2022年2月19日(日本時間20日)、米国コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナにて「Bellator 274: Gracie vs. Storley」が開催された(U-NEXTにて生配信)。
Bellator 274: Gracie vs. Storley 速報
【メインイベント】
▼ウェルター級 5分5R〇ローガン・ストーレー(米国): 170.5lbs/77.33kg[判定3-0] ※48-47, 50-45, 49-46×ネイマン・グレイシー(ブラジル)170.75lbs/77.45kg
メインイベントとコ・メインはいずれもウェルター級戦。
メインでは、ヘンゾ・グレイシーの甥でウェルター級4位のネイマン・グレイシー(ブラジル)が、同級5位のローガン・ストーリー(米国)と対戦する。前日計量では、王座戦以外の1ポンドオーバー許容のウェルター級戦で、ネイマンが170.75ポンド(77.45kg)、ストーレーが170.5ポンド(77.33kg)でパス。
柔術家ネイマンは、2019年10月のウェルター級GPでローリー・マクドナルド相手にMMA初黒星。ジョン・フィッチにヒールフックで一本勝ち後、2021年4月にジェイソン・ジャクソンに判定負け、9月にマーク・レミンガーに1R TKO勝ちで再起を遂げた。
デヴィジョン1オールアメリカンレスラーのストーレーは12勝1敗で黒星は王者ヤロスラフ・アモソフ戦のみ。2021年8月の前戦ではダンテ・シーロにスプリット判定で辛勝している。
ウェルター級は、5月13日のパリ大会で、MMA26勝無敗の王者ヤロスラフ・アモソフ(ウクライナ)が、マイケル・“ヴェノム”・ペイジ(英国)の挑戦を受けることが決定しており、メインの両者はどんな試合を見せるか。
1R、ともにオーソドックス構え。ネイマンの右に右を合わせたストーレー。後ろ蹴りを見せてジャブを突くネイマン。ストーレーはワンツー。互いに右カーフ。左ジャブを当てるネイマン。しかし、ストーレーは鋭い踏み込みの右を返す。
右から左を当てるストーレー。金網に詰めるとクリンチボクシングで右を連打! ヒザを返すネイマン。ついにダブルレッグに入るが、引き落としがぶるストーレーは肩にヒザ。正対してのネイマンのガードには付き合わず立つ。
大きな右を振るストーレー。中に入ると回転の速いワンツーを当てる。左を被弾するネイマンが押し返してゴング。鼻血を流す。
2R、右カーフを当てるネイマン。続く右の蹴りをとらえるストーレーが倒すが深追いはせず。ストーレーの入りにヒザを合わせに行く。互いに右ロー。オーソで右から左の入りを被弾するネイマンだが、左ジャブを返す。
ジャブのダブルはネイマン。さらに右フック! ストーレーも詰めてアッパー! 距離を取りジャブ、ストレートフット。ストーレーの入りに右のテンカオを突く。
しかし、左を伸ばして踏み込むストーレー! 圧力をかけるとワンツー、右。しかしネイマンも右ヒザ。近づくと、そこにストーレーも右を返す。パンチの回転はストーレー。
3R、少し距離を詰め、右をかすめるネイマン。ストーレーの左右をかわして下がりながらも左ジャブ。ワンツーで押し返すネイマン。首相撲からヒザ。しかしそれをストーレーも右フックではがす。押し込むような左ジャブはストーレー。
右アッパーを当て、右ハイはネイマン。ストーレーの入りに右アッパーを突く。ストーレーの鼻血が増える。跳びヒザも見せたネイマン。距離を保つネイマンはストーレーのワンツーをかわしてジャブで前に出る。
4R、左ミドルを打つネイマン。ストーレーのパンチは空振りが増える。かわすネイマンも返しが欲しい。左ボディストレート。跳び蹴りで下がらせて、右アッパー、右フックを当てると、ネイマンはラッシュ!
