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【UFC】ヘビー級ブレイズがドーカスを右で沈める、女子フライ級でグラッソが3連勝、カラ・フランスが無敗アスカロフに判定勝ちで王座挑戦アピール

2022/03/27 12:03
 2022年3月26日(日本時間27日)米国オハイオ州コロンバスのネイションワイドアリーナにて、「UFC Fight Night: Blaydes vs. Daukaus」が開催された。 【メインカード】 ▼ヘビー級 5分5R〇カーティス・ブレイズ(米国)16勝3敗(UFC11勝3敗)[2R 0分17秒 TKO]×クリス・ドーカス(米国)12勝5敗(UFC4勝2敗)  ヘビー級4位のブレイズと、9位のドーカス。NJCAAのヘビー級優勝などレスリング出身のブレイズはMMA15勝3敗、UFC10勝3敗で、黒星は、現王者フランシス・ガヌーに2度敗北と、デリック・ルイス戦のKO負けのみ。  対するドーカスは、体力作りのために格闘技のトレーニングを始め、2013年、プロ総MMAデビュー。ヘビー級としては小柄な体躯もスピードを武器に、UFCデビューから4連続KO勝ち。2021年12月の前戦ではデリック・ルイスの右フックを浴び、1R KO負け。再起戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。得意の右フックを振るドーカス。ブレイズは左ロー。さらにワンツーの右にドーカスは一瞬ヒザが落ちる。  ドーカスのワンツースリーフォーをかわすブレイズ。ドーカスの右から左もステップしてかわす。  2R、ジャブの突き合いで左目尻から出血はドーカス。ブレイズの左親指が右目をこすり、アイポークで中断後、再開。  ドーカスのワンツーを左にズレながら中央に右を当てたブレイズ!“バチン”と打突音とともにダウンしたドーカスにブレイズはパウンド連打。ハーブ・ディーンレフェリーがブレイズを突き飛ばして間に入った。  試合後、ドーカスは「6、7、8月かタイトルショットがほしい。(ケージサイドで観戦した)ステイプ(ミオシッチ)、リスペクトしているよ」と王座挑戦をアピール。「次は暫定王座決定戦で戦いたいと思う。他の人は僕の打撃を待っていたんだろうけど、テイクダウンは求めていない。僕は両方やりたいんだ。チャンスだと思ったから、それを掴んだんだ」と語った。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇アレクサ・グラッソ(メキシコ)14勝3敗(UFC6勝3敗)※3連勝[1R 3分57秒 リアネイキドチョーク]×ジョアン・ウッド(スコットランド)15勝8敗(UFC7勝8敗)  女子フライ級7位のウッド、9位のグラッソ。  ロクサンと同門のウッドはキックボクシングでも活躍。2021年は1月にジェシカ・アイに判定勝ちも、6月にローレン・マーフィーにスプリット判定で敗れると、11月にタイラ・サントスにリアネイキドチョークで一本負けしている。  対するグラッソは、フライ級転向後2連勝中。2020年8月にキム・ジヨンに判定勝ち後、2021年2月にメイシー・バーバーに判定勝ちと2連勝中。メキシコ出身でボクシングがバックボーン。  1R、ともにオーソドックス構え。ウッドの前進に、グラッソは前腕を押し込みテイクダウンを奪うが、ウッドも立ち上がり左右から右ミドル。前蹴りを織り交ぜる。  しかしバックヒジをかわしたグラッソがボディロックからすぐに脇を潜り、両足を巻いてリアネイキドチョークを極めた。グラッソは初の一本勝ち。 グラッソ「初サブミッションをしたかったのでとても嬉しい。何百回も何百回も練習した。彼女は打撃にとても積極的で、あのようなスピンニングキックなどの技を使うことは知っていた。その通りにやりたかったんです。長い道のりだった、ステップアップして、やっと3連勝できました」 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ブライアン・バーバリーナ(米国)17勝8敗(UFC8勝6敗)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×マット・ブラウン(米国)23勝19敗(UFC16勝13敗)  2021年12月に組まれていたものの、ブラウンのコロナ陽性により延期されていたカード。