2022年5月5日(木・祝)に都内(会場非公開)で開催される『RIZIN LANDMARK vol.3』で、ZENKI(益荒男teamDURGA)とRIZIN MMA特別ルール 62.0kg戦(3分3R)で対戦するYUSHI(Potencial GYM)が4月26日、トライフォース赤坂で公開練習を行った。
ミット打ちでは、ワンツー、ミドルキックのほかに、オーソドックス構えから、跳びヒザ蹴りや後ろ蹴りなど、大技も披露。「魅せる格闘家として、ああいう技も織り交ぜていければいいなと。実際、対峙するのは本気の相手なので、どこで出せるか分からないですけど、ああいう技で決めたり、見てる人を楽しませられたらと思っています」と、笑顔を見せた。
アマチュアキックからプロMMAデビュー戦となった前回の大晦日のRIZINでは、“キングカズJr”三浦孝太と対戦し、1R、サッカーキックから右ストレートを浴びてTKO負け。
「正直、何も出していない、一番最初にカーフキックをもらってしまってめちゃめちゃ効いてしまって、かなり焦ってしまって。そこの部分だったり、グラウンドのディフェンス技術があまりやってこなかったんで、耐えることしか出来なかった。ディフェンス技術をもっとやっておけば良かったなと思いました。出したいことが出せなかった、自分の準備不足はありましたけど、単純に孝太くん、強かったなと思ったので、もっとそもそもの実力をつけなきゃな、という感じです。正直、全然、何も見せてなかったなって」と、敗因を語る。
そして、5月5日『RIZIN LANDMARK vol.3』の出場が決定。
「年末が終わってからずっと練習をしていたので、準備期間はあったと思うんですけど、試合のオファーがあったのは2、3週間前だったので、まあ急ではあるけど、一応いつ試合をしても出来るように準備はしてきたつもりなので、やっと試合が決まってよかったなという印象です」と、心待ちにしていた2戦目を語る。
朝倉未来とマンツーマン練習、朝のプロ練習にも参加
ボクシングジムとパーソナルトレーニング、そして「ここ2カ月くらいはトライフォース赤坂での朝練習、最近はBRAVEジムで宮田(和幸)さんから直に教わっています」というYUSHI。
「ちょうど昨日のトライフォース赤坂での朝練習で、8時くらいに来たら、朝倉未来選手が来て、2人っきりで、“あれ? これは2人っきりか”と思って(笑)、2人っきりで練習させてもらって、スパーリングから、まあ結構しっかりやられましたけど、でもその中で“もっとこういう方にした方がいい”とか、日本のトップ選手から、1対1でこうして直接教えてもらう環境はほかに無いと思うので、“すごい幸せなことだな”と思いながら、キツい練習に耐えていましたね」と、マンツーマンの練習もあったことを明かす。
フルケージの中で行われる赤坂の朝練習には、所属のプロファイターのほか、上迫博仁や箕輪ひろばらトッププロが出稽古に訪れることも多く、「最初はキツかった。みんな朝練習に来ている選手はプロの選手で強いので、洗礼を受けたというか……毎日ぶっ飛ばされて苦しくて、『痛い』って言いたいんですけど、試合になったらそんなこと言えないし、練習している人たちもそんなんで止まるような人たちじゃないし、“やらなきゃやられる”みたいな気分でやっています。みんな一応、手は抜いてくれているとは思いますけど、“こんなに激しくやるんだ”と思うくらい」と、タフな環境に心が折れそうになったが、「未来選手とコラボさせてもらって、『通わせてもらってもいいですか』と自分から言ったので、そんなことで音を上げてたらカッコ悪いなと思って、ちょっと意地で通っていた部分はあります」と、食らいついて練習してきたという。
朝倉未来にセコンドを? の問いには「さすがにそれはまだお願い出来ないです」というYUSHIだが、朝倉からは作戦を授かっていることを明かす。
「未来選手にもトライフォース赤坂のコーチにも教えてもらったり、あまり言いたくないですけど、いろいろ作戦を考えながら、“いま出来ることはこういうことだからこれで行こう”と作戦を立ててやっていますね」
三浦孝太との再戦も「全然、僕はやりたい」
そして、BRAVEでの宮田教室では、グラップリングを基礎から学んでいる。大晦日の対戦相手の三浦孝太との2ショットも公開したYUSHIだが、「まだ4回目で三浦選手とは練習したことはないです」という。
大晦日に続き、同じ大会に出場となる三浦について、「今回、試合決めた理由の一つに、三浦孝太くんが出てくるということが大きくて。初めての大きな舞台で戦って、僕は負けましたけど、いろんなファンがついたり、あの試合のことを良かったと言ってくれる人がいたということは、相手が三浦孝太くんだったからと自分では思っているので、お互い初戦だったから、『これからもいい関係で一緒に勝ち上がって行こうぜ』みたいな。結構、年齢も上なので、いい兄貴分として、教えられることは教えて、彼のポテンシャルの高さから僕も学ぶことがあって、お互いに成長しあえるようないい関係でいたいな、と僕は勝手に思ってますね」と、互いに上を目指すライバルとしてとらえていると語る。
