何度もため息をつきながら、時には天井を見上げていた矢地だが、最後は前向きなコメントも
2022年4月16日(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナで開催された『SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd』のメインイベントで、ルイス・グスタボ(ブラジル)にリベンジマッチを挑むも2R3分14秒、TKOに敗れた矢地祐介(フリー)が試合後インタビューに答えた。
矢地は何度もため息をつき、自分にガッカリした、今は何も考えられないと言いながらも、最後にはまた前向きに頑張ると笑顔を見せた。
今は何も先が見えない状態
「言葉が出ないと言うか…本当に悔しいですね。今回はしっかり負けてしまったので。ずっと課題としていた部分も試合で土壇場で出てしまっての結果なので。もっともっとやれると思っていたし、本当に悔しいですね。虚無感と言うか、“マジか”っていう感じです」
――課題としていた部分とは?
「もう皆さん知っていると思いますが、プレッシャーをガンガンかけてきた相手に頭を下げてパンチを振っちゃうっていうのをずっと課題としてやってきたんですけれど、今日の序盤も出てしまった。ある程度修正しかけていたんですけれど、やっぱり最後もああいう形で詰められて、上体が上がってパンチをもらうという。前より良くなったにしろそこが仇となったなというか。自分に残念な気持ちでいっぱいです」
「前回に関してはお話にならなかったので、今回はしっかり試合っぽくなっていたというか。紙一重だったかなとも思うけれど、全てで上回れていた感じがして。組みにも行けなかったし、組みにも対処が早くて、そもそも組ませてもらえないというか。なんか徹底してやりたいことをやらせてもらえず、完敗だったので。強くなっているなというか、いいところを残しつつ強くなっているなって思いましたね」
――試合前にはvs世界を意識していると話していた。
「そこに関して自分自身が本当にガッカリで、もっとやれると思っていたし、今回の試合はしっかり勝って、矢地やるじゃん、矢地地力強いなって思わせたかったけれど見事にやられたので悔しいですね」
「マジで何も考えられてなくて。本当にどうしようって感じ。裏でさっき金原(正徳)さんに『やるしかないんだよ』って怒られましたけれど今は何も見えない状態ですね。久々の感覚というか、完敗です」
――序盤の展開で自分の思い通りに進んでいたのはどれくらいまでだった?
「結果的に後手になってしまって見すぎた。相手がどんどん…最初カッコ悪く攻撃を受けてしまっていたんですけれど、自分のジャブとかはしっかり刺せていて。相手の顏が腫れて鼻血が出たりとか被弾しているのは分かっていたし、圧倒的に俺よりも消耗してきているのは分かっていたので、そこは唯一、最低限のラインは不格好ながら守れていたのかな。でもそこで見すぎてしまいましたね。後手になりすぎました」
――ハイキックからの連続攻撃で最終的に畳みかけられてしまった。あのハイキックは見えなかった?
「いや、ハイキックは見えていたんですけれど、出力が高い蹴りだったのであそこで上体が上がらずにしっかり受けるなり捌くなりするイメージでいたんですけれど、やっぱりそこで上体を上げられてしまって。その後のパンチの追撃でって流れだったと思うので、効いたりはしていないですけれど上手くやられたな、と。別に蹴りで相手は効かせようと思っていなくて、俺の上体を上げるために蹴っていたと思います。だから見事にやりたいことをやらせてしまったな、という感じですかね」
――それでも外国人選手に今日の試合の中で通用すると思えた部分はなかった?
「いや、全くない。正直組みに行きたかったんですが、そこに関しても中途半端になってしまったし。技術というよりも気持ちの面で後手になってしまったのかな。でもやっていることは間違っていないと思うので、この感じでどんどん強くなっていきたいと思います」
――思ったよりも組んでいなかったのは組めなかったのか、タイミングを計っていたのか。
「プランでは下がっている時に無理に組みに行くと気持ちも動きも後手になってしまうので、下がらされてしまった時は体勢を崩さず構えてジャブを打つ、当たったら回る、みたいなプランで。俺のプレッシャーを感じてくれたら組みに行く、プレッシャーを背負わせたら組みに行くというのを徹底しようとしていたんですが、その背負わす展開になかなかなれなかったのが一番大きい。そういう面でも後手になってしまって、相手にプレッシャーをかけさせてしまったので、そこが全部よくなかったのかなと思っています」
「正直、久々の感覚で。あ、世界ってこんなかっていう。もっとやれると思っていたので。大昔に海外である選手に負けてしまったんですがその時の感覚に似ていますね。あ、何も出来ないじゃん、俺っていう。だから壁は感じましたね。自分が負けた相手にこんなことを言うのは何ですが、グスタボ選手は世界トップの選手ではないので、これから駆け上がっていくのかもしれないですけれど現状ああいう立ち位置の選手にこんな負け方をしてしまったというので、本当に悔しいし壁を感じてしまいましたね」
――ボディロックから倒されなかった、左ハイから左の追い突きははっとさせられるようないい攻撃だった。
「ありがとうございます(笑)。いろいろ上手くいった分、理想が高かったかもしれないですね。今言ってもらったようなところをしっかり試合を見返して、いいところは伸ばして、希望を捨てずにやりたいと思います。前向きに頑張ります」