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インタビュー

【RIZIN】倉本一真「起こっていることにはすべてに意味がある」「僕がやれば勝手にエグい試合になる」=5月5日(木・祝)『LANDMARK vol.3』で魚井フルスイングと対戦

2022/05/04 11:05
 2022年5月5日(木・祝)都内会場(非公開)で開催される『RIZIN LANDMARK vol.3』のバンタム級(61.0kg)で、魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)と対戦する倉本一真(リバーサルジム新宿MeWe)が3日、インタビューに応じ「『エグく』て『オモロい』試合をすると語った。  グレコローマンレスリングで、2013年世界選手権60kg級7位の実績を持つ倉本は、修斗7連勝で暫定王座に挑戦も敗れ、2020年大晦日からRIZINに参戦。中原太陽に1R TKO勝ち後、2021年6月のバンタム級GP1回戦でアラン“ヒロ”ヤマニハに判定負けを喫したが、2022年2月の「RIZIN TRIGGER 2nd」でRIZINルールでのケージレスリング&打撃に覚醒。加藤ケンジを1R、グラウンドでのヒザ蹴りでTKOに下している。  29日の公開練習では、ダミー人形とサンドバッグを「ひたすら息上げでフルパワーで激しく殴る練習」を公開。これまでの豪快な投げに加え、ダミー人形を相手にインサイドからのヒジ、パウンド。足をさばいての踏みつけ、鉄槌。がぶりからのヒザ、サッカーキックとフルコースのグラウンド打撃を披露し、ファンの度肝を抜いた。 「ダミー人形が3名いて、もう首が破れています。このダミー人形でパウンド、グラウンドパンチは、ほぼほぼ想定して出来ますね。公開練習では掌底を忘れていましたが、掌底も使います。RIZINルールは、対人練習では思いっきり出来ないし顔を蹴れないんで。たまに(スパーで)ちょっと当たるくらいかな」と不敵な笑みを見せる。 グラウンドでの打撃も投げもフルスイングするので、僕が「フルスイング」の名前をもらう  4月のケージ大会『TRIGGER 3rd』では金太郎と対戦予定だったが、金太郎のぎっくり腰による負傷欠場で試合前々日にキャンセル。早期の試合を望んだ倉本に対し、今回の『LANDMARK vol.3』で魚井フルスイングがオファーを快諾。リングでの対戦となった。  3日の試合前々日インタビューで倉本は、「試合が流れてずっと身体を作って継続してやっていて。やっときたなって。当たり前ですけどしっかりここで勝つ」と、待望の試合に向けて意気込みを語った。 「前回は計量前日に試合が流れて、結構ちょこちょこ落としていたのであと1kgという状態でした。そんなに滅茶苦茶、落としている方ではないので、しんどいつもりはないけど、身体が水分を完璧に戻しているわけじゃない状態が続いていて、ちょっと疲れがありました。でも試合には100%で持っていくので大丈夫です」と、キャンセルから約3週間後の試合への調整について語る。  対戦を受けた魚井について、「緊急オファーも受けてもらった魚井選手のおかげでこの試合も出来る。敬意を持って、でもやるからにはボコボコにするのは変わらないです」と、感謝とともに持ち味を出したいとした。 “フルスイング”への警戒について、「自分は恐怖というのを感じたことがないんです。打撃でやりあえる自信はあるけど、試合は何があるか分からない。あれだけフルスイングでKOしてきたということは、ただのフルスイングじゃなくて、見えにくかったり、“ここで来るのか”というタイミングとか上手いので。それは僕も向き合ったことがないし、(一緒に)練習もしたことがないので、相性もある。対峙した人にしか分からないやりにくさがあると思う。甘く見ないで、それに気を付けて、ちゃんと対処していこうと思います。もちろん他もできる選手なので、対策練習もやってきています。しっかり僕の得意なところで倒して行こうと思います」  倉本がいう「僕の得意なところ」が、組みをベースに広がっているのが現状だ。 「誰とやっても組んだら負けないし、打撃でも勝つ気でしかいないんで。しっかり山崎(剛)代表と大野(崇)さんに習って、(藤田)大和とも朝から一緒に練習してアドバイスをもらっています。ジャーマンは誰でも組んだら投げられるんですよ。持ち上げたらいいだけなんで。それももちろんですけど、もっと僕らしい激しいことをやろうと思っています。