地元コロンバス在住のブラウンは41歳。MMAムエタイを武器に2021年6月の前戦ではディエゴ・リマに右クロスで逆転KO勝ち。バーバリーナは、16勝中10KOのハードパンチャー。2021年12月の前戦ではUFCデビューのダリアン・ウィークスに判定勝ち。  1R、ホームタウンのブラウンに大歓声。バーバリーナはサウスポー構え。右ロー、左インロを前足に突く。詰めるブラウンはバーバリーナの左をかわして足払い! すぐに立ち上がるがブラウンはバーバリーナの右腕ごとボディロックしテイクダウン、サイドを奪う。  亀から手を着き起き上がるバーバリーナ。腰にしがみつくブラウンに細かいパンチを打ち立ち上がる。  ブラウンは右ミドル、スーパーマンパンチで前に。ワンツーの左で押し返すバーバリーナにブラウンは得意の出足払いで再びこかす。  2R、バーバリーナの左をかわして1R同様ダブルレッグテイクダウンを奪うブラウン。腰を抱きながらバック狙いも正対して立つバーバリーナに、ブラウンは首相撲からヒジ!左で前に。しかしバーバリーナも右を返すと前進! テイクダウンを狙うとブラウンは倒れながらも後ろ三角絞め狙い。しかし、バーバリーナが上に。前手の右手でフックを当て、左ボディも突くバーバリーナのラウンドに。  3R、勝負のラウンド。両手を合わせる両者。前足を上げ、ヒザを突き前に出るブラウン。左ボディで前に。バーバリーナは右ジャブ! ブラウンは軸がブレるが右ヒザから前に。首相撲からみたびこかすブラウン! バーバリーナの立ち際に右ヒジ! スタンドバックからヒザを突くと、バーバリーナも正対。左右で前進も、そこに渾身のダブルレッグテイクダウンはブラウン! しかしここですぐに立ち上がるバーバリーナが左右を打ち返し、ブラウンも右ストレート、右ボディ、アッパーで反撃。  バックヒジを詰めてかわしたバーバリーナが背後からパンチ、右ハイも。しかしブラウンも打ち返し。最後の10秒をバーバリーナが左右で前進し、ブザー。  互いに激闘に、バーバリーナがブラウンの左手を挙げる。判定は2-1(29-28×2, 28-29)でバーバリーナが接戦を勝利。「みんな大好きさ。俺もブルーカラーワーカーだから」とNHLブルージャケッツの本拠地であるコロンバス、アウェイのマット上で語った。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)24勝9敗(UFC7勝2敗)※UFC3連勝[判定3-0] ※29-28×3×アスカー・アスカロフ(ロシア)14勝1敗1分(UFC3勝1敗1分)  フライ級2位のアスカロフと、6位のカラフランス。  ロシア・ダゲスタン共和国出身のアスカロフのセコンドにはマゴメド・マゴメドフがつく。UFCデビュー戦はブランドン・モレノ相手にドローだったが、そこからティム・エリポット、アレッシャドリ・パントージャ、2021年3月の前戦ではジョセフ・ベナビデスに判定勝ちし、3連勝。14勝1分といまだ負け無し。  対するカラフランスは、RIZINで和田竜光に判定負け後、MMA8連勝。UFCでは6勝3敗。2020年9月にブランドン・ロイヴァルにギロチンチョークで敗れたものの、2021年3月にホジェリオ・ボントリンを1R TKOに降すと、12月にフライ級初戦となるコーディ・ガーブラント戦も1R TKO勝ちで2連勝中だ。  1R、右ローのカラフランスがシングルレッグでテイクダウン。カラフランスは蹴り上げも足をさばいたアスカロフがバックから4の字ロック、パームトゥパームでリアネイキドチョークへ。のどもとを右手から左手に差し替えるも凌ぐカラフランス。アスカロフは背後から右ヒジを打ち込みブザー。  2R、ワンツーから右を振るカラフランス。しかしアスカロフはダブルレッグからボディロックテイクダウン、尻をつくカラフランスのバックを奪いに行くが、エスケープするカラフランス。  サウスポー構えのアスカロフ。カラフランスの入りに左を狙う。