2022年4月2日(土)東京・国立代々木競技場第一体育館『Cygames presents RISE ELDORADO 2022 ~Tenshin Nasukawa Finalmatch~』にて、伊藤澄哉(戦ジム)とオープンフィンガーグローブ着用64kg契約3分3Rで対戦するYA-MAN(TARGET SHIBUYA)が公開練習を行った。
YA-MANはシャドー、同大会に出場する常陸飛雄馬とのOFG着用でのマススパー、ミット打ちと一通り公開。ロングの距離でも接近戦でも戦えるところを見せた。以下は公開練習後の質疑応答。
東京には高いハードルがあるんですよ、埼玉県民って
――いいTシャツ着てますね。
「伊藤君にも教えてあげたんですけれど、格闘家たるものお洒落じゃないとやっぱ駄目だと思うので、練習着からおしゃれに自分はしてますね」
――それはもうすぐ市販される?
「これもう発売開始してて、自分のTwitterとかRISEのTwitterとかでもリンク貼ってあるんでそこから買えますね」
――今回の試合ですけど、ようやく難産の末、対戦相手が決まりましたけど、このなかなか決まらない中の気持ちが悶々たる部分はどんな感じでした?
「このままなくなるかなみたいな気持ちもあったんですけど、別に4月が自分の最後の試合じゃないんで、やることは変わらないというか。別に試合があろうがなかろうがやることやるだけだったんで、そんな気持ちの変化みたいなのはないですよね」
――大物たちに次々とフラれちゃったのはどうですか?
「他の団体も試合が増えてきてメインに出てる団体を優先にしなくちゃいけないっていう、ファイターの心意気はしょうがない。自分もRISEともし仮に違う団体からオファーがあって、仮に違う団体のファイトマネーの方がめちゃくちゃ高くてもRISE出ますし、ファイターならみんなそうするんじゃないですかね。自分の団体優先にすると思いますね」
――結局二転三転した上に対戦相手が伊藤選手になりました。いいマッチメイクだと思うんですけどYA-MAN選手としてはいかがですか?
「マッチメイクって言うよりも自分から指名したみたいな感じあるんで。オープンフィンガーでやるっていうのは決まってたんで、RISEでオープンフィンガーでやるならアウトローのヤツとやりたいなと思って。でもRISEってそんなにアウトロー出身の人がいなくて、それを考えた時に伊藤澄哉しかいないなって自分の中でぱっと出てきて。じゃあ、どうせやるなら伊藤澄哉でお願いしますみたいな感じでRISEに打診した感じですね」
――伊藤選手の地下格闘技で負けなしという面に惹かれた部分もあるんですか?
「それもそうですし、伊藤澄哉って本当に有名で。自分たちの埼玉界隈でも名前をけっこう聞くぐらい。その伊藤澄哉がRISEデビューするってなった時に自分に何か知らないですけどめっちゃ連絡が来て。『伊藤澄哉RISEデビューするらしいよ』『知ってる?』みたいな。そこで自分としては名前を知って、こんなにアウトロー界で注目されてるんだ、みたいな。なので候補に挙がったみたいな感じですね」
――実は伊藤澄哉は知る人ぞ知るアウトローだった訳ですね。
「アウトロー界隈では有名ですよね。普通の人たちにはまだ名前は売れていないっていう感じですね」
――そのアウトローとオープンフィンガーで戦うっていう部分のイメージはいかがなもんですか?
「いや、もう一つしかないですよ、そんなの。やっぱ喧嘩上等なんで、もう殴り合いしかないですね」
――記者会見では埼玉vs東京っていう部分がものすごくクローズアップされていましたけど、その気持ちは今でも変わらないですか?
「変わんないっすよ。やっぱり東京には高いハードルがあるんですよ、埼玉県民って。池袋は埼玉の植民地みたいなもんなんで別にそんなないですけど、その池袋以上ですね。渋谷とか新宿とか自分が初めて行ったのは19歳になってからなんですよ。それまではもうなんか怖かったっすね、ってぐらい埼玉県民って東京に憧れもあり恐れもありって感じなんですよ。なので東京代表ヤンキーの伊藤君に分がここで勝って、埼玉のヤンキーのみんなに『東京こんなもんだ』と、怖がらなくていいぞってことを伝えたいですよね」
――今回のマッチメイクは埼玉の昔の仲間からの評判はどうなんですか?