ガードを固めるストーレーに詰めて連打から右ヒジ・ヒザ! ストーレーの組を切ってバックを狙うが、ここはストーレーも立ち上がり。なおも詰めるネイマンは連打。
しかし、打ち合いの中でストーレーは左をヒット! ダウン気味に引き込むネイマンは足を効かせてガードでしのぐ。ブレークでスタンド。左を当てて前に出るストーレー! しかしネイマンも右を振るとダブルレッグへ。ここはがぶるストーレーだが、手首を持つネイマンにストーレーは動かず。
5R、ストーレーの入り終わりに左右をこつこつと突くネイマン。右ハイも。ブロックするストーレーはジャブに合わせての左右の入りを繰り返す。右アッパーのフェイントを見せるネイマン。ジャブの刺し合いはネイマン。前蹴りも。右を合わせるネイマン。
左回りのネイマンに追うストーレー。ネイマンは左ジャブ。入りに右アッパー。詰めるストーレーの左右を顔を振ってかわす。ジャブのダブルのネイマン。右フックのストーレー。右ローも。左に回るネイマンは詰めるストーレーの左に金網背に右を返すと、勝利を確信したのか、アウトボクシングの逃げ切り体制に。
ともに顔を腫らせているネイマンとストーレー。組みを得意とする両者は、武器のレスリング、柔術をそれぞれディフェンスに特化。ほぼ打撃のみの展開で戦い、判定は3-0(48-47, 50-45, 49-46)でダウンを奪ったストーレーが勝利。
勝利したストーレーは「コネチカット、ありがとう。タフで疲れたけど嬉しいよ。世界でベストになりたい。タイトルマッチをしたい」と、アモソフvs.MVPが争う王座への挑戦を語った。
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【コ・メインイベント】
▼ウェルター級 5分3R〇アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)171lbs/77.56kg[1R 0分38秒 TKO] ※スピニングバックキック×チャンス・レンカウンター(米国)169.5lbs/76.88kg
コ・メインで、現UFCのチディ・ンジョクアニを1R TKOに降しているアンドレイ・コレシュコフと、元UFCのチャンス・レンカンターが対戦。
元王者のコレシュコフは、2019年10月にロレンツ・ラーキンにスプリット判定負けも、2021年2月に地元ロシアのAMCで一本勝ち、2021年8月にBellatorでサバ・ホマシに判定勝ちしている。
レンカウンターは2016年から2017年にBellatorに参戦。ジャスティン・ピーターソンに1勝1敗で、サークルケージで2勝を挙げている。2018年からUFCに参戦し2勝2敗、カイル・スチュワート、イズマイル・ナヂエフに勝利もベラル・ムハマドとライマン・グッドに敗れている。
1R、オーソドックス構えのコレシュコフ、サウスポー構えのレンカウンター。喧嘩四つの前手争いから、レンカウンターは前進して組みに。そこにコレシュコフはレバーにカウンターの後ろ蹴り!
脇腹を押さえて倒れたままのレンカウンターにコレシュコフは鉄槌。くの字になり5連打を浴び続けたレンカウンターを見て、レフェリーがようやく間に入った。38秒、TKO勝ち。
試合後、「スピンキックはトラディショナルなんだ。次は7位のポール・デイリーとロンドンで戦いたい。彼はレスリングが苦手だろ? スタンドで戦ってやる」と蹴りでKO勝ちしたコレシュコフは語った。
コレシュコフが決めたバックキック。一般的に「後ろ廻し蹴り」は、上半身を回してから、踵・あるいは足の側面から入って蹴り足を回して蹴る。
対して「後ろ蹴り」は、相手に対して尻を向けた状態で、回さずに真っすぐ足を突く。打突点は足の平、もしくは踵。特に脇腹に踵が当たるとダメージは大きく、今回のコレシュコフの蹴りは、まさしく急所を狙い撃ちした形だった。
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【メインカード】
▼ライト級 5分3R〇アダム・ピコロッティ(米国)155.5lbs/70.53kg[判定3-0] ※30-27, 29-28, 29-28×ジョージ・カラカニヤン(米国)156lbs/70.76kg
カラカニヤンは2012年大晦日のDREAMで高谷裕之にスプリット判定で勝利しているカラカニヤン。フェザー級GPでは1回線でAJ・マッキーにKO負け。ライト級に上げてサウル・ロジャースとマイルス・ジュリーに判定負けで2連敗中。36歳。
12勝4敗、33歳のピコロッティはBellatorでは8勝4敗。2019年4月にベンソン・ヘンダーソンにスプリット判定負け後、同年9月にジェイク・スミスにリアネイキドチョークで一本勝ち。2020年8月の前戦でシドニー・アウトローにスプリット判定で敗れている。
1R、ともにオーソドックス構え。右の蹴りのフェイントを見せるカラカニヤン。2発目の右の前蹴りにピコロッティはダブルレッグテイクダウン! カラカニヤンは右わきを潜るが、ハーフからピコロッティも右肩をアゴに当てて背中を着かせる。
右脇に頭を突っ込み肩固めも狙うピコロッティ。足を戻し際に、反対の左に足を抜きハーフにするピコロッティ。カラカニヤンは右で差して上体を立てるが、潰すピコロッティはカラカニヤンの下からの腕十字を潰し、かつぎパスから背中を見せたカラカニヤンのバックに。左足はかけたピコロッティは背後から左パウンドを3発でゴング。
2R、先に詰めるカラカニヤンは右ストレート! 右に回るピコロッティに、左を当てたカラカニヤンは右ローも。同じ右ローを返すピコロッティ。右は遠い。左ハイも。ブロックするピコロッティに、大きな右オーバーハンドのカラカニヤンだが空振り。
先に前蹴りを出したピコロッティ。その蹴り返しの前蹴りの打ち終わりに組み付いたピコロッティはダブルレッグテイクダウン! 立ち際にバックを奪い、リアネイキドチョーク狙い。4の字バックで背後からパウンドする。
3R、このラウンドも先に詰めるカラカニヤン。スイッチしての左ミドルも。左ジャブの刺し合いから左ミドルを当てるのはピコロッティ。続いてダブルレッグテイクダウンを決めると、パスの際で立ち上がるカラカニヤンはノーガードで前に。
スーパーマンパンチで飛び込むカラカニヤンを潜って左で差して組むピコロッティ。突き放したカラカニヤンはスタンドで首をがぶると引き込んでのギロチンチョークへ。
首を抜いたカラカニヤンは上になるとストレートフットロック。ヒザが抜けているピコロッティがスクランブルからバックテイクし、タイムアップ。判定は3-0でピコロッティが勝利。1年半ぶりに再起を果たした。
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▼175ポンド契約 5分3R〇ブレナン・ワード(米国)174.8lbs/79.28kg[2R 0分32秒 TKO] ※パウンド×ブランドン・ベル(米国)173.8lbs/78.83kg
2015年の大晦日RIZINで長谷川賢にリアネイキドチョークで一本勝ちしているワード。2017年4月の一本負けの前戦から、薬物中毒、喧嘩を止められた警官への暴行で逮捕されるなどブランクが空いた。今回は約5年ぶりの復帰戦となる。ベルは10勝10敗、3連敗中。
1R、ともにオーソドックス構えからワードはワンツー、アッパーで先に圧力。ベルも大きな左右を振ってダブルレッグも、切るワードは右アッパー! 首相撲からベルの右ヒザがローブローに。中断、再開。
前傾姿勢からジャブ、右ストレート、金網に詰めて右アッパー。たまらずダブルレッグに入るベルだが、がぶり切るワードはバックからパウンド。さらに足をかけてバックマウント、シングルバックに。
パウンドに出血のベル。身体を伸ばして背後からヒジを落とし、大出血のベル。立つもマウスピースも飛び、苦しい展開のベル。シングルレッグもそこにカウンターのヒザ蹴りはワード! 左足を抱え止まるベルに、バックを奪い、バックマウントでゴング。いつ止められてもおかしくないダメージだが…。
2R、詰めるワードが右ボディフックを効かせると、打ち下ろしの左右フック! 足を手繰ろうとしたベルを潰し、亀になって動かないベルに右のパウンドの連打! レフェリーが間に入った。
試合後、ワードは「2歳の娘のために戦った。ローラーコースターにつきあってくれた妻や娘たちに感謝したい。地獄に落ちても天国に戻ってこれることを証明できたと思う。相手はタフだったけど、俺の方が強かった。次はトップ10と戦いたい。スコット・コーカーもそういう相手を用意してくれるだろう」と語った。
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▼ヘビー級 5分3R〇デヴィオン・フランクリン(米国)262.75lbs/119.18kg[判定2-1] ※29-28, 28-29, 30-27×サッド・ソウマ(米国)243lbs/110.22kg
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【プレリミナリー】
▼ライト級 5分3R〇マンデル・ナーロ(カナダ)155.4lbs/70.48kg[2R 2分20秒 TKO] ※右ストレート→マウントからパウンド×ニック・ブラウン(米国)155.2lbs/70.39kg
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▼バンタム級 5分3R〇ジェイロン・ベイツ(米国)136lbs/61.68kg[3R 3分30秒 リアネイキドチョーク]×クリス・ディソネル(米国)135.2lbs/61.32kg
1R、ベルトを後ろ向きに腰に巻いてベイツのコーナーマンを務めるAJマッキー、そして父アントニー。サウスポー構えから入るベイツは後ろ蹴り。それを潰すディソネルだが、すぐに立つベイツ。さらに左ハイキックも、ここも距離を潰したディソネルが潰して鉄槌。下から蹴り上げで立つベイツは大内刈でテイクダウン。ここはディソネルもすぐに立つ。
その立ち際にスタンドバックにつくベイツは、背後から小外がけで崩してテイクダウン。立つディソネルのバックにつき右足をかける。足を外し正対するディソネルの立ち際に左右を当てるベイツは金網詰めて跳びヒザ!
ボディロック&小外がけテイクダウンからハーフのディソネルにパウンドを当てる。立ち上がるディソネルにスタンドバック。ヒザ裏にヒザをこつこつと突くベイツ。
2R、サウスポー構えのベイツのミドルに右を合わせるディソネル。跳びつき引き込みを狙うベイツは下になることを恐れず。つかまれた足を抜くディソネル。立つベイツは左バックフィストも。下から長いジャブを突くベイツ。ディソネルも遠い間合いに立つ。
ベイツの組みをがぶり立つディソネル。バイツはボディロックからテイクダウンも捨て身気味に。上になるディソネルだが、立ち上がるベイツがボディロックテイクダウン! 今度はバックを奪い両足をかけて左腕をアゴにかけるが、その腕を上に押して凌ぐディソネル。
3R、左インローを当てるベイツ。ディソネルの右のうち終わりに組んで右を差して崩してテイクダウンするベイツ。ハーフのディソネルはZガードもリーチあるベイツはパウンド。いったん体を離し、パウンドで飛び込む。
ディソネルはシングルレッグ、ダブルレッグから立ち上がろうとするが、がぶるベイツがバックへ。サイドバックから小手に巻き内股、その左足で二重がらみで崩すとバックへ。左腕をのど下に巻き、右手を頭後ろに回して組んで、リアネイキドチョークでタップを奪った。
コーナーのAJ同様にBellator純粋培養のベイツは、サークルケージで5戦全勝に。
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▼ライト級 5分3R〇ボビー・キング(米国)156lbs/70.76kg[1R 5分00秒 TKO] ※ドクターストップ×アビブ・ゴザリ(イスラエル)155.8lbs/70.66kg
ヘンゾ・グレイシーの黒帯ハイム・ゴサリの息子アビブ・ゴザリ(イスラエル)がライト級で出場。6勝無敗すべて1R一本勝ちのアビブは、前戦のアレクサンダー・シャブリーに判定負けするまで4連勝中だった強豪ボビー・キングを相手に連勝記録を伸ばせるか。
48歳でMMA7連勝中の父ハイム・ゴザリの連勝に並ぶか、そのサブミッションに注目だ。対するキングはプロスペクトを相手に白星を掴み、再び連勝街道に乗りたい。
1R、ともにオーソドックス構え。ゴザリはサウスポー構えにスイッチし、左ミドル。オーソに戻し、ワンツーから右ローを当てる。ドウェイン・ラドウイックから打撃指導を受けるキングは右を当てて効かせると前に。ゴザリは右をオーバーフックして引き込み! さらに三角に組んで十字へ。しかし、上から鉄槌のキングはヒジを抜く。
キングのローに尻もちを着くゴザリ。さらに左右に後退。大振りになったところに左フックを浴び、崩れるが、足を手繰るも切るキング。ゴザリは上下に打ち分け、ゴザリは金網に釘付け。
打ち返すが、キングはカウンターを合わせに行く。金網背に引き込むゴザリにキングは鉄槌かた腕十字へ! ゴザリの前転にオモプラッタを合わせるキング。ゴザリはゴングに救われる。
2Rのゴングも、ドクターチェック。応答が曖昧か。右目を腫らすゴアリ。セコンドの父のハイムも駆け寄り、話しかけるが続行は出来ず。ゴザリは両手を広げるが、ドクターストップでキングがゴザリに初黒星をつけた。
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▼女子フライ級 5分3R〇ディアナ・ベネット(米国)125.4lbs/56.88kg[判定3-0] ※30-27, 30-26, 30-26×ジャスティン・キッシュ(ロシア)125.6lbs/56.97kg
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▼ミドル級 5分3R〇ジョーダン・ニューマン(米国)185.6lbs/84.18kg[判定3-0] ※30-26, 30-27×2×コディ・ハーバート(米国)188.6lbs/85.54kg ※体重超過
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▼ライト級 5分3R〇ジャスティン・モンタルヴォ(米国)154.2lbs/69.94kg[1R 2分43秒 TKO]×コーリー・サミュエルズ(米国)155.4lbs/70.48kg
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▼フェザー級 5分3R〇アイザイア・ホキット(米国)145.8lbs/66.13kg[1R 3分59秒 リアネイキドチョーク]×セオドア・マキュカ(米国)145.2lbs/65.86kg
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▼ウェルター級 5分3R〇ジョナサン・ディロレンゾ(米国)169.8lbs/77.01kg[1R 1分07秒 ブラボーチョーク]×オーランド・メンドーサ(米国)170.6lbs/77.38kg