キックボクシング
レポート

【RISE】メインのトーナメント準決勝・田丸辰vs.空龍まさかの無効試合、大激闘制した数島大陸との決勝はどうなる? 女子はAKARIとerikaが王座決定戦進出

2022/04/24 20:04
RISE 1572022年4月24日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第10試合)初代フライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント 準決勝 3分3R延長1R―田丸 辰(TRY HARD GYM/初代スーパーフライ級王者)=51.45kg無効試合―空龍(空修会館/DEEP☆KICK-51kg 1位)=50.75kg  田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃を続けてきたが、2019年9月にRISEバンタム級王者・鈴木真彦とRISE王者対決を行い延長戦の末に初黒星を喫した。所属ジムを変えて7カ月ぶりの再起戦となった2020年7月のMASAKING戦で勝利するも、9月の2度目の防衛戦で大崎に敗れて王座を失った。7月の「RISE DEAD OR ALIVE-53kgトーナメント」でも1回戦で政所仁に敗れて連敗中。戦績は11勝(2KO)3敗。  空龍はジュニアキック出身で高いレベルのテクニックを持つ広島在住の選手。9月の『KNOCK OUT』で初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメントに出場し、1回戦で花岡竜に判定負けして9戦目にして初黒星を付けられたが、11月にはDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメントで決勝戦進出を決めた。さらに今年1月、RISEで快進撃を続けていた数島に黒星をつけたが、今年3月13日にDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメント決勝で塚本にダウンを奪われ敗れている。戦績は8勝(3KO)2敗1分。 【写真】田丸が左フック、空龍が右フックを放ったところでバッティングに 1R、両者サウスポー。田丸はワンサイズ大きく見える。田丸が右カーフを狙い撃ちし、右ローも蹴る。空龍も蹴り返し、田丸のローにジャブを合わせに行く。両者がフックを繰り出したところでバッティングとなり、田丸は鼻血。ドクターチェックで田丸の鼻骨骨折が確認され、試合はストップ。その場に崩れ落ちる田丸。  1Rが終了していないため試合はノーコンテストに。この試合はトーナメントのためどうなるかは主催者預かりとなった。大会終了後、伊藤隆RISE代表は「ドクターは田丸が2~3カ月試合は出来ないとの事なので、王座決定戦の日程を伸ばして、誰も納得しないと思うので再戦を組んでから王座決定戦を組んでいきたいと思います」と、田丸の回復を待って再戦させる方向性であると話した。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合)初代フライ級(-51.5kg)王座決定トーナメント 準決勝 3分3R延長1R○数島大陸(及川道場/第30回全日本新空手道選手権大会 K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝)=51.15kg判定2-0 ※30-29、29-29、30-29×塚本望夢(team Bonds/DEEP☆KICK-51kg王者)=51.4kg※数島が決勝へ進出。  数島は第30回全日本新空手道選手権大会K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝、JAPAN CUP 2017 K-3選抜トーナメント-45kg級優勝の実績を持ち、2020年9月のRISE新宿FACE大会でプロデビュー。7月大会で急遽代打出場にも関わらず元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者の竜哉・エイワスポーツジムからダウンを奪って引き分けて一気に名を挙げた。その後は星久保将城に判定勝ち、平野翼に初回KO勝ち、11月には再び急遽代打出場に名乗りをあげてNJKFバンタム級暫定王者・甲斐元太郎に2RでKO勝ちする離れ業を演じた。RISEフライ級で快進撃を続けていたが、今年1月大会で空龍に敗れて初黒星。戦績を6勝(4KO)1敗2分とした。  塚本はジュニアキック出身で、2020年12月には那須川天心の弟・龍心と対戦して勝利を収めている。