名前はないが実力はある若い選手に「あまりやりたくなかった」という朝倉(C)RIZIN FF
2022年7月2日(土)沖縄アリーナで開催される『湘南美容クリニック presents RIZIN.36』の対戦カード発表記者会見が1日、同地にて行われ、一挙13カードが発表された。
沖縄で2度目のRIZIN開催となる『RIZIN.36』で、朝倉海(トライフォース赤坂)が再起戦。ROAD FCで4戦無敗、アマチュアROAD FCの「Central League」でも5戦無敗のヤン・ジヨン(韓国)との対戦が決定した。
朝倉は、2021年のRIZINバンタム級ジャパンGPに出場。1、2回戦を勝ち抜き、大晦日の準決勝で瀧澤謙太に判定勝ちを収めるも右拳を骨折。同日の決勝で、扇久保博正に判定で敗れて以来の試合となる。
ジヨンは、普段は済州島で農業を営んでいるが、ひとたびリングに上がると別人のように鋭い打撃を繰り出すことから“コリアン・プレデター”という異名を持つ。バックボーンはキックボクシングで大韓キックボクシングで11勝1敗の戦績を誇り、Korea WAKO王者に輝いた。過去には韓国の格闘技リアリティショーにも参加し、鼻骨を折る怪我を負ったにもかかわらず、4強まで勝ち進む根性を見せた。サウスポーからの攻撃を得意とし、20年10月のARCでは1Rにハン・ミンヒョンに左ストレート、ハイキックを当て、倒れたところに最後は追撃を浴びせKO勝利。その実力が認められ、2021年7月より『ROAD FC』のナンバーシリーズに進出すると、直近の5月大会では3R中盤にギロチンチョークによる一本勝ち。
まずジヨンからの「ROAD FCバンタム級王者になる男です。海選手、覚悟しなさい。あなたをボコボコに殴ってこの試合をあなたの引退試合にさせます。そしてRIZINのチャンピオンを目指します」との挑発的なコメントが、司会者より読み上げられた。
(写真)ジヨンの挑発的なコメントに笑いを堪える朝倉
続いて会見に出席した朝倉は「半年ぶりの試合がここ沖縄で決まって、ようやく試合ができるのでとても嬉しく思います。前回の敗戦からいろんなことを考えて、海外に修行に行ってきました。そこでたくさんの技術を吸収して、新しいファイトスタイルを確立して帰って来ました。いままで見せてこなかった戦い方を見せる事が出来ると思うし、これからvs.世界へ向けて日本人の強さを僕が証明していきたいと思うので、まず7月2日の僕の試合を楽しみにしていてください」と、“新しいファイトスタイル”で今回の試合に臨むと話す。
ジヨンの印象については「アマチュアを含めて多分負けたことがないっていうのもあるんですけれど、凄く自信を持って戦っている印象がありますね。あと技術面で言えば打撃の距離感が凄く上手くて、あとパワーがあっていい選手だなと思います」と評する。
サウスポー構えで近距離での打撃も上手くパワーのあるジヨンに対してどういう試合をしたいか、朝倉は「今回はアメリカでいろいろな技術を取り入れたので。それは打撃、レスリング、寝技含めて全部で新しい技術を身に着けたのでその部分、今まで試合で見せてこなかった部分というのをバンバン使って圧倒したいなと思います」と、全局面で進化した技術で圧倒したいという。
キャリアの浅い相手との試合に逆に難しさを感じているかとの質問には「今までは僕がそういうキャリアが上の選手に挑戦していく立場が多かったと思うんですけれど、そういう立場になってきたんだなっていうのもありますし、正直名前もないし、実力はけっこうある選手なのであまりやりたくなかったというのはあるんですけれど、こういう時にしっかり油断せず勝てるようにしていかないといけない」と、挑まれる立場で無名だが強い相手に油断せず勝つとのテーマを掲げた。
試合後のビジョンを聞かれると、朝倉は「やっぱり僕は海外に挑戦したいとの気持ちもあるので、そこは榊原さんと相談させてもらって海外への挑戦も含めて考えていきたいと思っています」と、RIZINと相談したうえで海外での試合にチャレンジしたいとする。
その言葉を受けて榊原信行RIZIN CEOは「総合格闘技は世界中に広がっていると思います。特に北米では圧倒的な人気のあるスポーツだと思うので、どんどんRIZINの舞台で活躍してUFCとかベラトールとかのアメリカのビッグプロモーションから注目をされて、ぜひ巣立っていくじゃないですけれどチャレンジする機会があったら、僕らが止めることはないのでしっかり結果が残せる準備が整ったタイミングでチャレンジに行って欲しいなと。その橋渡し役はそれぞれのプロモーションに対して我々からすることも出来ると思いますので、これは海に限らずですね、どの選手にもそういう機会を作って行ってあげたい。そういう海外でチャンスがある選手、ポテンシャルがある選手は、志がある選手はやるべきだと、そう思っています。すでに村田夏南子、堀口恭司、渡辺華奈もそうですが、外国勢でもマネル・ケイプもそうだと思いますし、RIZINでの実績やキャリアが評価されて海外へ行く。そういう機会を作っていけたらいいなと、そう思っています」と、来るべきタイミングが来ればバックアップしたいと語った。
また、フジテレビの『THE MATCH』放送見送りで、RIZINの地上波放送にも影響があると見られていることから、地上波でこれからも試合を見せたいかと聞かれた朝倉は「そうですね、やっぱりいろいろな人に格闘技の魅力を知ってもらいたいと思いますし、たくさんの人の目に触れてもらいたいので、やっぱり地上波で放送はしてもらいたいなと思いますので、(榊原)社長にも頑張ってもらいたいなと思います」と、これからも地上波で多くの人に自分の試合を見たもらいたいとコメントしている。