オーソドックスからサウスポー構えにスイッチして戻して組むアスカロフ。シングルレッグも引き出せず。カラフランスはワンツー、さらに左をヒット! 左ロングフックで飛び込み、アスカロフに金網を背にさせると、アスカロフのダブルレッグを切ってスタンドに戻す。ブザーにカラフランスは手応えを得たかうなずく。  3R、観客を煽るカラフランス。ワンツーの右を振ってダブルレッグのフェイントも入れるカラフランス。アスカロフの左インローがローブローに。中断、再開。  右ミドルハイはカラフランス。アスカロフは左の蹴りでバランスを崩すが、ヒザ着きのダブルレッグからケージを蹴って背中に飛び乗ると4の字ロックもズラすカラフランス。落ちたアスカロフはすぐにシングルレッグも切るカラフランス。  詰めるアスカロフは右アッパーも空振りカラフランスも左から右ボディフック、右オーバーハンドで詰めるとスーパーマンパンチも。かわすアスカロフは足を取りに行くが、切るカラフランスに、なおもシングルレッグもカラフランスが切ってブザー。  1Rはアスカロフ、2Rはカラフランス、3Rをどうとらえるか。判定は29-28×3でアンドードッグのカラフランスが接戦を制した。  試合後、勝者は「俺のパフィーマンスはどうだった? 相手がすごいレスリングが上手いのは知っているけど、MMAだからその準備はしてきた。バックテイクされたけどディフェンスした。ブランドン・モレノ、やろうぜ。その次にタイトルショットだ」とモレノ戦、さらに王座挑戦をアピールした。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ニール・マグニー(米国)26勝8敗(UFC19勝7敗)9位[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×マックス・グリフィン(米国)18勝9敗(UFC6勝7敗) スプリット判定を制したマグニーは、ジョルジュ・サン・ピエールの持つUFCウェルター級史上最多の19勝に並んだ。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇マルク・ディアケイジー(英国)15勝5敗(UFC6勝5敗)[判定3-0] ※30-27×3×ヴィチェスラフ・ボルシェフ(ロシア)6勝2敗(UFC1勝1敗) [nextpage] 【プレリム】 ▼女子バンタム級 5分3R〇サラ・マクマン(米国)13勝6敗(UFC7勝6敗)[判定3-0] ※29-28×3×カロル・ロサ(ブラジル)15勝5敗(UFC4勝1敗) [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇クリス・グティエレス(米国)18勝4敗(UFC6勝1敗)[2R 2分34秒 TKO]×ダナー・バットゲレル(モンゴル)10勝3敗(UFC3勝2敗) [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇アリアスカフ・キズリエフ(ロシア)14勝0敗(UFC1勝0敗)[2R 1分58秒 リアネイキドチョーク]×デニス・ティウリウリン(ロシア)9勝6敗(UFC0勝1敗) [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇マノン・フィオロ(フランス)8勝1敗(UFC3勝0敗)[判定3-0] ※30-27×3×ジェニファー・マイア(ブラジル)19勝8敗(UFC4勝4敗) [nextpage] ▼フライ級 5分3R〇マテウス・ニコラウ(ブラジル)18勝2敗(UFC6勝1敗)[判定3-0] ※29-28×3×ダビッド・ドボジャーク(チェコ)20勝4敗(UFC3勝1敗) [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇ルイス・サルダナ(米国)16勝7敗(UFC2勝1敗)[判定3-0] ※29-28×3×ブルーノ・ソウザ(ブラジル)10勝3敗(UFC0勝2敗)
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