2022年4月24日(日)米国ハワイ州ホノルルのニールSブレイズデール・センターで開催された『Bellator279』。同大会で「Bellatorバンタム級ワールドGP」準々決勝に臨んだ堀口恭司(日本/ATT)だったが、パッチー・ミックス(米国)に判定3-0で敗れトーナメントから姿を消すこととなった。
この試合をK-1 WORLD MAX世界王者・魔裟斗が、打撃の観点から分析した動画を自身のYouTubeチャンネルにアップ。魔裟斗はまず最初に「本当に同じ体重なのかなと思うほど身体の大きさが違ったね」ということに驚いたという。
(C)Bellator「1Rは、堀口君の持ち味のステップワークからローキックで攻めていったね。ただ、あのステップワークは昔から凄く良かったけれど、前の試合と見比べるとちょっとスピードがない感じがしたね。いつもより。その(前十字靭帯の手術)影響で以前のスピードがちょっと落ちちゃったのかなって感じがしたね。堀口君の一番のストロングポイントはあの出入りの速さ。あと空手のいきなり入って行く突き。あれがなくなった印象を受けた」と、堀口のスピードがいつもよりないように見えたとする魔裟斗。
「あとミックスが、あれだけ身長が大きい選手が前へ出て、プレッシャーをかけられると凄いやりにくいんだよね。大きい選手が前へ出てくると本当に疲れる」と体格で優るミックスが前へ出てきたことも堀口にとってやりにくかったのではと指摘。
「堀口君も1R、ローから攻めていきたかったんだよね。ミックスはそうさせないで開始1分くらいかな。ケージ際で(堀口が)バックを取られて倒された」ときの攻防で、「2Rが始まった時にミックスが1Rより動きが遅かったのよ。あ、疲れたんだなと思って。あの寝技の攻防で後ろから相当力を使っていたんだなっていうのが見えたんだよね」とミックスが疲れたのではないかとした。
その2Rは「堀口君がインサイドから入るようになって。ローからパンチで入る入り方に変えていったんだよね。そういう戦い方に変えてちょっと堀口ペースになってきた感じがしたんだよね」と堀口がペースを取り戻したかに思えた。
(C)Bellator しかし「3R目に入ってすぐミックスがまたプレスを強めて前へ行って。堀口がグッと入ってくるところに後半はテンカオを合わせるんだよね。ヒザ蹴り。これやられると堀口は飛び込み際のパンチが出しにくくなるんだよね。それで堀口が入るのを抑えてこのラウンドはミックスがとった感じがした」と「テンカオが2~3発いいタイミングで入っていた」と、カウンターの相手を掴まないヒザ蹴りが有効的に決まっていたと見る。
「4R、堀口君は頭がいい。いろいろな引き出しを持っているから、今度はミックスが前へ出て攻撃を出した後にカウンターで返すっていうパターンに変えたんだよね。相手の攻撃を受けたら返す。(中略)作戦に変えていった。ローキックがちょっと効いたかな、俺の中ではこのラウンドは(堀口が)とった」と、4Rは戦い方を変えた堀口がとったとする。
そして「最後5R、ミックスは始まったらプレスをかけて寝技で勝負なんだよね。ポイントアウトしてミックスがとった。そんな試合に見えたね」と、最後は寝技で堀口にいい場面を作らせずにミックスの勝利となった。
魔裟斗は「フィジカルが外国人は強いよ。大きいしね。ミックスは身長も高いし懐も深い。堀口君からすると(距離が)遠く感じたと思う」と、フィジカルの差がまずあったとし、「ステップワークが以前に比べるとスピードがない感じがした。年齢と共にスピードは落ちるからね」とスピードが足りなかったことが敗因だったのではないかとし、「キレが欲しい」と技のキレを強化して欲しいとした。
そして「久しぶりに会いたいですね。いろいろ聞いてみたい。会えればな、と思っています」と堀口と会って話をしたいと語った。