2022年3月26日(土)、ONE Championshipの10周年記念大会『ONE X』がシンガポール・インドアスタジアムで開催され、メインカードの3試合のONEライト級(※77.1kg)で、青木真也(EVOLVE MMA)と秋山成勲(チームクラウド)が対戦した。
試合は、1Rに秋山のスタンドバックから4の字フックで背中に乗った青木が、得意のフェイスロック、リアネイキドチョーク狙い。「正直2回落ちそうになりました」という秋山だが、青木を背負いながらも、アゴにかかる腕を押し上げて極めを防ぎ、後ろ手も剥がして凌ぐと、2Rに反撃。
青木の片足タックルを切ると、左右のストレートをヒット。「初めのコンタクトで青木くんの目がちょっと退いたんですよ。“ここだ!”と思って前に出ました」というラッシュで金網に詰めると、足を手繰ってきた青木を剥がし、顔面にヒザ蹴り、右のパウンド連打でTKO。勝負を極めた。
ABEMA公式YouTubeでは、両者の試合直後のコメントを配信。
TKO負けした青木は、メディカルチェックの部屋で「器が……ごめんなさい。俺の器が足りなかったよ、ごめんなさい。いつもさぁ、那須川天心にも武尊にもなれないんだよ。最後そうだよ、いつも。最後いつもそうなんだよ。クソッ! 最後いつもこうなんだよ、DREAMやってきて、いつもこうなんだよ」と4連勝で迎えたスペシャルマッチで敗れた悔しさを吐露。
対して、14年越しの因縁マッチで2R TKO勝ちで決着をつけた秋山は「青木くんのことを悪く言わないでください。青木くんは一生懸命に戦って、僕に勝つために練習しただけの話なんで。素晴らしい選手ですし、これからももっといい試合をしてくれる選手だと思っていますし、それを願います」と敗者にエールを送った。
さらに、セコンドのGSPトライスタージムの赤沢幸則とバンゲリングベイの白川裕規を紹介し、「この2人に教えてもらいながら、練ってもらった作戦がぴったりハマって、最後の一言がきいてあれが無かったら正直、僕、落ちていました。もっと精進して、歳なんか関係ねーぞと言いたいですね」と、1Rのピンチもセコンドのアドバイスで乗り切れたと語った。
続けて、「青木くんも、もう1回やりたいって言うかも分からないですし、歴史って、終わったようでまだ始まったばかり。第2戦、第3戦とあるかも分からない」と、再戦の可能性も語っている。
その一方で、勝者はメディアインタビューで、今後の階級について「1日、考えさせてください」とONEライト級(水抜き禁止の77.1kg)で継続するかどうかは保留している。
秋山の勝機はどこにあったのか。試合後の一問一答は以下の通りだ。
セクシヤマ流のお祝い? 後輩100人集めてシャンパンで祝う
──1Rは絞められてピンチでしたが、どう考えていましたか。
「1Rで絞められたとき、正直2回落ちそうになりました。でも本当に、さっき(マット上)でも言ったように、観客が“セクシヤマ!”と声かけてくれたので、“ここ頑張らないとカッコ悪い”と思って、力、出ました。それで2R、僕、一発ストレート当たったとき、初めのコンタクトで青木くんの目がちょっと退いたんですよ。“ここだ!”と思って前に出ました。それが勝った理由だと思います」
──怒って煽ってさんざん罵られていたのはモチベーションになりましたか?
「それは青木くんのスタイルなのであまり気にしてなかったです。子供が文句言っているだけだと思って、逆に、(口喧嘩を)買わずに冷静に対処しました」
──2年1カ月ぶりの試合で連勝です。今後もまたONEでの試合が見れますか?
「もちろんです」
──今後は、またウェルター級に戻しますか? ライト級でもまたやりたいですか?
「うーん、1日考えさせてください(笑)」
──“セクシヤマ”流のお祝いの仕方は?
「後輩100人集めてシャンパンでお祝いします!」