2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビューし、11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで、1回戦でタネ(ハートマーク)ヨシキに初回TKO勝ち、決勝では空龍から1Rにダウンを奪って判定勝利し、初代王座に就いた。戦績は5勝(2KO)無敗。最年少の16歳。  1R、サウスポーの数島がじりじりと前へ。塚本が左右フックをフル回転させ、足を止めて打ち合いを挑むと塚本のフックを浴びて数島の動きが鈍る。さらに連打する塚本の右フックで数島がダウン。一気にパンチでラッシュをかけた塚本だったが、数島が左フックでダウンを奪い返す。塚本が立ち上がったところで1R終了のゴングというスリリングな展開に。  2R、塚本のパンチをかわして左ストレートを打ち込む数島。塚本も右ストレートと右フックを打ち分けてヒットを奪っていくが、数島の左を浴びて動きが止まる。すかさずラッシュを懸ける数島だが塚本も強気に打ち返して決定打を許さない。  3Rはロー、ミドル、前蹴りと蹴りを多用する数島。塚本のボディを攻めていく。しかし塚本がステップを使って右フックでヒットを奪い、右ボディも深く当てる。そして最後は両者足を止めての火の出るような打ち合いが繰り広げられた。  全ラウンドを通して激し打ち合い、シーソーゲームとなった一戦は、判定2-0で数島の勝利となった。試合後、数島は逆転の左フックについて「神の左が降りてきた」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 第2代 RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座決定トーナメント 準決勝 3分3R延長1R×宮﨑若菜(TRY HARD GYM/同級1位)=48.7kg判定0-3 ※30-29、29-28×2○AKARI(TARGET/同級3位)=49.0kg※AKARIが決勝へ進出。  宮﨑は空手をバックボーンに持ち、アマチュアキックでは2019年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝。RISE QUEENアトム級王者・宮崎小雪の姉。2019年10月にRISEでプロデビューし、武内紗耶香、大塚愛莉、坂本優、大倉に勝利もAKARIには2度敗れている。前戦は今年2月にタイトル挑戦目前だったerikaを破った。戦績は6勝(1KO)2敗。  AKARIはジュニア時代から第2代RISE QUEENなど5冠王の神村エリカに憧れ、教えを乞い神村の遺伝子を継ぐ女子高生ファイターで、2019年9月大会にてプロデビューを飾り、2021年3月の「ミニフライ級NEXT QUEENトーナメント 2021」で宮﨑若菜、大倉萌を破って優勝。初代RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵に挑戦したが、判定3-0(49-48×3)で敗れた。前戦は2021年12月、erikaに延長戦の末に判定負け。戦績を8勝(1KO)2敗とした。キャッチフレーズは“美脚炸裂シンデレラ”。  前述のように、両者は2019年11月と2021年3月に2度対戦。いずれもAKARIが勝利しているが、宿命のライバルとして3度目の対戦を迎えることになった。  1R、AKARIは右ミドル、右前蹴り、右ローと右の蹴りを多用。宮崎が左ストレートから入ってくると右ストレートで迎え撃つ。ボディを打つ宮崎へAKARIは右ストレートをヒット。AKARIはジャブも当てていく。必ず自分の蹴りで攻撃を終わらせていくAKARI。  2Rは宮崎が入り込んで左右の連打をまとめ、AKARIが右ストレートを打ち返す。宮崎は左ローも強烈。パンチの数を増やす宮崎にAKARIはヒザ蹴りで対抗。前蹴りで突き放し、時折打ち合いも見せるAKARI。ロングリーチの右ストレートがヒットする。  3R、宮崎が蹴りからの左右4連打、ボディからの連打とインファイトを仕掛け、AKARIは右ストレートとヒザで応戦。前蹴りで突き放す。宮崎のパンチの回転力に押され、クリンチが増えてしまうAKARIにはイエローカード。しかし、ここでAKARIも打ち合いに出て、ガムシャラな左右連打で猛然と追い上げる。  判定は2-1の僅差でAKARIが勝利。敗れた宮崎も勝者のAKARIもガックリとうなだれた。  AKARIはマイクを持つと「正直なこと言うと、もっと強くなった姿を見せたかったんですけれど、宮崎選手の成長スピードが速くて、まだまだだなって思ったので。まだまだ私にはノビシロががあると思っています。もっとやらないといけないと思っています。こんなんじゃ(神村)エリカ先生が 安心して赤ちゃんを産めないので、私自身が強くならなければいけないのかなって思います。