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【Bellator】女子フライ級王座戦、渡辺破ったカモーシェがヴェラスケスにTKO勝ちで新王者に。バンタム級ワールドGPワイルドカードはバルゾラがミハイロフに判定勝ち、堀口と同門ATTサバテーロが無敗ルゴをドミネート!

2022/04/23 10:04
Bellator 278: Velasquez vs. Carmouche 試合リポート 米国ハワイ州ホノルル ニールSブレイズデール・センターU-NEXT配信 ▼Bellator世界女子フライ級選手権試合 5分5R×ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)王者[4R 4分47秒 TKO] ※パウンド〇リズ・カモーシェ(米国)挑戦者※カモーシェが新王者に  王者のヴェラスケスは、2010年柔道PJCワールドカップ70kg級5位入賞など、柔道ブラジル代表として活躍。2014年のプロMMAデビューからMMA11戦無敗で、Bellatorでも6戦全勝。  2020年12月に前王者のイリマレイ・マクファーレンに判定勝利し、王座を獲得した。2021年7月の前戦ではデニス・キーホルツの挑戦をスプリット判定で退けている。  カモーシェは、米国ルイジアナ州ラファイエットで生まれた後、海兵隊員だった父親の仕事の都合で幼少期に日本の沖縄県で過ごし、沖縄クリスチャンスクールインターナショナルを卒業。20歳の時に自身も海兵隊に入隊し、航空電気技師として5年間任期を務めた経験を持つ。  2010年3月のプロデビューから11年間で15勝7敗。マルース・クーネンが持つStrikeforce女子ウェルター級王座、ロンダ・ラウジーが持つUFC世界女子バンタム級王座、ヴァレンティーナ・シェフチェンコが持つUFC世界女子フライ級王座に挑戦も、戴冠ならず。  無冠のウェルラウンダーとして2020年9月にBellator参戦。ディアナ・ベネットを3R、リアネイキドチョークで極め、2021年4月にはヴァネッサ・ポルトを判定3-0で下している。同年6月に日本の渡辺華奈と対戦し、打撃で寄せ付けず、1R TKO勝ち。渡辺に初黒星をつけている。  1R、ともにサウスポー構え。先に詰めるカモーシェはスイッチ、ヴェラスケスは長い左を突いて押し返す。  オーソドックス構えになるカモーシェは右インローからスーパーマンパンチで飛び込む。遠間から左ストレートを見せて、ボディストレートを当てるヴェラスケス。カモーシェの右にアゴが上がるヴェラスケス。さらに右インローをダブルで突く。右から左はヴェラスケス! 左が当たる。  サウスポー構えになり右ボディストレートを打つカモーシェ。サークリングするヴェラスケスはインロー。カモーシェは左アウトサイドローを当てる。左の前蹴りで出るヴェラスケスに右で差して押し込むカモーシェ。ゴング。  2R、詰めるカモーシェに、右を見せてから左ストレートでダウンを奪うヴェラスケス! 落ち着いて深追いせず、立ち上がるカモーシェは、ダブルレッグテイクダウン! 両足を束ねて引き出すカモーシェ。金網に上体を立てるヴェラスケス。  右で差して、ヴェラスケスの右手を固定して、後ろ手で縛るカモーシェ。しかしクラッチを解除して、立ち上がるヴェラスケス。しかし金網背にしたカモーシェが右で差して体を入れ変える。ここはヴェラスケスも右四つで入れ替え、ボディロック&小外がけでテイクダウン! カモーシェは残り5秒をガードで凌ぐ。  3R、右ミドルを突くカモーシェに左ボディストレートはヴェラスケス。左右のカモーシェの左右をスウェイでかわしていく。  左ストレートで前に出るカモーシェ。ヴェラスケスは右の蹴り足をキャッチして左を伸ばす。懐が深くワンツーの右が長いヴェラスケス。そこにカモーシェはインローを当てる。制空圏を支配し始めたヴェラスケスに手数が減るカモーシェは低いダブルレッグテイクダウン! クローズドガードのヴェラスケスは頭を下げさせて下から頭にヒジ!  胸に頭をつけていたカモーシェだが、残り10秒の拍子木に中腰になりパウンドもゴング。  