2022年4月10日(日)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2022 act.2』のメインイベントで、SB日本ライト級タイトルマッチとして挑戦者に笠原弘希(シーザージム)迎えて初防衛戦を行う王者・西岡蓮太(龍生塾)のインタビューが、主催者を通じて届いた。
左手首の負傷で長期戦線離脱し、今回が復帰第一戦となるが、現在6連勝と勢いに乗る笠原が相手であっても自信を見せている。西岡の進化した姿が見られるのか。
左が当たれば間違いなく倒れるでしょうね
――怪我による長期欠場で2020年10月の原口健飛戦以来、約1年5カ月ぶりの試合が決まりました。
「僕が休んでいた期間、周りの練習仲間が試合をしていたのをずっと見ていたので、身体が凄くウズウズしていて早く試合がしたい気持ちとは裏腹に、左手首の痛みで余計にフラストレーションがたまっていたのですが、やっと爆発できる時が来ました」
――左手首の怪我はどういう症状だったのですか?
「突き上げ症候群とTFCC(三角線維軟骨複合体)損傷の2つが発症していて、手首の骨と前腕の骨がぶつかりあい、軟骨を痛めてすり減ったり、関節が炎症をおこして起こるものなんです。高校2~3年ぐらいから痛くて、ずっと注射して痛みを紛らわしていたのですが、最後の方は注射が効かなくなり、一昨年に2回手術しました」
――いつぐらいから試合に支障がありました?
「2020年2月の無法島GP初代KNOCK OUT64kgトーナメントでは一回戦の小川翔戦から左手首は潰れていました。痛すぎて左手には力が入らなく拳を握れなかったのですが、やるしかないなという感じで試合に臨んでいました」
――そういうハンデがあった中でも1日3試合のワンデートーナメントを制覇したと。もう再発はしないんですか?
「殴りまくったらその可能性はあるかもしれませんが、他の選手もどこかしら故障箇所を抱えていると思うので、例え再発したとしても自分はこれを抱えながらもやり続けるのみです」
――練習はいつから本格的に再開されたのでしょう?
「右手は使えていたので龍生塾でミット打ちはずっとやっていましたが、チーム吉鷹での練習は1年ぶりに2月から始めました。その前から、今まで全くやってこなかったフィジカルトレーニングや、SBに何か取り入れられるものはないかなと元々やっていた極真空手の道場に見学に行き、色んなエッセンスを取り入れて全てを改造してきました。今まで左でダウンを奪ったり、KOすることが多く、右で倒せることはなかったのですが、この期間でちょうど右も鍛えられたので良かったです」
――今、左はもう完治している状態なんですか?
「そうですね。思いっきり殴れますし左で殴ることに怖さはありません。ちなみに吉鷹(弘)先生からは『お前、休んでいた方が強くなっているんちゃうか?』と言われましたね(笑)。『僕、休んでないですよ』とは言いましたけど。チーム吉鷹では上の階級の選手とバチバチやり合うことが多いので、左がある程度使えてやり合える状態になったら行こうと思ってチーム吉鷹には行ってないだけなんです。元々、2月大会でオファーがあり、その時は断りましたけど、2月ぐらいからちょうど殴れるようになり復活しました」
――復帰初戦でタイトルマッチ、挑戦者は現在6連勝中の笠原弘希選手になりました。復帰戦にふさわしい相手と戦ってご自身の状態を見てタイトルマッチに臨みたかったというのはないのでしょうか。
「笠原選手は結構いい選手を倒してきていて、復帰戦で美味しい相手を用意していただけたなと。逆に笠原選手は僕の復帰戦の様子を見ないでやるのは大丈夫かなと心配しています。1回、今の僕の状態を見てからタイトルマッチに臨んだ方が良かったんじゃないですか?」
――それぐらい自信もあると。
「今の僕は、1年5カ月前の僕と比べると全然違いますよ。この期間にどれだけイライラしていたと思っているんですか(笑)。だからこそ、その時にできることに余計身が入った練習ができましたね」
――笠原選手についてはどういう印象がありますか?
「YouTubeで最近の試合を見られるのでずっと見ていました。気持ちが強く、ザ・シーザージムというファイトスタイルですよね。攻撃面に関しては、特に危ないものはないかなと思います。ボディブローは得意なようですが、当たる人には当たるでしょうけど、僕には当たらないと思います」
――元々は下の階級の選手でしたが、いつかやるんじゃないかと意識はしてました?
「以前から笠原選手はSBを背負っている感じが伝わってきていて、僕もSBの代表的な選手になりたいと思っていたので、そういう意味ではずっと対抗意識を持って見ていましたね」
――どういう試合になりそうですか?
「手術した左手で倒せたら復活をアピールできるので、それが一番いいかなと。左手を痛めてからはKO勝ちができていないので、そろそろKO勝ちしたいですね」
――タフなイメージのある笠原選手ですが、倒す自信もあります?
「左が当たれば間違いなく倒れるでしょうね。意識を断ち切ってやろうかなと思います。本当に全てが変わったので試合を楽しみにして下さい」
――逆に手術したことが良かったわけですね。
「そういうことになります。左手をかばったまま試合をしようと思えばできたかもしれませんが、コロナで格闘技界が落ち着いたタイミングと自分が試合ができていない期間のタイミングが合ったので、格闘技の神様が僕にさらに強くなるチャンスをくれたのかなと思っています」
――タイトルを防衛して、今年はどういう1年にしたいですか?
「僕が試合できない間、僕の階級では調子に乗っているやつがどんどん出てきているので、RISE、RIZINとリングは選ばず、片っ端からボコボコにしていきます。2020年のRISE DEAD OR ALIVE 2020 -63kgトーナメントでは、原口健飛選手に負けたままなので、そこにもやり返さないといけません」
――最後にファンにメッセージを。
「生まれ変わった西岡蓮太を楽しみにしていて下さい! えぐい試合をしますよ」