私が王者になるので、これからもっともっと仕上げてもっと強くなります」と、さらに強くなって決勝に臨むとした。  そして前の試合で大倉にTKO勝ちしたerikaもリングに上がり、マイクを持つと「見ててどっちも応援してしまったんですが、タイトルマッチの相手がAKARI選手に決まってしまったので私がベルトを沖縄に持って帰るので練習して差をつけて勝ちたいと思います」と、AKARIとの再戦に自分ももっと強くなって臨むとした。 [nextpage] ▼第7試合 第2代 RISE QUEENミニフライ級(-49kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R○erika(=名前の後ろにハートマーク/SHINE沖縄/同級2位)=48.85kgTKO 2R 2分42秒 ※右ヒザ蹴り×大倉 萌(大道塾 吉祥寺支部/同級4位)=48.7kg※erikaが決勝戦へ進出。  erikaは沖縄在住の選手で、ぱんちゃん璃奈とは練習仲間でもある。2020年8月のREBELSに参戦し、平岡琴から番狂わせの勝利をもぎ取ると10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」に参戦。1回戦で寺山日葵を相手に猛攻を見せ、延長戦で敗れるも寺山を苦しめた。2021年2月には百花からNJKFミネルヴァ・アトム級王座を奪取。12月にAKARIから勝利を収め、王座挑戦が内定していたが、2月に宮﨑に敗れて一歩後退した。戦績は8勝2敗。3人の子供を持つシングルマザーであり、キャッチフレーズは“3児のヒロイン”。  大倉は10歳の頃から大道塾・空道を学び、2017年には『北斗旗全日本空道体力別選手権大会』の女子215(身体指数=身長+体重)以下クラスで優勝。2020年1月のBOUTでプロデビュー。同年10月に開催された『QUEEN of QUEENS』にプロ2戦目で抜擢され、百花と接戦を演じポテンシャルの高さを見せつけている。2021年3月はミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメントで準優勝。AKARI、宮﨑に連敗を喫したが今年2月にエミNFCに勝利して再起。戦績を3勝(1KO)3敗とした。また、早稲田大法学部卒、超有名金融会社勤務の文武両道ファイターでもある。  1R、大倉はvs.サウスポーのセオリーとは逆の右回りで軽快なステップで動き、折って来るerikaに右ミドル。erikaが左ストレートを伸ばしてくると前蹴りで止める。  2R、距離をグッと詰めてパンチを打っていくerikaに大倉は変わらず右へ回り込みながらミドル、前蹴りを蹴るが、このラウンドからはワンツーも出す。右を当てては離れるを繰り返していた大倉だが、徐々に回り込みが遅くなり、erikaの左フックをもらって完全に動きが止まる。  そこへerikaが左フックで畳み込み、さらにパンチをまとめて最後はボディへのヒザ蹴りをグサリ。大倉はダウンを喫し、何とか立ち上がるもレフェリーが様子を見て試合をストップした。  歓喜して嬉し泣きするerikaは「この寺山選手が引退してベルトを絶対私が沖縄へ持って帰る気持ちで練習してきました。沖縄の皆さん、私を応援してくれてサポートしてくれて本当にありがとうございました。私は絶対に沖縄へベルトを持って帰ります」と、優勝宣言した。 [nextpage] ▼寺山日葵(TEAM TEPPEN/初代RISE QUEENミニフライ級王者)引退セレモニー  初代RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)の引退セレモニーが行われた。  寺山は2016年5月にプロデビューし、RISEには2018年7月に初参戦。11月にMISAKIとの三度目の対決で判定勝利してJ-GIRLSミニフライ級王座を獲得。その後はRISEを主戦場とし、2019年9月に佐藤レイナとの王座決定戦を制し初代RISE QUEENミニフライ級王座に就いた。2020年10月に開幕した「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」ではerika、sasori、紅絹を下して優勝。昨年5月には当時無敗のAKARIを相手にミニフライ級王座を初防衛。9月にはRISE QUEENフライ級王者・小林愛三との女王対決にも勝利し、RISE女子のエースとして活躍し続けていた。  今年1月に右股関節唇損傷の手術を受け、手術は成功したものの復帰には1年近くかかるということ、左足も同じ症状が出る可能性があり、またそこで手術をすれば合わせて約2年間選手としての活動が出来なくなるということ、さらには昨年9月の小林愛三戦後のインタビューで今後の目標を聞かれたときに言葉に詰まってしまったことを踏まえ、引退を決意したという。  