2022年4月22日(金)にシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Championship「ONE: Eersel vs. Sadikovic」の全対戦カードが発表された。
メインとコメインにキックボクシングとムエタイの世界王座戦が2試合組まれた同大会に、日本から今成正和(vs.マイキー・ムスメシ)のグラップリングマッチに加え、MMAで新たに猿田洋祐(和術慧舟會HEARTS)、川原波輝(Team Alpha male)、三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA)の出場が決定した。
また、ONEストロー級(※56.7kg)で、MMA8k勝無敗のボカン・マスンヤネ(南アフリカ)と、5連勝中の元UFCジャレッド・ブルックス(米国)による王座挑戦者決定戦が組まれた。
▼ONEライト級(※77.1kg)キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5Rレギン・アーセル(オランダ)アドリアン・サディコビッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
ライト級キックボクシング世界王座4度目の防衛戦に臨むアーセル(オランダ)は2016年5月のジョー・ナタワット戦から18連勝中。ONEでは3度の王座防衛に成功している。2021年12月の前戦ではイスラム・ムルタザエフ(ロシア)にスプリット判定で勝利している。
対するサディコビッチは、GLORYで1勝1敗。2021年12月にONEデビューし、いきなり前タイトル挑戦者のムスタファ・ハイダを判定で破り、王座挑戦権を手にした。
▼ONE女子ストロー級(※56.7kg)ムエタイ世界王座決定戦 3分5Rスミラ・サンデル(スウェーデン)ジャッキー・ブンタン(米国)
女子ストロー級ムエタイでは、ONE2戦目のサンデルがいきなり王座決定戦に出場。ONE3連勝中のブンタンと王座を争う。サンデルは2月の前戦で豪州のディアンドラ・マーティンを相手に、173cmの長身を活かし、首相撲ヒジ&ヒザを効かせ、最後は鋭い左ボディで3R KO勝ち。
対するブンタンは、アトム級キックボクシング世界王者のジャネット・トッドの練習パートナーで、2021年2月にはスタンプ・フェアテックスと同門のワンダーガールと対戦し、左フックでダウンを奪って勝利。4月のシンガポール大会でもエカテリーナ・バンダリーヴァに判定勝ちして3連勝中だ。
▼ONEストロー級(※56.7kg)王座挑戦者決定戦 5分3Rボカン・マスンヤネ(南アフリカ)ジャレッド・ブルックス(米国)
元フリースタイルレスリング南アフリカ王者のマスンヤネは、2019年7月にPANCRASEで豪快なバックス―プレックスを見せて快勝し、12月のONEデビュー戦で田龍人を相手に、手堅いコントロールで初勝利。2020年12月の前戦では、レネ・カタランを相手に左ハイキックでKO勝利。タイトルコンテンダーに名乗りを挙げていた。
対する元UFCのブルックスもレスリング出身。高校時代にシニアシーズンでインディアナ州選手権を獲得。35勝無敗のレコードを持つ。マスンヤネ同様にPANCRASE、RIZIN&Bellatorと日本マットでも活躍。越智晴雄をドミネートするなど強いケージレスリングを武器とする。UFCでもフライ級(56.7kg)で2勝2敗の戦績をマーク。2021年10月にONEデビューし、リト・アディワンに2R 肩固めで一本勝ち。2022年1月に箕輪ひろばをスタンド、組みでも圧倒し、判定勝ちを収めている。
ケージMMAのなかで、互いに強みのレスリングを活かして優位に立つのはマスンヤネかブルックスか。ストロー級王者ジョシュア・パシオへの挑戦権を賭けた戦いとなる。
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猿田洋祐、川原波輝、三浦彩佳が再起戦
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R川原波輝(日本)ダニエル・ウィリアムス(豪州)
マスンヤネvs.ブルックスと同じストロー級で川原波輝と猿田洋祐の日本人2選手が参戦。元DEEP同級王者の川原は、伝統派空手出身。2020年8月に越智晴雄をリアネイキドチョークで極め、DEEPのベルトを巻くと、2021年1月に欠場いsたハシガトゥの代役として、試合9日前のオファーを受けて緊急参戦。リト・アディワンに2R KO負けを喫した。チーム・アルファメールでは田中路教ともトレーニングし、1年3カ月ぶりのONE2戦目に臨む。
対する豪州のウィリアムスは、2021年4月のロッタン・ジットムアンノンとのOFGのムエタイ戦でONEデビュー。判定まで持ち込むもダウンを奪われ敗れている。
これまで3度の来日経験があり、2013年7月に『RISE』でDyki(宮城大樹)と対戦して判定負け。この試合がDykiにとって最後の試合となった。2度目の来日は2015年4月のK-1で、-55kg初代王座決定トーナメントに出場すると1回戦で瀧谷渉太に判定負け。3度目の来日は同年9月で、武尊への挑戦権を懸けた試合でチャールズ・ボンジョバーニに初回KO負けを喫している。また、2014年12月には日本でもお馴染みのアンディ・ハウソンに判定2-1で勝利し、Caged Muay Thaiスーパー・バンタム級王座を獲得。左ミドルとヒザ蹴りを得意とするムエタイスタイルのファイターだ。
MMAでは4勝1敗。2022年2月の前戦では、デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョークを相手に飛び込んでの垂直ヒジを見せるなど打撃で退かず。右のカーフ、ボディ打ちを効かせて、2R KO勝ちをマークしている。
