【DEEP】「柔道最高、格闘技最高！」小見川道大が最終回に中村大介の腕十字で一本負けで引退。注目のフライ級で福田龍彌が伊藤裕樹にTKO勝ち、関原翔が越智晴雄に競り勝つ、石塚雄馬が川名TENCHO雄生をKO

skyticket Presents DEEP 106 IMPACT 　2022年2月26日（土）東京・後楽園ホールにて『skyticket Presents DEEP 106 IMPACT』が開催された。 　メインイベントでは、小見川道大（NEO JUDO ACADEMY）が中村大介（夕月堂本舗）を相手に引退試合に臨んだ。 　小見川は、柔道で全日本学生柔道体重別選手権大会優勝、ハンガリー国際柔道大会優勝などの実績を持ち、MMAでは、2005年5月の「PRIDE 武士道 -其の七-」でプロデビュー。DEEP、UFCを経て戦極参戦。2009年8月の戦極フェザー級GPでは準優勝。DREAMで2連勝後、2011年2月から2012年8月までUFCに2度目の参戦で5試合を戦う。 　その後、2019年6月のDEEPでオーロラ☆ユーキ、10月に毛利昭彦を相手に2連続フィニッシュ勝利も、以降はMMAから遠ざかっていた。2016年10月の巌流島全アジア武術選手権で準優勝、2021年7月のQUINTETでは自身の率いるチームを優勝に導いているが、MMAは毛利戦以来2年4カ月ぶり。2021年12月19日で46歳になる。MMA19勝14敗1分け。 　対する中村は、現RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎と1勝1敗の41歳のベテラン。小見川より3年早い2002年5月にPRIDE THE BESTでプロデビュー後、DEEPを主戦場にMMA31勝20敗1分けの戦績を持つ。2020年9月のDEEPで、約4年ぶりのMMAに臨み長倉立尚を2R KO。2021年2月に牛久絢太郎に2R TKO勝ちしたが、2021年7月に王座を賭けた再戦では判定負け。しかし、2021年10月のRIZIN初参戦では新居すぐるに1R 腕十字で一本勝ちで再起を飾っている。 　ライト級で戦っていた中村とフェザー級の小見川がMMAで対戦することはなかったが、2018年4月のグラップリング大会「QUINTET 1」では時間切れドローとなっている。 　同時代を戦い、強力なグラップリングと独自の打撃技術で試合をフィニッシュさせる力を持つ両者。近代MMAとは一線を画すスタイルの両者の3Rマッチは、顔見せ的な「引退試合」でないことは確かだ。小見川はラストマッチにして自身のいまを試しに行き、中村は41歳で「いまが最強」を証明すべくDEEPケージに上がる。 ▼第6試合 メインイベント 小見川道大引退試合 DEEPフェザー級 5分3R×小見川道大（NEO JUDO ACADEMY）[3R 0分51秒 腕十字]〇中村大介（夕月堂本舗） 　ケージの中の般若のラップに呼び込まれてケージインした小見川。セコンドは勝村周一朗。対する中村はいつもの黒のショートタイツ姿。 　1R、ともにオーソドックス構え。いつものようにガードを固めて頭を振る小見川。中村はその上に左右を突くが、ガード固めながら小見川は右の足払いロー。さらに左フックを振り、左ジャブを当てる。ジャブの刺し合いから右ロー、ジャブとこつこつと突く中村、組んだ小見川は払い腰テイクダウン！ 　しかしその際で上を取る中村はキムラクラッチからアームロック、小見川を前転させると腕十字へ！ ここは縦になり極めさせない小見川が外したところでゴング。 　2R、先に前に出る小見川は右を細かく振って中村を金網に詰めるとシングルレッグテイクダウン！　ハーフガードで金網に上体を立てる中村は再びアームロック狙い。ブレーク。 　互いに見合いから、高いガードで独特の左ジャブを突く小見川。両手を下げて左ジャブを突く中村はトリプルでこつこつ当てる。左から右で詰める小見川のダブルレッグに左で小手に巻いて前転してアームロックを狙う中村！ クラッチして凌ぐ小見川に、右で腕を抱えたまま空いた左手で鉄槌を突く。 　3R、後楽園のファンからの万雷の拍手に迎えられた小見川。左右で前に出るが、そこにすっと組んだ中村はスタンドで小見川の右手をクラッチするとアームロックで回してテイクダウン。