MMA
レポート

【GRACHAN】23歳、原口伸と大宮優が未来を照らす激闘! 伝統派空手出身の野村駿太は鉄槌50連打、K-1甲子園東日本優勝の黒井海成がTKOデビュー!

2022/03/14 16:03
 2022年3月12日(土)東京・大田区産業プラザPIOにて「GRACHAN53×BRAVE FIGHT26」が開催された。  メインイベントでは、2019年のレスリング全日本選手権でフリースタイル70kg級優勝、MMA1勝1NCの原口伸(BRAVE)が、柔道&柔術ベースの“チャンユウ”こと大宮優(ALIVE・MMA1勝)と5分2Rで対戦。  原口は、11月の「VTJ2021」での岡澤弘太戦で試合を優位に進めながら、バッティングによるノーコンテストとなって以来の試合。  対する大宮は、アマチュア時代の2019年3月のJMMAF大阪ケージファイトで、現在RIZIN参戦中の木下憂朔を相手に、再三のスクランブルからボディロックテイクダウン。最後は上四方からキムラロックを極めている強豪。プロでも、2021年11月の「DEEP大阪」で安達健一郎にダブルレッグから豪快なボディロックテイクダウンで同じくキムラを極めている。  極めのある柔の大宮と、レスリングでトップコントロール&パウンドの原口は、その打撃のアプローチにも注目だ。 ▼メインイベント(第12試合)GBFIGHTライト級 5分2R〇原口 伸(BRAVE)[1R 4分39秒 TKO] ※右フック×大宮 優(ALIVE)  1R、右足前のサウスポー構えの原口に、オーソドックス構えの大宮。近い距離から右を振って前足にシングルレッグは大宮。頭を押さえ足を切る原口。  左で差しての右のクリンチアッパーに、大宮は右の小手を外して、左で首を押さえて右フックのダーティーボクシングを当てる。さらに左右連打で足を手繰りに。これもスプロールして切る原口。  距離を作らず、首を押さえながら近距離で左右を突く大宮はまたもクリンチボクシングで右をヒット。右で差して押し込むも体を入れ替える原口に、離れ際に巧みに打撃を入れる大宮。左の蹴りで歩いて詰めて左フックも。  離れる原口に右を振って、ヒザを着きながらも前進し右で差して、左で引き手を掴む大宮。その手を抜いてヒジを打つ原口。それでも右を差し続ける大宮は、両ヒザを着いてダブルレッグにトライし前進も、さばく原口。  スタンド、体力のある大宮は、右を振って前進し左フック! この前進に真っ直ぐ下がった原口は左を浴びて後方にダウン! そのままマウントを奪う大宮がパウンド! 右で脇差し立とうとする原口をまたいで再び尻を着かせた大宮。  正対して金網背に座る原口の腰をクラッチし、手前に引き出す大宮。ここで手を着いて金網際に這う原口にバックを狙う大宮は、座る原口に右足をかけながら斜め後方からリアネイキドチョーク狙い。  強引な仕掛けに、ここは正対し上になる原口。ハーフから大宮の立ち際に、サイドバックで腰を抱き、右でパウンドを連打!しかし 受けながら立つ大宮は両脇を差して前進。そこに左で小手に巻いて、なかば強引に腰に乗せて投げる原口。  金網に頭から突っ込む形も、体は返さない大宮。原口も左は小手のまま、両者立ち上がり離れる。  大きな左は空振りも続く右をブロックの上に叩く大宮が前進。いったん距離を取りながら、原口はヒザ着きのダブルレッグへ。右足は後方に飛ばした大宮に、原口はシングルレッグを持ちあげて、左手も右のヒザ裏にかけてテイクダウン!  ここはすぐに左で差して立つ大宮だが頭が下がったところに、原口は左手で大宮の頭を押さえて左ヒザ蹴りを2発! 離れる大宮は右から左の逆ワンツーをヒット! さらに左右で前進も大宮の軸がブレるようになる。その頭を押さえて首相撲ヒザは原口。  互いにヒザを突きながら、首相撲から一転、身体を落としてダブルレッグでテイクダウンを奪う原口! ついに背中を着いた大宮のサイドを奪うと鉄槌連打。受けながら右で差して中腰に立ち上がる大宮。  その首を引き落とした原口は定石通りバックに回ろうとするが、右腕で制した大宮が、右を深く差し込み左手とクラッチを組もうとすると、左で小手に巻いて投げて上に! 両脇を差して下から腹に頭を着けた大宮はシングルレッグに移行。  それをがぶりながらクォーターネルソンで寝かせるようとする原口だが、ここも残した大宮。両者立ち上がりの際で、先に左右を振る原口。大宮も右左と返して、左フックを強振も空振りで崩れてしまう。  スタミナきついか。マットに手を着いた大宮の頭を押さえながら立ち際に右アッパーを入れる原口。