みんなとかぶらないように」と、オリジナルな戦い方を見せたいと語る。  それは「エグく」て「オモロい」試合だという。 「レスリング時代もただ単に相手を転がすよりも、投げてバンバンやりたい気持ちがあったので、ちょっと盛り上げるというかカッコつけて勝ちたいので。それが一番僕が仕留められるスタイル。修斗でやってきた分もあって、投げとかジャーマンへの期待は分かっている。でも、それだけじゃないので僕も。単純にパンチ、単純に一本で勝つ、上手い選手が出来ることじゃなく、僕らしいエグい感じ、迫力ある試合をやりたいです。それが僕のスタイルなんで、僕がやれば勝手にそうなる。やろうと思ってやっているわけじゃない、それが僕の一番強いやり方なんで、それが結局、自然とオモロイ試合になると思います」  強力な組みから投げて崩して打つ。それはRIZINルールのなかで、より強さを発揮する。 「僕はグラウンドでの打撃も投げもフルスイングするので、僕が“フルスイング”の名前をもらいます」と笑う倉本は、「一本獲れるような練習もしているので、何でフィニッシュできるかは分からないけど、全力で一本・KOを狙う。結果的には、“一方的なKO”になると思います」 [nextpage] TRIGGER版「キング・オブ・ザ・ケージ」も  金太郎戦で予定していた『TRIGGER』から『LANDMARK』となり、得意のケージからリングでの試合に変わるが、あまり気にしない、という。 「そんなに大きく変わらないですけど、クラッチはケージで相手を剥がしてから組むことを考えたら、剥がさなくても組めるかなと。逆にロープがクラッチの中に入ってしまうこともあるので、どっちもどっち、そんなに気にしてないですね」 『TRIGGER 3rd』ではマット上で「ベルトが欲しいので、今年はガンガン上の人と試合をしたいと思っています」と、バンタム級の「ベルト獲り」を宣言した。  その時期を問われ、「ベルトは堀口(恭司)選手が持っていて、(GP王者の)扇久保(博正)選手ですら挑戦できてない状況なので、分からないですけど、今年、今回含めてあと3、4試合やって勝てば普通ならば行けると思う。RIZINで僕より立場が上の選手が数人いる。その選手に今年出来る限り最速で勝ち上がってベルトに近付けていけたらと思います。(堀口は)Bellatorとかもあるんで、とにかく自分は全部勝って、早く挑戦したいですね」という。  リングとケージ、双方でのチャンピオンにも興味を示す。ケージでのベルトについて、「盛り上がると思うので、そういうのも別な感じで作っても面白いんじゃないかな。練習で“壁”が得意なので、修斗時代もケージで戦っているし、ケージが得意だし、ケージが好き。せっかくRIZINでケージを作ってもらっているので、もうちょっと大々的にケージ大会もやっていきたいという個人的な想いもありますね。ケージの大会が少ないんで、もっと企画してくれたら面白いんじゃないかなと思います」と、TRIGGER版“キング・オブ・ザ・ケージ”も視野に入れる。  目指すは、リングとケージの王の統一戦だ。 「RIZINのベルトになれば、ナンバーシリーズでもLANDMARKでもTRIGGERでもいい。ただ、僕以外にもケージが得意な選手がいると思うので、ケージに出たい人もいるんじゃないですかね。(年末にケージとリングの2つ?)それ、お願いします!」と、デュアルマットを希望。年末にはBellator日本大会開催の可能性もあるが、「いまは特に考えてないです。RIZINと契約しているので、そこでちゃんと勝ち上がりたいです」と、夢の実現のために、勝利を目指す。  計量クリア後に、以前はガソリンがわりにアルコールを入れることがあったが、「飲まないことに決めました」と笑う。  群雄割拠のバンタム級戦線で、レスリング時代に2度勝利している太田忍との試合も問われ、「そんなことは聞くまでもなく、俺の方がレベルが違うので勝つに決まっています」と険しい表情も見せた。さらに、「金太郎選手とは、いずれお互いのタイミングでやりたいと思います」と、上位陣との足がかりの試合も実現させるつもりだ。 「最速で、1Rでフィニッシュできるように戦う」という倉本は、公開練習の最後に、好きな言葉だというスペイン語“Todo lo que esta pasando tiene sentido.”──「起こっていることにはすべてに意味がある」とつぶやき締めた。5月5日の魚井戦で倉本は、何を起こすか、注目だ。
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