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レポート

【MMA GP】ジェロム・レ・バンナがMMA解禁の故郷凱旋で初の一本勝ち!「15年早く生まれすぎた」「“自分を超えること”は武道の一部」

2022/06/07 13:06

『無冠の帝王』の夢「フランスに武術学校を作りたい」

 6歳から14歳まで柔道を学んだ。14歳の時に『ドラゴン怒りの鉄拳』を観てブルース・リーに憧れて空手とジークンドーを習い、サウスポー構えになった。18歳でキックボクシングを始め、K-1やプロボクシングでも戦い、MMAに出会ったのは、29歳だった。

 ルアーブルでの試合が最後の試合になるか、と問われたバンナは、「分からない。MMAで新しい人々に出会った。何も言わないのは、毎回、自分について聞いてくる人たちに嘘をつくことになるから。立ち止まって、1週間後にまた練習に行きたくなるということもある」と苦笑する。

“K-1の番長”として君臨するも“無冠の帝王”とも呼ばれた。「もっと早くMMAを始めていれば、偉大なチャンピオンになれたという声もあるが?」と聞かれ、「間違いないね」と大きな笑顔を見せる。

「もっと早くMMAを学び、フェルナンド・ロペス(シリル・ガーヌ、フランシス・ガヌーの元コーチ)のような先生がいれば、“無冠の帝王”ではなく、“王冠を持った王”になれただろうね。ラスベガスで、シリル・ガーヌやアラン・ボドウと一緒にいたとき、『俺は15年早く生まれすぎたんだ!」と言ったのを覚えているよ」

 柔道などアジア武術との接点がありながら、長く格闘技に対する禁止事項が多く、寝技でのパウンドも許されなかった。ようやくMMAが解禁され、母国のリングでキックボクシングで戦ったバンナは、今回は故郷のケージの中でMMAを戦った。

 今後は、後進の育成と母国でのさらなる格闘技の普及に尽力するといい、新たなキャリアにも意欲的だ。

「フランスに武術の学校を作りたいんだ。タイにある寄宿学校のようなものをね。それにバーチャル格闘技のトレーニング用にARヘルメットを接続してトレーニングするプロジェクトも進めている。そうすれば、あなた方と戦うこともできる(笑)。それに、私を信頼してくれたステファニー・ピロンカ監督と2021年に公開された『J'irai au bout de mes reves』(夢の果てまで行く)に出演した──この映画はたくさんの感情が込められた映画なんだ──ミカエル・ユンとの仕事もあるし、イタリアでクエンティン・タランティーノとの映画も完成させなければならない。撮影はあと15%しか残っていないしね」。

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