黄色のドレスでリングに登場した寺山は、初代RISE QUEENミニフライ級王座のベルトを返上。続いて弟の寺山遼冴、佐藤レイナ、小林愛三、紅絹、那須川天心、那須川弘幸会長、伊藤隆代表、両親からの花束・記念品の贈呈が行われた。  最初から涙が止まらない寺山は「泣かないようにと思ってきたのに早々泣かされてしまいました。自分は世界一幸せ者だなって思うくらい、たくさんの人に見守っていただけて本当に嬉しいです。小さい頃は自分のことが本当に大嫌いで、両親がいる前で言うのも失礼なんですけれど名前も容姿も顔も何もかもが嫌いで自信が持てなくて。そんな私を少し前に向かせてくれたのがこの格闘技であってキックボクシングでした。キックボクシングを通してたくさんの人に出会って、きつい経験もあったし嬉しい経験もあったし、たくさんのことを経験させてくれて自分の人生を前向きな明るいものにしてくれたのがキックボクシングでした。たくさんの方のおかげで寺山日葵はこうしてリングに立つことが出来ていました。本当に皆さんありがとうございました。  もう選手としてリングに立つことはこの先ないのですが、自分を変えてくれた格闘技にこれからも恩返しをしていきたいので、別の形で別の角度から携わっていけたらと思いますので、またどこかで見るかけたら声をかけてくださると嬉しいです。寺山日葵を愛してくださった皆様、本当にありがとうございます。明日からも夢を持って自信を持って堂々と生きなさいという言葉通りに私も明日から前を向いて別の道を進みたいと思います。キックボクサー寺山日葵の応援をありがとうございました」と最後の挨拶。  10カウントゴングを聞き、リングに別れを告げた。 [nextpage] ▼第6試合 バンタム級(-55kg)3分3R延長1R×良星(FIGHT CLUB 428/Team Bull/同級4位)=54.95kgTKO 2R 0分38秒 ※セコンドからのタオル投入○大森隆之介(EX ARES/同級9位)=54.95kg  1R、良星はいきなりの片手倒立ハイキック、大森も負けじとブラジリアンハイキックを繰り出す。良星は前へ突っ込みパンチを見せておいての右カーフ、大森は背が低い良星の上体を上げさせるためか右アッパーとヒザを多用する。激しい打ち合いを展開する両者だが、身長差から大森のヒザが有効だ。  2Rが始まってすぐ、ラッシュをかけて大森にロープを背負わせる良星。しかし、大森がヒザを突き上げると良星の腰がガクッと落ち、すかさず大森がワンツーの連打、そして右ショートで良星からダウンを奪う。ここで良星のコーナーからタオルが投入され、大森のTKO勝ちとなった。  大森はマイクを持つと「こんなに早く倒せると思ってなくてしんどい試合になると思っていたんですが、練習していたパンチで倒せてよかったです。フライ級とか女子のトーナメントがあって自分そこでモヤモヤしていて絶対に目立ったろうと思ってやってきました。次、タイトルを狙いたいので、もう1試合強い有名どころとやらせてください。江幡でも他の団体の王者でも誰でも倒していくのでタイトルやらせてください。僕、先月大学卒業して格闘技の道を選んだんですが、僕は頑張って僕の道を証明していくのでみんなも頑張ってもらえればと思います」と、タイトル挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R×SEIDO(LARA TOKYO/同級3位)=59.95kg判定1-2 ※28-30、29-28、29-30○小野幹晃(IGGY HANDS GYM/同級7位)=59.9kg  1R、小野はムチのような左ミドルと右ローを次々と決めていく。SEIDOはもらいながらも前へ出てパンチを打ち込んでいき、組み付くとねじ伏せるようにして小野を倒す。  2Rも右ローを出しながら前に出るSEIDOをヒザで迎え撃つ小野。左ミドル、前蹴りでもSEIDOのボディを攻めていく。SEIFOは前に出るがパンチでなかなか小野を捉えることが出来ない。  3Rも前に出ていくSEIDOを前蹴りで迎え撃つ小野。クリンチが多くなり、SEIDOは小野の蹴り足をキャッチしてコカす。小野はジャブを的確に当てていき、SEIDOが入ってくるとクリンチ。SEIDOの突進に消耗した様子の小野はジャブで逃げ切り態勢。最後まで突進を続けたSEIDOだが目立ったクリーンヒットはなく、小野の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R○澤谷大樹(HAWK GYM/同級5位、DEEP☆KICK-60kg王者)=57.5kg判定3-0 ※30-26×3×戸井田大輝(戸井田ジム/MA日本スーパーバンタム王者)=57.25kg  1R、澤谷はサウスポー。