2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』にて、プライチュンポン・ソー.シーソムポン(タイ)とウェルター級3分3R延長1Rで対戦する安保瑠輝也(CLUB es/team ALL-WIN)が公開練習を行った。
安保は昨年9月K-1横浜アリーナ大会の第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメントで決勝まで勝ち進むも野杁正明にKO負け。あと一歩のところでベルトに手が届かなかったが、12月のK-1大阪大会では海斗をKOして再起を果たし、“打倒・野杁正明”に向けた試合としてプライチュンポンとの試合が決定した。
「今、減量中なので力一杯動けてるわけではないですけど、今日ぐらいの動きとキレなら今の状態でも(試合で力を)出せるかなっていう感覚です」と公開練習では軽快なミット打ちを披露。「いつもと同じ感覚で来ているので、問題なく試合は勝てるかなっていう感じです」と、好調をアピールした。
次戦が30戦目となる安保だが「今からそんなに身体能力や技のスピードが上がるとかはないと思うんですけど、フィジカル的な部分(は上がる)。体の芯の強さとか。あとメンタル的な部分もそうですし、そういった部分は年齢を積み重ねることでまだまだ伸びていくところだと思っています」とフィジカル・メンタル面での成長を感じている。
今回対戦するプライチュンポンは昨年3月『K'FESTA.4』で野杁と対戦し、ダウンを奪われたものの最後まで立ち続け判定まで持ち込んだ強豪ムエタイ選手。安保にとって“打倒・野杁正明”というテーマがある中で、野杁が倒せなかったプライチュンポンを相手にどんな試合を見せるのか、勝ち方も求められる一戦だ。
もちろん安保自身「理想はもちろん倒すこと」ではあるが「自分がやってきたことを無視して無理に倒しにいくスタイルが正しいスタイルだとは思わない」とキッパリ。「今、いろんなところで練習していて、東京でも練習していますし、和歌山でボクシングをして、自分のジムでコンディショニングであったり軽くスパーリングだったりやっている中で、そのやってきたことを全部、100\%の状態で出す。それが出れば自ずとKO勝ちに繋がると思っています」と練習の成果を出したうえでのKO勝利を見据えている。
過去にゲーオ・ウィラサクレック、ゴンナパー・ウィラサクレックら強豪タイ人と対戦した安保だが「タイ人とは何度か対戦しているんですけど、全部サウスポーで、サウスポーが自分の得意かといえばそんなに得意じゃないんですよ。特にタイ人のサウスポーが」とサウスポーのムエタイ戦士は安保にとってまさに鬼門。そこも含めてプライチュンポンを倒すことで、野杁に挑戦状を叩きつけるつもりだ。
「(サウスポーのタイ人を克服できそうか?)そこはやってみないと分からないです。スーパー・ライト級チャンピオンになった時もゲーオ選手になんとか判定で勝って、自分自身、判定に納得がいかなかったのでリング上で、もう一度タイトルマッチでいいからゲーオ選手とやらせてくれと言ったわけですけど、その次の大会でも似たような、延長判定で自分がギリギリ競り勝つっていう結果になって、タイ人への苦手な意識っていうのはありますよね。克服するつもりですけどわからないです。
ただ、今回は自分の苦手な部分を克服できるキッカケでもありますし、テーマとしては対・野杁正明。野杁選手が倒しきれなかった相手を自分が倒すということで、挑戦状を叩きつける。そこがテーマです。自分は目の前のことをもちろんやるんですけど、先を見てないと前に進めない人間なんですよ。だからここを目標としていない。この選手を倒すことを目的に格闘技をやっていないので、そういう意味で舐めてるわけじゃないけど、これを倒して先を見ています。だから、この選手どうこうはマジで思ってないです。(同じ日の野杁の試合は意識している?)意識は全くしていないですね。相手が相手でしょ? あんな選手とやって勝ったからどうだっていうのは本人も思っているでしょうし、僕自身も思っています」
今回の試合で勝利し、すぐに野杁へのリベンジが実現するかは「KOで勝てれば言ってもいいんじゃないかって思ってますけどね」と、自身のパフォーマンス次第だと予想する安保。「野杁選手もやる相手がいないでしょ。例えば今回も加藤選手とやるぐらいだったら俺とやってもいいと思いましたし。僕が野杁選手が倒せなかった選手を倒すことで、その権利はあるんじゃないかと思いますけどね」と、勝ち方次第としつつ野杁戦をアピールするつもりだ。
また「野杁選手と差はありましたけど…ないですね。勝ち負けの世界で、自分は負けてしまったので、負けた時に『もう一回やったらすぐ勝てる』とかそういうことは言いたくないです。結果として負けてしまってるので。ただ、自分の課題を克服していくなかで、次やるときに勝てない相手なのかと言われたらそうじゃない。そう自分自身は思っているので、そういう意味で差はないと思ってます」と打倒・野杁への手応えも感じている。
そして「野杁選手はベルトを巻いていて、K-1 AWARDSでもMVPを取ったり、K-1を代表する強さのある看板選手だと思います。日本人は誰も野杁選手に勝てないって言われていて、僕は何回も野杁選手に挑戦状を叩きつけると言っているんですけど、そういうところに自分自身が挑戦することでこの先もっと大きい目標だったりとか、未来が見えてくると思っています。魔裟斗さんの言葉を借りると、一番厳しい道に挑戦するのが成功への近道だと自分も思っているので、野杁選手にたどり着いて必ず倒して自分がK-1チャンピオンになりたいと思っています」とアツく語った。