4R、ヴェラスケスのワンツーの左にバランスを崩したカモーシェ。すぐに立ち上がり四つ組み。左で小手に巻いての払い腰を狙う柔道ベースのヴェラスケス。そこを残すカモーシェは離れて前蹴り。右インロー。  しかしヴェラスケスのワンツーの左がヒット。前に出たカモーシェは左右を振るが、右にサークリングするヴェラスケス。追って組むカモーシェに四つから体を入れ替えるが、ここはカモーシェが小外がけテイクダウン!  残り30秒。千載一遇のチャンスに、右腕を押さえてパウンド連打! 動けないヴェラスケスに左ヒジ・パウンド。カモーシェのホームの場内は大歓声。レフェリーが早めにストップ。ヴェラスケスはすぐに上体を立てて、不服を訴えた。  動けず効果的なディフェンスが出来なかったヴェラスケスだが決定打は受けず。巧みに腕を殺しパウンドラッシュしたカモーシェは、「レフェリーが止めなかったらもっと打つだけだった」と語った。 [nextpage] ▼Bellatorバンタム級ワールドGPワイルドカード戦 140ポンド契約 5分3R〇エンリケ・バルゾラ(ペルー)[判定3-0] ※30-27×3×ニキータ・ミハイロフ(ロシア) 「バンタム級GPワイルドカード」として、元UFCで1月にダリオン・コールドウェルにTKO勝ちしたエンリケ・バルゾラ(ペルー)が、MMA9勝1敗のニキータ・ミハイロフ(ロシア)と対戦。ミハイロフは緊急参戦のため140ポンド契約となる。  1R、ともにオーソドックス構え。跳びヒザから組んだミハイロフがシングルレッグからリフトして先にテイクダウンも立ち上がるバルゾラに深追いはせず。  今度は先にバルゾラが圧力をかけると、ミハイロフはバックフィスト。かわすバルゾラはスイッチ、ワンツーの右を当てて、ミハイロフのタックルを見越して切る。  右の後ろ廻し蹴りはミハイロフ! 左で差して組むバルゾラも切るミハイロフ。組んでリフトしテイクダウンを狙うバルゾラに、凌いで着地するも倒れたミハイロフ。  バルゾラのパウンドに下から足を手繰り立ち上がるミハイロフ。シングルレッグもスイッチ上を取るのはバルゾラ! ニアマウントでパウンド。ミハイロフは一瞬背中を見せて正対もバルゾラはついていきパウンドでゴング。  2R、圧力をかけるバルゾラ。1Rのように金網を背にしたくないミハイロフだが、下がりながらのシングルレッグは足を飛ばして切るバルゾラが、座るミハイロフにヒザ。さらに両足を引き出して背中を着かせる。  左で差すバルゾラは亀になるミハイロフにリアネイキドチョーク狙い。右手を巻かれながらも、後ろ手は組ませないミハイロフに、がぶりに変えるバルゾラはダースチョーク狙い。亀になるミハイロフのマウント狙いも、スクランブルで立つミハイロフはスタンドバックからスープレックス! しかしすぐに立ち上がるバルゾラはボディロックテイクダウン! パウンドでゴング。  3R、行かないと勝てないミハイロフが前に。バックフィストはバルゾラがかわす。ミハイロフはダブルレッグからシングルレッグ&小内刈テイクダウン! ここですぐにスクランブルで立つバルゾラ。ミハイロフの手繰りをがぶるが、そこにミハイロフは下から持ち上げ後方に投げるが、すぐに身体を切り返したバルゾラが上に。  金網背に座るミハイロフにヒザ蹴り。手繰りにきたミハイロフのバックを奪い、みたびリアネイキドチョーク狙い。腰をずらすミハイロフは亀から立ち上がり。バックにつくバルゾラは正対してきたところをダブルレッグテイクダウン! ミハイロフの蹴り上げをさばきゴング。  ゴングに両者立ち上がり手を合わせるが、ミハイロフはすぐに座り込んでしまうほど疲労困憊。  判定は3-0(30-27×3)のフルマークでバルゾラが勝利。AKAのバルゾラは、ハビエ・メンデスとハグ。6月のマゴメド・マゴメドフとのGP本線に駒を進めた。 [nextpage] ▼Bellatorバンタム級ワールドGPワイルドカード戦 5分3R〇ダニー・サバテーロ(米国)[判定3-0] ※30-26×3×ジョーネル・ルゴ(米国)  堀口恭司と同門のATTで、UFCで勝ち越していたブレット・ジョンズに5月に判定勝ちしたダニー・サバテーロ(米国)が、8戦無敗のジョネル・ルゴ(米国)と対戦する。