金網詰めて右をヒットさせると、大宮も右をヒット! しかし怯まない原口は左から右フックをヒット! ここで両手を着いてダウンした大宮だが、すぐに立ち上がったところに、原口は右フック! さらに左右連打で大宮が後方に倒れ、原口が右のパウンド1発とともにレフェリーが間に入った。  23歳、MMAの未来を担う両者の試合は、互いにノンストップの攻防のなか、折れない強い気持ちを見せたメインイベントとなった。  試合後、宮田和幸BRAVE代表は、門下生の原口に勝利者賞を渡して苦笑。原口はケージの中で、「皆さん命を賭けてこのケージに上がっているので、皆さんも少しでも元気になればと思っています。ありがとうございました」と挨拶。試合後は、SNSに「僕の生命線はレスリング。そこを曲げて戦うと、どうなるかってことがよく分かりました。。経験になりました」と反省のコメントを残している。 [nextpage] 岸本篤史が2連勝! ▼第11試合 GBFIGHT 73kg以下契約 5分2R〇岸本篤史(BRAVE)[1R 4分50秒 TKO] ※パウンド×モリシマン(STYLE PLUS GYM)  また、セミでは、4月に笹川JPに判定勝ちした岸本篤史(BRAVE)が、4月に平信一に敗れ連敗中のモリシマン(STYLE PLUS GYM)と80㎏契約で対戦。モリシマンのテイクダウンを切った岸本が1R、4分50秒、右ストレートを効かせてのパウンドでTKO勝ちした。 [nextpage] 伝統派空手出身の野村駿太が藤村健悟に鉄槌50発!  第10試合のライト級では、伝統派空手出身の野村駿太(BRAVE)が、2021年11月の宇佐美正パトリック戦の判定負け以来の仕切り直しの一戦。  同じく再起戦で、12月の林陽太戦で判定負け以来の試合に臨む藤村健悟(和術慧舟會TLIVE)と対戦した。 ▼第10試合 GBFIGHTライト級 5分2R〇野村駿太(BRAVE)[1R 3分43秒 TKO] ※レフェリーストップ×藤村健悟(和術慧舟會TLIVE)  1R、サウスポー構えの藤村に、オーソドックス構えの野村は伝統派空手らしく半身気味の低い手の位置。藤村のダブルレッグの入りに左を突く野村だが、それをかい潜り組み付く藤村。  押し倒した野村だが、左足にシングルレッグで立つ藤村は、ボディロックに切り替え回してテイクダウン! 左で差して押さえ込むとハーフから腰を切りフルガードに戻す野村は下から鉄槌。  金網に頭を詰まらせようとした藤村だが、そこで野村は上体を立てると腰を抱く藤村は横に野村を寝かせて鉄槌。ヒジを押し付け、マットに手を着いて立とうとする野村の左手を引き寄せて寝かせる。  半身になりながら左足をマットに着けて立つ野村は、四つからの藤村の投げを右で小手に巻いて残すと、藤村は金網までドライブする。  左で差して押し込む藤村は両ヒザを着いてダブルレッグへ移行も、頭を下げたところに野村が鉄槌、さらに両足を広げてクラッチを切ると、藤村は左足へのシングルレッグに移行。手前に引き出して野村を崩すが、片足一本でヒザもマットに着かない野村。その軸足を払ってテイクダウンする藤村!  足を持ったまま際で上を取ろうとするが、立ち上がる野村に、藤村は下から右足を掴んで50/50へ。足を組ませず潰した野村が上から強いパウンド! いったん亀になってシングルレッグで立とうとする藤村だが、左足にしがみつく藤村を野村は中腰で右の鉄槌! 亀になって足を持つ藤村のボディにも打ち分け、最後は頭に連打、実に50発以上の鉄槌を浴び続ける藤村を見て、レフェリーが間に入った。  激勝に野村は咆哮。 [nextpage] 朝倉未来『BreakingDown』でも勝利の黒井海成がプロMMAデビュー  第8試合のフェザー級では、剛柔流硬式空手で小4と小6、中3の世界大会で3度優勝し、K-1甲子園でも2019年東日本トーナメント-60kgで優勝の実績を持つBRAVEジムの黒井海成が出場。CARPE DIEM 福岡の杉本静弥と対戦した。  黒井は、アマチュュアMMAでは2021年9月に朝倉未来がアドバイザーを務めるBreakingDownで判定勝ち。11月のBRAVE FIGHTでKO勝ち。杉本と同じく今回がプロデビューとなる。 ▼第8試合 GBFIGHTフェザー級 5分2R〇黒井海成(BRAVE)[2R 1分27秒 TKO] ※レフェリーストップ×杉本静弥(CARPE DIEM 福岡)  1R、オーソドックス構えの黒井に、サウスポー構えの杉本。右インローをすかされた黒井は左アウトローサイドヒット。互いに右ハイから黒井は右ミドル。そこに右を狙う杉本。左ジャブから右インローは黒井。