再戦については、「全然、僕はやりたいですね。負けている側なので。孝太くんは『もうやらない』って言ってましたけど(笑)。実際、階級も変わってきちゃうと思うので、なかなか実現は難しいとは思いますけど、悔しいは悔しいんで。でも、彼の人間性とかが好きなんで、本気で殴るのは嫌ですけど、試合となったら、スポーツとしてアリなのかなとは思います」と、ともに勝ち上がって、いつかリベンジしたい気持ちもあることを語った。
[nextpage]
今回はトータル的に成長した姿を見せられる
今回、リングで戦う『LANDMARK vol.3』では、地下格闘技出身のファイターZENKI(益荒男teamDURGA)と対戦する。
対戦相手の印象を「“街の不良”みたいな感じですね。まあ、でも対戦相手からのコメントも謙虚な感じだったので、いい試合が出来ればなと思います。あまり対戦相手の印象は無いです」と言いながらも、試合映像もチェック済みで、「そんなに強そうじゃない、ミスらなければ勝てるかなと。打撃は上手そうな選手だなって」と分析。
試合展開を「相手は背が高くて、組んでヒザとかをやってきそうな感じなので、しっかり距離を取って、まずは打撃で見せられたらなと。隙があればグラウンドに持っていって、そこでも練習の成果を見せられたらなと思います」と予想する。
「成長したところを見せたい」のは、MMAとして、全局面での戦い方だ。
「前回、グラウンドのディフェンスがまったく出来ていなかったので、そこを結構強化してきて、耳がちょっと真っ赤に(沸いて)なってきて血が溜まってきたので、ヤバいなと。打撃も並行して練習しているので、今回はトータル的に成長した姿を絶対に見せられると思うので、ほんとうに楽しみにしていてほしいし、自分でもちょっと楽しみです。やっと試合だなって」
公開練習では、跳びヒザ蹴りや後ろ蹴りもシャープな動きのなかで見せた。
「ああいうのでフィニッシュでできたら、ヒーローみたいになれるかなって。RIZINに出てから、小さい子から『一緒に写真を撮って』と言われる事が多くなって。子供に好かれることはすごいことだよ、と先輩方にも言われて。僕自身が魔裟斗さんに憧れていたので、今度は自分が憧れられる側になりたい」という。
伝えたいのは「努力したら、結果はついてくる」ということ。
「努力して諦めずに戦うこと。前回戦った時、諦めないで戦うことが評価されたと思うので。でもああいう結果になって、実力はまだ全然出せていない。戦っている姿を見せて、勝って小さい子が『かっこいい』『ああいう風になりたい』って思ってもらえる選手になりたいです」と、自身が思い描くヒーロー像を語る。
大晦日のRIZIN後は、「どこに行っても『RIZIN見ました』『次はいつ試合ですか』『応援してます』とか、そんな声ばかりかけられるようになったので、すごいなと。それまでもSNSで発信していましたけど、全然、声をかけられる頻度が替わりましたね」と知名度が急激に高まったという。
この日の練習でも、マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームを着用。「サッカーのユニフォームは自分のテンションを上げるためにカッコいい服を着ているだけです。クリスティアーノ・ロナウドの存在は憧れですね」と、魅せることにこだわる。
またデカい大会に「こいつが必要だな」と思ってもらえるよう
観客限定で配信中心の『LANDMARK』に向け、「入場とかにもこだわってるつもりなので、できれば花道長くて観客もいた方がテンション上がるなと思ったんですけど、前回、負けといてそんなエラそうなことは言えないんで、LANDMARKにオファーがかかったんで、まずはここで1勝して、またデカい大会に“こいつが必要だな”と思ってもらえるような存在を見せつけるときなのかなと思っています」と、試合内容とともに、存在感を示したいという。
「『入場楽しみにしています』のコメントが来すぎてプレッシャーになっているんですけど(笑)、会場が小さくてもこんな風に見せられるんだよというところを──どんなときにも魅せられるのがスターだと思うので──僕はちょっと考えてやっていますね。新しく入場曲も変えて、“今回はどんな感じなんだろう?”という観客のワクワク感を誘えたらいかなという狙いですね」と、こだわりの入場も予告した。
きらりと光る歯のホワイトニングも「バッチリです(笑)。月1回、姉のクリニックに行ってます」。ネイルも磨き、「毎月するんですけど、試合のときは怒られちゃうので、明日、取りにいきます」と、櫻遊志からYUSHIとしてリングに向かう。
好きな言葉は「人生一回」。
「なにか選択肢で悩んだときに、ここで後悔したくない。“人生一回”だし、自分でこれはやっておいた方がいいと思う選択を取ることが多いので、そういう風に自分にいい聞かせることが多いです」と、後悔しない生き方をしたいという。
ホストクラブやスポーツジム、アパレルブランドなども持つYUSHIのファイターとしての本気度が問われる2戦目。
今回の『LANDMARK』のジョーカー的な存在のYUSHIは、「この間は、試合で自分の良い所を見せられなかったので、成長した姿を見せて、応援してくれる人を喜ばせたいです。5月5日はスカッとしたKO勝ちで、絶対にみんなをスッキリさせるので、応援してください。よろしくお願いします!」と、笑顔で白い歯を輝かせた。