腕十字に切り替え、ヒジを伸ばして極めた。試合後、両者は正座して挨拶。中村は小見川の手を挙げ、ハグをかわした。 　試合後、柔道衣をまとった小見川は、会場からの声に顔をくしゃくしゃにして感涙。引退セレモニーでは多くの練習仲間、関係者、道場の生徒、家族と共に引退の記念撮影を行った。 　マイクを握ると「たくさんのご来場、ありがとうございます。柔道から格闘技に転向して17年。最初は負けが続きましたがだんだん勝てて、いろんな舞台に立たせていただき、最高の経験をさせていただきました。格闘技最高でした。こうして死なずに格闘技ができたのも長年やった柔道のおかげです。これからは色んな人を柔道で幸せにしたいです。横浜の青葉台で教えていますが、たくさんの子供たちが柔道を習っています。この子供たちが、柔よく剛を制す──社会に出ても、いろんなことにめげずに立ち向かっていけるように育てていきたいと思います。柔道最高！ そして、格闘技最高！」と挨拶し、10カウントゴングを聞いた。 　最後は、オープンフィンガーグローブをマットに置き、ケージを後にした。 [nextpage] ▼第5試合 DEEPフライ級 5分3R×伊藤裕樹（ネックスイチムエ）[2R 0分35秒 TKO]〇福田龍彌（MIBURO） 　1R、ともにサウスポー構えから。右インローを突く伊藤。福田も右ロー。ジャブから詰める伊藤に、福田はすっと懐に入ると組んでボディロック。金網際で正対する伊藤も倒されずブレーク。右インローを当てる伊藤。福田も右ジャブを突いて左回り。バランスを崩した際に組む伊藤に体を入れ替える福田。 　2R、詰めてワンツーの伊藤。下がりながらもサークリングする福田は、伊藤の右を受けながらも打ち終わりにシャープな右をヒット！ 　ガクリと崩れた伊藤はすぐに立ち上がるが、そこになおも右を当てた福田に、伊藤は再びダウン。パウンドにセコンドは赤のバトンを投げるもケージにひっかかり入らなかったが、殴られる伊藤を見て福田レフェリーが間に入った。 　試合後、福田は、「京都から来ました福田龍彌です。後楽園ホール、2回目ですごいヒリヒリした緊張感伝わりましたかね。家族もいて、これで食っていけるわけでもないけど、僕は純粋にあのヒリヒリした瞬間をみんなと分かち合いたい。それが格闘技をやっている一番の理由です。全力で何かをやったことがある人にしか生めない空気だと思います。最近のご時世にはなかなかないこういうものを伝えたいので、佐伯さん、もっと試合がしたいです。よろしくお願いします」と語り、またも地元から駆け付けたファンから、そして後楽園のファンからも大きな拍手を浴びた。 [nextpage] ▼第4試合 ライト級 5分3R×川名TENCHO雄生（Y&K MMA ACADEMY/北海しゃぶしゃぶ湘南藤沢店）[2R 2分18秒 KO]〇石塚雄馬（AACC） 　1R、ともにオーソドックス構え。細かいフェイントから入る川名に右を打ち返す石塚。ワンツーに川名も左を返し、圧力をかける。川名のうち終わりに右を狙う石塚。下がりながら右ローを突く。右を当てる川名。打撃戦のみの初回に。 　2R、左ジャブをダブルで突く川名。左の蹴りで距離を取る石塚に左ジャブで前に。細かいステップのフェイントから頭を下げてテイクダウンのフェイント、さらに左インロー、その顔が近づいたところに石塚は右オーバーハンド！ 川名が真っ直ぐになって後方に倒れ、すぐにレフェリーが間に入った。 　試合後、石塚は「ボコボコにされたら辞めようと思って戦っています。まだ可能性があると思っています」と覚悟のマイクとともに北岡悟の名前を挙げてケージを後にした。 [nextpage] ▼第3試合 DEEPフライ級 5分3R×越智晴雄（パラエストラ愛媛）[判定0-3] ※28-29×3〇関原 翔（K-PLACE） 　1R、越智、関原ともにオーソドックス構え。中央を取る越智。右周りの関原は右ロー。さらに右ローに落ちはバランスを崩す。詰める越智は右を当てて組んで左で差すが、越智が左瞼から出血でドクターチェック。1分51秒で時計はストップも再開。 　詰める越智に四つで体を入れ替える関原。回そうとする越智に離れる関原。ワンツースリーと振ってシングルレッグに入る越智。左で差すも片ヒザ立ちから立つ関原。左で差して傷口に右ヒジ、右のパンチは関原。 　2R、右から左を打つ越智に、体を低く組んで小外がけテイクダウンは関原！ 背中を着かせるとインサイドからパウンド。両脇を差す越智は足を戻して立つと、前に出てきた関原にアームインギロチン！ 右の脇で絞り、左足を腰にかけて絞る越智。左足は外の関原は首を抜くと、関原と同時に立つ越智。互いに大きな右は空振りも関原は右カーフを打つ。 　3R、詰める関原は右で差して金網に押し込み。体の入れ替え合いから離れる両者。右の後ろ蹴りは関原。左の蹴りで牽制すると、かわす越智に右カーフ。さらに右を振ってニータップでテイクダウンは関原も抑え込まれずすぐに立つ越智はボディロックテイクダウン！ 金網背に座る関原に左で差して右でパンチする越智は、金網使い立って小外がけで上になろうとする関原に際で上になる越智。 　判定は右カーフ、足をからめてテイクダウンを奪った関原が3-0（29-28×3）で勝利した。 [nextpage] ▼第2試合 フェザー級　5分3R〇青井 人（BLOWS）[2R 1分36秒 TKO]×木下尚祐（和術慧舟會GODS） 　1R、ともにオーソドックス構え。組んで脇を潜りスタンドバックにつく青井は背後からヒザ。正対する木下のジャブをかわして強い右カーフキックを当てる青井！ さらにローから組んで足踏み！ 離れて右ロー、右ミドルをヒットする青井。さらに右ボディストレート。木下も左ジャブを当てて前に出るが、青井は左ハイをヒット！ ダウンした木下は立ち上がり組み付く。上下の蹴りで崩した青井のラウンドに。 　2Rもジャブの刺し合いから右を突き、右の裏拳も当てる青井。踏み込んでのワンツーの右をヒットさせると後退した木下にさらに右で崩してパウンド連打！ レフェリーが間に入った。 　試合後、マイクを握った青井は、「DEEP初参戦、コロナのなか応援してくれるファンの皆様ありがとうございます。いつかベルトを巻こうと思っているので、これからも応援よろしくお願いします」と力強く挨拶した。 [nextpage] ▼第1試合 DEEPフライ級 5分2R×ヒロヤ（トライフォース赤坂）[判定0-3] ※19-19マスト判定風我×2、18-19〇風我 フリー） 「朝倉未来1年チャレンジ」出身のヒロヤのセコンドには朝倉未来。風我のセコンドには姉の伊澤星花がつく。 　1R、ともにオーソドックス構え。遠間から出入りは風我。ヒロヤの左ミドルを掴んでテイクダウン狙い。首をがぶりヒザを打つ風我。首を抱えたまま崩してマウントを奪うとリアネイキドチョーク狙い。再びマウントに戻るもブリッジから立つヒロヤ。打ち合いで足を手繰る風我はそのまま差しあいで金網に押し込む。 　2R、早々に組んで小外がけテイクダウンは風我。ブリッジしてリバーサルするヒロヤに下からスパイダーガード＆かんぬきの風我。下から三角絞め狙い、蹴り上げから立とうとする風我を追うヒロヤはテイクダウン。下から首をがぶりアームインギロチンでスイープを狙う風我は立ち上がり。右を突くヒロヤが上を取るも風我がリバーサルしてゴング。 　判定は3-0（19-19マスト判定風我×2、19-18）で下になるも攻めた風我が接戦を勝利した。 [nextpage] ▼オープニングファイト バンタム級 5分2R ※17時45分から開始予定〇岩見 凌（KIBAマーシャルクラブ）[判定3-0] ※20-16, 20-17. 20-17×山本有人（リバーサルジム東京スタンドアウト） 　1R、ともにオーソドックス構え。ニータップで組む山本はシングルレッグで引き出し尻を着かせると両足を束ねてマウント。上半身は金網に立てている岩見は足を抜き立ち上がると右ハイ。 　ブロックする山本は再びダブルレッグテイクダウン。ハーフガードの岩見をパスする山本はマウント、亀で立とうとする岩見に背後からリアネイキドチョークを狙う。 　2R、ともに右ローから。右ストレートを当てた山本はダブルレッグテイクダウン。金網使い立つ岩見をなおもボディロックテイクダウン。そのままサイドを奪うと右で脇差しニーオンからマウント。バックマウントからリアネイキドチョーク狙い。背後からパウンドでゴング。