両者相手のパンチと蹴りをかわしあう序盤。澤谷は右をフェイントに使い、右を打ってからの左と独特な動き。その右アッパーからの左フックでダウンを奪うと、戸井田は一気にスイッチが入り、声を上げながらパンチを打つ。  2Rも澤谷がパンチのヒットを奪っていき、またも右アッパーからの左フック。しかし戸井田は「ヘイヘイヘイ!」と声を上げながら前へ出てパンチを放っていく。顔面にもらっても構わず前へ。澤谷はヒザ蹴りを交えながら左右フックを打ち込んでいく。  3R、澤谷の左ストレート、右フック、ヒザをまともにもらいながらも下がらず、前へ出て打ち返しに行く戸井田。しかし、ヒットの数は澤谷が圧倒的に多い。戸井田はカーフを蹴っての逆転を狙うが、澤谷が左ストレート、右フック、そしてヒザの連打で最後は戸井田の身体を丸めさせ、大差の判定勝ちを収めた。 [nextpage] ▼第3試合 フライ級(-51.5kg) 3分3R延長1R×酒井柚樹(TEAM TEPPEN)=51.45kg判定0-2 ※29-30、29-29、29-30○KING TSUBASA(ROYAL KINGS/DEEP☆KICK-51kg 2位)=50.65kg  1R、両者フェイントしつつインローを蹴り合い、カーフも蹴り合う。ジャブの差し合いからカーフの蹴り合いとラリーが続く中、前へ出る酒井と回り込むTSUBASA。酒井が終盤にパンチをまとめにかかると、TSUBASAも負けじとまとめ返す。  2RになるとTSUBASAはパンチ主体に切り替え、カーフを蹴ってくる酒井にワンツー、左フック、左ボディをヒットさせると、軽快なステップワークで回り込みながらジャブを突き刺していく。酒井は強引に入り込んで左ボディ、左フック。  3Rは酒井が取り戻し行く。強引に入り込んでの左右フックとアッパー、飛び込んでの左右フックと攻勢に出る。しかし、TSUBASAの右カーフで足が上がる。TSUBASAは左右連打の猛攻で序盤の劣勢を取り返しに行き、酒井もこれに打ち合うがTSUBASAのパンチが的確に酒井を捉える。両者最後まで激しい打ち合いを展開し、終了ゴングが鳴ると大きな拍手。両者グローブタッチで健闘を称え合う。  判定2-0でTSUBASAが勝利の雄叫びをあげた。 [nextpage] ▼第2試合 ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1R○ERIKO(TKDJ市川式/同級6位)=48.75kg判定3-0 ※30-28×3×永尾音波(AACC)=48.95kg  1R、一気に前へ出ようとしたERIKOを永尾が蹴りでストップ。蹴りからパンチにつなぐ永尾のパワフルな攻撃にどよめきが起こり、永尾は回り込みながら攻撃を仕掛けていく。しかし中盤を過ぎるとERIKOの圧力がきき始め、ERIKOのパンチが永尾を捉え始める。ローブローで一時中断。再開後、永尾は再び蹴りでペースをつかんでいく。  2R、永尾は左右ミドルとハイキック、右フックも入るがERIKOは下がらず前へ出てパンチを放っていく。永尾がバッティングを受けて中断。再開後、永尾はミドルと前蹴りで突き放すがERIKOはどんどん前へ出てパンチを放つ。その圧力に押される永尾は左フックを返す。下がらないERIKOに永尾は消耗。  3R、永尾も手を出すがERIKOがどんどん前へ出てワンツー、左フック&右ストレートをヒットさせていく。必死に応戦する永尾だがERIKOの手数と圧力にかなりの疲労が見える。ERIKOがパンチとヒザ蹴り、左右ボディブローで永尾を追い込み、判定3-0でMMAからの挑戦者を撃退した。 [nextpage] ▼第1試合 フライ級(-52kg)3分3R延長1R×エミNFC(ナゴヤファイトクラブ)=51.8kg判定0-3 ※26-30×3○山本知美(FAITH/同級6位)=51.8kg  1R、山本はステップで動きながら右ローを狙い撃ち。エミはそれを追っていく形だが、なかなか捉えきれない。中盤を過ぎると山本も右ストレートを打ち始め、エミとパンチを交錯させる。クリンチからの離れ際に右を打ち込む山本。  2Rも右ローをしっかり当てていく山本だが、このラウンドは右ストレート、右フックも多用。エミは打ち合いにいくが山本の右をもらって仰け反る。ワンキャッチからのヒザはエミが主導権を握る。  3R、エミが左右フックでどんどん前へ出て山本を下がらせるが、打ち合いで右をしっかり当てていくのは山本。エミの左右フックでコーナーへ詰められるも右ストレートで反撃し、右を連続ヒットさせてスタンディングダウンを奪う。エミは鼻から流血。エミはそれでも前へ出て行くが、大差の判定で山本が勝利を収めた。
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