ストライカー対決でデェダムロンの組みは切ったウィリアムス。強い右ミドルと、近い距離での打ち合いも辞さず、ヒジも脅威だ。しかし、唯一のMMA敗戦となる2018年10月のポール・ローガ戦では、間合いを詰めるローガに全ラウンドでテイクダウン&バックを奪われ判定負けも喫している。
距離をコントロールし出入りの打撃を武器とする川原にとって、ローガンのカーフキックに注意し、ウィリアムスの首相撲ヒジに対し、テイクダウンを混ぜて戦いたいONE2戦目だ。
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R猿田洋祐(日本)グスタボ・バラート(キューバ)
元修斗世界ストロー級王者の猿田洋祐が、前戦で澤田龍人を判定で降した元五輪グレコレスラーのグスタボ・バラートと対戦する。 もともと2月の「ONE: BAD BLOOD」で対戦が予定されていたが、猿田が新型コロナウイルス陽性となったため、直前に試合はキャンセルされていた。
2018年12月からONEに参戦した猿田は、いきなり元ONE世界ストロー級王者アレックス・シウバを判定で破ると、2019年1月に王者パシオと初対戦。猿田がスプリット判定で勝利、ONE世界ストロー級王座を獲得した。
しかし、3カ月後の2019年4月のダイレクトリマッチで、パシオに4R KO負けで王座陥落。その後、2019年10月にPANCRASE王者・北方大地に2R TKO勝ち。2020年9月に内藤のび太に判定勝ちで2連勝。2021年9月の前戦でパシオとの3度目の対戦に臨んだ。
右ローを当てたところにカウンターの右ストレートを浴びた猿田が背中を見せてふりむきざまに右バックフィストも、そこに左フックを合わせたパシオに猿田はダウン。1R TKO負けを喫している。
対するバラートは、2012年のロンドン五輪グレコローマンレスリング55kg級準々決勝進出、パンアメリカン・グレコローマン・レスリング3度王者。ONE参戦後、和田竜光、チャン・ロタナ、ロビン・カタランと強豪相手に3連敗を喫したものの、2021年7月の前戦で澤田龍人を組み・打撃ともにドミネート。判定勝ちでONE初白星を挙げている。
自身より身長で10cm低く右足前に構えるバラートを相手に、猿田はいかに相手のオーバーハンドをもらわず、上下で出入りの打撃を入れることが出来るか。グレコ出身のバラートに対し、いい組み手を取らせず、どのタイミングで組むかも注目のストロー級戦だ。
▼ONE女子ストロー級(※56.7kg)5分3R三浦彩佳(日本)ダヤン・ソウザ(ブラジル)
三浦は、世界王座挑戦での敗北からの再起戦。2022年1月にONE世界女子ストロー級王者ション・ジンナンに挑戦した三浦は、スタンドでジャブ、前蹴り、後ろ蹴りで距離を取られ、得意の組み手を作ることが出来ず。ダブルレッグも切られ、ポイントアウトされて戴冠ならず。3カ月ぶりにサークルケージに戻る。
対する“モンスター”の異名を持つソウザは、MMA8勝1敗1分。5連勝中でONEデビュー戦に臨む。2021年7月の前戦では、LFAブラジル大会でボディロックテイクダウンから相手の立ち上がり際にリアネイキドチョークを極めている。
ローキックによるKO勝ち、キーロックでの一本勝ちもマークしているソウザは、オーソドックス構えからの前手の左フックを武器に畳みかける強さも持つが、小外でのテイクダウンを許す場面も見せている。足技が効く三浦にとって課題の打撃で遅れを取らず、組みで勝機を掴めるか。
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「ONE: Eersel vs. Sadikovic」全カード
【メインカード】
▼ONEライト級(※77.1kg)キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5Rレギン・アーセル(オランダ)王者アドリアン・サディコビッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)挑戦者
▼ONE女子ストロー級(※56.7kg)ムエタイ世界王座決定戦 3分5Rスミラ・サンデル(スウェーデン)ジャッキー・ブンタン(米国)
▼ONEストロー級(※56.7kg)王座挑戦者決定戦 5分3Rボカン・マスンヤネ(南アフリカ)ジャレッド・ブルックス(米国)
▼ONEムエタイ バンタム級(※65.8kg)5分3Rリアム・ハリソン(英国)ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
▼ONEヘビー級(※120.2kg)5分3Rマーカス・アルメイダ(ブラジル)オマール・ケイン(セネガル)
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R川原波輝(日本)ダニエル・ウィリアムス(豪州)
【リードカード】※10試合
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R猿田洋祐(日本)グスタボ・バラート(キューバ)
▼ONEキックボクシング ライトヘビー級(※102.1kg)3分3Rアンドレイ・ストイカ(ルーマニア)ヤニス・ストフォリディス(ギリシャ)
▼ONEムエタイ 女子アトム級(※52.2kg)3分3Rアニッサ・メクセン(フランス)マリー・ルーメット(エストニア)
▼ONEフライ級(※61.2kg)5分3Rウィンドソン・ラモス(ブラジル)ウ・ソンフン(韓国)
▼ONEバンタム級(※65.8kg)5分3Rチェン・ルイ(中国)ソン・ミンジョン(韓国)
▼ONE女子ストロー級(※56.7kg)5分3R三浦彩佳(日本)ダヤン・ソウザ(ブラジル)
▼ONEライト級(※77.1kg)5分3Rアブラーオ・アモリム(ブラジル)パク・デソン(韓国)
▼ONEウェルター級(※83.9kg)5分3Rアギラン・ターニ(マレーシア)ジン・テホ(韓国)
▼サブミッショングラップリング キャッチウェイト 65kg今成正和(日本)マイキー・ムスメシ(米国)
▼ONEフェザー級(※70.3kg)5分3Rキアヌ・スッバ(マレーシア)ジェームス・ヤン(米国)