森井(左)vs.安本の新旧KNOCK OUT王者の激突は階級を飛び越えた戦いに
2022年5月28日(土)東京・豊洲PIT『NO KICK NO LIFE』の追加対戦カードが決定した。
KNOCK OUT-REDフェザー級王者・安本晴翔(橋本道場)とKING OF KNOCK OUT初代ライト級王者・森井洋介(野良犬道場)が正式決定。
森井は国内ライト級屈指のハードパンチャーで、近年はKNOCK OUTのエースとして活躍。2016年9月の旗揚げ会見スペシャルマッチから2019年2月までに11勝(9KO)2敗1分という戦績を残した。2017年に開催された「KING OF KNOCK OUT初代ライト級王座決定トーナメント」では3試合全てKOで制し、初代王座に就いている。チャンヒョン・リー、原口健飛に連敗してどん底を味わったが、2020年10月のNO KICK NO LIFE復活大会で翔貴にダウンを奪われながらも逆転KO勝ち。再起を果たし、2021年2月の同大会では永澤サムエル聖光に判定勝ち。7月には前口太尊の引退試合の相手を務め、得意の回転ヒジ打ちでKOした。前戦は今年4月の藤原祭でロムイーサンに延長戦で判定負け。戦績は46勝(30KO)11敗5分。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りKNOCK OUT-REDフェザー級王座を戴冠。そこからの快進撃でKNOCK OUTをホームに活躍し、KNOCK OUT年間表彰式では2020年MVPを獲得。2021年9月にはNJKFのリングに乗り込み、松本龍斗にTKO勝ちでWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。前戦は4月の藤原祭でヨーパースーを初回KOし、怒涛の13連勝中。戦績は23勝(13KO)1敗2分。
藤原祭での試合後、安本は「昔から前線で活躍している森井選手と階級違うけれど(森井はライト級、安本はフェザー級)やってみたい。今日負けてしまったんですけれど実績もあるし、KNOCK OUTの看板選手だったし、やってみたいです。僕は喜んでやります。実現したら昔活躍したKNOCK OUT王者を倒す、いいっすね。自信は全然あります。誰にでも勝てる自信しかないです。重いでしょうけれど体作りしていろいろやって、最近パワーがついてきていると思うので」と、森井との階級を超えた新旧KNOCK OUT王者対決をやりたいと希望。それが叶った形となった。
試合はライト級で行われるため、安本にとっては2階級上への挑戦となる。33歳の森井と21歳の安本、世代も階級も超えて行われる異色マッチが実現する。
また、初参戦が決まっていた元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級王者T-98(フリー)の対戦相手は、元WKBA世界スーパーウェルター級王者・緑川創(RIKIX)に決定。
T-98は“ムエタイゴリラ”の異名を持ち、パワーと頑丈な身体を活かした戦いぶりでこれまで数々のタイトルを獲得。2016年6月には日本人5人目となるラジャダムナンスタジアム王座を奪取した。また、同年10月にはタイのラジャダムナンスタジアムに乗り込み、KO勝ちで日本人初の現地での防衛にも成功。同王座は2017年5月の2度目の防衛戦で失ったが、その後も精力的に試合を続け、2020年1月にはピーター・アーツの愛弟子イリアス・ボカユアを破っている。しかし、9月の『HEAT』で松島勲也にヒジ打ちでTKO負け。12月には松倉信太郎に判定負けを喫し、今回はそれ以来の試合となる。
緑川は2005年デビューのベテランで、新日本キックボクシング協会でミドル級王座とWKBA世界スーパーウェルター級王座を獲得。K-1 MAX世界王者アンディ・サワーにも勝利した実績を持ち、国内ミドル級最強の一角として長く君臨している。2020年7月よりRISEに参戦し、ウェルター級王者の“ブラックパンサー”ベイノアから2度ダウンを奪い強さを見せつけるも、その後は海人、憂也に連敗。2021年2月に『NO KICK NO LIFE』で高木覚清に判定勝ちすると、6月の『RISE』で宮城寛克に判定勝ち、7月の『NO KICK NO LIFE』では憂也と引き分け、8月はモトヤスックに判定勝ち、9月の『BOM』では柿沼慶にKO勝ちと34歳にして4カ月連続試合に臨み、3勝1分の戦績を収めた。しかし、12月のRISEで新鋭のRYOTAROにまさかのダウンを奪われて判定負け。今年は1月にプライチュンポンに勝利したが、4月のムエタイスーパーファイトで小原俊之にTKO負けを喫した。戦績は54勝(25KO)15敗8分2無効試合。
2人は成立学園高等学校の野球部で一年違いのキャプテン同士という先輩(T-98)・後輩(緑川)の仲。2013年4月に初対戦し、この時は緑川が判定2-0で勝利を収めている。9年ぶりの再戦を制するのはどっちだ。