「凄い連絡が来ましたよ。『伊藤澄哉とやんの?』みたいな。『あの伊藤澄哉だろ』みたいなのはめちゃめちゃ連絡来ますよ。自分の仲間内はめちゃくちゃ楽しみにしてますね」
――そういう楽しみ方もある一戦なんですね。
「だからいろんな楽しみ方があると思います。アウトロー界隈の人はどっちが喧嘩が強いんだっていう見方がありますし、キックボクシング界隈の人は伊藤紗弥のお兄ちゃんでやっぱ有名なんで。キックボクサーとしても普通に上手いじゃないですか。伊藤澄哉って普通に上手い選手で、RISEファンの人たちから評価高いんですよ。本当に強いって言われてるんで、キックボクシング界隈の人たちもどっちがキックボクサーとして強いんだってのは思いますし、埼玉県民の人たちは東京に勝ってっていう感じで楽しんでくれると思うんですよ。で、東京の人たちはあの埼玉なんかに負けんなよみたいな感じで楽しめると思うんで、今回の試合は各方面色んなところから楽しめるのかなって思うんですよね」
――アウトローに対するこだわりがちょっと強そうなんですけれども、何でアウトローの選手とやりたいと?
「自分もどちらかと言うとストリートでずっとやってきて、そのストリート出身・アウトロー出身で本当に強いヤツとやってアウトローの中の一番を狙いたいなと思って、そこでちょっとこだわりがあったっすね」
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こんなYA-MANみたいなヤツでも成り上がれるんだって思ってもらいたくて
――前回の皇治戦の後、ご自身の中で変化や周囲が変わったことって何かありますか?
「周囲は変わったっすね、めちゃめちゃ。渋谷とか歩いてたら一日一回絶対声を掛けられますし。写真撮ってくださいとか。昨日も筋肉食堂でご飯食べてたら、飯食ってるところ横からいきなり『すいません、写真撮ってください』って言われたりとか。周りが変わったっすね、自分はそんな変わってないですけど」
――これまでYA-MAN選手ってものすごくやんちゃなイメージだったんですけど、良い人ぶりもちょっと露出されて優しいイメージも出てきたかなと思うんですけどご自身ではどうなんですか?
「別に良い人じゃないですし、良い人になろうとも思ってないですし。ただ子供たちの指標になりたいなっていうのは思ってて。こんなYA-MANみたいなヤツでも成り上がれるんだって思ってもらいたくて。別に世間のみんなに良い人になろうみたいなのは全く思ってないですね」
――変わってないってことでちょっと安心しました。
「いや変わらないですよ。そんな変わってたらあんな会見しないですよ」
――那須川天心選手が今回RISE卒業で、一緒に出ることは意識してますか?
「天心の試合と自分の試合で争うってことですかね? それで言うと、今回はその天心のRISEラストマッチなんで、そこは主役を譲ってあげようかなって思って。だから天心君の試合に向けて会場を最大のボルテージにして繋げようと思う。会場を盛り上げるのはいつも考えてますけど、一番目立とうみたいなのは今回は考えてないです。もう天心君が主役で、みたいな。うん、今回はまぁしょうがない」
――いいバトンを渡そうという感じですね。
「RISEで天心を見られるのは本当にこれが最後で、RISEファンもそれが見たいと思うんで。最高の状態で天心にバトンを渡すっていう気持ちではいますね」
――一緒に練習してると思うんですけど、天心選手の凄さはどういったところでしょうか?
「一緒に練習して思ったのは、別にめちゃくちゃ速いとかめちゃくちゃパワーがあるとかめちゃめちゃ身体能力高いみたいなのは思わなくて。じゃあ、何がすごいのかって言われたら、やっぱり思考じゃないですかね。なんかもう全部読まれてる、みたいな。『ONE PIECE』で例えると分かり易いと思うんですけど、カタクリと戦ってるみたいな。あの見聞色の覇気があるんですよ、彼。出す前に避けられるみたいな感じですね。だからめちゃめちゃ動体視力がいいとか、パンチ力があるとかじゃなく、相手が何を出してくるかっていうのが分かる。だから避けられるっていう感じですね」
――色々対策を自分の中で立てていくと思うんですけど、それでも当たらない?
「一回だけ倒したことあるんですけど…金的以外はちょっと当たらないですね(笑)。顔が当たんないです」
――ちなみに天心vs風音の試合はどうなると思います?
「ぶっちゃけて言うと、天心くんが普通に勝つかなって思います。当たんないかな。風音選手のいいところって、スタミナじゃないですか。で、天心もそれを分かってるんですよ。スタミナが凄い、根性が凄いっていうのは分かってるんで、でもその土俵にまずならないと思うんですよ。技術戦であったり当て合いの戦いになったら勝てないかな。もちろん風音選手が弱いとかじゃなくて、天心が凄すぎる。自分は普通に天心君の勝ちかなと思います」
――それはKOで?
「それは風音選手次第だと思うんですよね。風音選手が倒しに行けば、もしかしたら天心も倒れるかもしれないですし、でも倒される確率は高くなるんで。風音選手も天心君のお父さんも判定じゃ勝てないって思ってると思うんですよ。なので倒しに行くしかないですよね。だからKOは天心君が勝つ、KOをする確率っていうのは高いのかなって自分は思ってますね」