サバテーロのコーナーマンはマイク・ブラウン。  1R、オーソドックス構えのサバテーロはシングルレッグ。切るルゴになおも詰めて組むサバテーロはテイクダウンも、ルゴはすぐに脇を差して立ち上がる。  スイッチをするルゴの組みをがぶりスタンドバックを狙うサバテーロ。スクランブルから立とうとするルゴを寝かせる。ハーフのルゴは背中を見せて立とうとするが、ついて行くサバテーロ。背中は譲らず正対してガードのルゴ。  ハーフからパス際に足を戻すルゴ。それを少し持ち上げ背中を叩きつけるサバテーロ。左右のパウンド。右で枕に抱いて寝かせると、ルゴは股下に潜りを狙うが、ヒジで剥がそうとするサバテーロ。半身になるルゴにヒジを落とす。サバテーロのラウンドに。  2R、右ハイを見せるサバテーロ。ルゴは右のその場跳びヒザ。かわすサバテーロはダブルレッグテイクダウン。背中を着くルゴはハーフ。左で差してスイープを狙うが、そこに右ヒジを落とすサバテーロ。  ニアマウントも、足を戻すルゴが上体を立てると、斜めからリアネイキドチョーク狙いのサバテーロ。ここは極めさせないルゴだが防戦一方に。さらに左脇に頭を入れ肩固め! 上のサバテーロは出血するも、バックマウントで観客にアピール。背後からパウンドを連打! 正対するルゴはフルガードに入れるが金網に頭が詰まる。ここもサバテーロのラウンド。  3R、ダブルレッグのフェイクから何度もトライして金網に詰めて、開始30秒でテイクダウンを奪うサバテーロ。クローズドガードのルゴ。トップキープが強いサバテーロに足を跳ね上げるルゴがスイープ! 立ち上がるがすぐに右で差して崩してテイクダウンを奪うサバテーロ。  またも背中を着けさせ、肩パンチを当てるサバテーロ。クローズドガードで抱き着くルゴを少し持ち上げ叩きつけるサバテーロ。細かいパウンドを打つと右足を抜く。ルゴがフルガードに戻してゴング。このラウンドもサバテーロが制した。  互いに舌戦を繰り広げてきた両者も最後はハグ。判定は3-0(30-26×3)と大差でサバテーロが勝利。無敗のルゴを完封したサバテーロがGPワイルドカードを勝ち上がり、6月のレアンドロ・イーゴ戦に駒を進めた。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R〇グラント・ニール(米国)[判定3-0] ※30-27×3×クリスチャン・エドワーズ(米国)  ライトヘビー級9位のグラント・ニール(6勝1敗)vs.クリスチャン・エドワード (5勝1敗) 。2021年9月にアレックス・ポリッツイにスプリット判定で敗れ、6連勝で止まったニールと、9月にベン・パリッシュに1R TKO負けで5連勝で止まったエドワード。互いに再起戦。ニールが勢いで勝るか、エドワードがジャクソンウィンクMMAの作戦と身長12cm差を活かしてフィニッシュするか。  1R、長身のエドワーズは右ハイで牽制。しかしニールも左フックで迎撃。左右を振る。ワンツーから左ハイを鼻先にかすめる。右回りで避けるニールは残り10秒でダブルレッグテイクダウン。座るエドワーズ、ゴング。  2R、右、左ボディで飛び込むニール。蹴りで押し戻すエドワーズはハイも遠い。詰まるエドワーズにカウンターのダブルレッグテイクダウンはニール。残り2分。ハーフから腰を抱くニールだが、エドワーズは金網まで這う。  下の腕を背中越しにリストコントロールして、立たせず右でパウンドするニール! 外して正対するエドワーズはクローズドガードに入れるも下に。互いに上下で拳を振る。  3R、早々にダブルレッグテイクダウンはニール。何とか金網まで這った立つエドワーズをハイクロッチで持ち上げテイクダウン! しかしここもすぐに立つエドワーズは歩いて金網へ。アームロック狙いも、正対したところにニールはシングルレッグテイクダウン! ハーフガードのエドワーズが背中を着けると上のニールは腹にヒジ、パウンド。  判定は3-0(30-27×3)でニールが勝利。再起を飾り戦績を7勝1敗とした。 [nextpage] ▼160ポンド契約 5分3R〇マニー・ムロ(米国)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ネイト・アンドリュース(米国)  前戦でハビブ・ヌルマゴメドフの従兄弟ウスマンに1R TKO負けまで3連勝と好調だったムロ。両者は2016年に対戦しアンドリュースが勝利している。ドウェイン・ラドウィッグに師事するアンドリュースはサウスポー構えからスイッチも。  1R、ムロは組んでボディロックから足をかけテイクダウン狙い。切るアンドリュースになおも左で差して押し込み。脇を潜りスタンドバックで背後から外足をかけてテイクダウン! 上体を金網に立てるアンドリュース。ムロは、引き出し、背中を着かせるがパウンドも打てない。  2R、先に組むのはアンドリュース。右手を両手でリストコントロールするが、外して正対するムロは、ダブルレッグへ。足を広げて金網背に凌ぐアンドリュース。小外がけで引き出し崩すも戻して離れるアンドリュース。疲労が見えるムロに前蹴りを腹に突くアンドリュースはムロの組みにダースチョークを合わせるもゴング。  3R、右を振って右で差して組んでスタンドバックにつき、右腕をリストコントロール。正対際にダースチョークを狙うアンドリュース。しかしセットさせないムロが突き放して左右からダブルレッグテイクダウン。引き出して背中を着かせると、アンドリュースは下から腕を掴み、後方に流そうと三角絞め狙い。  それをさせないムロ。アンドリュースはスイッチ狙いもさせないムロは両足を束ねて背中を着かせて頭をアゴ下につけてパウンドでゴング。判定は2-1で割れ、ムロが勝利。リヴェンジを果たした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ウェバー・アルメイダ(ブラジル)[1R 3分01秒 TKO]×ファブリシオ・フランコ(ブラジル)  四つからフランコのヒザがローブローになり中断、再開。左右で詰めるアルメイダ。右ミドル、左インローをヒットさせるがローブローのコール。リプレイでは左内腿に入っているが……そのまま試合続行不可能。「正当な打撃」とコールされ、アルメイダのTKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ダンテ・シーロ(米国)[3R 1分03秒 TKO] ※パウンド×スコッティ・ハオ(米国)  1R、ハオの左右に四つに組んだシーロ。両脇を差すシーロにボディロックしたハオがテイクダウン狙い。シーロは首相撲ヒザ。組んでギロチンへ。首を抜き離れたハオ。パンチで詰めるハオはダブルレッグ。シーロは首を抱えるもゴング。  2R。先に圧力をかけるハオ。距離を詰めてダブルレッグに入るが、シーロはスタンドのマルセロチン。それを嫌ったハオは後ろを向き下でハーフに。ダースチョークを狙うシーロは首を外してヒジ。さらにダースチョークを絞めて、パウンド、ハオはダメージが大きい。  3R、動きが緩慢なハオ。シーロは右の跳びヒザ、前蹴り! さらにワンツー。下になるハオは足を抱えるが、シーロは中腰からパウンド。ようやくレフェリーが試合を止めた。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ブレイク・ペリー(米国)[2R 4分14秒 アナコンダチョーク]×マコア・クーパー(米国)  1R、ともにオーソドックス構え。ダブルレッグに入るペリーを切るマコア。柔術紫帯のペリーは引き込み。上のマコアはペリーの三角、腕十字をすぐに察知しハーフから脇差し、ヒジ。右にパス! 亀になるクーパーにサイドバックからヒジ。仰向けになるクーパーにアメリカーナを狙う。腕を外すクーパーは足を効かせるが、ニアマウントのマコアは上からヒジ。  2R、左右で詰めるペリーに、先にダブルレッグテイクダウン。すぐにパスすると左手をヒザで押さえ、ヒジ&パウンド。出血するペリーは立ち上がるが、マコアが首相撲ヒザ! 引き込むペリーは潜りを試みると、スクランブルからシングルレッグのマコアにギロチンチョークから、アナコンダチョークで後転させて、上を取り返したところで絞めてタップを奪った。
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