黒井の右の蹴りがローブローとなり中断も再開。  右インローを当て、同じ右でハイキックに繋ぐ黒井。右のダブルはかわす杉本。互いに遠い間合いのなか、右の蹴りを上下に打ち分ける黒井。杉本の左ミドルのその打ち終わりに右ローも。オーソからスイッチしての左カーフを打つと、黒井のワンツーの打ち終わりに飛び込みボディロックした杉本。  左で小手に巻く黒井は杉本の前方への崩しを凌ぎ、突き放す。続く杉本のダブルレッグも触らせない黒井。互いにスタンドで慎重ななか、ローの打ち合い。右ストレートの飛び込みから対角の左ローを打ち降ろす黒井。組みを警戒してか深追いはしない。  2R、杉本の左ミドルの打ち終わりに右ローを打ち込む黒井の足が流れる。左ローに足を上げるようになった杉本に、今度は左ハイ! 左ストレートを振って右インロー、右ミドルと上下に打ち分け連打、左前蹴りも。  右の蹴りを腕でブロックする杉本だがダメージがたまる。右三日月蹴りも突く黒井が、右ローから右ハイを当てて詰めて左フック! さらに右ストレートをヒットさせると、走って右にサークリングする杉本を押し倒すように右を当てる。バランスを崩した杉本がダウンしたところでレフェリーが間に入った。杉本は下から足を掴む、ラッシュで畳み込まれて被弾してのストップは妥当。  黒井は、1Rの杉本のボディロックを凌いだ以外は、ほぼ得意のスタンドで試合を決めた。 【写真】BreakingDown出場時の黒井 [nextpage] GRACHAN53 BRAVE FIGHT26 全試合結果 2022年3月12日(土)東京・大田区産業プラザPIO※キャッチウェイト契約選手以外は、「コロナ過GRACHAN特別契約」とし、全選手2キロ幅まで可 ▼メインイベント(第12試合) GBFIGHTライト級 5分2R〇原口 伸(BRAVE)[1R 4分39秒 TKO] ※右フック×大宮 優(ALIVE) ▼第11試合 GBFIGHT 73kg以下契約 5分2R〇岸本篤史(BRAVE)[1R 4分50秒 TKO] ※レフェリーストップ×モリシマン(STYLE PLUS GYM) ▼第10試合 GBFIGHTライト級 5分2R〇野村駿太(BRAVE)[1R 3分43秒 TKO] ※レフェリーストップ×藤村健悟(和術慧舟會TLIVE) ▼第9試合 GBFIGHTバンタム級 5分2R×高橋謙斗(BRAVE)[判定0-3]〇フミ・グローブTV(パラエストラ札幌) ▼第8試合 GBFIGHTフェザー級 5分2R〇黒井海成(BRAVE)[2R 1分27秒 TKO] ※レフェリーストップ×杉本静弥(CARPE DIEM 福岡) ▼第7試合 GBFIGHTフェザー級 5分2R〇和田健太郎(ストライプル新百合ヶ丘)[1R 2分52秒 TKO]※レフェリーストップ×誠人(TEAM FIST)※高橋孝徳(リバーサルジム新宿me.we)から変更 ▼第6試合 GBFIGHT無差別 5分2R〇ラデック(AACC)[判定3‐0]×高桑 格(パラエストラ千葉)※田馬場貴裕(ねわざワールド品川)から変更 ▼第5試合 GBFIGHTフェザー級 5分2R×奥野真利(総合格闘技宇留野道場)※拓MAX(TEAM HAMBOLT)から変更[1R 2分12秒 TKO] ※レフェリーストップ〇高須将大(パラエストラ柏) ▼第4試合 GBFIGHTフェザー級 5分2R〇萩原一貴(リバーサルジム武蔵小杉所プラス)[判定3‐0]×櫻庭泰裕(ANSWER FIGHT) ▼第3試合 GBFIGHTフライ級 5分2R〇長野将大(リバーサルジム武蔵小杉所プラス)[1R 4分21秒 腕十字]×児玉勇也(トイカツ道場/とらの子レスリングクラブ) ▼第2試合 GBFIGHT 59㎏以下契約 5分2R×土田伸一(ストライプル茨城)判定0-3 〇小林大介(ALAIVE) ▼第1試合 GBFIGHTバンタム 5分2R△中嶋紳乃介(皇子山MMA)[判定1‐0 ドロー]△佐々木歩夢(AACC) ▼第2試合 GBFIGHTアマチュアMMAルール 77kg契約 3分2R×野口卓也(BRAVEGYM麻布十番) [1R 1分24秒 TKO] ※レフェリーストップ 〇ダイチ(BRAVEGYM三郷)※藤﨑友佑心(BRAVEGYM世田谷)から変更 ▼第1試合 GBFIGHTアマチュアキックルール 77kg契約 2分2R〇土井皓貴(BRAVEGYM麻布十番) [判定3‐0]×田中渓介(BRAVEGYM北千住)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア