶋・Nor Nakusinを判定に破り再起を果たしたが、今年1月の『NO KICK NO LIFE』で花岡竜にまさかの敗北を喫した。戦績は34勝(17KO)12敗2分。
藤田は2018年11月にKrushでプロデビューし、5勝(2KO)4敗の戦績。2021年2月に大石和希にKO勝ちも11月に池田幸司にKO負け。前戦は2022年3月に豊田優輝からKO勝ち。
「石井選手サイドから春にコンタクトがあり、話し合いをして契約を結んで参戦が決まりました」と中村拓己K-1プロデューサー。「バンタム級で試合をしていくことになります。石井選手絡みで見たいカードがたくさんあります。K-1のバンタム級を作っていく一人として期待したい。藤田選手はK-1ジム所属で、アマチュアを経てKrushでデビューというK-1 JAPAN GROUPの生え抜きファイター。パンチが強くて一発で相手を倒すアグレッシブな動きが持ち味です。K-1選手が迎え撃つ図式で、一発の武器を持っている藤田選手がいい相手だと思う」と試合を評した。
石井は「ムエタイファイターの石井です。まさかと思った方もいると思いますが、僕の中でも大きな覚悟を持って決めたことなので、ムエタイファイターのプライドを懸けてK-1で戦っていきます」と参戦の挨拶。
迎え撃つ藤田は「今回相手もリングも最高のものを準備していただいたので、K-1福岡大会に行く意味を理解して覚悟を持って戦いたいと思います」とコメントした。
互いの印象を聞かれると藤田は「噛み合うと思います。倒し合いになると思う」、石井は「藤田選手は打ち合ってくれるので、僕もムエタイベースですが打ち合いがメインの選手なので福岡の地元で激しい打ち合いが出来ると思います」と、激しい試合になると口をそろえる。
石井は「K-1参戦を決めた理由として、僕が格闘技を始めるきっかけになったのが魔裟斗選手なんです。魔裟斗選手がK-1世界王者になるのを見ていて、70kgの時代を作った姿を見て憧れていました。だからまずは今回勝って僕がこのK-1のバンタム級を作っていきたいと思っています」と、魔裟斗のように今度は自分がK-1バンタム級の時代を作っていきたいとした。
それを聞いた藤田は「僕は福島からK-1に出たくて上京して、アマチュアで経験を積んで育っているので何としても勝たないといけない。石井選手を倒して出ていってもらいます」と、K-1 JAPAN GROUPで育った身として負けられないとする。
昨年はトーナメントが行われるなど、選手が集まってきているバンタム級の印象を聞かれた石井は「僕の印象の中では僕の弟分の壬生狼一樹がいて、一樹とはしょっちゅうスパーリングをしていますし、常に高みを目指して一緒に頑張っています。その一樹が負けたKrush王者の池田幸司選手とトーナメントで優勝した黒田(斗真)選手、僕はその2人を意識してやっているんですけれど、いずれは弟の敵討ちとしてその王者2人とやりたいです。今53kgが盛り上がってきているので、K-1のバンタム級は僕に任せていただいて作っていきたいと思います」と、壬生狼に勝った2人をまずはターゲットにしたいという。
K-1でやる以上はその壬生狼とも対戦する可能性が出てくるわけだが、「ちょっと前にもスパーリングをしたんですけれど、もしかしたらやるね、って話をしました。やるならやるだろうと覚悟してやっているので、やるなら決勝がいいね、と。いずれバンタム級の世界トーナメントを開いて欲しいですし、その決勝で一樹とやれたら本当に凄いことだなと思いますね」と、トーナメントの決勝でならやりたいと答えた。
K-1ルールでの戦いについては「普段はムエタイの試合しかしていなくて、去年1試合キックルールでやったんですけれど、まだやったことがないのでどうなるかはは自分でも分からない。ただ、スタイル的にはファイターで打ち合うスタイルなので、やりやすいとは思います」と、未知の部分はあれど順応することに自信をみせる。
また、今年になってから「26歳までに引退」と発言していたことについては「ひとつの目標として25歳で辞める、区切りをつけると決めて26歳までに引退すると言っていたんですけれど、(元々の)目標は魔裟斗選手に憧れてK-1の世界王者になりたいということだったので、K-1の世界のベルトを獲らないと引退は出来ないと僕自身も思っているので今はK-1の世界王者だけを目指してガムシャラに頑張っていきたいと思っています」と、26歳までに引退との気持ちは変わらないがK-1の世界王者にならなければ引退は出来ないと決めている、とした。
この一連の石井の発言を聞いていた藤田は「速攻倒しに行きたいですね。いま話が盛り上がっていましたが、今回でラストの試合にしてやります」と言い放った。